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東京食べ歩きの和食の原点です。 間もなく開店から7年になるとのこと。職場が近くということもあり、開店から星を獲得される前に何度も伺っていて、同僚と「ここは本当に美味しいね」と会話し、お師匠様は「大ブレイク間違いない」とおっしゃっていたことを思い出しました。 星を獲得されてからは、タイミングがあわなくなり、そうなると、最初から諦めていたりして、今回、本当に久しぶりの訪問になりました。 今更、レビューを挙げることもないくらいたくさんの方々が称賛を寄せられているお店。 カウンターは8人。土曜日のお昼でしたが、満席。奥のテーブル席も恐らく満席。3ヶ月先くらいまではお昼も夜も予約で一杯のようです。 お昼時でも、お願いすれば夜のコースをいただくことができます。15,000円のコースをいただく。 全てのお料理があまりにも素晴らしくて、唯唯、「美味しい!」という言葉しか出てきません。 今回、特に素晴らしかったのは、「越前蟹とフカヒレの真丈」。お出汁を含んだ瞬間の'口福'感で感動。真丈をいただくと蟹とフカヒレの組み合わせが絶妙な旨味。更に、真丈を崩していくと、お出汁の中に蟹とフカヒレの味が渾然一体となって、私、一瞬、宇宙にぶっ飛びました。 ・鮪の漬けとぬた わらびとうど 椎茸 ぬたの上品なこと 。「全てを一口で食べてみてください」と山本さん。ほんとですね。いきなり沁みます。 ・宍道湖の白魚の天ぷら 自家製のからすみを削りかけて。塩分調整ができるのでからすみは自家製ですとのこと。白魚がとてもふっくらとしていて、からすみの塩梅とベストマッチ。 ・越前蟹とフカヒレの真丈 「これは凄い。組み合わせと出汁が!あああ~。」と思わず漏れた私の吐露を「ありがとうございます」と山本さんに拾ってもらいました。 ・ふくの刺身 鮟肝とぽん酢 鮟肝、ぽん酢、鮟肝を溶かしたぽん酢と色々な食べ方をしていたら、お刺身を1枚 ひょいっとお皿に足していただきました。てへへ。嬉しい❗ ・鹿児島県の竹の子と飛騨牛の焼き物 まだ福岡は出て来てないそうです。この時期の竹の子らしい清廉な味わいですね、などと山本さんとお話しながら、しゃきしゃきと。肉の焼きも旨味ジュワワです。 ・ふくのから揚げ 骨までしゃぶり尽くしました。このから揚げ粉って何なんだろう? ・青首鴨の治部煮 むね肉とつみれ。とても歯応えと旨味のあるつみれ。もも肉を叩いて内臓も加えたとのこと。これも出汁との一体感が素敵。 ・竹の子とたらこの炊き込みご飯 炊き込みご飯に向いている粘りの強いお米2種類をブレンド。たらこの唐辛子が効いていて、3杯もお代わりしてしまいました。竹の子ご飯、大好きです。山本さん自らがご飯をよそってくださるのだけど、その所作とよそわれたご飯の形が美しい。まさに、「ご飯を装う(よそう)」とはこういうことを言うんだなあ、と感心しながら見入ってしまいました。 ・イチゴのプリン デザートまでとても仕事のなされた逸品。 山本さんの穏やかな佇まいやお話のされ方が、絶賛のお料理とともに、幸せな時間を醸し出す。本当に素敵なお店です。
2018/02訪問
3回
北欧料理って何か分からないまま、白金台からプラチナ通りを恵比須方面に下りきるちょっと手前までてくてく歩く。地下に降りると、8人掛けのカウンターと4~6人のテーブルがひとつのコンパクトな作り。カウンターの椅子がとても座り心地がよくて。これはやはり北欧か! いきなりカウンターに座って、辻村シェフに「北欧料理って初めてなのですが、どんな特徴があるんですか?」と単刀直入に質問。 「そもそもはフレンチの田舎料理。バターもこんなにたくさん使っていた。ある料理人(名前忘れました。)