Official information
This restaurant is registered on Tabelog as a corporate member. Business information is released by the staff.
Restaurant name |
Hiroshima Okonomiyaki Okachan
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Categories | Okonomiyaki |
092-206-7947 |
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Reservation Availability |
Cannot be reserved |
Address |
福岡県福岡市中央区大手門3-1-21 フォルテ大手門 1F |
Transportation |
西鉄バス 大手門三丁目停留所 徒歩2分 301 meters from Ohorikoen. |
Opening hours |
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Budget |
¥1,000~¥1,999 ~¥999 |
Budget(Aggregate of reviews) |
~¥999
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Method of payment |
Credit Cards Not Accepted Electronic money Not Accepted QR code payment Not Accepted |
Number of seats |
16 Seats |
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Private dining rooms |
not allowed |
Private use |
not allowed |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables 外に灰皿があります。 |
Parking lot |
not allowed |
Occasion |
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Service |
Take-out |
The opening day |
2022.5.2 |
平日13時すぎ、「広島お好み焼 おかちゃん」を訪ねた。ご開業から1か月半ほどになるらしい。場所は、簀子公園の前。そこは旧唐津街道沿い。江戸時代に黒田藩が多数のお寺を配置した地区でもある。
男性ご主人と女性従業員といった風情のお二人で営業中だった。
調理台の鉄板は、どこかのお店で使い込まれたものを継承されているようにお見受けする。
先客は、鉄板の無いテーブル席に二組四名。無人だった調理台の鉄板に面した席に着いた。先客の皆さんはほどなく退出され、その後はずっと自分一人だけだった。お昼の営業時間のラストオーダーは15時15分と遅めなのが特徴。14時以降などは特に穴場かもしれない。
メニューを拝見。「ベーシックお好み焼(やさい・肉・そばまたはうどん)」(750円)というのが、広島で「肉玉そば」「肉玉うどん」などと呼ばれているものに相当する。括弧内に玉子の記載がないが、ちゃんと玉子も付いている。近畿系のお好み焼店では玉子をオプション扱いすることも多いのでメニューを見る際に「玉」や「玉子」の字の有無には敏感にならなければならないが、その点、広島系はかなり鷹揚な感じがする。
面白いのは、11時から15時までのランチタイムには同じ750円で「ランチお好み焼セット(ご飯、味噌汁、漬物付き)」も用意されていること。こういうサービスセットは本場の広島ではあまり盛んではない。でもご当地福岡の諸々の飲食店のランチサービス事情を鑑みれば、戦略的にこういうものを設定しておこうというのもわからなくはない。そんなことでも福岡と広島の文化の微妙な違いが垣間見られた気もした。
「ベーシックお好み焼」(750円)のそば入り+「ネギかけ」(150円増)を注文した。
調理のほとんどは男性がご担当。
鉄板に生地を薄く円く展ばし、白い顆粒と魚粉を振り、太切りキャベツを盛り、魚粉を振り、天かす、太もやし少々、薄切り豚肉、といったものを積み上げて本体を構築。つなぎの生地は垂らさない。そして本体をひっくり返す。最上部に来た薄焼生地の下の野菜部分に、ダシか何かの無色に近い淡色の液体を注す。その後はほとんど触らずに蒸焼き時間をしっかり置く。最後に、アイロンで強く圧し潰しを行う。
並行して、そばの調理も進んでいる。製麺所で加熱加工済の袋入りの中華麺。太麺である。水に晒してから鉄板へ置く。ここでもダシか何かの無色に近い淡色の液体を注し、暫く静置。それからお好みソースを注し、魚粉を振ったら、ヘラでほぐさずに圧し広げることによって大きな円盤状に変形させる。その中央部に油脂を注し、また暫く静置して加熱。その後、外周部にギザギザのはみ出しが多い大きめの円盤状であるそばの周辺部を、ヘラでトリミングして、はみ出しや凹凸のない綺麗な円盤状に整える。これが完成形のお好み焼の直径となる。切り取られた断片は、それまで辺縁部で加熱されていたため、水分が飛んでかなりカサカサでもっさりと乾いたような性状が想像される見た目となっている。それを、綺麗に整形されたそばの上に置く。そこに天かすを足す。なかなかユニークな手技。目的と効果について想像が膨らむ。
本体をそばの上に載せて合体。それを、傍らで展ばした玉子の上に載せて更に合体。そばの下で玉子が焼き付いた頃合いで丸ごとひっくり返して正位に戻す。お好みソースを塗り、白い粉と粉鰹のようなものと青海苔を振りかける。そして、オプションの刻みネギを載せ、鰹節と紅生姜をトッピングしたら完成。調理時間は14分間ほどだった。
鉄板から直にいただいた。食事用のヘラは、オタフクソースの「小ヘラ角丸」。
広島お好み焼としては、野菜が下、麺が上に位置するいわゆる「スタンダードスタイル」。
そばのはみ出しがないこともあり、比較的端正な外観。本体の圧し潰しは行ったが、そばの縁を切り取って積み上げるという独特の処理もあってか、けっこう厚みのある完成形となっている。
ネギは、切り口がやや乾き気味だったが、ネギらしい味と香りはそれなりにした。
ソースは、オタフクソースを思わせる甘じょっぱめのもの。
太めのそばは、加熱加工済み麺ながら、どこか生麺を思わせる食感のある仕上がり。周囲から切り取られた断片は中央部に置かれ再度野菜で蒸されたおかげか、カサカサ、モソモソとした口触りではない。油脂を注してからの加熱時間が長かった中央部は、バリバリの揚げ焼風になっていないかと想像したがそこもそれほどではない。総じてよく躾けられた感じがする。グッと噛み締めて心地よい硬さと、そのとき覚える麺の旨みがよかった。
追加でそばに載せた天かすは、蒸される時間が短かかったためか、サックリした存在感を残している。キャベツの上に載せた天かすは、野菜の水分を吸って滑らかでとろける舌触りで、味もいい。
豚肉は、脂身の少なめのもの。つなぎの生地を使わない焼き方だが、あまり硬くならず比較的プリッとしている。
キャベツに熱はよく通っていたが、ふんわり感は少なめ、甘みも少なめ。あっさりした味わいだった。季節柄かもしれないなと思って、それを楽しんだ。
客席には、一味唐辛子、胡椒、カレー粉、ガーリック顆粒、ソース、マヨネーズが用意されていた。
鉄板から直に熱々をいただくお好み焼に、「サッポロラガー中瓶」(550円)は、もちろん申し分のない組み合わせだった。
お勘定は1,450円。
満ち足りた気分でお店を出た。
外は暑い。そんな季節になったかと思ってお店の前の簀子公園を見た途端、福岡大空襲の日が明後日だと気付いた。福岡市は昭和20年6月19日から20日にかけ、アメリカの221機のボーイングB-29大型爆撃機による焼夷弾攻撃を受け、市域の1/3が被災した。とりわけここ簀子国民学校校区の被害は酷く、焼け残った家屋はたった2棟。簀子国民学校に収容しきれない多くのご遺体や負傷者が、目の前の簀子公園に横たえられたという。ビールとお好み焼を楽しむ今は、先人の並々ならぬご苦労の末にある。