なんて敬語が気もち良いことか : Chiyomusume

されど５年 なれど５年ぶりに会う人とはどんな心境なのだろう
ドキドキうぶな気持ちも楽しんで

ひさしぶりに再会させていただいた地元マイレビ様
出会いのきっかけである千代娘もまた５年ぶりである。

まだ４回目であって、初訪問ではないにしろ
慣れ親しんだ感は、変わらずな打ち水されたお店前を踏みしめた時に実感

娘さんとお父さんの変わらずなお姿に癒されたり
お手伝いの女性さん増えたのだなと

昔ながらの酒の味 キュッと辛口
浜松の千代娘のお燗をギュッと飲みほす。

タメ口でお喋りできる仲間も大事ながら
マイレビ様との敬語で接しられることもまた心地よい

好みだなぁ

娘さんの手作り ポテサラのなんてうまいことか。

私のお酒の師匠であり千代娘を教えてくれた張本人
太田和彦さん最近 来店したらしい。

この場にいらっしゃったら緊張で言葉ままらないであろうも
私は出会いに感謝なマイレビ様が目の前にいてこそ幸せなのである。

千代娘を愛するレビュアー様のレビューを読み、目が潤み　思い出に浸っていく。

ある一文は、初めましてをした３年前の私の事
嬉しくも同時によくよく考えたら、千代娘が復活オープンして３年の月日が経っていた。

この節目の時をまったく忘れていた自分を責める。
月も同じ３月、豊橋行きの予定を立て、レビュアー様に連絡した。

地元のレビュアー様との再会はとても楽しみ。
人見知りする私が、初対面なのに意気投合させて頂いた数少ない人

打ち水がなされた千代娘の出入り口付近に約束の時間近くから待つ。
レビュアー様にしていただいた予約時間は、開店時間の午後６時

ただあの時と違うには、目印として私の手に太田和彦さんの著書が無いだけ。
もう初対面ではないから必要もない。

途中、隣の駐車場にクルマが来て女性の方１人が降りて、開店前の千代娘に入っていった。
後からわかったが、お１人雇われていたのである。

向こうの方からテクテクと歩いて近づいてこられるレビュアー様　
３年前とまったく一緒、立ち話が続く。話ししたい事が山ほどあり、抑えるのが大変

いざ入店　カウンター奥に座らせていただく。

並べられた大皿を目の前にして、レビュアー様と座ると
まったく３年もの間が空いていたのが嘘のよう。昨日今日の感じがしてならない。

再オープンから３年だが、まだ真新しい　新築の香りがする。
娘さんの日々の行き届いた清掃のたまものだと思う。

ハシゴ酒のプランをこと細かに立てて頂いたレビュアー様
千代娘の前に軽く一杯も計画していただいていた。

しかし３年前同様、千代娘に来る前は、シラフで来たい胸の内を打ち明けていた。
前夜に晩酌さえ控えているのは、いかに千代娘が大切な存在として認識しているせい。

乾杯前後、まだよそよそしい私の手際は、酒が入っていないせいだったかも。
まったく変わっていない店主と娘さん親子の姿に、ホッとしながら本醸造の千代娘がすすむ。

人との縁はまったくもって不思議だ。
お互い遠く離れた場所に住みながら、１軒の店が急接近の奇跡を生んだのだから。

感無量　久しぶりに有意義でうまい酒に浸る。

※【再訪】２０１６年３月

災難があり休業、２年数ヶ月ぶりに新装開店、見事な復活に心からお祝いしたい。
千代娘を心底愛する地元のマイレビュアー様が近況報告してくれなければ豊橋には再度、来ていなかったことだろう。
この事でご縁が生まれお誘いを受け、初訪問の時の６年前の同じ月日（正確には一日違い）に決めた。

店の前でマイレビュアー様と待ち合わせ。開店１７時に予約してくれていたのである。
店の前で待つ間、娘さんが水まきをしに出て来た。挨拶は後にしよう。

「はじめまして！」とお互い挨拶を済ませ店内へ。外も中も昔の千代娘とはいかないが、
完璧に生まれ変わったというか新しい店もいいじゃないのか。不思議と落胆する気持ちはまったくしなかった。

