Official information
This restaurant is registered on Tabelog as a corporate member. Business information is released by the staff.
Restaurant name |
Sobaen Satake(Sobaen Satake)
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Categories | Soba |
Phone number (for reservation and inquiry) |
0294-73-2288 |
Reservation Availability |
Reservations available |
Address |
茨城県常陸太田市天神林町5-207 |
Transportation |
2,206 meters from Kawai. |
Opening hours |
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Budget(Aggregate of reviews) |
¥1,000~¥1,999
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Method of payment |
Credit Cards Not Accepted Electronic money Not Accepted QR code payment Accepted (PayPay) |
Number of seats |
52 Seats ( 4人掛けテーブル×4。小上り席、6人掛け座卓×6。) |
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Private dining rooms |
not allowed |
Private use |
not allowed |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables |
Parking lot |
OK 15台以上 |
Space/facilities |
Comfortable space,Wide seat,Tatami seats |
Drink |
Japanese sake (Nihonshu) |
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Occasion |
With family/children |With friends/colleagues This occasion is recommended by many people. |
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Location |
Beautiful scenery,House restaurant |
With children |
Kids are welcome |
Website |
「まもなくですのでどうぞお隣へ」という声で、ついに来たかと席を立つ。“soba & coffee SATAKE” さんでの一幕だ。そしてやってきたのがお隣りの “そば園 佐竹” さん。車を持っている頃は毎年のように来ていたお店。三年ぶりくらいだろうか。こちらの名物は何と言っても天ぷらで、野菜は敷地内の畑で有機栽培、山菜は所有の里山で自生したものを使用しているとのこと。本日訪れている多くの人たちのお目当てもきっと同じだろう。頻繁に来れるなら別だが、たまにしか来れない自分にはこの選択しかあり得ない。
□旬菜天もり (旬の山菜・野菜 8品) (1300円)
お茶とともにお茶請けの漬け物が出されるので、少しずつ味わいながらお茶を啜り、見通しの良い厨房を見ながらゆっくりと待つ。10人くらいのスタッフが忙しそうに動いているので、作ったり片付けたりする方は結構効率良く進んでいるようだ。田舎の建物の造りのせいか、座敷の四人用テーブルが全体の半分を占めているので、お客さんの回転はあまり良くないだろう。自分が座っている床置きのテーブルも三人用だが一人で使っている。例えばカウンター席を作るとか、昼の時間帯は少人数の希望者にはカフェの席も利用してもらうとか、少し工夫すれば回転率は改善される気がする。そんなことを考えていると、まもなく膳が運ばれてきた。やはり注文から出来上りまでは結構速い。
■旬菜天もり
(1)天ぷらの鑑賞
目の前に旬菜天もりが置かれた瞬間、思わず息を呑み込んだ。何て美しい天ぷらなんだろう。春菊と葱の緑、茄子の濃い紫、人参の橙、紫芋の赤紫、南瓜の黃、蓮根の白、そして菊の淡い赤と、まるで絵画のような色鮮やかさだ。とりわけ菊が強く心に残る。こんな立派な食用菊を丸々頂いたことなど無いし、その色と姿は儚げで、食べてしまうのが何とも惜しい。ずっと見ていたいがそうもいかない。じっくり天ぷらを鑑賞した後、角度を変えながら撮影し、おもむろに箸を取る。一番上の大きな春菊が下を隠しているので、脇に置いてから写真をもう一枚。一部が隠れていた人参が露わになる。一本を縦に四つ切りにしている。すべての素材が新鮮で上質そうだ。蕎麦に本当に合う天ぷらとはこういうものではないだろうか。
(2)蕎麦を食す
天ぷらに行く前にまずは蕎麦から。結構短く切れているものがあり、長さが不揃いだ。噛んだ瞬間は水分が多目で軟らかいと感じるが、噛み切るには力が要る。太めの蕎麦でその表層部と中心部の硬さが異なっている。つまり瑞々しいと感じた次の瞬間にコシがあるなと感じる。明らかに他店とは一線を画す食感の蕎麦だ。蕎麦は色白ながらも黒い細かな粒(星)が混じっているので、挽きぐるみの粉が使われている。蕎麦殻の風味を生かそうというものだろう。色白なのはつなぎを多目にして打ち易くしているのだろうか。ただそれだけでこういう食感が出るかというとそうではない気がする。何とも不思議だ。蕎麦つゆは鰹節が効いた辛めのものだ。蕎麦の表層が瑞々しいので辛めのつゆが合っている。山葵はすったばかりとはいかないだろうが上質のもののようで、目が細かく黄色味のある緑色だ。後日HPを見ると「つなぎには小麦粉の他に山芋を入れるので、食感はもちもち、味も丸くなる」とのこと。そういうことかと納得した。ゆで加減と締めるタイミングを失敗すると中心部まで軟らかくなってしまうだろうから、その辺りにきっと技があるのだろう。
(3)天ぷらを食す
いよいよ天ぷらだ。締めは菊でと心に決めて箸をつける。
春菊:引き立つ葉物の旨さ。素材と衣の厚さが同じくらいなので、衣と油の質、油の切れが良くないと素材が台無しになるが、これはカラリと揚げられていて衣も旨い。
人参:ほくほくとして甘い。太めだがしっかりと中まで火が通っている。長いので三口、四口と楽しめる。
蓮根:サクッと噛んでシャキシャキと味わう。思わず冬の蓮根料理が待ち遠しくなる。
紫芋:甘みが強くねっとりとした食感。さつまいもより野性味がある感じ。これは旨い。
葱:細い輪切りをかき揚げにしたもの。断面が多いので旨味が強く引き出され、蕎麦にとても合っている。
茄子:とろとろの食感。人参同様に一本が縦に切られた大ぶりなので食べ応えがある。これは蕎麦に合わせるのではなく、単独で味わいを楽しむ。
南瓜:ほっくりとして甘みが強く、味に深みがある。南瓜は好物の一つ。最近多く出回るようになった外国産は淡白なので、天ぷらのように素材そのものを味わう料理はやはり地のものがいい。
菊:最後に残しておいた菊。こんな大きな菊を丸ごと食べたことなどない。思い切ってひと口で頂く。フワーッと菊の味わいが口の中に広がり、鼻から香りが抜けていく。初めての経験。感動とともにしばらく余韻に浸る。何個も食べたいというものではない。一期一会で得られるその時だけの貴重な感動、そしてそれに対する感謝の思いに駆られる逸品だった。(*˘︶˘*).。*♡
家を出てからこの天ぷらに辿り着くまで4時間弱。それだけの価値がやはりここにはあったし、それだからこそ余計に美味しく感じることが出来たのかもしれない。ただ相変わらず絶えない外の人だかりを見るにつけ、やはりこの天ぷらは人を惹きつける魅力に溢れているのだと確信する。
さて、食べ終わったらさっさと席を空けないと。深まり行く秋の風景を楽しみながら、少しゆっくりと歩いていくとしよう。(◠‿・)—☆