天神の益荒男と手弱女:霜月 : Sushi Takao

Sushi Takao

(鮨 田可尾)
Budget:
Fixed holidays
Sunday
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4.8

¥20,000~¥29,999per head
  • Cuisine/Taste5.0
  • Service4.5
  • Atmosphere5.0
  • Cost performance5.0
  • Liquor/Drinks4.5
2023/11Visitation11th

4.8

  • Cuisine/Taste5.0
  • Service4.5
  • Atmosphere5.0
  • Cost performance5.0
  • Liquor/Drinks4.5
JPY 20,000~JPY 29,999per head

天神の益荒男と手弱女:霜月

土曜日の夜です。

天神です。

今夜は凡そ二年半ぶりのこちら、【鮨 田可尾】さんにお伺いしました。福岡に来たら何をさて置いても外せない、大好きな一軒です。

というのも、奈可久の鈴木氏(既に引退)が帝国ホテルの【なか田】で店長をされていた頃、その厨房にいらしたのが若き高尾氏。

時はバブル全盛期。
『朝から晩まで宴会用のシャリ作りでした』と静かに微笑む親方。

鈴木氏にも厳しく指導されたのでしょう、【なか田】の系譜を継ぐ、王道の握りがラッコの我儘な舌を捉えて離しません。

ご子息も【すぎた】での修行を終えて里帰り。二代目としての地歩を着実に固める毎日。

盤石ですね。

まさに静かな威風の益荒男と、優しい笑顔の手弱女女将。あまりの心地良さに、自然と背筋が伸びてしまいました。

さてさてそれでは本題です。いただいた内容は以下の通り。撮影禁止なので、駄文で補足します。

そしてご馳走さまでした。


<まとめ>
六時前にお伺いしました。
靴を脱いでカウンターのど真ん中に座ります。竹踏みに足を乗せると、二万歩超えの疲れが程よく解け始めました。
正面には星純一の紅葉の版画。静謐な空気を更に引き締めます。
カウンターは七席。ラッコを含め、おひとり様男子が三名。その内のお一方は、ロンドンから日本を旅するジェントルマン。他には韓国と台湾のお客様が二名づつ。手弱女女将が流暢な英語でもてなします。

<つまみ>
⚫︎鰹のタタキ:
お腹側の下身を4cm幅に切り付け周囲を炙ります。お腹と赤身を切り離し、赤身は二等分。お腹はそのまま。都合三切れが小皿に並びました。
薬味は振り塩と和辛子。
お腹の脂が熱で溶けて抜群にウンマイ。

⚫︎鮃:
こちらは程よい厚さで二切れ。縁側の太い部位付きです。薬味はピンク岩塩?と本山葵。
噛むと鮃の地味がムックリと立ち上がりました。

⚫︎カマス:
皮目を炙ります。裏の脂が溶けてカマス固有の香りが立ち上がりました。ひとつひとつひとつの繊維が強く、まるで真鯛のような身質。

⚫︎しめ鯖:
〆て甘味を感じる真鯖。上質な脂に深くて長い吐息をついてしまいました。

⚫︎縞海老:
北海道産の今が旬の縞海老。真紅の縞々がいやが上にも食欲をかき立てます。デッカい牡丹海老を有り難がる風潮が有りますが、味わいは縞海老の方が明らかに上手。

⚫︎鮪:
中トロの剥がし。大間産の延縄175kg。仲卸は石司です。
御殿場のネットリとした本山葵を包んで舌の上に。そのまま上顎に押しつけてプレス。滲み出る健全な脂にただただ朦朧。

⚫︎貝柱:
北寄貝の柱を軽く炙って一味と煮切りで和えました。日本酒をいただいている方だけに提供されるツマミです。だって北寄貝ひとつに一個ですもの。七席一回転の仕込みでは貴重品です。

<握り>
⚫︎九絵:
都内でいただく九絵と明らかに違う。熟成感なのか煮切りとの相性なのかは分かりませんが、これが九絵、という地味を感じることが出来ました。

⚫︎鮃:
つまみは裏面でしたが、こちらは分厚い上身。鮃固有の土臭い香りが口中に充満しました。

⚫︎白甘鯛:
対馬産です。
九絵のように太い肉繊維では有りませんが、歯茎を押し返すこの強い肉質は、白甘ならではの特徴。

⚫︎鰆:
軽く炙って振り塩でいただきます。春の鰆も良いけれど、秋の鰆の方が口に合うかも。

⚫︎平政:
時速50kmで回遊する海のスプリンター。都内ではあまり見かけませんが、西では人気の魚です。食感は鰤と縞鯵に似ているかも。ブラインドだったら食べ分けられないかも知れません。

⚫︎泥障烏賊:
お伺いする前に大丸の鮮魚売場を確認していると、これから出始める小型の泥障烏賊が並んでおりました。なかなかの高級品ですが、そのネットリ感と仄かな甘味を経験すると、鮨屋には欠かせないネタですね。

⚫︎車海老:
茹で置きです。
殻を剥いて味噌の乗る頭を切りシャリと身の間に潜ませます。甘い、美味い、堪らん!

⚫︎赤貝:
大連産だったかな。瀬戸内や宮城の個体と遜色のない味わい。きっと日本の業者が獲ってから発送するまで指導されているのでしょう。

⚫︎北寄貝:
内側を表にして握ります。モフモフモフ。内臓の襞が膨らんでいるのは鮮度の良い証。

⚫︎イクラ:
醤油漬け。と言っても塩味は弱め。日本酒との相性が良いのか、卵黄のような香りに思わず鼻息が荒くなりました。

⚫︎馬糞ウニ:
イクラもそうですが、軍艦の有明海苔が抜群にウンマイ。昔、お聞きした話だと、業者に渡る前に特上の一番海苔を抜き取るのだとか。

⚫︎漬け:
⚫︎中トロ:
いずれも剥がしと同じ大間の個体。
赤身はネットリ、中トロはまったく筋を感じません。やはりこれから冬場に向かう本鮪は魚の王様。

⚫︎小肌:
〆加減が絶妙。奈可久の鈴木親方の小肌を思い出してしまいました。

⚫︎穴子:
軽く炙って温めて旨味の塊のツメをさっとひと塗り。やはり穴子は煮るより焼きだな。

⚫︎玉子:
典型的な昔ながらの玉子。なんだか嬉しい。

<お酒>
・恵比寿ビール:小瓶
・鷹勇:純米、鳥取
・旭菊:大地、純米吟醸、久留米
・群馬泉:淡麗、純米吟醸、太田
・悦凱陣:純米吟醸、香川
お酒は四合

  • Sushi Takao -
  • Sushi Takao -
  • Sushi Takao - 通りには屋台が並び始めました

    通りには屋台が並び始めました

2021/04Visitation10th

4.7

  • Cuisine/Taste4.6
  • Service4.5
  • Atmosphere5.0
  • Cost performance4.5
  • Liquor/Drinks4.5
JPY 20,000~JPY 29,999per head