が医者になって、栄養学とか学び、ヘルシーなオーガニックな素材の味を大切にしたノルディックを生み出した。有名な話しなんですが、なんとかさん(すみませんこの人の名前も忘れました)が日本のローカルなゲテモノ食材を知って、北欧でも蟻を食べるようになった」などなど、丁寧に教えていただきました。 で、こちらは日本の素材を使った北欧料理。素材を求めて、素材を確認しに、自ら日本全国に飛んで行くそう。「フレンチの技法を使っても日本の食材を使うことで、和食のような料理に落ち着くんですよね」とおっしゃるように、和食の趣が感じられるお皿もいくつか。店名に添えられた'nordic&japanese cuisine'の通りの自然を慈しむ北欧と和の心が表現されたお料理を楽しみました。 ・ライ麦のプレッツェルと蕪 プレッツェルの塩気と蕪のディップのさわやかさ。 ・カリフラワー 卵 からすみ 香茸 淡水海苔 カリフラワーの淡さに濃厚な卵。更に海苔がとても効いている。 ・ライ麦パンとハチミツバター パンは最初に生地の段階でこれから焼きますと見せていただく。爽やか系のスパイスが効いたパンにハチミツバターがとてもマッチして、美味しい。 ・香箱蟹 蟹のビスク バーニングラブ 「バーニングラブとは素敵な名前ですね」とお聴きすると、とても古くからある料理とのこと。マッシュポテトです。蟹、ビスク、ポテト、各々がとても立っているのだけど、蟹のビスクにバーニングラブを溶かし込むと。ふふふ、です。 ・つぶ貝 もずくとタピオカの粉と海老で作った煎餅 もずくがフレンチではない食材ですね。お煎餅も海老の香り味わい豊です。和食の口休めっぽい。 ・鶏のハートフィル包み焼き ハートフィル?が何の生地かよくわからなかったけど、中に煮込んだ鶏とカシューナッツのカリカリがところどころに。デンマークの3種のチーズを溶かしたソースは、いいね!鶏とチーズの組み合わせ。 ・シグニチャー 鳥の巣にちょこんとのせられた卵。フォアグラの周りにフランボワーズ。更にホワイトチョコで卵の殻。料理の間に入るチョコ、面白い。もうひとつが、コロネの中に豚のレバー、上に鹿肉の粒コンソメトリュフ。こちらも御菓子みたいで楽しい。 ・鮟鱇のイカスミ 春菊と鯛のフュメに後からバターソースをかけて イカスミを纏って唐揚げにされた鮟鱇。淡白な鮟鱇がイカスミと春菊、鯛、バターのソースで旨味際立って。庭の置石をイメージした盛り付けが可愛く、鮟鱇石の下に礎のように置かれている百合根のピューレも美味しい。 私的には本日のベストディッシュ。 ・月ノ輪熊の赤身煮込み ゴボウ 大麦のリゾット ペコロスに熊のプロシュート 滋賀県のドングリくんで育った熊の赤身を数日間火を見ながら煮込んで、更に、ゴボウが加わったことで、とても柔らかく味わい豊か。そのジュを吸い込んだリゾットも素敵。 ・散らし寿司 ノルディックだとオープンサンドになるそう。 鯛のマリネを数日間熟成。ニシンのワインビネガーとスパイスでピクルス。ワサビのムース、赤酢のシャリ、穴子、いくら、エディブルフラワーで華やかに可愛らしく。 少し、熟成が酢の苦味を出していたので、タイミングが難しそうです。 ・鯛と穴子のフュメ 沁みた~。「あああ~。」な吐露に、辻村さんが「沁みますか。ふふ。」 とても辛いネギがアクセント。最後に散らし寿司とお椀という構成が和食。 ・デセール 岡山吉田牧場のmilkを使ったアイスクリームとあまおう。黒い粒は甘草。緊張緩和と甘さの追加ということでしょうか。最後に漢方まで! ・ミニャルディーズ エッグタルト、チョコ、くるみのキャラメレーゼ ハーブティーをいただく頃には私独りになったので、いろいろとお話をさせていただきました。 エッグ=卵の意味。最初はあまり意識はしてなかったけど、だんだんと卵形のお皿も集まるやうになったそう。 毎日の仕入れ素材に合わせてメニューが降りてくる。 常に進歩したい、止まらない、という明確な姿勢。 辻村シェフ、素敵です。
