Restaurant name |
Hirano ya
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Categories | Udon (Wheat noodles)、Izakaya (Tavern) |
Phone number (for reservation and inquiry) |
0877-33-3053 |
Reservation Availability |
Reservations available |
Address |
香川県仲多度郡多度津町本通3-1-13 |
Transportation |
JR「多度津」駅から徒歩13分 905 meters from Tadotsu. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget(Aggregate of reviews) |
~¥999
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Method of payment |
Credit Cards Not Accepted Electronic money Not Accepted |
Number of seats |
30 Seats ( カウンター6席、テーブル12席(4人用×3卓)、小上がり8席(4人用×2卓)) |
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Private dining rooms |
not allowed |
Private use |
not allowed |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables |
Parking lot |
OK 12台 |
Space/facilities |
Counter,Tatami seats |
Drink |
Japanese sake (Nihonshu),Japanese spirits (Shochu) |
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Occasion |
With family/children |Alone |With friends/colleagues This occasion is recommended by many people. |
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Location |
House restaurant |
With children |
Kids are welcome |
Dress code |
カジュアル。 |
Remarks |
うどん1玉の重さは230グラム。 |
少林寺桜掻き分け来る群れの
若人見れば春きたるらむ 賦蘭都
多度津の街の中央にある桜の名所「桃陵公園」。その南端には少林寺拳法の総本山があり、春・夏・冬休みともなると、全国から総本山目指して若人が集まってきます。若人達は、町内の民宿に宿泊して朝夕桜並木の中を“登下校”します。
また、少林寺には全世界に支部があるため、この若人に交じって様々な国から研修で来日している外人さんもおります。そして運がよければ、挨拶がてら色んな言葉の“語学研修”ができます。そしてNOVAなんかと違って受講料が無料。但し、仲良くなり過ぎたら、讃岐うどんを奢ってあげなければならなくなりますので注意が必要です。止むを得ず外人さんにうどんを奢ることになったなら、今回ご紹介する「平野屋」さんがいいのではないでしょうか。場所が総本山下で、質的にも恥ずかしくないお店です。
吾輩、ロシア人やスペイン人なんかは全く手に負えませんが、英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・中国語話す人やったら、なんとか適当に対応してます。讃岐うどんは、英語では“Sanuki Noodles”、フランス語では“Nouilles de Sanuki”、ドイツ語では“Sanuki Nudeln”、イタリア語では“Tagliolini di Sanuki”、中国語では“鸟冬面(wu dong mian)”ですが、「UDON」でも通じます。
さて、その少林寺総本山の直下にあるのがこの「平野屋」。昼は“うどん屋”夜は“居酒屋”という一寸変わった営業形態になっております。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
【歴史】
ここは、昭和53年に営業を開始した比較的新しいうどん屋です。
しかし、「平野屋」の起源は幕末まで遡ります。金毘羅詣での上陸湊として賑わった多度津において、例の伝説の「かろのうろん」と共に当地を代表するうどん屋であり、三代の店主で130年間の長きに渡って続いたものの昭和51年に閉店。しかし、その三代目の御主人の娘さんの旦那さん(現店主)は、京料理の板前さんであったのですが、夫婦揃って父の故郷に帰り、父の味を受け継いで「平野屋」を再開されました。
このあたりの経過、NHKの人気番組「鶴瓶の家族に乾杯」で放映されたので、ご覧になった方もおられるのではないでしょうか。
【営業形態】