天神の益荒男と手弱女:卯月

金曜日の夜です。

天神です。

昨年七月以来の福岡を楽しむラッコ。
今夜はその七月にお伺い出来なかった此方の″田可尾″さんに席を用意しました。

凡そ一年二ヶ月ぶりの訪問。

ラッコにとって福岡の鮨と言えば、″さかい″さんと並ぶ西の横綱。

無闇な派手さは無く、魚の地味と滋味で勝負するいぶし銀のような仕立て。

銀座の″なか田″の系譜を引く小粋な江戸前鮨に、いつも小さなハートを締め付けられてしまいます。

さて、いただいたものは以下の通り。

ご自宅で保管する古米の白シャリがことの他、口に合います。

他のお客さんがいらっしゃらない中、親方と二人の男の世界。

やはり通うな。
間違いなく通い続けるな。

そして、森閑とふける天神の夜にご馳走様でした。

追記:
撮影禁止なので写真は玄関のみ。ご容赦ください。


<つまみ>
●蛍烏賊
●細魚
●泥障烏賊
●真蛸:関門海峡、蛸の味が濃ゆい
●中トロ:大間の冷凍
●真鯛
●蕗味噌
●唐墨

<握り>
●鮃
●鯛
●細魚
●喉黒:塩〆
●鮃の縁側
●平政
●馬糞ウニ:根室花咲
●車海老
●泥障烏賊
●赤貝
●赤貝の紐
●イクラ
●漬け
●中トロ
●小肌
●鯵
●鯖
●煮蛤
●穴子
●玉子:芝海老

<お酒>
●エビス:小瓶
●旭菊:大地、純米大吟醸、久留米

2020/02Visitation9th

4.7

  • Cuisine/Taste4.6
  • Service4.5
  • Atmosphere5.0
  • Cost performance4.5
  • Liquor/Drinks4.5
JPY 20,000~JPY 29,999per head

天神の益荒男と手弱女:如月

土曜日の夜です。

天神です。

鮨 さかいで四ヶ月振りのグフフ祭り。しかしそれだけでは納得しません、小デブの我儘な胃は。

やはりルーティンというのは、適切に守ってこそのお約束ごと。六時過ぎにいそいそと博多駅前から中洲川端をやり過ごし、天神にやってまいりました。

こちらの田可尾さんは、鮨 さかいさんの対極にあるお店。

シャリの酢は柔らかく、手の込んだ焼き物や蒸し物などの見目麗しいツマミが提供されるわけでもありません。最初にお通しと季節の4、5点盛りのお造りをいただき、お酒を呑んでいれば珠玉のアテが出てくるという仕掛け。

なか田の系譜を継ぐ、昔ながらのお鮨屋さんですからね。十八貫もの握りが主役のお店です。

それでもこちらに通い続ける理由ですが、それはなんと言っても居心地の良さ。

無駄な会話も無く、静かに酒と肴を愛することができる空間に深いため息をつきます。

眼力は強く、笑うと爽快な笑顔の益荒男、出過ぎず、親方のサポートに回る手弱女、素敵なご夫婦です。

やはり人は番いじゃないと。

そしてご馳走さまでした。

撮影禁止なので、写真は外観と夜の中洲近辺しかありません。


追記:
こちらの手弱女、お美しいだけでは無く、オージー英語を駆使されます。今宵もフラリとやってきた予約無しのインバウンド客を流暢に断っておりました。
聞けば留学経験がお有りだとか。
う〜ん。天神の手弱女。侮るなかれ!


<つまみ>
●天然地牡蠣:
いろは島産、紅葉おろしポン酢

●お造り五点盛り:
 ・蛸:関門海峡
 ・鰆
 ・中トロ:大間の冷凍
 ・しめ鯖
 ・真鯛

●烏賊下足の焚き物:
炊き上がりに胡麻油を投入、烏賊の汗と乳化させたコクが産まれます

●赤海鼠:

●鮑の肝と紐の信州味噌漬け:
乳酸発酵の凄味に驚愕。お酒と一緒に口に含むと、超絶旨味に激変

<握り>
●鮃
●真鯛
●赤ムツ
●平政:お腹
●鰆
●泥障烏賊
●車海老
●漬け
●中トロ
●赤貝:韓国産、肉厚、国内品を遥かに凌駕
●赤貝の紐
●馬糞ウニ:歯舞
●小肌
●真鯵の腹側
●しめ鯖の腹側
●煮蛤
●穴子:対馬
●玉子焼き:芝海老とヤマト芋
玉子焼きまで含めると計十八点です

<お酒>
・エビスビール:小瓶
・旭菊 大地:久留米
・開運:静岡
合計二合

  • Sushi Takao - 看板

    看板

  • Sushi Takao - 無駄な装飾を排します

    無駄な装飾を排します

  • Sushi Takao - 中洲の夜景

    中洲の夜景

  • Sushi Takao - 住吉神社の力士像

    住吉神社の力士像

  • Sushi Takao - ラブホテルの屋上から天空に向けて一筋の照明が。ゴッサムシティかよ?

    ラブホテルの屋上から天空に向けて一筋の照明が。ゴッサムシティかよ?

  • Sushi Takao - 屋台の吸引力はダイソン並み

    屋台の吸引力はダイソン並み

  • Sushi Takao - 満月が照らします

    満月が照らします

2019/10Visitation8th

4.7

  • Cuisine/Taste4.6
  • Service4.5
  • Atmosphere5.0
  • Cost performance4.5
  • Liquor/Drinks4.5
JPY 20,000~JPY 29,999per head

天神の益荒男と手弱女:神無月

土曜日の夜です。

西中洲の鮨 さかいさんが表の大聖堂とすれば、夜のしじまに静かに佇む裏の大聖堂が、こちらの鮨 田可尾さん。

カウンターが七席のみの小さな造りですが、ラッコにとっては、例えればローマのサンタ・デラ・ヴィットーリア教会(ダン・ブラウン作品の読者ならご存知ですよね)のような聖地。

ベルニーニの彫刻、【聖テレジアの法悦】が乳白色の清廉な輝きを放つ礼拝堂、まさにその空間に比肩します。

物静かな親方、楚々とされている控え目な女将。
お二人の醸すその上質な空間が、ラッコを虜にし続けます。

天使の放つ矢に恍惚とする聖テレジアならぬ、益荒男と手弱女から繰り出されるつまみと酒に悶絶する珍ラッコ、ということか?

