醤油支那そば@なつかしの味支那そば
とある休日、国道13号線沿いにある〈秋田まるごと市場〉を目指して車を走らせていた。本当の目的は仁井田にある業務スーパーなので、そのついでに昼食を済ませるに最適の場所といえる。同所には〈ゆで太郎〉もあり、まるごと市場内の食堂街には稲庭うどん専門店の〈無限堂〉や〈なつかしの味 支那そば〉、から揚げで有名な〈ぱっぷや〉などがある。
食堂街へ行ってあちこち見ていると、ちょうど店頭で呼び込みをしている〈なつかしの味 支那そば〉の人と目が合ってしまった。どうせそれを目指して来たんだからちょうどいいか、って感じで吸い込まれるように入店し、カウンター席に案内された。味噌、塩、醤油がありますがどれにしますか、というので「醤油」にした。並でいいですか、には「はい」と返答した。
ちなみに並600円、中700円、大800円となっている。さて料理が来ましたよ。ご覧くださいこの佇まい。叉焼、メンマ、ネギ、ナルトそしてほうれん草が乗っていますね。ほうれん草が乗っているのはまさに東京スタイルの中華そば。醤油というわりにスープの色はそんなに濃くないのも幸。余計な脂が浮いてないのも良。飲んでみると動物系と魚介系のダブルスープ。
でも混合節と煮干しの魚介系が若干前に出ている感じかな。本当に惜しいのは甘さがわりとあるってこと。これ、甘さが控えめだったらまた利用すると思うな。いつも書いてるけど、甘さがあるとくどくなって飲み進めるレンゲが止まるの。地元民の嗜好に合わせてるってわかるけど、サッポロ一番しょうゆラーメンの味がたぶん標準で、甘くないでしょ?
麺は極細超ちぢれ麺で面白い。こんなに細くて縮れてる麺はたぶんここだけ。なんか日清のチキンラーメンを思い出させてくれるね。メンマ、叉焼ともに甘い。ここまで甘くする必要はないと思うが、地元民にとっては必要なんだね。私の隣に座った小父さんが「塩の中」を注文した。興味が湧いたので出てくるまで待った。見たらなんだかめっちゃ旨そうで。次は絶対、塩にする。
ところでせっかく秋田まるごと市場に来たんだから、市場のほうも覗いてみた。思ったより品揃えが豊富で、特に調味料関係はかなり充実している。これは成城石井レベルと言ってもいいほどで、塩コーナーにぬちまーす(命の塩)がある! 秋田でぬちまーすが買えるのはたぶんここだけ。通販でも送料を考えると絶対ここで買ったほうがお得だけどお値段が……
ぬちまーすはミネラル含有量が他の塩と違って桁外れに高く、体内で生成できないミネラルを摂るにはこれ以上ないほど優秀な調味料なので「命の塩」なんでね。これをキュウリの塩揉みなんぞに使うわけにもいかず、導入するなら普通の塩と2通りの使いをお勧めする。てんぷらにパラっとやるとか、上質のフィレ・ステーキにちょっとかけて食べる感じ。
クレージーソルトのようなハーブ入りの塩とか、スパイス系も充実しているけど、粉末昆布がないのが残念。ま、自作するからいいんだけどさ。あの「熊出没ラーメン」もあるし、マルタイや五木食品(九州)のラーメンもいくつかある。なぜか秋田と九州は仲がいい(?)のか、秋田まるごと市場の中に物産展レベルで九州の食品があるのが面白い。
ここまで品揃えが豊富なのは秋田ではちょっとないので、プロの人はここと少し先にある業務スーパーのいずれもチェックしてると思う。料理好きの人にとって、秋田まるごと市場と業務スーパーはワクワクするんだよね。いずれにしても、どちらも日曜日に来るもんじゃないね。プロの人は平日の朝早くに出没することが多い。夕方に来るのは「緊急事態」だから。
【付記】
秋田まるごと市場、見ているだけで楽しかったです。こういうレベルのが今度できる能代イオンタウンに来て欲しいですね。でも出店リストを見る限り、本当に来て欲しい、これらが来てくれたらあとはいらない、って店が「ない」のが……たぶん出来はメルシティ潟上以下になるでしょうね。また廃墟が(おいおい)……
Restaurant name |
Natsukashi Noaji Shina Soba
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Categories | Ramen |
018-866-8001 |
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Reservation Availability |
Cannot be reserved |
Address |
秋田県秋田市卸町2-2-7 秋田まるごと市場 |
Transportation |
801 meters from Ugo Ushijima. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget |
~¥999 |
Budget(Aggregate of reviews) |
~¥999
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Method of payment |
Credit Cards Not Accepted Electronic money Not Accepted |
Private dining rooms |
not allowed |
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Private use |
not allowed |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables |
Parking lot |
OK |
Space/facilities |
Counter |
Occasion |
This occasion is recommended by many people. |
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Website | |
The opening day |
2017.6.24 |
Remarks |
醤油、塩から選べます。 |
某休日(平日)、所用で午前中に秋田市新屋を訪れた。辺境の僻地(と人に言われる)からわざわざ新屋に何の用があるんだ、という声が聞こえてきそうだが、新屋といえばアレだな、と思った秋田在住のあなたは正解です。そう、秋田に住む人なら多くは3年、人によっては5年に1度、新屋に用事がある。私の場合、1時間ちょっとで用事が済んだのは幸いだった。
時刻は午前11時前、こんな時は近場でサクッと昼食を済ませたい。思い浮かんだのは秋田まるごと市場の〈なつかしの味 支那そば〉の、塩支那そば。以前ここを利用した時、次は塩にしようと思った。細めで、縮れが強めの独特の麺が印象に残るお店だが、スマホの地図アプリに任せると新屋から茨島交差点を右折して秋田まるごと市場直前の交差点を右折せよ、と。
で、秋田まるごと市場に到着。11時過ぎ、入店するとまだ客はいなくて最初だった。カウンターに座り、予定通り塩支那そば並(700円)を注文した。値段は微妙だけど飲食店が存在してくれるだけでありがたいと思わなきゃね。感染症の拡大のせいで伝説のハチドラ(八郎潟ドライブイン)、男鹿の名店〈省吾〉、そしてしみドラ(大清水ドライブイン)が閉店してしまったし他にもあると思うな。
さて料理が来ましたよ。叉焼、メンマ、ネギ、ほうれん草、ナルトが乗っていますね。この、スープの透明感。余計な油は浮いておらず、塩だけあって色が薄くて綺麗だ。飲んでみると動物系のダシが主体で、魚介も使っていると思われるがそれとわかる使い方ではなく隠し味程度の効かせ具合がいい。色は薄いけど塩分はわりと多めで、おそらく2%近くではないかと思う。
麺は見ただけでその縮れ具合がおわかりいただけると思う。この縮れ具合は他の生麺を使う店にないもので、あえて喩えると日清のチキンラーメンの感じだろうか。縮れ麺のほうがスープに絡まるという意見が多数派だと想像するが、じつはストレートで細い麺のほうがスープを多く含むという結果があるので、興味ある方はネットで調べると面白いですよ。
毛管現象によるものとか。実際には縮れ麺をすする際の唇に当たる感触、咀嚼するときの噛み応え、飲み込むときの喉越しなどに影響するものと思われるが、縮れ麺のほうが「おいしく感じる」という意見が多かったからこそ、わざわざ縮れを付ける製法が今に残っているのではないだろうか。逆にそこまで縮れさせなくてよい、という意見もあると想像する。
好みって本当に面白いですよね。叉焼は豚バラ肉で柔らかく、味付けもちょうどよい。もっと豪華な叉焼がいいと思う向きもあるだろうが個人的にはこのくらいでいい。ほうれん草のトッピングはたぶん「昔の東京スタイル」ではないかと。現在ではほうれん草を乗せる店は滅多にないと思うが、さすが「なつかしの味」を謳う店だけある。これを三つ葉に置き換えても中々素敵なんです。
メンマの色も店の中では非常に薄い部類になると思う。もっと色が着いているほうがいい、という意見もあるだろう。茶色くて甘塩っぱいメンマでないと、という向きもあるでしょう。色は薄いけどちゃんと味はついている。おいしかった、また来ようね。せっかくまるごと市場に来たんだから食材コーナーを覗くと〈ぬちまーす〉(命の塩)は品切れだった。
【付記】
ぬちまーすを再入荷する気がないのか、たんに品薄状態が続いているのか、本当のところは不明です。