2018/02訪問
1回
前回、「必ず蟹を食べに来たいです」と宣言した通り、蟹をいただきに来ました! ビルの上階に生け簀があって、この季節、夜は、生け簀から取り出した蟹を豪快に捌くところも目の前で見られるそうです。 お昼、通常10,000円が、蟹シーズンは15,000円。 日本海から直送の、植村さん曰く「松葉蟹(せいこ蟹)のメス。松葉せいこちゃん」(=松田聖子さんのもじりで、ドカンとウケを狙ったかな。。)を堪能しました。 ☆先付 茶碗蒸しに筋子を乗せて。茶碗蒸しの甘味と筋子の塩味。食欲増進。 ☆お椀 松葉蟹真丈。 赤い金時人参と緑のうぐいす菜が白味噌仕立てに映えて、お椀もルミナリエの蒔絵なので、色彩がクリスマスです♪ そのままのお出汁で。 真丈をほどいて。 中に詰まったカニ味噌を溶いて。 白味噌との相性抜群の蟹三段活用で美味しかったあ。口に含む度に「あぁ~」「あぁ~」って何度も吐露してしまう。 ☆さわら 藁焼きでたたきにして漬け。 すりつぶしたネギと和辛子で。 定番の逸品。 ☆蟹 植村さん曰く、この状態に身が詰まった蟹が植むらさん仕入れの漁港では水揚げされるそうです。そんなわけないですが(笑)、一本一本丁寧にとても手間をかけられています。 クリスタルドームの中で、キラキラと私を誘う松葉せいこ。少し、時間をかけて目の前に置かれています。 もう待てない!たまらん!口中あわあわ!って感じで、待っている間に頭くらくら。 ふっくらとした脚身の下にほぐした身が詰まって。ほぐし身の合間に、乳酸発酵させた蕪が混ぜてあり、食感の楽しさとともに、カニ身の甘い水分と少し渇いた乳酸の味が口の中で劇的反応。 美味しい~。 外子盛り盛り。内子もしっかりと。 蟹を食べている間は、剥き身の作業はないのに、店内、超~静かでした。 「美味しい」が店内に漂った。 ☆箸洗い 菊菜と菊花のおひたし。 箸だけでなく、蟹味でいっぱいのお口の中もさっぱり。 ☆焼き物 氷見の寒ブリの照り焼き。 ぶりの脂ってどうしてこんなに美味しいのでしょう。それものりのりの氷見寒ブリ。 甘さ控えめの栗のすりおろしをたっぷりとかけて、こちらも、潤と乾の食感の楽しさ。 目の前ですりおろされる栗の匂いが立ち込めて、此方は本当に心を待たせるのが上手い!! ☆お口直し 蔓海蘊。またもや、すっきり。 ☆揚げ物 此方の揚げ物は本当に楽しい。 海老いものフライドポテトです! 銀杏、生姜、芽ねぎ、もって菊(山形の食用菊の最高峰)を合わせた蟹餡掛け。 ☆ご飯 土鍋白ご飯です。 ☆甘味 シャインマスカット大福。 ☆いつものお出汁のお茶 やはり、このお店、只者ではありません。 「今日も食べていただきたいものがいっぱいあります!」と、植村さんのとても自信に満ちた元気なご挨拶で始まり。最初からとても気持ちがいい。 全てのお料理の説明も植村さんがなさいます。これが一斉スタートのお客側の利点なのかな。 お昼は12時一斉スタート。11席のカウンターは満席。お一人様は私を含めて3人でした。 カウンター前で焼きも炊きも盛り付けも見ることができます。私は植村さんが盛り付けをされる目の前だったので、超ラッキーでした。 ちなみに、夜も18時と20時50分の二部制の一斉始まりとのこと。 全体にかなりくっきりとしたお味。蟹の季節になると更にくっきり感が増すのではないかと思います。 とても楽しくて美味しくて、是非、夜もいただきたいと思ってしまいました。 また、お隣のお一人様のお二人が最近も来られた方のようで、お料理が重ならないように少しずつ食材を変えられていて、お料理の説明の後にお二人にだけ静かに追加の説明をされていました。