名古屋のともしび系カレー。 : Kare Yuki

好きな人にはたまらないお店だと思う。
私は、たまらなかった。

店は「名古屋の倍賞千恵子」といった雰囲気のお母さんのステージ。お客さん一人一人を元気付け、笑わせ、気を配り、喝を入れ、そしてカツを揚げる。

特盛カツカレーの盛々。メニュー表が不鮮明で値段は不明。ただ内容からすると超激安。ご飯が500gくらいあるのだが、途中でお母さんがカレールーを追加でかけてくれるのだ。「ご飯ばっかり食べちゃダメでしょ」を、光浦さんや河村さんのイントネーションで。「男はみんなマザコン」らしいが、私を含め店内客達は皆、お母さんの胸に飛び込みたいのを我慢して、カレーと大量の米に情熱を傾ける。

カレーは市販品の甘口程度の甘さで粘度もあり、かなり食べやすい。うす味だが、おかわりルーによってちょうど良いバランスになる。嬉しいのは牛すじが大量なこと。5ミリ角の塊とコンビーフ状になったもの両方がたくさん入っており、その分だけ歯応えもコクもある。

サラダは無料とは思えないもので、千切りキャベツにベーコン、きゅうり、トマトが乗る。

「同僚がおいしいって言っていたもので……」というキャラを装っていたのだが、おでこに貼ったレゴランドのシールで観光客であることはバレていただろう。なのに常連さんと分け隔てなく、それでいて少しだけ親切に接してくださったお母さんにありがとうございましたと言いたいです。

「この店をいい空気にしたい」感が溢れる常連さんも素敵でした。そのさりげない優しさは、収録で吉田類の隣に座ってる人にも負けません。

「この店好きかも」って思った方は、確実に好きになるお店です。そういう方に、心から、おすすめします。