お昼に三合の日本酒を聞こしめ、更にこちらで四合をたしなめ、計七合。

まさに法悦。
悦びのひと夜となりました。

それに桜ジャパンがサモアを撃破しましたしね。

ラグビーの結果をカウンターで知り、喜び勇んだラッコは夜の街に繰り出します。

いただいたものは以下の通り。
そしてご馳走様でした。

写真撮影は控えておりますので、想像力をフル回転してご一読ください。


<つまみ>

●新イカのゲソの炙り
●ヒラスズキ:一日寝かせ
●真蛸:関門海峡産
●梭子魚:皮を炙って酢〆
●ツブ貝
●大トロ:塩釜産、蛇腹の上の部位。細かな脂の筋が縦横無尽に走ります
●北寄貝の柱:バター煮
●鮑の肝の味噌漬け
●干蛍烏賊の炙り
●秋刀魚の酢〆の炙り
●穴子炙り:対馬産

<握り>
シャリは自宅管理の古米。米酢と塩のみ。口に合う。まさに口福!

●鱚:昆布〆
●赤身
●中トロ
●小肌天草
●しめ鯖:対馬
●鯵
●鰯
●ヒラスズキ
●平政
●九絵
●鰆
●車海老
●新イカ:博多湾
●北寄貝
●赤ウニ:藍島

<お酒>

●ビール:エビスの小瓶
●三諸杉:純米大吟醸、奈良
●七本槍
●群馬泉:淡緑純米吟醸
●凱陣:香川
計四合

<酒器>
輪島塗り、長崎ギヤマン、薩摩切子他

2019/04Visitation7th

4.6

  • Cuisine/Taste4.6
  • Service4.5
  • Atmosphere5.0
  • Cost performance4.5
  • Liquor/Drinks4.5
JPY 20,000~JPY 29,999per head

艶美な緊張感に揺蕩う天神の夜

土曜日の夜です。

天神です。

福岡に来たら、どうしてもこちらのお店は外せません。

別に手の込んだツマミが提供されるわけでもなく、華美な盛り付けでも有りません。

今の鮨割烹や熟成ネタが流行る前の、典型的な鮨屋。

なか田ご出身なので、江戸前の基本を忠実に再現されつつ、見た目の無駄を徹底的に省きます。

意味の無い線や無用な色を廃した、いわば究極のデッサン。

書の世界も最後は『一』に戻りますよね。

虚飾を捨てた枯淡の域。
伝統改革も好きですが、やはりラッコは保守が好き。

夏の再訪をお約束し、お店を後にします。

ホテルまでの長い道のりをユックリと歩きつつ、縦に長く深い余韻に浸ります。

そしてご馳走さまでした。

写真は禁止なので、可能な限り文字で表現しました。
想像力を全開にしてお読みください。


<つまみ>
●空豆:
着席してから軽く茹でます。作り置きでは有りません。軽く塩を振り、ホカホカ状態で提供。
太い箇所に包丁目が入っているので、反対側を指で軽く押すと、ムニュっと舌の上に転がります。
この青臭さが好き。

●真子鰈:
お昼のSさんではいただけなかったので、嬉しい。一枚目は塩で、二枚目は山葵で。三枚目は山葵とお醤油でしたいただきます。

●真子鰈の縁側:
蜜柑の繊維のような食感。山葵を追加していただき、たっぷりと乗せて舌の上に。
滲み出る脂。その脂と乳化する山葵。鼻の穴が大きく開きました。

●真蛸:
ブランド化途上の関門海峡産。体幹というか脚幹が太い。周囲のゼラチン質は皆無なので、肉繊維を噛み締める感慨に浸ります。

●伊佐木:
串に刺して皮目を炙ります。
滴る脂。爆ぜる音。パリッパリの皮に悶絶

●平政:
背中側。ブリ属三兄弟の一角。海水温の上昇と共に暖海域から昇ってきたところかな。別名、海のスプリンター。時速50キロで回遊するそうです。はしりなので脂は薄く身の食感を楽しみます。

●天端:
那智勝浦産。賽の目切り。脂はくどく無く、ネットリとした食感がたっぷりの山葵と醤油に良く合います。

ここまで来たところで、となりのお一人様二人に『握りに入りますか?』とお尋ね。

ラッコの前には黙って追加のつまみが。
敢えて聞くまでも無いな、こいつには、と言うことか?

斜めからラッコへのつまみをガン見するお一人様二人。

我慢できるわけ、有りませんよね。
お二人とも異口同音に『いただきます』とのこと。

●蛸頭の桜煮:
ウンマイ。
甘味は奈可久より控えめ。ガツンと来ない代わりに、お出汁の風味と薬味の一味が脇を固めます。

●蛍烏賊の酢味噌:
お昼は沖漬けでしたので、これもまた嬉し。魚介は旬にいただくに限ります。

●真子鰈の肝煮:
鮟肝よりは若い味。煮ている、というより八方出汁漬けかな。まるで海のチーズ。


<握り>
確か指定農家から仕入れたお米を自宅で保管されていた筈。塩味の効いた米酢仕立ては、江戸前のどストライク。ラッコはこのシャリだけで丼一膳、いただきたいほど。
玉子を入れて全二十貫となります。

●細魚:
閂を三点に切り分け、斜めに捻るように握ります。動きを感じます。握りの真ん中に腹巻きのような一本の皮目の線が美しい。

●鱚昆布〆:
江戸前の保守しかもう出さないのでは?

●真子鰈:
旬の真っ只中。鰈は唐揚げも大好きだけど、握りも大好き

●伊佐木:お腹のすき身
関東ではあまり見かけないような気がします。所詮、狭い了見の中での想像ですが。

●喉黒:
焼き物の喉黒の脂は時にしつこ過ぎますが、こちらの塩〆した仕立ては、全く爽やか。大きなサイズなんですけどね

●平政:
つまみとは異なるお腹側。脂が多い部位なのに、これもまた爽快。塩〆の技の成果か?