そんなお客様目線のお気遣いも素敵でした。 ☆先付 「モロヘイヤのすりながし、汲み上げ湯葉、毛蟹、荏胡麻、花紫蘇、大葉」 ねばねば系、涼し系で夏の一皿目にぴったり。モロヘイヤと汲み上げ湯葉と毛蟹の組み合わせが美味しく、そこに荏胡麻、紫蘇、大葉の清涼感。 ☆お椀 「のどぐろ 焼茄子 叩きオクラ 梅肉 柚子の香り」 先付の前にお椀に出汁が注がれていて、のどぐろに焼きの火が入いるまでかなり長い時間置かれていたので、あれれ?と思っていたのですが、なんと、最初の出汁は香り付けだけ(?)のためだったようです。空にしたお椀にのどぐろ、焼茄子、オクラ、梅肉を盛り付けて、その後、新たな出汁が注がれます。なんと贅沢! 出来上がりの蓋をしたお椀に霧吹き。ふふふ。 出汁はとてもくっきりとしたお味。炭火でちょうどいい感じに油が残ったのどぐろの口どけと甘味。ふくよかな焼茄子の香りと歯応え。ふわりと香った柚子の後に梅肉の酸味が効いて、美味しい。 ☆淡路島のさわらのたたき 藁焼きで香り付けの後に、軽い漬けにしてあります。右がすりつぶした葱、左が本和辛子(?)。 口に入れて噛んだ瞬間の旨味伝達速度がマッハ級! お隣のお一人様から「堪らないですね」と声が漏れてましたが、本当に同感でした。 ☆小芋、蛸、金時草 小芋はさっと蒸し上げて出汁に漬け込んであります。蛸は煮浸し。金時草はお浸し。香りの強い茶豆を剥き枝豆にして、上から赤紫蘇の穂先を散らす。柚子の香り。小芋や蛸に味が沁みて、しみじみ。 ☆剣先烏賊の糸造り、鱒こ、赤酢飯 目の前で出来上がって行く過程に魅せられて、早く食べたいと思っていたためか、器の写真は撮りながら肝心のお料理の写真を撮り忘れてしまった。(T_T) いくらにしては少し小振りで明るい色だなと思っていたら、鱒の子でした。混ぜ混ぜして食べると烏賊の甘味と鱒このプチプチとが楽しい。 ☆天竜川の若鮎 先付の前に、丸いお鉢の中で泳いでいる鮎を見せていただき、お料理が進む間に、目の前で50分かけて炭火で焼き上げられたもの。「銀座奥田」と同じ焼き方で、頭、胴体、尻尾の3部分の火の通し方も同じ。食感のグラデーションが楽しい。東京まで行かなくても良くなりました(笑)。 写真の通り、お弟子さんが「鮎、焼いてます。」が、この団扇の文字が徐々に変わりますので、ご注意(笑)。 付け合わせに青い江戸切り子の器に盛られた、蔓もずく。これがとても素晴らしい鮎のソースになっていました。 ☆淡路島の鱧カツ、三度豆の揚げ、トリュフかけ 写真はトリュフしか見えませんね(>_<)。ごめんなさい。でも、目の前でトリュフが削られていくのは、少し感動的な凄さでした!堪らない香り。 このお皿は関西でしかないよなあ。途中で手渡しで配られる「幸せの銀杏」の串揚げも含めて。 お料理の下に隠れているカツソースも何気に料理屋仕様と言う感じですが、トリュフ以外は完全に串揚げの感覚ですね。 ☆食事前食事 植村さんが香川県のご出身だそうで、香川県といえば大好きな讃岐うどん。「日の出製麺所」の植村さん特別仕様麺。豆乳スープの鰹節風味の担々麺風。もっと食べた~い。 ☆秋刀魚ご飯 植村さんのご飯の装い方に、「晴山」の山本さんのご飯の装い方を思い出してしまいました。とても上品で美しい三角。 大きな土鍋で炊き上がったご飯が目の前でほぐされる。ぶわっと熱い匂いが。たまらんっす。 年間を通すと白飯が多いそうです。こちらの白飯も食べてみたい。 ☆デザート 杏仁豆腐。てんぐさの寒天。秋田の蓴菜。長野パープル。クコの実。無花果のお汁粉をかけて。 ☆最後のお茶に隠し味あり。気づいた方だけのお楽しみですね。 お昼は10,000円。夜は20,000円。但し、11月中旬から「せこ蟹」が入ると5,000円ずつアップするそうです。 必ず、蟹を食べに来たいです!
