濃い目の味付けながら、目を見張る点も : Otagi

鷹峰にある高額和食店。ミシュラン二つ星で、食べログでの評価も4.01(2022.01.07)と超高評価店です。だいぶ盛っていると思うのですが、知人からは北大路界隈で知らない人はいないほど有名だと教えられました。コースは税込22,000円のおまかせのみです。

リンゴと柑橘類のジュース
栗を射込んだ百合根饅頭（銀杏の餡かけ、川海老）
お造り（甘鯛）
お造り（鰹）
鱧松茸の椀
肴三種（雲子、たたき牛蒡、雲丹といか）
落ち鮎の焼物
手打ちそば
焚物（牛肉）
焼き松茸ご飯
玉子丼
水菓子（無花果・みたらし団子）
お薄
こんな感じでした。

若狭の甘鯛は３日寝かせたものとのこと。身に脂が回り、うま味も出ていました。鰹は炭火で炙ったもの。香ばしく、味の凝縮感もしっかりしていました。どちらもなかなか美味しかったです。

鱧松椀の吸い地はうま味・塩味ともに強く、かなり濃い目の味わい。一口目からしっかりしすぎており、途中でピークアウトしてしまいました。しかしながら、鱧（瀬戸内）や松茸（和歌山）の質はどちらも良質。この価格帯で供されるものとしては最上といっても過言ではないとすら感じました。

落ち鮎は外はパリッと焼かれており、中はふっくらとした仕上がり。蕎麦はこちらで打っているそうなんですが、器用な方だなと。鰹節の利いた出汁も蕎麦には合っていました。

牛肉は鰹節ベースの出汁と玉ねぎで柔らかく煮込まれたもの。玉ねぎ由来の甘味なのでしょうが、個人的には甘ったるく感じてしまいました。私が玉ねぎを煮詰めた甘味をそこまで好まないというのもあるとは思います。

焼き松茸ご飯も濃い目の味付けで、酢橘を絞らないと厳しかったほど。玉子丼もうま味・塩味・甘味といずれも強く、やはり濃い目の味付けでした。店主の馬場氏が和久傳出身と知って、この辺は納得。

詳細は忘れてしまいましたが、最後に供されたみたらし団子が非常に美味しかったです。

酒類は安い物から揃えられています。酒器は値付け相応のものでしょう。オペレーションは微妙ですが、気になるほどではありませんし、気遣いを感じる接客でした。

価格比での食材の質はかなり良いと思いますが、タクシー必須の立地です。最寄りの北大路駅からでも片道1,200円程度。移動時間も考えると相応のコスト増になるでしょう（Time is money）。私はこの手のコストを嫌う傾向にあるのですが、こちらはそういったコスト要因を考慮に入れても十分ペイする内容なのではないかなと。濃い味付けが好きな方には特にオススメです。