●赤貝:
大玉。こちらは韓国産をお使いです。小粒の閖上はさようなら。鉄の香りに、はふっ〜、と深い溜息を付きます。

●北寄貝:
色味からして軽く湯通し。裏のモフモフは有りませんでした。

●赤ウニ:
唐津産。ムラサキや馬糞とはまた一味違います。なんだろう、より海の薫りを強く感じるのかな。

●車海老:
米酢のシャリなので、温度の低い湯がき置き。湯がきたてだと、米酢の酢が立ち上がり、ムフッ、とむせちゃいますものね。
こちらは博多湾の天然物。頭の味噌を内側に忍ばせます。

●泥障烏賊:
表面の薄皮は敢えて残し、プッツンとした歯触りを楽しませる仕立て。恐らくご高齢の方には薄皮を削いで、柔らかい食感で提供される筈。

●赤身:
最初に切り出して、十分程度、短く漬け込みます。
ルビー色に輝く海の羊羹。

●背トロ:
天端と同じく那智勝浦産。より柔らかい脂を感じます。

●小肌:
酢と塩の聞いたなか田の流儀が天神で生きています。

●鯵:
塩〆。今が旬なのか、腰回りが太い。薬味は生姜。無駄な脂を消してくれます。

●春子鯛:
酢〆。芝海老の朧を潜ませます。春子を提供するお店は数あれど、朧を潜ませるなんて、これぞ江戸前。

●煮蛤:
ツメが好き。安定したお味。

●蝦蛄:
子持ちの博多湾産。湯がきは強めで、卵はまるで香箱ガニの内子のような硬めの食感。栗にも似たホクホク感が好みです。

●穴子:
対馬産。お昼のSにも負けない仕上がり。舌の上で淡雪のように溶けて消えました。

●玉子:
白身と海老と山芋か?
表面はカステラ風ですが、内側は濃厚な蒸しプリンのよう。


<お酒>
●瓶ビール:恵比寿の小瓶
●鷹勇
●田中六五
合計二合

2018/12Visitation6th

4.6

  • Cuisine/Taste4.6
  • Service4.5
  • Atmosphere4.5
  • Cost performance4.5
  • Liquor/Drinks4.5
JPY 30,000~JPY 39,999per head

天神の益荒男と手弱女

金曜日の夜です。

西鉄久留米から天神に戻ってまいりました。

福岡市内は言わずと知れたお鮨屋さんの宝庫。
小デブは二年前の『鮨 かんび』さんを手始めに、福岡でどこか静かにユックリと呑み食いできるお鮨屋さんを探しておりました。

その後訪れたのが此方の『鮨 田可尾』さん。

幸運なことに、早くも二軒目で目的のお店に巡り会うことが出来ました。一昨年の十月から数えること、今夜で六回目の訪問。

小デブは好きなお店に足繁く通うタイプなので、福岡に来たら此方のお店は外せません。

理想は舟唄の世界ですね。
阿久悠さんの詩に惚れ込みます。

照明は低めで無駄な飾りも無く、親方は無口で、でも無愛想とは異なり、一歩引いた女将のさりげない気遣いも嬉しく、静謐で心地良い緊張が支配する空間。

席数が七席と少なめなのも良いですね。席間も広く、ゆったりと寛げます。

何より、銀座御三家の一つ、帝国ホテルの『なか田』で修行されたご主人。米酢と塩のみの純度100%の白シャリが、小デブの狭くて細い味覚のツボを的確に捉えて離しません。

寡黙な親方は天神の益荒男。
英語もご堪能な女将は天神の手弱女。

素敵なお時間をありがとうございます。
そして今夜もご馳走さまでした。

いただいたものは以下の通りです。
写真は有りません。

想像力を全開にしてお読みください。

追伸:
舟唄の歌詞ですが、『いとしのあの娘とョ、朝寝する、ダンチョネ』と有りますが、ラッコに限ってそのようなことは有りませんので、また求めておりませんので、決して突っ込まないでください(^◇^)

<おつまみ>

●真牡蠣ポン酢:
小指程度の地物。もみじおろしを添えます。恐らく、以前別のお店でいただいた、佐賀のいろは島産かと思います

●鮃:
朝〆かな? 総じて西の白身はコリコリ食感がお好き。熟成のムニュ〜感も好きですが、こちらのような若い筋肉も美味しいですね

●真蛸:
関門海峡産。15mm厚のブツ切り。酒蒸しなので、蛸の地味がダイレクトに舌を刺激します。山葵をたっぷりと乗っけ、お出汁で炊いた塩でいただきます。ホントにうんまい!

●真鯖:
対馬海峡産。木箱から切掛けの半身を取り出す親方。しばしの間があり、木箱に戻します。手にされたのは新しい半身。理解しました。お腹の部分を切りつけていただきます。腹中より腹上。小デブの好みを覚えていらっしゃったのかな? 嬉しい!

●鰆のタタキ:
背上の塊から、やはり15mm程度に厚切りされ、更に二つ切り。女子には小さなお口に合わせて三つ切りの気配り。あっ、隣のお若いカップルの女子です。小デブは一人呑みですから。
鰆の身は桜色。柔らかな脂の甘みが舌の上に拡がりました。これは、うんまい!

●鰹のタタキ:
子供の握りこぶしぐらいの腹上の塊を、二本の金串に刺します。奥に入って数分。炙りたてのタタキの完成です。
斬り付けは大胆な四つ割り。皮目のお焦げがうんまい。やはり魚は皮ですねー。
もちろん赤身の旨さにも、ただただ溜息。

●唐墨:
三年ものです。ミルクチョコレートのような色に変化。発酵臭が鼻腔を突き抜けます。
強い旨味を受け止めるには、生の大根。合います。お酒も進みます。

●海鼠:
三杯酢和え。まさに海のグミ。


<握り>

●鮃:
刺身とは異なり、ちょっと寝かせたものでしょう。シャリにはこちらの方が合いますものね

●アラ:
関東では九絵。長崎産の天然ものかな。個人的には白身の王様

●真鯛:
鯛の味が濃いい。白シャリとの相性も抜群

●平政:
斬りつけている時には鰤と思っていましたが、まさかの平政。鰤族三兄弟の末っ子かな? 因みに次男は間八。
魚体を見れば区別できますが、身だけだと分かりません。海のスプリンターですからね、脂は軽く爽快。恐らく体脂肪率は一桁かな?

