Official information
This restaurant is registered on Tabelog as a corporate member. Business information is released by the staff.
Restaurant name |
Sapporo Ra-Men Honke Aji Ichi Keishou Hirose Shouten(Sapporo Ra-Men Honke Aji Ichi Keishou Hirose Shouten)
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Categories | Ramen、Dumplings、Dandan noodles |
011-788-7372 |
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Reservation Availability |
Cannot be reserved |
Address |
北海道札幌市北区北10条西1-8 北村ビル 1F |
Transportation |
札幌市営地下鉄東豊線 / 北13条東駅 徒歩5分(400m) 361 meters from Kita Juni Jo. |
Opening hours |
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Budget |
~¥999 ~¥999 |
Budget(Aggregate of reviews) |
¥1,000~¥1,999~¥999
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Method of payment |
Credit Cards Not Accepted Electronic money Not Accepted QR code payment Not Accepted |
Number of seats |
19 Seats ( カウンター 7席、小上がり 4×3席) |
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Private dining rooms |
not allowed |
Private use |
not allowed |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables |
Parking lot |
OK 提供駐車場有 |
Space/facilities |
Counter |
Occasion |
This occasion is recommended by many people. |
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The opening day |
2017.1.30 |
日差しがあっても肌寒い朝。
その感覚は、もうすぐ白い世界が到来することを予感させた。
朝から肉体を酷使する。
デスクワークとは異なる疲労、それは生の自覚と謳歌を催促されているようだ。
後先のことを考えず、現前の事だけに集中すること。
何という時の素早さであろう。
まさに昼時とともに肉体の酷使も終わる。
強烈なほどの空腹と心地よい疲労が脱力感を催した。
小さな看板に目が止まった。
洞爺ラーメンという冠にも好奇心を刺激する。
中に入るとほぼ満席で、おそらくこの店の近所の会社員や学生達が押し寄せているのだろう。
「ようこそ、いらっしゃいませ。」
まるでホテルか百貨店のコンシェルジュのようなマダムが優雅に伸びる艶のある声音を放っていた。
ラーメン店に不似合いのような気もするが、やはり丁寧な挨拶は心地良いものだ。
洞爺ラーメンの見識や事前情報もないゆえに、券売機の左上のボタンを押した。
それは未知における暗黙の鉄則だ。味一継承あっさりラーメンの「本家醤油ラーメン」とある。
4人掛けのテーブル席に案内された。
もちろん事前に相席になることを同意した。
設定温度の高めな暖房と開け放たれた窓から吹き寄せる冷たい風の対立は、いっそうラーメンを欲した。
とにかく丁寧なマダムの声音が印象的に響き渡る。
そのマダムがラーメンを運んで来るや否や、
「ランチサービスなので、ぜひライスも食べてくださいね」
肉体疲労のせいかそれに促され、セルフでライスをシステムに誘われた。
あっさりを謳っているが、その様相は至って濃厚そうで、様子見のひと口も濃厚を肯定した。
豚骨と鶏ガラを織り混ぜた独特のスープに癖はない。
空腹の中にスープが染み入り、中太の縮れ麺が充足を導く。
海苔にスープを浸してすぐさまライスに載せ、海苔巻きのように食する。
こぼれ落ちるような焼豚、しなだれながらも芯を持つ長いメンマに、洞爺の醤油が染みている。
肉体を使い、空腹を満たすこと。
人間の根源的な欲求は、至ってシンプルなのだ。
酷使した肉体の隅々にラーメンが浸透してゆく。
これでいい、と完食して思った。
窓辺の冷たい風は、むしろ恋しくなるほど体が熱した。
マダムの優美な声音が汗ばんだ背中を包むようであった。
よし、と自らに声掛けた。
気の重くなりそうな未来に臆することなく、午後に力強く歩を進めた…