静かで上質な空間を楽しむ老舗旅館(その2):朝食
京都市役所近く麩屋町通りにある老舗旅館です。
京都の御三家と呼ばれる旅館の一つで、長い歴史の中で多くの著名人が宿泊。
海外の方にも人気です。
創業は宝永年間(1704年頃)といわれ、石州浜田(島根)出身の岡崎和助氏による呉服店(俵屋)に石州藩士を泊めたのが始まり。
現在の当主は11代目の佐藤(旧姓 岡崎)年氏。
歴史ある旅館の佇まいに佐藤氏の新しい考えや美意識を取り入れた、静かで上質な空間を提供しています。
(その1)に続き、朝食について書きます。
前日に朝食の時間(7:30~)と飲み物、焼魚を選びます。
飲み物はヨーグルトドリンク又はオレンジジュースから「ヨーグルトドリンク」を選択。
焼魚はぐじ、鮭、鯵などから「ぐじ」を選択。
◇おめざ
・お茶
・ヨーグルトドリンク
・梅干し
と、新聞。
◇朝食
●湯豆腐
木桶に入った豆腐、水菜、湯葉、椎茸。
ポン酢も温められています。
薬味は彩り良く、刻み海苔・青葱・削り節・大根おろし。
豆腐は平野とうふ製。
大豆の味がして、しっかりしているのにふるふる。
●焼魚
ぐじ。
1人前は半身を半分に切ったもの。
付け合わせは半熟卵、しそ巻、レモン。
鱗がパリパリで身はほくほく。
朝からご馳走・・・です。
●ひじき煮つけ
●青菜お浸し
●ご飯
お米がおいしい。
●ちりめん山椒
●香の物
柴漬け、大根、昆布佃煮
●味噌汁
具は大粒のしじみ
●お赤飯
毎月1日と15日は氏神様へお供えするため「お赤飯」を炊くとのこと。
そのおすそ分けとして出されました。
ご飯を1杯にしておいたので、量は適量。
上質で正しい日本の朝ごはんでした。
大満足。
食後はお茶を飲みながら、チェックアウト(11:00)までゆっくり。
他のお客さんとは全く会うことなく、プライベート感のある快適な滞在を楽しみました。
チェックアウト時。
スタッフ皆さんによる丁重な見送りを受けながら、宿を去りました。
ホスピタリティは良く、アメニティやタオル・寝具もこだわりの品。
一泊の価格は安くはありませんが、これだけのもてなしを受けたら相応以上だと感じます。
定宿にするお客さんが多いのが分かる気がしました。
私も機会を作り、再訪したいです。
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※予約について
HPは開設していないので、予約は宿に直接電話するか旅行代理店(JTB)経由のみ。
料理は部屋の価格により、内容が異なるようです。
予約時に今回宿泊した部屋は料理も良いとの説明を受けました。
Restaurant name |
Tawaraya(Tawaraya)
|
---|---|
Categories | Ryokan、Japanese Cuisine |
Phone number (for reservation and inquiry) |
075-211-5566 |
Reservation Availability |
Reservations available |
Address |
京都府京都市中京区麩屋町通姉小路上ル中白山町278 |
Transportation |
地下鉄京都市役所前駅から徒歩5分程度 269 meters from Kyoto Shiyakusho Mae. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget(Aggregate of reviews) |
¥60,000~¥79,999
|
Method of payment |
Credit Cards Accepted (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) Electronic money Not Accepted |
Private dining rooms |
OK For 2 people、For 4 people、For 6 people、For 8 people |
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Private use |
not allowed |
Non-smoking/smoking |
Smoking establishment Please check with the restaurant before visiting as the law regarding passive smoking countermeasures (revised Health Promotion Law) has been in effect since April 1, 2020 and may differ from the latest information. |
Parking lot |
OK |
Space/facilities |
Comfortable space,Wide seat,Tatami seats,Horigotatsu seats |
Drink |
Japanese sake (Nihonshu),Wine,Particular about Japanese sake (Nihonshu) |
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Occasion |