●泥障烏賊:
チョー、ネットリ。白シャリに絡みつく色白の柔肌に鼻息が荒くなります

●鰆:
タタキとは異なり薄く斬り付けます。桜色の肌が米酢と塩のみの白シャリに完全マッチング

●赤身の漬け:
大間の延縄、205kg。石司から。なか田の味がそのまま天神でも味わえるなんて。

●中トロ:
酸味と脂の甘みが絶妙。イワシかなぁ、イカかなぁ、何を食べて200kgも太っちゃったんだろう?

●車海老:
頭の味噌の付いた先端を切り取り、中に仕込みます。もう、もう堪りません

●赤貝:
韓国産。大玉。国産のなんちゃって、をはるかに凌ぎます

●赤ウニ:
北海道産です。軍艦で。こちらの海苔がまた美味い。聞けば有明ですが、都内に出荷される前に特上物を抜き取るとか。

●小肌:
天草産。締め加減がどストライク

●〆鯖:
腹身部分です。青魚の王様。

●鯵:
地物。もうお酒が止まりません

●鰹:
五島列島産。腹身部分。この時期の鰹が口に合います

●煮蛤:
煮汁は薄色。蛤の地味と滋味を逃しません。ジューシーでウンマイ

●穴子:
対馬産。穴子は香り皮全て。鼻の穴が拡がります。昨夜鼻毛を切っておいて良かった

●鱚:
昆布締め。江戸前の仕事も満点です

●卵:
ネットリしたカステラ仕様

●寛平巻き:
締めには外せません


<お酒>

●エビス瓶ビール:小瓶
●シャンパン:アンリオのハーフ
年の瀬なので、やはり泡でしょ!
●凱陣:純米吟醸、一合
●旭菊:純米吟醸、一合
●田中六五:純米吟醸、一合

2018/08Visitation5th

4.6

  • Cuisine/Taste4.6
  • Service4.5
  • Atmosphere4.5
  • Cost performance4.5
  • Liquor/Drinks4.0
JPY 20,000~JPY 29,999per head

いまここにある安息

金曜日の夜です。

大分駅前から杵築、宇佐を経て博多に到着。地下鉄に乗り換え、定宿にしている天神に向かいます。

チェックインしてシャワーを浴び、歩いてすぐそばの田可尾さんの暖簾を潜ります。

六時過ぎですが、既にご常連の二人連れが後半に突入の雰囲気。その隣に椅子を引かれ、凡そ四ヶ月ぶりの訪問を、親方と奥様にアイコンタクトでお伝えします。

無駄な言葉はノイズでしか有りません。
こちらは、いわば大人の鮨屋。

静寂。でも心地の良い静謐。親方の流儀がヒシヒシと伝わります。

職人の決め手は顔ですね。

任せて安心。
話をするときは嫋やかに、切りつけるときは真剣に、私の中では五指に入る贔屓のお店です。

滞在は凡そ三時間弱。
巷に溢れる二回転、一斉スタート、追加の許されないお決まりコースのお店、などとは一線を画す、昔ながらの職人の城。

福岡に来たら外せません。今宵も堪能させていただきました。

そしてご馳走さまでした。

いただいたものは以下の通りです。
撮影禁止なので、想像力を全開にしてお読みください。

<おつまみ>

派手さはありません。
絵画に例えると、究極のデッサン。無駄な線、無意味な塗りが皆無。まるでピカソ

●九絵:
腹身、繊維の太さに悶絶、噛むとシャリッシャリッと小気味の良い音感

●煮蛸:
関門海峡産、熟成した沢庵香。大根と共に煮ているのかと思いきや、お茶と藻塩のみ

●目一鯛:
真鯛と思いきや、玄海産の逸品。熟成極まる甘味に深い溜息

●蒸し鮑:
玄海灘の黒アワビ、旨味が充満

●赤身:
ブツ切り、酸味の効いた背カミ一番のテンパ

●剣先イカ:
オリーブオイルと一味和え、青く緑の香りに酒が進む進む

●九絵:
玄海灘の四キロ。胃袋と肝の湯引きをアサツキポン酢で

●黒鮑の肝の味噌漬け:
小デブが三合目を所望するので、奥から酒のアテを。発酵は日本酒に合う。

<握り>

●九絵:並の白身よごめんなさい
●目一鯛:熟成極まる
●槍烏賊:ネットリ
●車海老:味噌を中に忍ばせます
●黒鮑:共詰めを一塗り、昇天する香味
●赤ウニ:唐津産
●赤身:軽く漬けて
●新子:天草産、一尾半付け

●鰯:浅葱と生姜、鮪が追いかけるわけが判明、ヒコイワシに近いので布巾で優しく皮を剥ぎます

●鯵:酢締め
●蛸:関門海峡さん、塩で
●穴子:甘い詰めが絶妙
●干瓢巻き:山葵抜き
●玉子:基本に忠実

<お酒>
●エビス:小瓶
●三千盛:純米大吟醸
●凱陣:純米吟醸
●鷹勇:純米
合計三合

2018/04Visitation4th

4.6

  • Cuisine/Taste4.6
  • Service4.5
  • Atmosphere4.5
  • Cost performance4.5
  • Liquor/Drinks4.0
JPY 20,000~JPY 29,999per head

今ここにある平安

天神です。

長崎から高速バスで約二時間の移動。惰眠を貪り、英気が回復します。

土曜日の夜は、レビュアー様に設定していただいた予約困難店での会食。和やかに、そして少々賑やかに、美味いお酒が飲めること、期待が高まります。

それもあってか、今夜は一人で静かに過ごしたいところ。そうと決まれば、こちらの田可尾さん。

なか田の王道のお鮨がいただける稀有なお店です。

前回が昨年の11月なので、約五ヶ月ぶりの訪問。六時からお暇するまで、お客は私一人。静かにゆっくりと親方、奥様とお話しすることが出来ました。

ご子息がこの4月から、す●●さんに弟子入りされました。同期は三人。お店を出るのは片付けが終わる午前三時、仮眠して午前八時から仕込みの毎日とのこと。

『ご心配ではありませんか』とお聞きすると『若い頃は多少無理をしてでも、やればやっただけ自信に繋がるんですよ』とのお応え。

『私も帝国のなか田時代、バブル全盛期だったので、パーティでもあろうものなら、朝から晩まで二千人前のシャリ切りを続けておりました。今思えばですね、あの時があるから、頑張って来れたのではないでしょうか・・・』

やり切ることの重み。

我が身を振り返ります。
サッカーも、受験勉強も、その後のリーマン生活も、とことんまで自分を追い詰めたのか、やり切った、と言えるのか・・・?!

