ほぼ隔月おこじょ訪問記4月
2024年4月
「期間限定麺 のどぐろつけ麺1,000円」
今期の限定麺は、のどぐろ煮干しのつけ麺。楽しみにしてたので早めに来店。のどぐろ煮干しとのどぐろ焼き干しでダシをとったという。なるほど、炙った風味がする。基本の旨みはレギュラーののどぐろラーメンと同じだが、塩鮭を焼いたような香ばしさがある。塩だれベース。魚臭さがほとんどなくなり、香ばしさだけが印象に残る。
麺は14番?の極太麺。冷水で締めてあるのでコシが強い。麺をモグモグと食べながら、つけダレをレンゲで一口合わせると、更においしい。トッピングは鶏チャーシュウ、窯焼き豚チャーシュウ、穂先メンマ、刻みネギ。つけダレに刻みネギが非常に合う。窯焼き豚チャーシュウは、薫香があってほぼベーコンだ。
看板メニューののどぐろラーメンをアレンジした限定麺だっただけに、完成度の高い一杯だった。
ほぼ隔月おこじょ訪問記2月
2024年2月
「生姜塩ラーメン900円」
生姜醤油ラーメンを塩ラーメンにした新メニュー。これがサッパリとしていて旨い。イベント食としてではなく、日常食としてのラーメンとして開発された一杯。特に何か構えることなく、お腹が空いたな、ラーメンでも食べるか、でもしょうゆ味って気分じゃないなあ、ちょっとサッパリしたのを行こうか…って感じでいただく一杯だ。
麺は20番中細麺。加水率やや高めで、ちょいモチモチだがあっさりした食感。スープは少し濁った非乳化豚骨ダシベース。鶏ガラも入っているかな。
すっきりして強すぎない生姜のパンチで、さっぱりいただけた。私は初めて食べたが、常連のオーダーもちょいちょい入っている様子。長岡生姜醤油ラーメンをそのまま塩だれに置き換えたような一杯、これはアリだね。
ほぼ隔月おこじょ訪問記12月
2023年12月
「のどぐろラーメン大盛 1,050円」
今年ラストのおこじょ訪問にしようかなと、平日のランチタイム終わりに訪問。あわよくば久しぶりに店主とお話できればと思っていたのだが、おお、いらっしゃいましたよ、ラッキー。券売機で、のどぐろラーメンを購入。北陸の至宝ですよ、このラーメンは。しかも大盛り無料サービス。一年の締め、もちろん大盛りでお願いします。しかも最後にはのどぐろ茶漬け用岩のりごはんも付いているのだ!
ランチタイムの客が次々と食べ終えて、感謝祭くじを引いていく。レギュラーメニュークーポンの100円引き券と併用できるのよ。トッピングとかうまくいくと一杯無料とか。
オーダーをとったらカウンター席でマスクをとって、しばらく邪魔にならないように待機。他の客のオーダーは、生姜醤油ラーメンとチャーハンのセットとか、おこじろうとか。私が今回の限定ラーメン・上越白味噌ラーメンにしなかったのには、理由がある。実は最近、上越白味噌ラーメンのズバリ中心的なお店・妙高ニューミサに行ってきたばかりだったのだ。
そして、ラーメン着丼時に店主に気付いてもらい「あ、どうも」「お久しぶりです」とあいさつすることに成功。他のお客さんに料理提供している手順を注視しつつ、話しかけるタイミングを計る。もちろん、のどぐろラーメンの濃密な魚エキスのスープ、シャッキリ気味なストレート20番中細麺を楽しみつつ。
徐々に他のお客がはけていって、だんだんお話ができた。業界の近況、ゼロゼロ融資の返済、有名店の内情など、エキサイティングな情報をうかがうことができた。それにしても、長岡生姜醤油ラーメンの現在の超上げ潮を読み切ったかのような、おこじょのメニュー展開一新は神がかり的だったと思う。ここまで長岡生姜醤油が盛り上がるとは、私には想定外だった。
私は、昔から長岡人のくせに長岡生姜醤油が嫌いなのだ。それには理由がある。長岡生姜醤油ラーメンは、札幌味噌ラーメンと同様に、料理人を甘やかしてしまう欠点を持っているのだ。それは何かというと、醤油味が濃いタレで生姜を強く効かせると、いい加減なスープでもソコソコおいしくなってしまうということだ。(味噌ダレも同じなのだ。)
