ラーメンではなく和麺屋というべき店、素材を吟味し店主求道の淡麗な一杯を体験 : Chuuka Soba Fujishima

店主ワンオペで素材を吟味した中華そば屋が、伊那市を流れる天竜川沿いに静かに営業しているとSNSで知り、立ち寄ってみました。店ブログの日々情報だけで広告はしない方針らしく、その分を提供する食に傾けている印象を、採用の食材情報が詳しく書かれている品書きで察することができます。

店内はきちんとしており、券売器で食券を買って待ち、独りで立ち回っている店主に順に呼ばれてカウンター席に着座する流れの接客です。水も客セルフ、食後は鉢をカウンター上に戻してくれの協力願いがありましたが、これくらいの甘えは味が許せば全然問題ないです。

この日のお昼時間は3～4人待ちの混みでしたが、ほとんどが女性客。あっさりした一杯が受けているのでしょう。控え席で品書きの店主口上を読んで、スマホいじってれば待たされた感じはなかったです。

事前に画像で見ていた一杯が出されました。今日初で注文したのは、鴨中華そば。中華そばと鴨中華そばはスープが違うそうなので、中華そばは後日の楽しみです。一口入れた細麺の感触は、期待した通り。次にすっきりした醤油スープが舌上に優しくよかったです。トッピングのお肉は種類が変えてあり、一番上の鴨は上品でややレアでした。それが麺上に、スープが入り込んでほどけるなじみの叉焼とは違う肉質なので、その食感が淡麗なスープを弾いて、味覚のハーモニーとして満足しているとはいえず、好みは分かれると思われます。（蕎麦屋の鴨そばなら、はっきりした汁の濃さが鴨肉レア部と響きあうが…）

総合的に後味はよく、質のよい一杯でした。ただ、これは「中華そば」かといえば、店主求道のユニークさで和麺ともいうべき新ジャンルでないかと雑感です。

唯我独尊の一杯を体験したいということで、しばらく一見さんとそのグループの訪問が続くのではないかと思います。店主ワンオペの奮闘ぶりなら、見守りファンもつきそうな感じです。