いずれ修行を終えて、板場にお二人でお立ちになる姿、私は必ず見届けます。

そしてご馳走さまでした。

いただいたものは以下の通り。

<つまみ>
●浅利の煮浸し:
有明産の大粒。糸状の青海苔が磯の香りを加速

●蛸:
関門海峡産。流れが早いので、身質もスポーツ選手のような締まりが。ペタインの旨味に悶絶。小海老や鮑を捕食する美食家ですものね

●真子鰈と縁側:
待ってました。鰈の季節。鮃とは異なる繊細な旨味。塩と山葵でいただきます

●伊佐木:
炙った皮目がパリパリ。身はモッチリ。これも塩で

●ツブ貝:
薄く削ぎ切りに。昆布の旨味に鼻の穴が開きっぱなし

●中トロ:
勝浦産を賽の目切りに。やや淡白な甘い脂

●本ミル:
内臓のモフモフと柱を醤油と七味で炙って

●公魚の甘露煮
お酒が残っていたので、軽くツマミに

<握り>
お米は熊本の合鴨農法。年間契約で玄米で仕入れ、自宅で一年間の眠りに。シャリは米酢と塩のみ。好みです。

●鱚の昆布〆
●細魚
●真子鰈
●伊佐木
●九絵
●喉黒
●泥障
●平政
●赤身
●車海老
●ムラサキウニ:宮城産
●本ミル
●赤貝:韓国産、国産と遜色なし
●赤貝の紐:韓国産、国産と遜色なし
●鳥貝:愛知産
●小肌
●中トロ
●煮蛤
●穴子
●卵:芝海老の擂り身

<お酒>
●恵比寿:小瓶
●旭菊:純米吟醸、大地
●旭菊:純米吟醸、生酒

2017/11Visitation3th

4.6

  • Cuisine/Taste4.6
  • Service4.5
  • Atmosphere4.5
  • Cost performance4.5
  • Liquor/Drinks4.0
JPY 20,000~JPY 29,999per head

今ここにある陶酔@天神

土曜日の夜です。

JRの久留米駅から快速で博多駅に到着。田可尾さんの予約まで四時間弱あるので、まずは柳橋連合市場で地物の魚をチェックし、中洲まで時計回りに散歩します。

既にこの時点で20,000歩超え。朝の久留米ラーメン、昼の久留米焼きそばのカロリーを消化するためには、まだまだ歩き足りません。

中洲から天神にぬけ、岩田屋でまったりと寛ぎます。歩いて三越方面に足を向けると、天神前のバス乗り場に長蛇の列が。100メートルは伸びています。

何故か同年代のオヤジと昔のお嬢様の列。何だろうと、首を傾げつつ通り過ぎましたが、訳は田可尾さんで判明。

予約の六時丁度にお伺いします。
既に若いカップルとご常連様のオヤジがお二人、思い思いに箸を進められておりました。

その真ん中、親方の正面に座ります。

『xxxさん、遠いところから有難う御座います。良く福岡にはいらっしゃるんですね』と適切な距離感で、静かに呟くようなジャブが放たれます。

『いえいえ、それでも半年振りですよ』と小デブ。
『ええっ、ついこの間、いらっしゃったような気がします』と眼をまん丸に見開き、テリー・サバラス(古い)のような坊主頭をお下げになる親方。

昨夜の熊本の仙八さんもそうでした。小デブの丸顔を親しく覚えていただいているようで、恐縮しきりです。ただ単に、良く食べ良く呑むオヤジ、という記憶だと思いますが、だとしても嬉しく感じます。親方の記憶にスパイクできているのなら、本望ですね。

恵比寿の小瓶を頼みます。お通しを出された後、『お切りしましょうか?』と静かに呟く親方。『はい。お願いします』と小デブ。

静謐。心から寛ぎます。身体が緩みます。

一通り出されたのち、『いかがいたしましょうか?』と親方。握りに移りますかとのサインです。

『まだ飲みたいので』と懇願する我儘な小デブ。

酒のアテを出していただき、しっかりと四合、嗜んでしまいました。他のお客様の、何だこのオヤジ、そんなに飲んで食べて平気なのかよ、という何気ない視線が痛い。

酔っていれば気にならないけど、酔いが回っていないので、恥ずかしいばかり。

『今夜はホテルが西鉄久留米なんです。福岡市内は三ヶ月前から全然取れなかったんですよ。なので、降り過ごさないようにお酒は控えないとまずいですよね・・・』なんて、言行不一致と思いながら呟くと、隣のご常連のオヤジ様が『あ〜っ、桑田佳祐のコンサートたい。ドームでやっとるとよぉ〜、カミさんも友達と行っとうけん、ワシはここで油を売ることが出来るんよぉ〜』と話に乗っかります。(3割がた聞き取れなかったので、正確な平仮名にはなっていません)

なるほど。先ほどのバスの行列の世代に納得。九州場所と桑田と、例の暴行事件で押し寄せるマスコミで、民泊も目一杯状態か。

気がつけば、後からいらした韓国YOUも先にお会計、最後のお客になってしまいました。

二時間強の幸せな時間をいただき、有難うございました。静謐な空気の中、写真を取るのも無粋と諦め、ただただ酒と魚と肴に語りかけた貴重なひと時でした。

私の中では福岡ナンバーワンです。
そしてご馳走様でした。

いただいたものは以下の通りです。

<おつまみ>
●コモンフグ:湯引きのポン酢掛け。獣臭くない鶏肉のような食感。
●クエ:熟成具合が満点。しっとりした滋味に癒されます
●蛸:地物の細い腕。塩で。酒蒸し?なので、蛸のタウリン系の香りを楽しめます
●鰆のタタキ:皮目はしっかりと炙り、内側は半レアー。一切れは塩。二切れ目は山葵、三切れ目は塩と山葵でいただきました
●ツブ貝:これは北海道産。アイスクリームの丸いカップのような形状です。俎板に乗せ、底を少し浮かして削ぎ切りに。クルッと反り返る身に悶絶。
●鮪赤身と中トロ:大間。大き目のサイコロ状にブツ切りで。酸味が生きています