しかしカウンター上に並ぶ大皿料理を見ると面影もある。面影といえば娘さんとお父さん、まったく変わっていない。
娘さんの仕草や丁寧なしゃべり方がなんだか亡き女将さんと似てきている。

マイレビュアー様にご丁寧に私の紹介をしていだいた後、娘さんに６年前に撮影した写真を贈った。
見ると昔の事を思い出してどうかな？最初差し上げるのをためらったけどお父さんも喜んでくれて嬉しかった。

酒はビールと無論、千代娘の燗。

皮はぎ刺、煮しめ、ポテサラがかわいい！添えてあるミニトマトは地元の特産ということ、とても甘かった。
なんだか初対面ではないみたいにマイレビュアー様と大いに酒を酌み交わし楽しい時間が過ぎていく。

自分の中では、なんで女将さんが元気な時に豊橋に来られなかったのか？もの凄く自分を責めていた。
しかしあたたかい親子の対応やマイレビュアー様の感謝のおもいを目の当たりにした時、吹っ飛んでしまった。
きっと女将さんも私に気がついてくれて「ようこそ！」と言って、楽しいこの夜を天で、見守っているに違いない。

本当に来てよかった！６年なんて空けずにできるだけ足を運び、千代娘を応援し盛り立て続けていくことを誓います。

※２０１０年３月初訪問

新幹線で、名古屋や大阪に行く時、通りすぎてしまう豊橋。
そんな豊橋に来た最大の目的である憧れの千代娘にやっと来ることができた。

尊敬する太田和彦さんの「居酒屋紀行」（旅チャンネル）で 、
「千代娘」が、最初に紹介されたのはもう６年ほど前だろう。　
その後も放送１０年の集大成「百名居酒屋」で紹介された太田さんが愛する１軒である。

視聴者に共通していえることだが自分が特に印象に残り、
ぜひ行ってみたいと思わせる居酒屋というものが必ずあるもの、そんな私の1軒がここ。

放送で見た光景と、これから体験するであろうことを想像するだけで身震いがしてくる。
はたして千代娘は、私を快く迎えてくれるだろうか・・・

松葉通りの路地に昔の家屋のおもかげを残す。開店の５時ピッタリに暖簾をくぐる。

「いらっしゃいませ　○○さんのお客様ですか？」女将さんが声をかえてくる。
どうやら宴会参加の１人と間違えたらしい。

「１人の一見客ですけどいいですか？」告げて、上着を壁のハンガーにかけカウンターに座る。

熱いおしぼりを手渡す女将さんに太田さんの居酒屋紀行で見て来たなどすぐに
口をすべらしてしまうところなんか自分のミーハー加減に自己嫌悪に陥りそうだが、
このことが女将さんと距離を縮めることになる。

最初に瓶ビールを頂く。３銘柄あるがキリンで。お通しは空豆。

自前にブログに載せること、写真を撮ることを女将さんに快く了承していただき感謝。
でも女将さんえらく恐縮していた。すいません。

目の前には家庭的な大皿料理が並んでいた。
店内を見渡すと居酒屋紀行で見た通り、そのままの景色がそこにありその都度感動。
髪形が整う着物姿でかっぽうぎの女将さんと娘さん、後から出てきた御主人。

経木に書かれたお品書き、刺身　焼物　煮物など。三河湾が近いこともあり新鮮な魚介類が豊富。
刺身の魚介の種類も多いので１人前を適当に盛り合わせしていただいた。
大皿料理を１つずつ女将さんに説明していただいた中から筑前煮を頂く。

お昼に私が行った豊橋公会堂、吉田城、ハリストス正教会の話や、
千代娘の近くの　のぼりや　で鰻を食べたことを言うと、
女将さんと娘さんはお顔を見合わせ　「あそこならいいね」　と太鼓判を押してくれた。
そんな鰻屋の良い評判「行く前に聞きたかったなー！」なんてお互い笑い合う。　

