「モダン焼き・普通」
「うまか家」というお店に行った。
「むつごろう焼」でお馴染みだったお店だ。むつごろう焼とは、むつごろうの形をした鯛焼みたいなもの。中身は餡子のほか、ハムエッグが人気。むつごろう焼の金型がもう更新できないらしく、最近は「パンダ焼」に切り替えている。
ソフトクリームなども名物で、子供や女性向きの甘味処のようなお店だとばかり思っていたのだが、メニューをよく見ると、お好み焼き、やきそば、ちゃんぽん、ごはん、味噌汁といったものまで並んでいることに気付いた。
今回はじめて狭い店内の窮屈な客席に腰をおろし、「モダン焼き・普通」(560円)を試してみた。
重ね焼だった。底面には薄焼き生地としては厚い生地。その上に太い中華麺。ほんの少し生地へめり込んでいた。その上にキャベツやもやし類、豚肉。ソースの上にマヨネーズも使うのがこのお店の標準らしいが、それで良いかどうか訊かれた。上にかつおぶしと青海苔が載った。
ねっとりとした重量感のある食感。味はマヨネーズの影響が大きいが、ベースもなかなかよい。お皿で出されお箸でいただくしかないのだが、生地は強靭だったし、そば入りでもあるから、やや食べにくかった。もし鉄板上でコテで切りながらいただけたら、いっそう美味しかっただろう。
普通サイズでもかなり食べ応えがあった。どうやら食べ盛りの若い男性にも静かに支持されているお店なのではないかという気がした。そうなると、220円増しの大盛はどれほどのものだろうかという興味も湧いてきた。
Restaurant name |
Umakaya
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Categories | Taiyaki & Oobanyaki (pastry with sweet red beans)、Takoyaki、Chow Mein Noodle |
Phone number (for reservation and inquiry) |
092-732-7556 |
Reservation Availability |
Reservations available |
Address |
福岡県福岡市中央区唐人町1丁目3 - 4 シャンテアサカ1F |
Transportation |
福岡市営地下鉄 唐人町駅 4番出入口 徒歩1分 76 meters from Tojinmachi. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget(Aggregate of reviews) |
~¥999
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Method of payment |
Credit Cards Accepted (AMEX) Electronic money Accepted |
Number of seats |
14 Seats ( 4人用テーブル3卓、2人用テーブル1卓) |
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Private dining rooms |
not allowed |
Private use |
not allowed |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables |
Parking lot |
OK 唐人町商店街コインパーキング利用 |
Occasion |
This occasion is recommended by many people. |
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Service |
Take-out |
Website |
営業時間がはっきりしないが、このたびは午前10時半に通りかかったら営業中だった。
「ねぎ焼き」(360円)と「ちょぼ焼き」(300円)とをいただいた。
10分間くらいで提供された。
どちらも、古い時代の重ね焼のお好み焼である一銭洋食的なものだった。
「ねぎ焼き」は、薄く円く展ばした生地の上に、キャベツ、もやし、ねぎを載せ、つなぎの生地をかけ、両面を焼いたら二つ折りにして半月状とし、ソース、かつおぶし、青海苔をかけたようなものだった。
「ちょぼ焼き」は、「ねぎ焼き」からねぎを抜いたようなものだった。
マヨネーズの要否を訊かれ、抜いていただいた。
ソースは、濃厚ソースのやや辛口のもの。醤油にするかソースにするかという問いはなかった。
野菜から水分を与えられた生地はやわらかく、お箸でも食べやすく、滑らかな口触り。
キャベツやもやしはシャッキリした小気味よい歯触りを残している。
肉、イカ、エビ、玉子などのオプションも用意されているのだが、このたびはそれらを入れず、シンプルに徹してみた。それでもじゅうぶんにおいしいし、ボリュームもなかなかのものだった。
「ちょぼ焼き」という名の鉄板料理は、大阪と熊本で生まれたいにしえのお好み焼類。大阪のほうはたこ焼の祖先のようなお好み焼の仲間。熊本のほうは一銭洋食に独特のアレンジが入ったもの。
このお店の「ちょぼ焼き」は熊本のほうに近い。なお熊本のちょぼ焼きにはタクアンが入ることが多いが、こちらではタクアンは入らないしオプションとしても用意されていない。もっとも、タクアンはちょぼ焼きの必要条件というわけではない。
それよりも、本場の熊本でも廃れつつある「ちょぼ焼き」の名を冠した一品が福岡の片隅でとくに注釈なしに静かに提供されていることが面白い。何年も前から存在には気付いていたのになかなかいただく機会が得られないでいたが、ようやくいただくことができて満足だった。