〜追加でお酒を所望しアテが続きます〜

●子持ち鮎の熟鮓:滋賀からの取り寄せ
●アラの胃と肝のポン酢かけ:珍味
●村上の一年干しの鮭の酒浸し:塩っ気が酒と相乗効果。静かな余韻に浸ります
●蕗味噌:蕗の青い香りが口中で膨らみます

<握り>
赤酢は使用せず塩と若干の砂糖のみ。
『なか田でそのように教わりましたので』とご主人。奈可久さんと同じですね。赤酢の濃すぎる茶メシ嫌いの小デブにジャストミート。
理想の白シャリです

●キスの昆布〆:噴火湾の真昆布〆
●鯛:この熟成度合いは他の追随を許さない
●クエ:刺身と異なる部位。身のシャリシャリ感に悶絶
●ノドグロ:芳醇な脂
●カンパチ:ノドグロと勘違いするくらいの脂乗り
●鰆:砂ずり。美味すぎる。春先はお腹に子を持つので今が旬
●ヤリイカ:丁寧な包丁目に染みる煮切りが美しい
●赤貝:韓国産。近いので、とのこと。言われなければ分かりません。全く遜色の無い香り
●車海老:味噌をシャリとの間に挟んで
●バフンウニ:厚岸産。有明の一番乗りが厚くて香り良し
●赤身:大間
●中トロ:大間
●小肌:昔ながらの強い〆。好みです
●鯵:お腹部分。健全な脂に悶絶
●鯖:お腹部分。同じく健全な脂に再度悶絶
●穴子:奥様が炙ります

<お酒>
●ビール:エビスの小瓶
●三千盛:岐阜
●旭菊:久留米
●鷹勇:鳥取
●凱陣:香川
各一合なので計四合

2017/05Visitation2th

4.5

  • Cuisine/Taste4.5
  • Service4.0
  • Atmosphere4.5
  • Cost performance4.0
  • Liquor/Drinks4.0
JPY 20,000~JPY 29,999per head

理想の鮨屋@天神(再訪)

土曜日の夜です。

今日は朝から香椎宮、宗像大社で北九州の歴史を探訪し、気がついたら20,000歩超え。

歩き疲れました。

ホテルで相撲中継を見ながら一休みし、近くの此方に伺います。昨年の10月以来なので、七ヶ月ぶり。

小デブにとっては、福岡に来たら外せない、最優先のお鮨屋さんです。

鮨割烹、鮨居酒屋など様々なカテゴリーが有りますが、此方は正当な鮨屋。つまみは佳境に至る序章でしか無く、本質は一つ一つの握りに込められています。

酒無しなどと野暮なことも無く、此方が酒を呑みたいと言えば、さりげなく、アテを用意していただけます。

ちょうど20周年ということで、蛎殻町のすぎた、修業先の奈可田の社長(お店は帝国ホテルのなか田)、個人の方達から、胡蝶蘭が届いておりました。

すぎたさんと御懇意なんですね。相通じるものがあるのかもしれません。今度、すぎたにもお伺いしようと決めました。

六時すぎに入ります。

既に三名の方が箸を進めています。

隣に座ります。
言葉からタイの方達と分かります。

家内の抗がん剤治療の合間に訪れたオリエンタルホテルを思い出しました。微笑みの国、タイランド。ピピ島も素敵でした。

上品ですね。静かに談笑されています。銀座を我が物顔に占拠する大陸の団体ツアーの方達とは明らかに異なります。

小デブの隣の方は流暢に日本語を操られます。
日系企業にお勤めかなぁ、と想像していると『お一人さまですか?』と話しかけられます。

聞けばチュラロンコン大学の経済学の先生とのこと。お若いのに立派です。九大に留学し、東工大経由でケンブリッジでも勉強されたそうです。

他のお二人は大学での仕事仲間とのこと。なるほど。知性が漂っているわけですね。

東京でお勧めのお鮨屋さんを訊かれたので、此方と奈可田つながりの奈可久さんを紹介したところ、早速食べログで検索し、私のレビューを開いています。

プロフィールの似顔絵と小デブの顔を見比べながら、笑い始めます。

素直に『It's me. Shame!』と呟きます。

程なく、御常連のお一人様と、香港からの三人連れが現れ、全ての座席が埋まりました。
ホテルのコンシェルジュから予約が入るようですが、今日のように海外のお客様が重なるのは珍しいようです。

三時間弱の素敵な時間を過ごせました。

今日も幸せです。有難うございました。

いただいたものは以下の通り。
そしてご馳走さまでした。

★撮影禁止なので写真は有りません。

<つまみ>
●ホタルイカ:酢味噌
●縞鯵:高知産の天然。脂乗りも良く熟成具合も文句無し
●真子鰈:玄界灘産。身と縁側。旨味の濃さに悶絶
●イサキ:皮目炙り。脂乗りが最高
●アオリイカ:格子状に切れ目を入れ丸めて供されます
●中トロと赤身:沖縄産。柵を拍子木状に切り更に賽の目切りします。上部が赤身で下部が中トロ。まったりした脂を堪能

ここで『握りましょうか?』と声がかかります。
『もう少し呑みたいので』とお願いすると・・・

●蝦蛄爪:博多湾産。甘ダレ。10匹分くらい。貴重品。嬉しい
●唐墨:熟成
●蛸の頭の煮付け:飯蛸くらいの大きさの千切り。コクが強い
●小玉ねぎの粕漬け:これで血液もサラサラ
●浅利の佃煮:ナンも言えねえー

<握り>
●真鯛:玄界灘産
●キス:真昆布締め
●スズメダイ:初夏が旬の地物。博多では別名アブッテカモ
●真子鰈:真昆布締め
●イサキ:これは皮なしで
●アカムツ:熟成
●縞鯵:高知の天然
●車海老:味噌が生きている
●子持ち蝦蛄:玄海だったかな
●唐津の赤ウニ:良くある小粒のオレンジ色では無く、見た目は茶色の大粒。希少品。高価らしい。確かに見た目は悪いけど抜きん出た甘さ
●中トロ:きめ細かな脂
●背トロ:中トロより酸味あり
●北寄貝:これは流石に道産
●煮蛤:千葉産
●玉子焼き:スフレ

