清田区新そば探訪。
好印象店に新そば探訪。
◆つけ鶏板そば 950円
細切りの蕎麦は、キュッと締まり跳ね返りもあるコシ強め。青々しさは無いものの、鮮度を感じる蕎麦本来の味が出ており、噛み締めて甘さの余韻は長い。やや固い気もするが、裏を返せば、まる貴そばらしい力強く喉越しも良い蕎麦と言える。
かしわ汁は土鍋で究極に熱々な点が素晴らしい。綺麗な節出汁の旨味に優しい返しが強過ぎずも縁取り良く融合、柔らかいモモ肉からは程よい脂が溶け出しメリハリを加える。たっぷりの長葱にハラリ浮く香辛料もまた個性。
蕎麦、コスパ、空間、サービスを含めて優良店だ。
美味しい蕎麦は、豊かな気持ちと姿勢から。
蕎麦は気持ち。流れ星です。
札幌の南の外れに小さな蕎麦屋がある。板そばを提供する人気店だ。開店と同時に車を停めると、暖簾を掲げるご主人と鉢合わせ。シャキっと体をこちら向きに転回させ、いらっしゃいませ!と深々と頭を2度下げる、お客の方向をしっかりと見るその姿には、美味しい蕎麦を手繰らせてくれる直感が持てるよう。
靴を脱ぎ、明るい木を貴重とした店内へ。初めて訪れた5年前と変わらず、質の良いスピーカーからは、心地よく落ち着けるフュージョンが控えめに流されていた。
注文から程なくして蕎麦が提供された。私はいつもこのタイミングで背筋がピンとなる。提供側の姿勢は勿論の事、食べる側の姿勢でも、大きく感じ方は変わるものだ。 …そう、蕎麦は気持ち。
■板そば(相盛り)700円(税込)
存在感を放つ板の器に盛られた2種の綺麗な糸は、各々の存在感を誇示するかのように威風堂々としている。
まずは細めの並粉は女性的。凛として、しなやかながらムチのような力強さのあるよく繋がった蕎麦は、適度なザラつきで汁絡みも良し。強めの汁に半分程浸けて勢いよく啜れば、蕎麦の力が無くなるこの時期でも、しっかりと蕎麦の淡い風味を示してくれる。
次に太めの田舎は男性的。一本一本箸で摘める骨太な存在感。その太さゆえに並粉よりも多めに汁を浸けて口に含めば尚、誇示するような力強さ。負けじと顎を動かして咀嚼すれば、男らしさの象徴のような「大地の滋味」を甘さとして感じとる事が出来る。
汁は質の良い鰹節を綺麗に引いた出汁に、まろやかで丸みと甘味のある返しが、お互いを掴んで離さず渾然一体となって融合、一つのまとまりある味わいを演出する甘め濃口。薬味は山わさび、蕎麦湯はサラリとした釜湯だ。
この内容の手打ち蕎麦で、税込700円はかなりのハイコストパフォーマンス。大人気の理由を再確認すると共に、再訪問するまでの空白の5年間、ずっとクォリティを維持してきた所には敬意を感じつつ、何だか安堵した。
会計を済ませて再度暖簾を潜り、日差しの眩しい外へ。
嗚呼、蕎麦で満たされた豊かな気分。
嗚呼、だから蕎麦屋巡りはやめられない。
極太田舎蕎麦を山形発祥の板そばで味わう
一軒屋改装系蕎麦店の中でもよりアットホーム感があり、店主のご自宅に「お邪魔しま~す」的なイメージ。小さな店内だが清潔感があり、メニュー等の装飾がほのぼのして良いアクセントを与えている。奥様の自然で丁寧な接客と静かに流れるギターのインストゥメンタルがより心地良く、脳を穏やかにさせてくれる。
山形の板そばをメインに展開されるメニューはシンプル。挽きぐるみの十割田舎蕎麦が基本で並粉も扱う。初訪となる今回はどちらも試してみたいと思い申し出てみると、快く「相もり」を受けてくれた。ちなみにメニューには「相もり」の設定は無く、状況によっては出来ない場合もあるとは思うが、食べたい場合は申し出てみると良いだろう。
板そばの器はやや小ぶりに感じたが風合いも良く本格的。そして田舎蕎麦は驚きの白さ・・・いやいや驚きの太さ(笑) 一本一本箸でつかんで頂けるほど。似た様な蕎麦では恵庭の思君楼が挙げられるが、それと比較するとコシ・挽きぐるみ感は穏やかで食べやすい。とは言ってもこの太さ、蕎麦の程好い香ばしさと甘味を噛み締めながら味わえる。そして並粉蕎麦は中細で角が立った美しさ、そして程好いコシが特徴的。際立ったものこそ感じなかったが風味も豊かであり、私はどちらかと言えばこの並粉蕎麦のほうが好みである。つゆは熟成感のあるやや辛め基調だが、口に含むと最初にパッと甘さも拡がる。薬味も繊細で山わさびも蕎麦に良いアクセントを与えている。
交通量の多い場所にありながらも、あまり目立たない店であり、ある意味穴場的存在。他のメニューも試してみたいと思えた店である。
Restaurant name |
Marutaka Soba
|
---|---|
Categories | Soba |
011-301-6633 |
|
Reservation Availability |
Cannot be reserved
予約は受け付けていないそうです |
Address |
北海道札幌市清田区里塚三条6-5-15 |
Transportation |
車 3,934 meters from Kami Nopporo. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget(Aggregate of reviews) |
¥1,000~¥1,999
|
Method of payment |
Credit Cards Not Accepted Electronic money Not Accepted QR code payment Not Accepted |
Number of seats |
22 Seats ( カウンター 4席、テーブル 6×1席、座敷 4×3席) |
---|---|
Private dining rooms |
OK For 4 people |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables |
Parking lot |
OK 店前 4台 |
Space/facilities |
Comfortable space,Counter,Tatami seats |
Occasion |
Alone |With friends/colleagues This occasion is recommended by many people. |
---|---|
Location |
House restaurant |
札幌市清田区は板そばの人気店だ。音響良くハイセンスな音楽が静かに流れる店内は割と手狭ながらも居心地が良い。
◆つけ豚板そば 相もり 大盛り 1,330円
◆辛汁(冷たいつゆ) 300円
いわゆるセイロものの種は鴨やかしわが一般的だが、豚も脂っ気が多く、汁によりコクが加わるので、オススメしている店も多い。私は特に太蕎麦が合うと思う。
こちらの汁も出汁感が良く、黒胡椒のアクセントがオリジナリティ。やはり雑味無い甘い脂感もあり、蕎麦との相性も良い。豚肉も厚めで小さくカットされているので食べやすく尚且つ美味い。
途中で辛汁(冷たいつゆ)が提供。割高感があるが、山ワサビと長葱も付く。
雑味無い綺麗な鰹の旨味に滑らかに融合する微かに甘い返しで口当たりの丸い辛汁、やはりこれに浸けて手繰る事が一番蕎麦の本質が解る。
そのまま手繰れば蕎麦自体の設計図が読める。そして辛汁に浸ける事により、蕎麦自体のPRが増すので長所短所も見えやすいと言う私なりの理論。
やはり熟成期を迎えた、繋ぎありの細切りがじんわりと旨味の後追いがあり美味い。太蕎麦も悪くないが外皮の風味に蕎麦の繊細さが閉じこもる。これは啜ると言うより噛み締める口中調味で甘さを感じとる蕎麦だ。
やはり完成度が高く欠点の見つけ難い板そば。但し大盛りでも大喰らいにはやや物足りなさもあるので、出来れば蕎麦ご飯やおむすびが欲しい。