牛肉とワインのクオリティ : Yakiniku Bue

キムチとナムルのセット。
甘すぎず、辛すぎず、味付けの塩梅がやはり美味しいです。
六本木あたりなら、2万円のコースに出てくる感じです。

花牛のハツのユッケ。
良いハツが入ったということで、卵無しのユッケです。
塩で頂きます。
食べる前に書いていますが、余程ハツのクオリティに自信があるのでしょう。
食べてみると柔らかい食感で、良い意味でハツとは思えません。
旨みもあります。
これは中々食べられないハツです。

ツラミのカルパッチョ。
気のせいか前回よりも味付けが濃いような気がしました。
妻も同意見です。

厚切りレバー。
美味しいです。
ただ、前回の方が甘みが強かったような気がします。
温度のせいでしょうか？
しばらく経ったら、旨みを感じるようになりました。

タン元。
美味しいです。
タンとは思えない、柔らかさと軽い脂があって、上品な味わいです。

花牛のシャトーブリアンとヘレヒモ。
シャトーブリアンが美味しいのは当然として、あまり焼肉を食べ歩いていない私としてはヘレヒモは初めてです。
美味しいです。

上ミノとせんまい 塩
良いホルモンです。

ヘレ、かいのみ、さがり タレ
ヘレの旨み凄いです。
あまり牛肉は好きではありませんが、何十年も前に六本木で食べていた2万円のコースより遥かにクオリティが高いです。
このクオリティをこの量食べたら、六本木では3万円を下るということはないですね。

しまちょう、あかせんまい タレ
良いです。
　
チョレギサラダ
ドレッシングが絶妙の味付けです。

焼きしゃぶ。
ビブレロース。
しゃぶしゃぶというよりすき焼きに近い味付けです。
トリュフの香りと風味があります。
牛肉の味がしっかりしているのと、脂が軽く、タレがくどくないことが良いです。

花びらのような塩

冷麺
出汁感が凄いです。
妻は前回の方が旨みが強いと言っていました。
私もちょっと思いました。

デザート

ワインも含めて本日も美味しく頂きましたが、妻は今回はコスパも含めてちょっと不満が残ったようです。
妻は色々と思うところがあったのでしょう。

一度、ランチを頂いてみたいですね。

私たちが頂いたコースは、チッチャの青木さんにお任せした特別なものなので、数少ない私のレビューを参考にして頂いている方々の参考にはならないかも知れません。

頂いたのは、
キムチ
長芋豆もやしモッツァレラチーズの醤油漬け
オクラ、ごぼう、にんじん盛り
ツラミのカルパッチョ
すだち牛のタン刺し
あわ花牛のざぶとん
但馬牛の厚切り生レバー
黒毛和牛牛タン厚切りと薄切り
ハーブのチョレギサラダ
あわ花牛のシャトーブリアン
あわ花牛のさがりとすだち牛のはらみ
すだち牛のイチボ　トリュフバターソース添え
あわ花牛のリブロースとかいのみ
ホルモン上ミノセンマイしまちょう盛合せ
トリュフクッパ
冷麺すだち風味トマトシャーベット添え
バニラシャーベット

牛肉はブランドだけでなく、生産者にも拘って仕入れをされておられるそうです。
まあ、そうですよね。
クオリティに拘れば、そもそもどのような方が生産者なのかが最も重要です。
優れた生産者がおられて、その結果としてうちはこのような牛に拘って、最高の育て方をしたので、皆さんに喜んで頂けますという話になるわけです。

日本人は食材までもブランド好きなので、それを逆手に取って、嘘をついて、これは神戸牛です、松坂牛です、比内地鶏です、名古屋コーチンですと言ってとんでもない食材を高い値段で出してくる輩がいるわけです。

その肉が美味いか不味いかは、食べてみれば分かるはずなのですが、ブランドの名前の響だけで召し上がる方がおられるのでしょう。
だから、とんでもない輩が胸を張って嘘をつくのです。
化学調味料を振ってから焼くという高等テクニックもあります。