<お酒>
●エビス:小瓶
●三千盛:純米吟醸。多治見
●旭菊大地:純米吟醸。久留米
●鷹勇:純米。鳥取
●貴:特別純米。山口
各一合の計四合

2016/10Visitation1th

4.4

  • Cuisine/Taste4.5
  • Service4.0
  • Atmosphere4.5
  • Cost performance4.0
  • Liquor/Drinks4.0
JPY 20,000~JPY 29,999per head

理想の鮨屋@天神

木曜日の夜です。

今夜は博多です。日航ホテルに早めにチェックインし、天神まで足を伸ばします。

ようやく慣れましたが、此方は博多では有りません。福岡市中央区です。東京からすれば、福岡イコール博多、の勝手なイメージがありますが、正確には博多は博多区で、天神とは一線を画しています。

JRと西鉄のアスセスが悪いのも、そこらへんが微妙に関係しているかもしれません、と勝手に非地元民の小デブは呟きます。

今夜は田可尾さんを予約しています。
六本木の懇意の鮨屋のご主人が『確か帝国のなか田にいらしたんじゃないのかなぁ…』との情報もあり、期待に胸が膨らみます。

天神の三越から歩いて数分の立地です。鄙びた路地沿いですが、逆に良い意味での雰囲気が充満しています。

6時ちょっと前に引き戸を開けます。
ご常連様が既にお一人いらっしゃいます。赤ムツか何かの焼き物を突つかれています。中盤かなぁ、と勝手に想像しましたが、なんのなんの、付き出しでした。

私は一見の小デブなので、付き出しは炒った銀杏です。アウェイですからね、全く気になりません。分かっているよね、と言う大人の対応です。親方も自然にご常連と一見さんの私に適切な話題を投げかけます。

帝国での修練が効いていますね。
聞けば奈可久の親方の事もご存知でした。懐かしむように、お元気でしょうか、と尋ねられます。鈴木さんへのリスペクトを感じます。だよなぁ、と納得です。

写真はNGとのこと、前情報で知ってはいたものの、お伺いしてみます。『シャッター音のしないスマホですけど、写真を撮ってもよろしいですか?』

やや逡巡された後『申し訳有りません。お断りしているんです』と、ほんとに申し訳なさそうに仰います。ホームのオーナーのお気持ちですからね、気持ち良く素直に『はい。分かりました』と従います。

一つの流儀だから、別に変な空気は流れません。逆に親方の雰囲気、ゆっくりと丁寧にお話になるお姿を拝見していると、撮影はたとえ音がしなくても、空気を揺るがすノイズになるよなぁ、と腑に落ちました。

付かず離れず。究極の接客姿勢に感じ入ります。私も写真を撮らせていただくことが半ば当たり前になっていましたが、会話に集中し、真摯に食することの美しさを再発見しました。

もともと放置プレイが好きな小デブには、理想の鮨屋です。親方に無駄な会話も所作も講釈も有りません。究極の引き算の美学です。

感じ入りました。ぜひ再訪したいと思います。
いただいたものは以下の通りです。お会計は26でした。高いのか安いのか、一見さん価格とは思いますが、少なくとも私は満足しています。

おつまみ:
●煎り銀杏:エメラルドグリーンです
●柔らかく締めた鰆:皮目を炙っています
●中トロ、大間の150kg:まだまだこれからでしょうか
●ヤリイカ:博多や小倉のように細工はしていません。私も余計な事はしない派です
●クエ:旨味が充実しています
●ヤリイカの三升漬け:麹と青唐辛子で漬けています。かなり刺激的ですが、日本酒には最適です
●4kgのアラの胃袋焼き:ポン酢でいただきます。コリコリでした。

握り:
●鯛:熟成
●クエ
●寛八
●鰆
●新イカ
●赤貝:大分
●車海老:味噌を間に忍ばせます
●イクラ
●赤身
●背トロ:剥がしと見間違えました
●小肌:博多前では有り得ないそうです
●ウニ:北海道
●鯵
●鯖の腹身
●春子鯛
●穴子
●タマゴ
●干瓢巻き

お酒:
恵比寿の小瓶
淡緑、鷹勇、旭菊、神亀、計四合

シャリは好みです。赤酢が今ひとつピンと来ない小デブには、白い酢飯がロシア系、いや秋田美人の肌を連想させて、口にあいます。

静かに、仕事をした魚、旨い酒、を堪能するには最高の舞台です。

都内に欲しかった…
ご馳走様でした。

追伸
表は可愛らしい娘さんの守備範囲です。なんだか似ていらっしゃるので、親方に『娘さんですか?』とお聞きすると『はははっ、良くそう言われるんですけど、姪です。血は繋がっていないんですけどね…』と柔らかな笑顔ではにかんだように仰いました。
幸せな時間が流れてゆきます。

Restaurant information

Details

Restaurant name
Sushi Takao(Sushi Takao)
Categories Sushi
Phone number (for reservation and inquiry)

092-711-7711

Reservation Availability

Reservations available

Address

福岡県福岡市中央区渡辺通5-15-4 シティパレス南天神 1F

Transportation

地下鉄 天神

271 meters from Tenjin Minami.

Opening hours
  • Mon

    • 17:00 - 23:00

      (L.O. 22:00)

  • Tue

    • 17:00 - 23:00

      (L.O. 22:00)

  • Wed

    • 17:00 - 23:00

      (L.O. 22:00)

  • Thu

    • 17:00 - 23:00

      (L.O. 22:00)

  • Fri

    • 17:00 - 23:00

      (L.O. 22:00)

  • Sat

    • 17:00 - 23:00

      (L.O. 22:00)

  • Sun

    • Closed

Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting.

Budget

¥10,000~¥14,999

Budget(Aggregate of reviews)
¥20,000~¥29,999

Check the distribution of amounts spent

Method of payment

Credit Cards Accepted

(VISA、Master、JCB、AMEX)

Electronic money Not Accepted

Seats/facilities

Number of seats

7 Seats

Private dining rooms

not allowed

Private use

OK

Up to 20 people

Non-smoking/smoking

No smoking at all tables

Parking lot

not allowed

Space/facilities

Comfortable space,Counter

Menu

Drink

Japanese sake (Nihonshu),Japanese spirits (Shochu),Particular about Japanese sake (Nihonshu),Particular about Japanese spirits (Shochu)

Food

Particular about fish

Feature - Related information

Occasion

Alone |With friends/colleagues

This occasion is recommended by many people.

Location

Secluded restaurant,House restaurant

Remarks

※事前の予約は、された方が良いです。
※写真撮影は貸切以外、禁止となっています。