むろん、同じスープで塩ラーメンを提供しているお店なら、基本スープがわかる。塩ラーメンのおいしい長岡生姜醤油ラーメンのお店なら、間違いない。しかし、醤油ラーメン一本の店で、いい加減なスープでタレを割っていたとしても、タレの風味が強烈に個性的なので、ソコソコうまく感じてしまうのだ。プロや味にうるさい人以外は、多分気づかないし、みんなが旨いというし客も多いから旨いんだろうというバイアスもかかり、テキトーなスープの店も繁盛してしまうことがある。それが我慢ならなかったのだ、かつては。
でも、そもそもスープを作らない千葉・竹岡式らーめんとか、その土地で愛されているラーメンなら、それでいいのかもな、と最近は思う。
話がそれたが、おこじょ店主は海外で縁のある和食チェーンにラーメンの技術指導をしに、ロンドンに一週間ほど行ってくるそうだ。何かを持ち帰ってきてくれるかも。
ほぼ隔月おこじょ訪問記10月
2023年10月
「真ホッケのつけ麺1,280円」
8月からロングラン提供していた「貝だしの冷たいラーメン」が終わり、次の期間限定ラーメンは「真ホッケのつけ麺」。
麺は14番極太平打ち麺。全粒粉入りで食感が固いが、口当たりはツルツルと滑らかだ。極太なので大いに食べごたえがある。チャーシュウは、いぶした豚チャーシュウ1、鶏チャーシュウ1。ホッケの塩焼きの身もひとかけ入っている。あとは、穂先メンマの大物一本。ホッケって、開きで干した物しか食べたことがないが、生のままだと随分とクセが無く上品な味だ。
ホッケのつけ汁は、魚の旨みに、昆布の旨みが強く感じられた。北海道っぽいイメージの味のまとまり。太麺と、シャバ系のつけ汁とがなじみにくい傾向もあるので、岩のりのトッピングが生きてくる。岩のりがうまーく汁をまとって麺に絡みつくのだ。
つけ汁は、もちろんそのまま飲むと塩味が強いが、麺をすすり終わってからだと丁度よくなっていて割りスープが不要だ。どこ産のホッケか確認しなかったが、強い昆布の風味とともに、北海道の沿岸を想起する一杯だった。
ほぼ隔月おこじょ訪問記8月
2023年8月
「冷やし担々麺 980円」
長岡市は連日の38℃。駐車場に車を停めておくと、いくらフロントガラスに遮光しておいても、乗るとき大変なことになる。だから皆さん外出自体も控えているのだろう。でも、どうせ用事で出たついでだし、おこじょの夏限定麺「冷やし担々麺」でも食べていくか。
冷やし担々麺は、毎年少しずつレシピが違うようなのだけれど、今年は豆乳を使ってサッパリ目に仕上がっている。トッピングのもやしとゆでほうれん草が割と多めなので、ちょっと味がぼやけた感じもするかなあ。お好みで辛さ増しサービスがあるといいのかも。
でも、涼しいメニューでサッパリ行けた。冷水で締めてコシのでた太麺は、やはり旨い。…見るともなくカウンターの二つ隣の客を見たら、生姜醤油ラーメン大盛りに、チャーハンセットまで食べてるじゃないの。見たところそんなに若そうじゃないのに、元気な人は元気だなあ。シャキッとしよ。
ほぼ隔月おこじょ訪問記
2023年7月
「ラーメン大盛830円」
今日は、「おこじょ」のコスパの良さを紹介しようと思う。まず、券売機で「ラーメン」の券を買う。こちらの「ラーメン」は、長岡生姜醤油ラーメンなのだ。次に、「大盛」の券を無料で発券する。お金を入れなくても「大盛」の発券ボタンを押せばいいのだ。
席に着いたらこの二枚を出し、更に前回もらった100円キャッシュバック券 (だいたい2か月有効) を出せば、実質730円で大盛りラーメンを食べられるのだ。大盛ラーメンは、丼からして違う。誇張でもなんでもなく、洗面器サイズ。今回のシャシンは、比較のために単行本を横に並べてみた。
麺は20番中細麺。トッピングは切り落としチャーシュウ、茹でほうれん草、板のり、穂先メンマ、刻みネギ。
スープはご存知、生姜のビリビリ効いた醤油スープ。新潟市内のラーメンの倍近く醤油ダレを強くした塩味濃いめのスープだ。全部飲み干すのは、健康面を考えるとお勧めできない。実際、長岡市民は長岡生姜醤油ラーメンを食べる場合、ほとんどの人がスープを残す。