個人的には、鶏であれば、比内地鶏がとても美味しいと思っていますが、牛は特別に好きではないのでブランドでこれが好きというものはありません。

牛は脂がきついので、タン元とホルモンが好きですが、赤身はまあまあ食べられます。
タンもタン元でないと旨みを感じることが少ないのでそれほど好みません。
当然、サシの入った脂の多いところはほんの少ししか食べられません。

まず、キムチですが、複雑な味がして上品で美味しいです。
酸味が強かったり、旨味が少なくて辛いだけのキムチは嫌いです。

ツラミのカルパッチョも美味しかったです。
ツラミは、赤身の旨味が濃いので好きです。
カルパッチョにしていて、ツラミの旨味がさらに感じられます。

色々頂きましたが、抜群に美味しいと思ったものを3つ選ぶと、但馬牛の厚切り生レバー、あわ花牛のシャトーブリアン、冷麺すだち風味トマトシャーベット添えです。

生レバーは、とにかくレバー独特の甘みが素晴らしいです。
チッチャでも出されますが、極上のものであれば、牛も豚も鶏も私はレバーが一番好きです。
極上品は臭みがなく、とても深い甘み、旨味があるからです。

シャトーブリアンは、まさにシャトーブリアン。
中途半端な牛のヒレは脂がないのに赤身の旨味が足りないので、美味しくありません。
シャトーブリアンは高級な幻の部位と言って喜びますが、あくまでもクオリティが高い牛のものであれば美味しいのであって、シャトーブリアンであればなんでもかんでも美味しいわけではありません。
ヒレの中で最も柔らかく赤身の旨味がしっかりと感じられて初めてシャトーブリアンを食べる意味があります。

冷麺は個人的には人生で食べた全ての冷麺の中で一番美味しかったです。
酸っぱいだけのリンゴの味しかしない冷麺や出汁が全然感じられない冷麺とか世の中には不味くて食べることが苦痛になる冷麺が山ほどありますが、このお店の冷麺は酸味や旨味のバランスが卓越していて、麺も美味しいです。
チッチャもバールチッチャもそうですが、こちらの系列のお店は、柑橘類の使い方がとても上手です。

バブルの頃から、銀座の寿司屋で柑橘類を多用されるようになりました。
爽やかで上品さが出るからなのでしょうが、個人的にはすだちやゆずやかぼすを料理に使うことは非常に難しいと思っています。

そもそも香りが強いので、料理全体を支配してしまう可能性があります。
個人的には鳥の唐揚げに絶対にレモンをかけませんが、酸っぱくなり、風味がレモンになるので、鳥の味がわからなくなるからです。
さっぱり食べられるからと仰る方がおられますが、個人的にはあり得ません。

大学生の頃、付き合っていた彼女がラーメンに大量に酢をかけて食べているのを見て、この子とは絶対に結婚できないと思いましたが、酸味というのは、食材やその料理の味や風味を支配してしまって何を食べても同じになるので、私は絶対にやりません。

私は特に酸味と雑味（苦味）に敏感で、酸っぱさと雑味が苦手です、
日本酒でもワインでもどのようなものが好みですかとよく聞かれますが、甘いも辛いもなにも、まずは雑味が感じられるか否かが全ての前提となります。

そもそも人間は、酸っぱいものは腐ったもの、苦いものは毒と本能的に判断するそうなので、酸っぱ過ぎる、雑味が多いと感じるものを嫌うのは極めて自然なことなのです。

話が逸れましたが、柑橘類は安いものは苦味もありますから、使い方が非常に難しいのです。

ただ、上手く使えば、食材や料理の旨みを引き出しますし、調和が取れれば素晴らしい風味となります。
何も考えずに使っている料理を出されると見ている時点で食欲が減退して食べるのが苦痛になりますが、こちらのお店の冷麺は最高です。

基本的には牛肉は家でしか食べませんが、近いうちにまた伺います。