2018/12訪問
2回
アサドールと聞いていたので、アルゼンチンとチリの国境の町で食べた「お肉まるごと、ジュウジュウ、焼きまくり、ナイフで削って食べちゃうぞ」みたいな豪快な料理かと思っていました。良い意味で裏切られました。 非常に繊細な火の入りかたを感じるお料理です。 また、お店の作りが素敵です。外観はシンプルな箱みたい。中に入ってテーブル奥の椅子に座ると目の前は流線形の壁。イタリア語の讃美歌が静かに流れ、壁にキリスト像も。外国の山教会の神父の住居にいるような感覚になります。人間の根源を感じるような神聖な雰囲気。 そもそも、薪で焼くという料理法は人間の原初の料理法だったんだろうなと思います。 最後のアイスクリームまで、薪で燻してしまうくらい、全てのお料理を薪で焼いていますが、脊髄からの記憶を呼び覚ます雰囲気の場所と音楽と焼きでした。 ☆自家製のパンと自家製のバター。トリュフかけ。 バターは水牛の生クリームで作られていて、少し燻してあります。このバターがとても美味しい。 ☆千葉の落花生 塩ゆでして、焼いてあります。 ふわりと焼の香りがしつつ、殻の中はしんなりとしたピーナッツにゆで塩がほんのり効いています。 ☆加茂茄子と雲丹 丸焼きにした加茂茄子に天草の雲丹をそのままのせてあります。焼茄子の甘味と雲丹の風味が絶妙。 ☆白ばい貝 兵庫県津居山産。 こりこりとした歯応えで、噛み締める度に旨味が出て来ます。 ☆鱈の白子 白子をもうこの時期に食べられます! 白いんげん豆のソースと絡めるととても濃厚。 ☆秋刀魚 この火入れ加減は素晴らしい。皮と皮から数ミリと中身の焼のグラデーション! パリパリの外側とお刺身のような生感覚の中身。 秋刀魚の内臓を混ぜ込んだリゾットは少し苦味がえぐみになっていて加えてある赤ワインが少し重い。 ☆ムール貝 モン・サン・ミシェルのムール貝。 水を加えず薪釜で蒸し焼きにすることでムール貝のエキスが溢れ出る。潮の風味が強いので、下に敷いてある焼ナスのピューレと混ぜていただくことで、程よい塩梅になります。 ☆鰻 琵琶湖の大鰻。 非常にシンプルな白焼き。皮のカリカリの力強さと身のふわふわのアンビバレンツ感。 ☆のどぐろ この火入れも絶妙。 余分な油を落とした身の特に真ん中部分のレア加減は半端なく美味しい。秋刀魚とは違う火の入り方。 2キロの津居山産の、のどぐろ。 骨出汁にくぐらせた大根おろしと葱は薄塩風味ですっきり。 ☆ほろほろ鳥 仏産ほろほろ鳥。大きなポルチーニ茸も焼いてあります。鳥皮と身を一緒に食べると旨味ましましです。 ☆ミント茶 ☆黒無花果 佐渡島?何も足さずにシャーベット。 ☆バニラアイスクリーム 薪で燻して 全体を通して思ったのは、 ・焼いてあるという感覚と塩味が舌の奥から喉の入口に必ず残ること。それが「いいな」と思うときと「残るなあ」と思うときと両方あり。 ・薪焼きによる火入れが絶妙で入れ方の幅が広くて面白い。 ・素材が良いので、焼きだけでも成立する。逆に言うと、味のバリエーションが限定されるように感じる。仕入れや素材を寝かせる期間でメニューが毎日少し変わるとのことなので、やはり素材へのこだわりはかなりのもの。 素材の味をストレートに味わいたいときに、とてもいいお店だと思います。 あっそうそう。昼と夜、同じメニューというのも潔い。16,500円(税サ抜き)。 料理しているところが見れるシェフ'sテーブルでいただくのはなかなか難しそうです。
2018/09訪問
1回