このご時世に洗面器サイズの大盛ラーメンを730円で食べられるなんて、いいでしょう。もちろん、旨い。ペロリとイケちゃいます。
ほぼ隔月おこじょ訪問記5月
2023年5月
「のどぐろラーメン 1,000円」
一年ぶりに、大看板の「のどぐろラーメン」を食べたくなった。ジロー系の「おこじろう」、最近全国的知名度急上昇の「長岡生姜醤油ラーメン」も人気だが、のどぐろラーメンは別格だと、私は思っている。日本海の食文化上、全国に誇るべきラーメンだと思っている。
麺は20番中細麺。トッピングは長い穂先メンマ、鳥チャーシュウ、豚チャーシュウ、半熟気味の煮卵ハーフに、のどぐろ塩焼き小片、刻み青ネギ。
魅力は何と言ってもクリーミーなノドグロ白湯スープ。材料のノドグロは、乾物ではなく鮮魚を使っているのだ。一口含むと、恐ろしく深い旨みを感じられる。ノドグロの脂が乳化してできた白湯だ。魚の脂だから、獣の脂と違って脳に必要なDHAをたっぷり含んでいるはずだ。旨いうえに脳にも効く。
ラーメン好き界隈では、ニボラーニボラーと煮干ラーメンが天下を取ったような顔をしているが、考えてみてほしい。居酒屋で、のどぐろの皿とイワシの皿が並んでいたらどっちを取りますか?イワシに手を伸ばすバカはいませんって。そういう風格の違いを、のどぐろラーメンのスープを味わえばわかるはず。
旨いのよ。他のどこでも食べたことの無い美味しさなのよ。ラヲタ必食の一杯なのよ。
ほぼ隔月おこじょ訪問記3月
2023年3月
「ふきのとう春のワンタン中華そば980円」
毎月1~3種類の限定ラーメンを出しているこちら、今回は移転四周年祭の期間中に訪問。レギュラーメニューの人気は、ドカ盛り系おこじろう、生姜醤油ラーメン、みそラーメン、のどぐろラーメンとそれぞれに分散している。ただ、のどぐろラーメンは基本的に20食限定なので、午後1時を過ぎると売り切れてしまう恐れがある。
今日の限定ラーメンは、横浜家系ラーメンとふきのとうワンタン入りの中華そば。券売機前でしばし迷い、春のワンタン中華そばに心を決める。
有名ブランド鶏二種で取ったスープに、強めの醤油ダレを合わせ、シンプルで力強い旨さ。麺は20番中細麺にゆるく手もみ風の縮れがかかっている。鶏と豚の二種チャーシュウや穂先メンマは、レギュラーメニューでもおなじみのトッピングだ。
主役は二個のふきのとう入りワンタン。アンの主成分は鶏ひき肉かな。そこに、細かくしすぎないふきのとうが適量配合されている。ふきのとうの苦さをしっかり感じられつつ嫌な苦さにまではならない。この辺の味の見切りはさすがだ。ワンタンは皮が厚く、水餃子のよう。皮の食感を楽しむタイプではなく、アンをガッツリ楽しむタイプのワンタンだ。
刻みネギに似たトッピングは、あさつきの芽の微塵切り。シャキシャキした歯ごたえが楽しい。
まだ土色の早春の大地に植物の芽が萌え出しているような、分かりやすい力感に満ちたラーメンだった。
おこじょ月例訪問1月
2023年1月
「タイカレー・ラーメン1,000円」
今年も「おこじょ」でラーメン・ライフを充実させていただきます。今年に入って早くも三種類くらいの限定ラーメンを出している。現在の限定ラーメンは「家系」と「タイカレー・ラーメン」。では、券売機でタイカレー・ラーメンを購入。
ライスとともに着丼。サラッとしたスープ・タイプのタイカレーだ。レモングラスと生姜、ココナツのエキゾチックな風味が強烈だ。甘くて酸っぱくて辛い。タイカレーにしては、辛さは控えめ。上越の「美國」でいうと、2辛くらい。風味は本格的。
麺は18番中太麺かな。ほぼストレート。加水率やや高し。
麺をすするだけでなく、スプーンにご飯をすくってスープカレーみたいに浸して食べると旨い。具は大根とニンジン、鶏肉がメイン。不思議とこれが合う。旬の根菜だからだろうな。無理して外国産フクロダケやタケノコの水煮を使うよりいいかも。
