Official information
This restaurant is registered on Tabelog as a corporate member. Business information is released by the staff.
Restaurant name |
Suzunoya(Suzunoya)
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Categories | Cafeteria、Izakaya (Tavern) |
Phone number (for reservation and inquiry) |
011-251-6098 |
Reservation Availability |
Reservations available |
Address |
北海道札幌市中央区南3条東4-1 |
Transportation |
301 meters from Bus Center Mae. |
Opening hours |
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Budget |
~¥999 |
Budget(Aggregate of reviews) |
~¥999
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Method of payment |
Credit Cards Not Accepted |
Number of seats |
25 Seats |
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Private dining rooms |
not allowed |
Private use |
OK |
Non-smoking/smoking |
Smoking establishment Please check with the restaurant before visiting as the law regarding passive smoking countermeasures (revised Health Promotion Law) has been in effect since April 1, 2020 and may differ from the latest information. |
Parking lot |
not allowed |
Space/facilities |
Comfortable space,Wide seat,Counter |
Drink |
Japanese sake (Nihonshu),Japanese spirits (Shochu),Wine,Cocktails |
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Occasion |
This occasion is recommended by many people. |
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Location |
House restaurant |
Service |
(Surprise) Party accommodations |
Website | |
The opening day |
2015.9.29 |
PR for restaurants |
アットホーム
家族切り盛り 家庭料理がまたいい味とコスパしてる 遠いけど飲みに行きたい処 |
最近の散歩は、これまでになく深く果てしない旅路である。
違う視点や角度によって、見えないものが見えてくることがあるのだ。
スマートフォンを使えば、知りたかったことも知り得なかったことも、検索という神がかった手法によって入手できてしまう。
スマートフォンを封印せよ、と自らに言い聞かせた。
が、その日は奇しくもスティーブ・ジョブズが亡くなった命日で、ちょうど10年と節目の日でもあった。
近年、“スマホ脳”や“デジタル・ミニマリスト”というような、デジタルに対する批判的言論が顕著になりつつある中、デジタル世界は今後どう変わっていくのだろう?
敢えてデジタルを駆使せずに歩き続けた。
足任せで迷い込んだのは、札幌の酒造会社や朽ちそうなマンション、そして不気味な雑居ビルが佇立する、札幌市中央区の中でも最も地味なエリアといえる。
このエリアに入ってしまった以上、脱出を試みるしかない。
と、ビルとマンションに相まって、小さな戸建の軒先にそばやお食事処ののぼりが、晩秋の冷酷な風に揺れ動いていた。
近づくと家庭料理とある。
救済を求めるように中に入った。
ごく一般的な家の玄関と同様に靴を脱ぐ様式だった。
だが、この段階でこの店が本当に料理屋なのかは了解し得ない。
玄関の横にあるキッチンで懸命に立ち振る舞う老スタッフに詰問すると、
「どうぞ奥へ」と言われたものの、目の前を閉ざす扉が立ちはだかっていた。
恐る恐る扉を開ける。
それは、家の雰囲気を残したままで、アールデコ調の家具や無造作に置かれた書道の掛け軸、さらに絵画やレコードのそれぞれは、家主の懐古主義的芸術への傾倒と横溢が見受けられる。
そこで食事する寡黙な会社員の姿はすこぶる異相を放っていて、これまでの飲食店では出逢ったことのない不可思議な世界であった。
壁に面したカウンター席に着いた。
多様なメニューは迷いを誘い込む。
そんな時は、メニューの一番上にある「とんかつ定食」に着目するほかあるまい。
アルコールの豊富なバリエーションやそれに見合うメニューの充実は、目前に酒造会社があることによる地の利だろうと納得した。
奥のキッチンスペースから、「とんかつ定食」が到来した。
しっかりと揚げられた小ぶりのとんかつは、まさしく家庭的風情を醸していた。
家庭的風情?
その心象風景は人によって異なり、定義困難な命題でもある。
さらに言えば、極めて定性的で情緒的なものであって、家庭料理というカテゴリー自体存在し得ないことを、とんかつに噛りつきながら迷想した。
そういう意味で家庭料理という命題は、個人的に書くことが極めて難しい。
書かないという選択肢も持ちつつ、こうして書くことの困難を自覚し自戒した…