人間って本当に興味深い! ハムを芸術的に美しく薄く美味しくカットするためだけに、こんなに大げさなマシンを作ってしまうのだから。でも、色といいデザインといい、カッコいい!機能美と遊びっ気の融合。まさにイタリアンでしょっ! ・こんなマシンをイタリアパルマにオーダーし、 ・運ばれてくるまで9ヶ月も心待ちにされ、 ・岐阜の多田さんのペルシューを仕入れて、 ・食べてもらう直前にくるくるとハンドルを回してカットする、 のは、やはり、オーナーシェフの浅井努=Tomさんの好奇心=Curiosaが為せる技なんでしょうね。 お店の名前通りの「好奇心」という書がカウンター横の壁に飾ってあります。 背の高いカウンターは4人、4人テーブルが2つのこじんまりとしたお店。カウンターからはTomさんと女性シェフさんのお料理の様子が楽しめます。 とても美味しくて居心地がよく何度も食したいイタリアンが見つかりました。 15,000円(税込)のコースのみ。1.5~2ヶ月でメニューは変わるそう。素材の移り変わりに合わせて、のようです。 ☆甘鯛のフリット サラダ仕立て いきなり美味しい!甘鯛がとても柔らかくて、フリットにした温かみと甘味がじんわりと感じられます。少し酸味を感じられるパプリカとトマトのソースも温かみと甘味を引き立てる。で、上に盛られたサラダのドレッシングがとても上品で爽やか。 茄子の形のお皿も可愛い。 ☆パン 長芋を練り込んだもの。バケットとか3種提供されましたが、すぐそばの「シュクレクレール」さんのパンのようです。 ☆プチパンケーキ 安納芋のパンケーキ。上に溶かしたマスカルポーネ、更にキャビアが盛り盛り。 安納芋の甘味、マスカルポーネの甘酸っぱさ、キャビアの塩味の絶妙な味のトリオ。 パンケーキの柔らかさとマスカルポーネのなめらかさとキャビアのプチプチの食感のトリオ。 これ、好きです。 ☆冷製パスタ カッペリーニ。 細かく刻んでコンソメで煮込んだ茄子のソースに雲丹を合わせてあります。 先ずは、スダチの香り。 茄子の甘味を含んだコンソメの清んだ旨味。 雲丹を溶かし込んでいくと、細いカッペリーニに絡む絡む。 ☆ペルシュー 溶ける~~。ハムが溶ける~~。 溶けて美味しい~~。 きっと塩漬けの入れ方と出し方が凄いんだろうなと思わせる「旨甘しょっぱい」塩加減。 幸せですね。こんなペルシューがいただけるのは。 周りのお楽しみの品々と一緒にいただくのも、カップリングの妙! ・黒いちじく。皮ごといただきました。 ・ブラータチーズ。南イタリアのフレッシュ~~。 ・野生種のルッコラ。 ・サラミ。 ・桃のピクルス。 ・揚げパン。ペルシューが蕩ける~~。 ・ジャガイモのニョッキ。 ・ゆで卵。 ☆オマールのリゾット 炭火焼きのオマール。じゅわっとお汁が出てくる。お汁を逃したくない!お行儀悪くても、殻を手で持って、ちゅうちゅう。 ぷりぷりの身にトマトソースやパセリとレモンのソース、どちらも合う合う。 オマールのお出汁が滲みたリゾット。ふへっ。 美味しくて、全身の力、抜けた。 ☆鴨 京都の鴨と普通の椎茸の3倍も旨味成分があると言われている天恵姑(てんけいこ。「こ」の字は草冠が必要ですが変換できません。ごめんなさい。)を炭火焼き。 トリュフの香り。鴨と椎茸のどストレートな旨味。堪りませんね♪ ☆パスタ 〆のパスタは手打ちのもちもちの幅広細麺。秋刀魚の苦味も活かしながらオリーブオイルたっぷり。下仁田ネギとカラスミの香りと味もあるからなのか、日本の出汁の味わいが感じられます。量はリクエストができます。少し多目でお願いしましたが、もちもち麺で食べ応えはあるものの、しっかり最後まで味わい深い。 ☆ドルチェ ・葡萄のシャーベット ・ピスタチオのパンナコッタ(定番だそう)。焼きプリンみたい。 ☆エスプレッソ エスプレッソマシンで本格的に。 北新地の雑居ビルの2階。ANAホテルと新ダイビルの間の筋を大阪駅側に入っていったところ。通りすぎても、ビリケンさんを見つけたら振り返って2階辺りを見ると赤色の店名灯が見つかります。 ミシュラン一つ星のお祝い花束で隠れてしまったお店の玄関の写真が撮れず。次回ですね。
2018/11訪問
1回