おいしく楽しい限定ラーメン、今回も満喫しました。
おこじょ月例訪問12月
2022年12月
「とらふぐ濁り塩ラーメン1,000円」
本年最後の「おこじょ」訪問。今回の限定ラーメンは、とらふぐ濁り塩ラーメン。ふぐのなかでも最も旨い(そして高級)といわれるとらふぐからダシをとったラーメンだ。
麺は20番中細ストレート。ちょっとモチモチしている。
白髪ねぎ、焦がしねぎ、穂先メンマのトッピング。二枚のチャーシューは薫香が付いている吊るしいぶしチャーシューだ。とらふぐの身は軽く炙って2個塊で載っている。コラーゲンたっぷりで、官能的なネットリした食感と味わい。
全体的にはスッキリとした見た目。当然ですね。素材に敬意を払い、余計なものを載せ過ぎない。スープと麺に集中して楽しめた。スープに旨みたっぷり。ノドグロとも、タイとも、また違う旨みがたっぷり。ふぐの身には味がないなんて言うけど、それは刺身の場合。加熱するとふぐはバッチリ旨い。これがふぐの味かあ。ありがたや。雪も落ち着いたし、いい年末だ。
攻めるあんかけメニュー
2022年10月
「あんかけ生姜醤油ラーメン880円」
先週松阪ビーフシチューつけ麺を食べたのだが、ケータイを忘れてシャシンを撮れなかったのでレビューをサボった。今日はもう一つの限定麺をポチッと購入。
あんかけメニューというのは、大体優しい穏やかな味で、安心して食べるものである。しかし、このあんかけ生姜醤油に限っては、尖って攻めてくる味だ。スープ全体にくずをかいて、トロッとしている。見た目は優しそうなのに、醤油味がキリッと強く、生姜がビリビリ効いている。
麺は20番中細麺ストレート。ストレート麺でも、あんかけスープだからズルズルと絡む。生姜醤油ラーメンはスープを残す人が多いが、これだとかなりがすすりこまれることになる。ノーマルな生姜醤油よりは、若干醤油味が薄い。
面白いコンセプトだった。生姜醤油に慣れ切った長岡人には発想できないラーメンだった。
味噌ラーメンの日々
2022年9月
「味噌ラーメン」870円
あったかい味噌ラーメンがおいしい季節、最近味噌ラーメンばっかり食べているなあ。このメニューも三度目になるので、特徴がかなりつかめてきた。やはり味噌ダレの味噌がいい。村上市奈良橋醸造のものを使っているのだが、熟成期間が長いから味に深みがある。風味が強いが、塩分が高いわけではない。
そして、スープはかなりショウガ風味が強い。だから辛口スープである。生姜の辛さが生かされている。カップ麺の味噌味みたいにボンヤリとしていない。個人的には赤味噌系の辛口味噌はストライクゾーンではないのだが、この一杯は確実に旨い。県内で流行している龍上海タイプの辛味噌ラーメンとも、こまどり・東横の割りスープ付きとも、ヒグマの生姜味噌系とさえ、明らかに違う。決定的な違い、は味噌ダレの個性の強さである。
味噌ラーメン人気店の多くは、みそダレに複数の味噌をブレンドしている。それぞれの味噌の持つクセを消してマイルドにしているのだ。だが、おこじょでは、あえて一つの蔵の味噌だけを使い、むしろ味噌の個性を際立たせているのだ
おこじょ月例訪問8月
2022年8月
「冷たい生姜醤油ラーメン880円」
今年からの夏季限定メニュー「冷たい生姜醤油」をオーダー。夏季はレギュラーメニュー扱いなので、前回もらった100円オフ券も使用可能。
冷たい麺にすると、びっくりするほど麺にコシが出る。これが楽しいんだよね。夏ならではのかみごたえを味わおう。スープもまた、熱いスープより塩分を強く感じる。温度が味にもたらす変化というのは、とても大きいのだ。アイスクリームが溶けてぬるくなったのをなめると、あまりに甘くてびっくりしたことはないだろうか。あれと同じだ。熱いスープだとズビズビすすっていたのに、冷たくなると、全部飲むのは抵抗があるくらい塩辛い。いつも自分たちがどんな味をむさぼっていたか、温度帯を変えて理解するのも一興。
サッパリと麺をいただいて、ごちそうさまでした。
自家製のどぐろ焼き干しぃ?!