そんな、板前さんであった店主ですので、昼はうどん屋、夜は居酒屋として営業しているわけですね。御主人が正規に和食料理を習っている板前さんなんで、“居酒屋”としてもハイレベルです。奥様(先代さんの娘さん)も、小料理屋的な気の利いた接客をなさるので、うどん屋として勿体ない位です。
【夜の居酒屋】
職場関係の軽い飲み会で時折利用しますが、御料理の質の割には料金が安いので気に入っています。
ここの御主人は、本格的に修行してこられた方です。吾輩のような素人でも出てくる御造りをみればそれが容易にわかります。味付けも、関西系の京・大阪料理のようにお上品で、お下品な味付けを好む吾輩ですが、奥様の適切な接客により、気持ちよく、お酒と御料理が進みます。そして、最後は、うどんで〆ることができるのも、この店のメリットです。
過去の例で支払った金額は一人当たり、min.1800円、max.4500円で、特に高いお店ではありません。この価格は、暴飲暴食していた当時に数人グループで行ったときの頭割りした金額です。きちんと計算した訳ではありませんが、良く飲み良く食べる人吾輩同様な人は、この価格の5割増程度になると思います。
【饂飩の特徴】
ここは、過去の経過から判りますように、古い讃岐うどんの形態を残すお店です。
明治から戦前の多度津には、この「平野屋」意外にもう一つ「かろのうろん」ってお店があったそうです。
「かろのうろん」は”博多うどん“に近い、柔らか目の麺と甘めのダシでだったようで、「かろのうろん」の系譜は同町内西浜にある「まるや」さんに受け継がれているようで、同一町内で食べ比べができ、嬉しかったんちゃん(と博多弁モードに)。
それに対して、こちらは、れっきとした讃岐うどんの系譜。
但し、現在の讃岐うどに比べて若干コシが少ないもの、弾力あって表面滑らかな麺で太さはやや細め。
古い讃岐うどんの特徴が顕著です。現在の讃岐うどんダシは、いりこ/かつお/昆布のトリオに醤油が基本となっているようですが、ここではそれに椎茸と味醂味が加わっていることがわかります。この味付け、郷土料理の料亭を営んでいた義父母が饂飩出汁を作るときの味付けと類似しております。
そんな訳で、懐かしかっちゃんうどんです。
【メニュー】
讃岐うどんにあるメニューは概ねあります。一番安い、“かやく”や“釜揚げ”が300円。食欲旺盛な方は大(2玉)で100円増し。おでん(100円)やおにぎり・寿司はありますが、“天ぷら”はありません。
また、本日の丼セット、550円っていうのがあります。日替わりの丼(親子丼や他人丼など)とうどんのセットで550円、うどんは“かやく”か“湯溜め”より選べます。
【お薦めメニュー】
昔懐かしうどんなので、“かやく”や“釜揚げ”というシンプル系でもいいのですが、せっかく御主人がちゃんとした料理人なので、ひと手間かかったうどんの方がいいように思います。
(肉うどん) 大550円
常連さんの話によれば、再開前以前のかなり古くからあったメニューだそうです。
肉の旨味を引き出すために、普通のうどん屋の肉うどんに無い味が幾つか加わっています。その効果で、食べる際に普通の店の肉うどんと違って“胡椒”をふっても違和感がありません。ちゃんと下味との組合せを計算しているんですね。胡椒を降るとハイカラな味わいに変身します。このうどんが出来た当時、香川県内で一番ハイカラだったのは、高松ではなくてここ多度津だったようで、他に当時珍しかった洋食店も何軒かあったそうです。その影響でしょうか?普通のうどん屋(例えば、善通寺の“一代”)が庶民的なら、ここのは“多度津の七福神”みたいな豪商の味って感じです。温泉卵がついているのは”一代“さんと同じです。ただ、大食漢の吾輩としては、肉の量が少な目なんが残念ですが、だんなしゅう(豪商)はお品がよろしいんでそんな文句は言わない筈です。
(鍋ホルうどん) 大700円
多度津町のB級グルメの雄「鍋ホルうどん」。善通寺の「たいしもちうどん」・「乃木うどん」みたいな地域限定のうどんです。
この「鍋ホルうどん」、町内のJR工機部前にある「焼肉いこい」が元祖。ここ「平野屋」と、堀江の「ひろ濱うどん」の三店で食べれます。
“乃木うどん”同様に、各店によってかなり違いがありますが、ここのは、さすが京料理の料理人であった御主人が処理しただけあってホルモン固有の臭みを完全に消し去っています。個人的には、豚骨ラーメン同様に獣臭さがタップリあった方がいいのですが、上品な鍋ホルうどんではあります。味付けは、甘辛い味付けですが、甘(30)辛(70)と辛さの方が勝る味付けです。先の“肉うどん”が“胡椒”なら、こちらは“赤唐辛子”をかけて食べます。唐辛子の辛さとバランスを取るために、出汁の味付けを辛めにしたのでしょうね。
個人的には、三軒中ここの“鍋ホルうどん”が好きです。
【客 層】
ここの店って普通のうどん屋以上に地元民の客の比率が異常に高いようです。恐らく、90%いや95%は地元民のようです。小料理屋的な外観のため、“一見さん”が入り難いんじゃないでしょうか。
そのため、先祖代々この町で暮らしてきたって顔した客ばっかりで、原住民でなければ馴染めない雰囲気があります。吾輩は地域地域の地史・歴史・文化を調べることが好きなんで、今じゃ原住民以上に原住民化して、ローカル会話に混ざります。
でも、よそ者も心配御無用。ここの奥さんは、接客のプロやし、町民は話好きです。
最後は、讃岐弁モードで〆ます。
“よそんしじゃっても、おあいそなしやへんばされてあずるこたねえけん、まあいっぺんおいでえまあせ”
(標準語訳:よそ者であっても相手にされずに無碍な扱いを受けて困ることはないので、まあ一度おいでください)。