空気が変わった! ほたてを揚げるときの、凄まじいばかりの若大将の集中。それまでと明らかに違う"気"が、カウンターのあちら側でピーンと張りつめて、カウンター越しに刺してくる。息を飲んで見入ってしまう。 他の素材よりも、少し長く揚げられるので、緊張感は、はち切れそうだ。 鍋から出してまな板に置かれ、半分に包丁を入れ、切り口を確認した瞬間、やっと若大将の"気"もふわっと緩み、私も"気"の呪縛から解放され、ふうぅ、と息をつく。 切り口を見せて私の目の前に置かれたほたては、弾力を帯びた外衣とそこに包まれた中のクリームのような貝肉がまさに蕩け出さんばかりのレアな仕上がりで、さくっ、パチン、ふにゅふにゅるん、とした歯触りに、思わず、目を閉じてしまった。 美味しすぎる!!! 一気に揚げるほたて全てを、中とろレアに仕上げるための、集中力。 鍋の前に並んで、若大将を優しく見守る料理長の深町さん。 カウンター12席、テーブル2卓。半分くらいが、外国人。女性のお一人様が二人。満席です。店を出る時には、2回転目の人達がお待ちでした。昼も夜も2回転だそうです。 コースは店内でオーダー。お昼は3コースとアラカルト。〆と雲丹の天ぷらがあるNo.3の13,000円にしました。追加の蛤が1,500円。 天つゆ、塩、レモン、大根おろしがセットされ、天ぷら毎に、どれかをお薦めされます。お薦めを括弧書きで記します。 私は、まず、そのままでいただき、お薦めを。大根おろしは天つゆに少し使い、口直しに、次の一品をいただく前に、そのまま、食べてました。 ☆車海老の脚(塩) ☆車海老(奄美大島、塩) ☆車海老(二本目はレモン、塩) 脚のぽりぽりといい、車海老の中のしっとり感といい、天ぷらの海老、間違いないですね♪ ☆タラの芽(塩) 全ての食材の揚げるところを目の前で見ていましたが、タラの芽だけが、他の食材とは違う衣の纏わせ方。食事の後で、お聞きすると、食材の表面粗度の違いや緑色を鮮やかに魅せるためとのこと。 なるほどね~。楽しい! ☆蕗の薹(天つゆ) やはり、春のほろ苦味を感じさせてもらえる食材。 好きだなあ。 ☆鱚(塩、レモン) 鱚は子供のころ、親父と魚釣りに行き、天ぷらやフライにして食べていた大好きな魚。 出来立てのほくほく感と白身のさらさら感と。 ☆筍(鹿児島、塩、レモン) この時期になると、鹿児島産はもう甘いですね♪ ☆生雲丹(塩) えっ、もう、メイン?!と思ってしまった、本日のお楽しみが登場。 写真では見えませんが、雲丹たっぷり二段重ねなのです。うううう、と声も出せずに口の中で溶けていく雲丹に身も心も溺れていたら、隣の女性お一人様が「いや~、雲丹、美っ味しい~」と発した言葉に「堪らないですよね」と思わずつぶやき返してしまいました。 北方四島の馬糞雲丹。隣のお姉様の「紫雲丹のほうが美味しいのかと思ってたわ」に、若大将が「馬糞雲丹のほうが天ぷら向きなんですよ。紫雲丹は天ぷらにすると甘味が飛んでしまうんです」と優しく微笑みながら。 ここで、鍋の油を全部取り替えられていました。 ☆空豆(塩) 雲丹とほたての間に、ほこほこの食感。 ☆ほたて 切り口の美しさに見とれて、塩とかなんとか聞き逃しました。でも、何もつけなくていいです。 ほたての甘味と旨味に惚れ惚れ~♥️ ☆アスパラガス しゃきしゃき。 ☆穴子(塩) さっくりとあっさり、でも、旨味深し。 ☆蛤 深町さんが蛤に包丁を入れ、海苔を巻かれます。 カウンターのあちら側で、アラカルトオーダーされていたお客様の海苔巻き状態を見て、我慢できずに追加オーダー。 もう、そろそろ終わる蛤。 最初に海苔の風味にくすぐられ、蛤の深みのある旨味が押し寄せる。風味絶佳。 ☆天茶 海老のかき揚げに、お出汁の効いた煎茶。 するするとはいります。 お漬物も美味しい。 ☆林檎のアイス 青森のジェラート屋さんから。 天ぷらって何だろう?と伺う前から、食事中も思いつつ、いただいていたのですが、食事の後、若大将とお話ししている中で、しっくりとくるお答えがありました。 「蒸しに近い揚げ方をしていますね。衣で素材を包んでしまうと、素材は油に接していないし、衣の中は100度以上にもならないですしね。そうですね、うちは、蒸しの感覚でやってます。」 胃も、本当に軽くて、天ぷら、恐るべし!