2022年7月
「のどぐろ焼き干しラーメン1280円」
7月下旬の限定ラーメンは、「自家製のどぐろ焼き干しのラーメン」だ。生で仕入れたのどぐろを開いて焼き干しにし、それからダシを取ってラーメンを作るのだ。生で50kgののどぐろを加工して、たった3.5kgにしかならなかったと、店主がラインで泣いていた(笑)。
レギュラーメニューの「のどぐろラーメン」は、鮮魚のままダシを取る白湯らーめんだから、それとどんなふうに味が違うのか非常に興味のあるところだ。
さて、券売機で1280円ののどぐろ焼き干しラーメンのチケットを買い、いざ実食。
ぱっと見、スープの濁りが少ない。半身ののどぐろ焼き干しが華やかだ。スープは、少し塩味が強めで、脂肪分が少なめのすっきり味。でも乾物独特の旨みがあり、食べやすい。「のどぐろラーメン」といって今までいくつかのラーメン屋で出していたのは、こちらの系統のラーメンだ。私も今まで2回ほど食べた。ただし、のどぐろ焼き干しの量が圧倒的に多い。プロの幕の内の相撲取りと学生横綱くらいの差がある。干物にしたことで、魚の生臭さがすっきりと変化して、鮮魚系の生臭さとは質が変わっている。
この「のどぐろ焼き干しラーメン」は、東京の夜限定で2000円超で提供されている高級ラーメンに匹敵するんじゃないかなあ。新型感染症の流行以来、東京に行っていないから根拠は無いけどさ。1280円は、のどぐろを自家製煮干しにした労働力をゼロと考えても、それでもまだ赤字に違いない。店主の研究意欲、頭が下がります。
レギュラーの「のどぐろラーメン」と比較すると、鍋の旨さと干物の旨さの違い、になるかな。いいものを食べさせてもらった。自家製焼き干しが無くなり次第終了となるため、7月末を待たずに終わりそう…(店主談)…だそうです。
ラーメン屋でふぐ料理!
2022年6月
「ふぐの塩ラーメン 1500円」
下関産、北海道産のふぐでラーメンのコース料理風を限定で出すという情報をゲット。久しぶりに開店時間前に並んで入店。4~5人程度の列。券売機でお目当てのフグ塩1500円を購入。カウンターについてお冷やをセルフでセット。へええ、開店とともに満席にならないんだ。長岡市民はおっとりしてるな。
先客のオーダーは新しい看板メニューの生姜醤油や生姜醤油チャーシューメンと、フグ塩が半々ってところ。ふぐの身をあぶったりするので時間がかかり、後客の生姜醤油が先に出ている。ま、そうでしょうとも。1500円のフグ塩ラーメン、じっくり仕上げてくださいませ。
さて、出てきましたよ、フルコース風。ふぐのたたき、身のあぶり、白子焼き、フグ皮の湯引きをポン酢でいただきます。この平皿だけで1500円の価値は十分あるなあ。身と皮を賞味し、本体のラーメンへ。
クセの無い上品で穏やかな旨みのスープ。ふぐって、そんなに味の強い魚じゃないからね。てっちりなんて、今までに二回しか食べたことないからふぐの味なんてよくわからない。ただ、過去二回とも、なんかはっきりしない味だなあ、こんな値段ならふぐよりおいしいものいっぱいあるよなあ、と首を傾げた覚えがある。それに比べると、むしろおいしい印象だ。野菜とか余計なものが入ってないからいいんだな。
フグ白子は、絶品。これだけは、他の何にも代えられない旨さなんだなあ。身の炙りも最高。ポン酢の味に邪魔されたくないのでラーメン本体に付けて食べた。
これならフグ鍋にも匹敵する料理だと評価していいな、ただ最後の〆の雑炊だけは捨てがたいよなあ、と思っていると、最後にふぐ雑炊の追加サービス。わ、わかってんじゃん!
