Restaurant name |
Harupin Hanten(Harupin Hanten)
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Categories | Chinese、Kara-age (Deep-fried chicken)、Ramen |
Phone number (for reservation and inquiry) |
011-531-6461 |
Reservation Availability |
Reservations available |
Address |
北海道札幌市中央区南11条西6-2-25 |
Transportation |
28 meters from Nakajima Koen Dori. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget(Aggregate of reviews) |
¥3,000~¥3,999~¥999
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Method of payment |
Credit Cards Accepted (JCB、AMEX、Diners) Electronic money Not Accepted |
Number of seats |
58 Seats |
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Private dining rooms |
not allowed |
Private use |
OK |
Non-smoking/smoking |
− |
Parking lot |
not allowed |
Occasion |
With family/children |With friends/colleagues This occasion is recommended by many people. |
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Service |
Take-out |
With children |
Kids are welcome(Elementary school students are welcome) |
哈爾浜と書いてハルピンと読む。
中国本土の東北部に位置し、ロシアと北朝鮮の国境に寄り添う人口約700万人の大都市。
其の地名は、伊藤博文の暗殺、そして映画「ラスト・エンペラー」の主人公ゆかりの地として歴史の教科書に刻まれてはいるが訪れたことはない。
同じ北の地において、本場ハルピン料理を提供する店は極めて少ない。
かてて加えて、この店もまた緊急事態宣言下において休業を余儀なく強いられていた。
その解除によって、おそらく店は無事に営業を再開しているだろうと願いながら、中国東北部への旅の幻影を見ながらバックパックを背負った。
歩き慣れた中島公園。
日増しに夏の残影と秋の絶頂が交差する自然の中に足を踏み入れる。
奇跡のような自然の美は、言葉では表現し尽くことのできない永遠性と脆弱性を持っていて、それらに挑もうとする人間の欲望は悲劇的な結末しかもたらして来なかった、と歴史を顧みる度に想う。
自然に対する無力感を忘れた時、人間のエゴイズムは頂点に達するものなのだ。
鴨の群れを愛くるしく見つめる親子の姿は無垢と純粋に溢れていた。
公園を横切るように通り過ぎると、いかにも中華料理の佇まいと色調の建物に出逢った。
営業中かどうか、すぐには判断できなかったものの、店の奥から響き渡る明るい声音はおそらく客が作り出しているに違いない、と期待を込めて中に入った。
広々とした座敷席の奥で、8名の家族らしき客が大きなテービルに様々な食事を囲んで談笑していた。
まだ新たな来客を店のスタッフは気づいていない。
奥に入ってひとりの人影にようやく気づくかと思うと、4人掛けのテーブル席に誘われた。
着席早々にランチメニューに惹きつけられていると、水を運んできた女性スタッフが、
「今日はランチはないですよ」と、にべもなく言った。
幾分ショックを覚えた。
それは旅先ではよくあるハプニングと同様の気分をもたらすのだが、旅ではないだけ当然まだ良い方だと自らを落ち着かせ、再びしっかりとメニューを見た。
でも、どうであろう。
中国の東北料理への熱望がハプニングの中で混乱をもよおし、メニューを見ても何を注文してよいか定まらない。
目に止まったメニュー・・・「炒飯」と「春巻」を口走った以上、もう後戻りはするまい。
先には訪れたのは「炒飯」だった。
メニューの写真の印象とは極めて異なり、乱雑な盛り付けはボリュームすらも惑わしているように映った。
遅れて登場した「春巻」も想像よりも小粒で一つ一つの大きさすらも不均衡で、ぎこちなく余所余所しい。
長い休業によって、何かが衰退してしまったのか?
もちろん、自らの選択にも疑問を投げかけるほかない。
そもそも、ハルピン料理の代表格は白いからあげであるのに、なぜ「炒飯」と「春巻」にしてしまったのであろう。
意気消沈のままに、春巻の熱が口に運ぶことを拒絶しているかのようだった。
奥の座敷席から家族客の明るい声音が溢れ出ていた。
そこにあるものは、ハルピン料理の数々と家族の嫣然一笑であった…