Restaurant name |
Kagizen Yoshifusa(Kagizen Yoshifusa)
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Categories | Sweets、Japanese sweets |
Phone number (for reservation and inquiry) |
075-525-0011 |
Reservation Availability |
Reservations available |
Address |
京都府京都市東山区下河原通高台寺表門前上ル |
Transportation |
市バスで東山安井下車、徒歩5分 772 meters from Gion Shijo. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget(Aggregate of reviews) |
¥1,000~¥1,999
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Method of payment |
Credit Cards Accepted (Master、JCB、AMEX) Electronic money Accepted |
Number of seats |
26 Seats |
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Private dining rooms |
not allowed |
Private use |
not allowed |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables |
Parking lot |
not allowed |
Space/facilities |
Comfortable space,Wide seat |
Occasion |
With family/children |With friends/colleagues This occasion is recommended by many people. |
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Location |
House restaurant |
Service |
Take-out |
With children |
Kids are welcome |
Website |
2023.5.3(水)
いただいた料理
くずきり(黒蜜) ¥1,300-(税込)
商標登録くづきり 水上 勉
小さい頃、狭山くずの花を見た。
紫色のふさになって咲くこの花は、秋本にはサヤ豆のような果になっていた。京の「鍵子」にきてくずきりをたべていると、故郷の土の香がするのは私だけであろうか。
聞けば「鍵善」では大和のくずをつかっているそうな。
しかし、むかしのくずは暑狭境の奥山産のがあったともいう。
くずは根の強い植物で、アメリカなどは日本から種子を挿入して、くずれを防ぐ用に供し、何万坪ものくずの花の咲く山があるそうだ。
花はみごとでも、根がおいしくたべられるくずの風雅はアメリカ人のものではない。
これはなんといっても日本の味だ。
酒好きの私が、「鍵善」の二階へあがって、あの独特の器に入れてさし出されくずきりに、舌つづみを打つのは宿酔の朝である。
空の甘さと、くずの白さが、舌の上で冷たくまぶれて、つる
りとのどへ入りこむ。
あの味は、弦かむりから出る地酒の特級と同逃で、じっ
にうまい。うろこのようにかさなって咲く紫の花びらが、
たべったのこりの、氷水の面にうつっているような気がする。
私はいつも、二杯目をおかわりして笑われる。
搭づくりの店のたたずまいも、京の「鍵善」の風格にちがい
ないが、路や卓がいくらこられていても、味がまずければ
永続するものではない。
日本の山の土を守った根が、 おいしく加工されているからである。文明は山野をいくらけずりとっても、自然の美味はのこすものだ。
くずきりの味の王者だと思う。
鍵善良房(題字は何井寬次郎氏)