いやあもう感激。1500円は大サービスだと思う。
おこじよ月例訪問6月
2022年6月
「味噌ラーメン830円」
限定ラーメン発売期間の空白期間だったため、久しぶりにレギュラーメニューを楽しむことにした。梅雨入り前の少し寒い日だったため、あったかメニューの味噌ラーメンにした。
村上市奈良橋醸造の伝統的手法で作られた力強い味噌をベースにした味噌ダレ。それをバーナーであぶって焙煎香を立たせる一工夫。もやしやキャベツを入れて味を複雑にせず、味噌味をグイッと前に出した引き算手法の味噌ラーメンだ。ラードがしっかり入っているのにしつこくない。
16番太麺が、力強いスープに染まって味をしみこませ、うーん口いっぱいの悦楽。味噌ラーメンでは省かれがちなチャーシューも部位の違う豚二枚、鶏一枚の大盤振る舞い。小片で混ざる生姜の爽やかな刺激。そして、食べ終えて気づく。コレ、札幌の「純蓮」に似てるんじゃないの?日本のあまたのラーメンのデータをもとに、現在のラーメン界のトレンドを押さえ、全国的視野で一流だと思わせる味噌ラーメンだ。
なんか、去年より旨いんじゃね?
コスパ大幅向上
2022年5月
「生姜醤油ラーメン750円」
提供メニューをリニューアル。ここのところ研究してきた生姜醤油ラーメンが店主の納得する形に完成したということで、生姜醤油ラーメン、チャーシューメン、ラーチャンというラインナップをメニューの新しい看板に据えたのだ。ただし、人気メニューである「のどぐろラーメン」「おこじろう」「味噌ラーメン」については、これまで通り提供している。
生姜醤油ラーメンは、税込750円。しかも、大盛り無料だ。券売機でメニューの一つを買って清算した後、大盛り希望者は無料の大盛り券ボタンを押して、大盛り券を発券する仕組みだ。
着丼した大盛ラーメンは、丼がビッグサイズ。「たいち」の大盛ラーメンの丼と同じサイズじゃないかな。これで750円は、小麦粉値上がりに逆行した大サービスである。
麺は20番。細麺サイズだが、麺帯を厚くして中細麺に仕上げている。手もみ縮れを付け、これまでのおこじょの麺とはかなり感じが違う。18番にしなかったのは、長岡市内の生姜醤油ラーメンの有名店にならったものだという。かの店も、番手20の麺で厚みを出しての中細麺なのだそうだ。
スープも、特徴をつかんだ納得の味。まず醤油ダレが濃い。新潟市のラーメンや、関東以北の平均的な醤油ラーメンの1.5~2倍の量のタレにするらしい。しかも、普通のラーメンは醤油にみりんなどで味の調整をするが、ほとんど生醤油のタレなのだそうだ。だからこそ濃いめの長岡生姜醤油の味になるのだ。
チャーシューは切り落としタイプではないものの、外側を焼しめた感じの歯ごたえのあるタイプ。それにたっぷりのゆでほうれん草。このあか抜けないルックスこそ、長岡生姜醤油ラーメンだ。
メンマだけオリジナリティーがあり、麺と同じ細さの細切りにしている。麺とスープに集中させたいという店主の意図か?
なんにせよ、おこじょ店主がこれまで手掛けてきた長岡生姜醤油ラーメンとしては、最高傑作。しかも、このレギュラーメニューなら、約二カ月以内の再訪時にキャッシュバック券を提示すると、100円返してもらえるのだ。つまり大盛生姜醤油ラーメンを実質650円で食べられるのだ。文句なしのコスパの良さである。(ただし、期間限定ラーメンには使えない)
限定ラーメン緊急訪問3月の2
2022年3月
「ベトコンラーメン880円」
愛知・岐阜のご当地ラーメンを限定ラーメンで再現すると聞き、先週に続き来店。愛知のベトコンラーメンは、いずれ行きたいと思っていたご当地ラーメンの一つなのだ。
ベトコンラーメンの名称由来については諸説あるが、発祥店といわれる愛知県一宮市「新京」の現店主によると、元々はベストコンディションラーメンという名で出していたらしい。それを客やスタッフが省略して「ベトコンひとつ」「はい、ベトコンいち~」などと使っているうちにこの名で定着したらしい。対米ベトナム戦争でベトナム解放戦線の名として当時よく知られていたので、みんながなんとなく使いやすかったというのが実情らしい。
大盛り無料でオーダー。