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Service |
(Surprise) Party accommodations,BYOB,Take-out |
Remarks |
お弁当の手配は事前か宿泊当日にできますが、火曜日受け渡しはできません。 |
京都市役所近く麩屋町通りにある老舗旅館です。
京都の御三家と呼ばれる旅館の一つで、長い歴史の中で多くの著名人が宿泊。
海外の方にも人気です。
創業は宝永年間(1704年頃)といわれ、石州浜田(島根)出身の岡崎和助氏による呉服店(俵屋)に石州藩士を泊めたのが始まり。
現在の当主は11代目の佐藤(旧姓 岡崎)年氏。
歴史ある旅館の佇まいに佐藤氏の新しい考えや美意識を取り入れた、静かで上質な空間を提供しています。
場所は御池通りから麩屋町へ入ってすぐ。
京都市役所駅8番出口より約3分(階段のみ)、烏丸御池駅からも約7~8分と便利な場所。
狭い麩屋町通りの向かいは柊家旅館。
2軒の老舗旅館が向かい合うこの辺りは、交通量はありますが京都風情が感じられる一角です。
約半年前に電話にて予約。
(→(その2 )※に追記。)
電話の応対が親切で感じが良く、この時点で好印象。
当日。
建物は歴史的建造物に指定され、最も古い部分は1810年建。
風格ある佇まいです。
漆喰壁に囲まれた入口から声をかけると、玄関担当の方がお出迎え。
坪庭に生けられた立派な生け花を見ながら、新館へ案内されました(エレベーターあり)。
手入れが行き届いた建物の所々にさりげなく美術品が置かれ、その一つ一つが上品です。
部屋は2階。
手前に小さなリビングと奥に座敷。
目の前に庭園が設えられ、窓から見える緑が額縁のように美しいです。
高野槇のお風呂には湯が張られ、何時でも入れます。
ごろ寝マットは寝心地良好。
連れが寝ておりました。
建物は本館(2階)と新館(3階)が1階で繋がっています。
パブリックスペースとして、大きな花を生けた坪庭、図書室(美術書が並ぶ)、庭は見学自由。
本館2階のアーネスト・スタディ(※)も一見の価値があるので、是非見学しましょう。
以下、食事について書きます
◇ウエルカムティー
●わらび餅
青竹筒に盛ってあり、きな粉がたっぷり。
箸で押すと柔らかくて弾力があり、つまむとお餅のように伸びます。
これぞまさしく、わらび粉で作った「お餅」です。
冷たくて口当たりは良く、黒糖のやさしい甘味。
このわらび餅は近くにある遊形 サロン・ド・テ(休業中)でも出しているそうです。
●緑茶
◇部屋に用意されていた飲み物
・冷蔵庫
ビール、ジュース、水、お茶(ペットボトル)。
全て無料です。
・お茶
茶筒に入れた緑茶とほうじ茶、紅茶、コーヒー。
緑茶が好み。
食事は朝・夕共に部屋食。
時間は希望に合わせてくれたので、遅い時間を希望しました。
◇夕食
お飲み物は吟醸酒「俵屋」(北山の地酒)(1,020円)。
すっきり後味で甘すぎず辛すぎず。
料理を出すタイミングは速すぎず遅すぎず。
頃合いを見て出されました。
●食前酒
●先付
・蟹とんぶり和、貝割菜
・茶巾蛤
・百合根松風
・海老艶煮
・蓮根小倉煮
レンコンの穴に小豆が詰めて煮たもの。
・椎茸アチャラ漬
椎茸で人参などを巻いて煮含めたもの。
椎茸の食感と香りが絶妙です。
・紅葉人参
・いちょう蒸餅
先付は手間をかけて作られたのがわかる、上品な味。
次のお料理への期待が高まりました。
ところで、いちょう蒸餅はどこにあったのだろう?
●小茶碗
雲丹とろろ
喰出し、磯部粉、山葵
●向附
・鯛へぎ造り
・河豚焼目造り
白身の魚が嬉しい。
しこしこした食感。
●煮物
海老芋饅頭 朧仕立て あじ 芽葱
朧仕立てにした汁が旨いです。
●焼物
・笹鰈風干し
・魳柚庵焼
・粟麩 赤芋 松の実味噌和
器が素敵です。
笹鰈も魳も大好物!
好きな食材が出されると自然に出る笑顔。
より食事がおいしく感じます。
味変用の粟麩 赤芋 松の実味噌和は2つの器に入れてあり中身は同じでした。
●温物
蕪蒸し 鼈甲餡掛け 若芽菜 山葵
●強肴
鱧東寺巻
大黒しめじ 人参葉 紅白大根
鱧東寺巻は湯葉で鱧を包んで煮たもの。
●止椀
赤出し
しめじ、細かく刻んだ青菜
●ご飯
米がおいしい。
契約農家さんのお米だそうです。
●香の物
壬生菜、白菜、紅かぶ、おろし生姜。
●水物
洋梨甘味煮 ブルーベリー
ボンボニエールの器で出されました。
可愛いですね。
夕食に要した時間は約1時間半。
料理に派手さはありませんが、季節感があり上品で上質。
量的にも丁度良く、お腹が重くなることはありませんでした。
個人的には好きな食材で作られた品が揃っていたので、より好印象。
大満足です。
食後は仲居さんが、ふすまを締めてお布団の用意。
隣の部屋で、一服しました。
●干菓子
福俵
俵型の口溶けがよい和三盆糖100%の干菓子。
部屋にある煎茶を入れて、いただきました。
特注のお布団と厚いマットレスは寝心地抜群!
一泊というのが惜しい気がしました。
ここは常連のお客さんが多いのが分かりますね。
(その2)朝食へ続きます。
宿泊全体の感想も(その2)で書きます。
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※本館2階 アーネスト・スタディ
当主 佐藤年氏の配偶者であるアーネスト・サトウ氏の書斎だった部屋。
歴史を感じる建物内にある、モダンな部屋は一見の価値あり。
17:00~ラウンジとして開放されます。