御主人１人で料理は作られるのだが、宴会の料理を掛け持っているので忙しそうだ。
私のお刺身は大皿料理の後ろの立派なまな板で切っていた。
女将さんはカツオに大蒜スライスをつけていいかわざわざ聞いてくれた。

私のわがままで切って頂いた刺身１人前盛り合わせは、鰹、鯛、烏賊、帆立　

カツオはまだ早い初鰹で脂がのりきっていないことを女将さんに聞いたが味は最高。
海が近いと新鮮で良質な魚が揃うことを教えてくれた刺身である。

ここでお酒、店名でそのまま頂いた由来の静岡県浜松市の酒「千代娘」ぬる燗で。
お酌してくれる女将さんに大皿料理の中から八幡巻きを頂く。

時々入ってくる宴会参加のお客さんは奥のお座敷に消えていった。
割烹と名うつ店だが、気軽に座れるカウンターがあったことも魅力。
そのカウンターでは私１人、女将さんをお話相手に独り占めできることが嬉しかった。

２本目の燗酒を頂いた後、お品書きを凝視していたら、
女将さんが太刀魚の焼物を薦めていただいたので頂いた。
別皿の生姜醤油にふんわり湯気が出ている身をつけて。たんぱくな白身魚なので生姜醤油はピッタリ。

今まで出てきた料理の良いお皿を見ると割烹という意識が沸く。料理の盛り付けも素晴らしい。

手の空いた娘さんから豊橋の観光マップを頂く。この親子の実に仲が良いこと。
娘さんが私に話かけてくれると女将さんの方を向いて、
その話の内容を「ねっ！」なんて女将さんと目で確認し合うしぐさがなんともいい。

テレビ番組「ケンミンショー」の話題が上がった後、親子から参考になることを聞いた。
八丁味噌の文化圏だが岡崎と豊橋の味噌は違うこと。
愛知に住む人でも八丁味噌はやっぱりダメという人がいること。
豊橋には「ひつまぶし」はあまり浸透していなく置いている店が少ないということ。
こういうお話はその土地土地に行かないとなかなか聞けないことなので、県外の私は興味津々だ。

招徳（京都伏見）冷酒。愛知を飛び越えて京都の酒を飲んでしまった。
なぜ地酒である蓬莱泉にしなかったのか自分で自分が理解できない。
酔っているということか？　しかし初めて飲む招徳の冷酒は美味だった。

とこぶし煮、浅利串は、１個１個丁寧に取った浅利の身を干して焼いた１品。
串から身を取る方法を女将さんに教わった。何も知らない私は串のまま口に運ばなくてよかったと安心。

女将さんが見せてくれた太田さんの最新本「居酒屋百名山」に浅利串のことが書いてあって、
「あぁ　同じの頼んでいるよ自分」なんて苦笑い。
私はお恥ずかしながらまだこの本を購入していないので明日書店に行こう。

この本は全国の居酒屋を巡った太田さんが特に好きなお店が１００軒厳選している。
その中に「千代娘」が入っていることを見てもこのお店の良さはだれでも感じとれるだろう。
以前から良い居酒屋を紹介し続けてもらった太田さんには感謝してもしきれない。

最後に私の好きな出し巻を御主人に作って頂いた。
この料理で職人の腕がわかるなんて素人の私は勝手に思い込んでいる。

今まで頂いた料理で十分わかるし、関西で料理修行したこの道数十年の御主人に失礼だがこの料理をお願いした。
かなりのボリュームがある。ふんわり出汁がきいて申し分なく美味い。最後のしめにこれを選んでよかった。

ビール１本、お銚子２本、冷酒３００ml瓶１本、料理８品で計１万チョイ。

女将さんに店の名刺を頂き、調理場から忙しい中、
わざわざ手を止め出てきてくれた御主人に丁寧にお礼を言って店を出た。

女将さんに私の名前を聞かれたからにはまた再会することに決意を固めた。
千代娘の御家族の御健康と店の益々の繁盛ぶりをいつまでも願っています。

楽しい夜をありがとうございました。