2019/03訪問
1回
【イノベーション:スペインの中にある和食】
2019/10訪問
2回
もっと早くお伺いしておけばよかった。 どのお皿も私好み。世界観が広がった。 カウンターだったので、本多シェフ自らからサーブも説明もしていただける。目の前に焼き場があり、火入れのカウントも、本多シェフの包丁さばきや盛り付けもじっくり見れる。 またしても、もの知らぬ私は、恥ずかしながら「スペイン料理とは?」なんてアホな質問。本多シェフの回答がとんでもないところからかえってきた❗ 俯瞰して見た和食から欧州料理との比較。宗教的歴史からの豚肉の多用。面白かった。勉強になりました。 楽しくて、美味しくて、幸せな時間でした。 ・米煎餅とオリーブオイルパン オリーブオイルが口中にぱーんと広がりました。 ・3種のタパス 蛤の冷製エスカベシュ、自家製チョリソ、バカラオ=タラのコロッケ? ・ホタテ貝のモンタディート モホソース バゲットではなくパイ生地にほたて。カナリア諸島原産ソース。そして胡麻の葉。スペイン料理としてはよくあるものとのことでしたが、初体験だった。美味しいぃ~! ・ペドロヒメネス香るフォアグラと白アスパラ フォアグラ見えませんね、写真。アスパラガスの下に隠れてます。本多シェフがフォアグラと白アスパラガスの組み合わせをお薦め。ホントに!こんなに後味のよいフォアグラははじめてかも。フォアグラはパテでしたが、ソリッドだったらどうだろう?とか妄想するほど、ずっと口の中にフォアグラ~アスパラ~フォアグラ~アスパラの味が寄せては返してました。 ・スナップエンドウ豆の軽い煮込み 甘エビとブテイファラネグラ スナップエンドウはぷちぷち感を出すためにわざと小さい粒々を選んで。その贅沢さね。煮込んで出たスープにオリーブオイルを加えたソース。甘エビで甘く、豚の内蔵コロコロで塩味。 ・軽く燻したキャビアのラビオリ 燻製の鍋から煙モクモク。ぶどうの木で燻して。 大根で巻いたブロッコリーソースのラビオリ。 燻したキャビア、凄いなあ。ブロッコリーソースにキャビアを浮かべて、また、凄いなあ。さらにラビオリとの三重奏で、凄いなあ。トリプル凄いなあ!でした。 ・アンコウのフリットとニョラのスープ 淡泊なので豚の背脂を巻いてフリットされているのだけど、旨すぎる。 赤ピーマンのソーススープをかけると味変化。 ・秋田県岩波ポークのロースト ビストとイディアサバルチーズ 出荷前に塩を食べさせて水分を抜いた豚の上に野菜の粒々ビスト。豚肉の甘み、大好き。ビストがのせられて面白い、スペインでは普通らしいが。袋茸と玉ねぎのローストにチーズでサラダ。 ・3種のチーズとその付け合せ 山羊、羊、牛の3種のチーズ。それぞれにチーズのくせを活かしてくれる付け合わせが添えられているのだけど、いやはや、まいりました。素敵。 ・シャーベットとマシュマロな宇和島産ブラッドオレンジブラッドオレンジとビーツと紫蘇。合うんだ、これが。 ・はちみつの軽いメレンゲ ローズマリーのアイス こらこら、デザートで「ジェンガ」しますか?楽しい ・自家製チョコレート カカオから自家製で作られるというチョコの5連発。これまた、楽しい ・ハーブティ 季節を換えて何度でも通いたいなあ。
2018/03訪問
1回
まもなく台風が来そうだという雨の日に、とんかつNo.1と評価の 成蔵 さんへ。 高田馬場の駅から1分。お店は地下ですが、近くに来ると行列ができているので、直ぐにわかります。 11時開店。 10:05に到着しましたが、既に、この雨の中に20人程の行列。2人以上では全員が揃っていないと列に並べません。3組前の女性2人は後から来た2人に合わせて列の後ろに並び直していました。開店時には、列の最後尾は全く見えず。何人並んでいるのやら。 地下への階段まで進むと、メニューを渡されオーダーを取ってくれます。階段まで脂の匂いが立ち上ってきて、お腹ぺこぺこ。通常メニューにある 霜降高原豚 にしようかと思って来たのだけど、今日は 不定期でしか入らない 煌麦(きさらぎ)豚と雪室熟成豚があるとのことで、レアメニューを選択です。 雪室熟成豚のシャ豚ブリアン3ヶ(200g) 3,900円。 1時間40分並びましたが、事前にオーダーを取ってくれたので、座ると1分でいただけました。 おったまげました!! 生涯最高のとんかつ! 東南アジアのお土産で買って来そうなモワモワ付きの白チョコレートのデカイ塊が3個!山盛りキャベツの横に鎮座したお皿がでて来たあ~。 衣の柔らかいこと!メラメラと萌えてます。 二つにカットされた断面をすかさず見ると、おおっ、ピンク色に近いヌラヌラとした赤身がぁ~! サクッ、じゅわ。噛めば噛む程、旨味が増してくる。思わず目を閉じて噛みしめる幸せな熟成。 一個目から三個目までの時間の経過で、肉の旨味は変わりませんが、甘味から塩味に変わるように感じました。 ご飯も美味しくてお代わり。豚汁もお代わり。本当はとんかつもお代わりしたかった~。 また、来ます。
2017/10訪問
1回
【ずっと「定点」したいレフェルベソンスの蕪】