醤油ベースのラーメンに唐辛子を強めにきかせ、ニンニクのガッツリ入ったニラモヤシ炒めを載せたものだ。麺は20番細麺。
いやはや容赦ないニンニク。まるごとニンニクは5片。その他にもみじん切りがたっぷり入っている。唐辛子の絡みも強く、パンチの強い一杯だ。麺大盛にしたが、刺激の強さで食欲増強、ペロリとスープまで完まく(「完全まくり」のラヲタ用語)。
風邪気味の時、これを食べると次の日スッキリ治ると、ご当地の皆さんがいうのも納得だ。マスク生活で口臭をあまり気にしなくてよい今こそ、楽しむべき中部地方ご当地ラーメンなのだ。
ただし、この日は家族に別な部屋で過ごせと隔離されました…。
おこじょ月例訪問3月
2022年3月
「カニ濃厚まぜそば880円」
カニの香味油とカニスープを使った混ぜそば。もう混ぜている段階で、カニの香りがむんむん立ちこめる。麺は16番太麺で固めの茹で上げ。タレは醤油味ベース。チャーシューが豚と鶏の一枚ずつ載っている大盤振る舞い。あとは、もやし、コーン、ねぎ、ニンニク。
一口目、割とオーソドックスな混ぜそばの味がする。ちょっと味が濃いめかなと思ったが、太麺と合わせると丁度いい。結構油も強くて、ガッツリ味。うん、旨いぞ。
しかし、食べ進めると、何か違和感がある。カニの匂いはしているのだが、味に反映されていない。特にこのピリピリする刺激が強くて、割と優しめな味のカニ風味が感じにくくなっている。このピリピリ、ニンニクだ。カニとニンニクは、あんまり相性が良くないなあ。
混ぜそばとしてはおいしかったのだけれど、「カニの混ぜそば」としては、ニンニクが良くなかったと思うなあ。カニの味って意外と強くないので、ニンニクよりはホースラディッシュ(山わさび)あたりを採用した方が良かったんじゃないかなあ。
おこじょ月例訪問2月
2022年2月
「牡蠣の燻製ポタージュスープのラーメン900円+肝バターごはん100円」
今回の期間限定ラーメンは、牡蠣を燻製してポタージュにしたスープ。どんなのだろう、と券売機前ですでにワクワク。おっと、肝バターご飯も忘れずにオーダーしなくっちゃ。
一言でいうと、のどぐろラーメンの牡蠣バージョン。旨いんですよ。スープの薫香は強すぎず、ちょうど牡蠣のクセ・貝のクセを消す程度の絶妙な加減。感心しきりで食べ進み、おっと忘れていた、と肝バターご飯を一口。う・旨い。これに後で牡蠣ポタージュスープをかけるのが仕上げかもしれないが、このまま食べてものすごく旨い。白飯の方が、牡蠣の肝の磯風味やバターのコクを感じられる。だから、半分以上は白飯のまま楽しんだ。最後にスープをかけたら、もちろん旨いんだけど、スープの薫香が勝っちゃう。スープはスープで楽しんで、肝バターご飯は白飯のまま十分楽しんだ今回、我ながら大正解。
おこじょ月例訪問1月
2022年1月
「牡蠣ちゃんぽん(牡蠣3個入り)900円」
今回の期間限定ラーメンは、牡蠣のちゃんぽん。ちゃんぽんにしてはキャベツが少なく、もやし主体の構成だ。スープに牡蠣を使っているが、牡蠣の旨みはあってもクセが消えている。動物系スープのコクがあり、ほんのりと焦がし風味も感じる。麺は唐あくを加えた純正ちゃんぽん麺ではなく、ラーメンの太麺。麺といいスープといい、あくまで『ラーメン屋の』ちゃんぽんだ。ややこってりタイプ。
牡蠣3個と5個があり、3個を選んだが、大粒でプリっとうまい牡蠣だ。スープに使った牡蠣とは別に仕上げてある。100円差なら5個でもよかったかな。
いやー、旨かった。おこじょの期間限定ラーメンを食べられることで、私の人生の楽しみが一割くらいアップしていると思う。
ジビエのラーメン
2021年12月
「鹿ラーメン(フルコース)1500円」
お店の公式報告がラインで届いた。知人から鹿肉を手に入れたから、鹿ラーメンを作ったという。2021年のラーメン食べおさめは済ませたつもりだったが、急遽予定を追加して訪問。券売機には、普通コースとフルコースが設定されていた。当然フルコース1500円を選択した。まだ11時台だが、ヘビーユーザーの客が多く、次々に店主に挨拶している。「今日は鹿祭りだな」と、店主もつぶやいている。
私は、鹿肉を食べた経験でいうと、北海道土産のレトルトカレーに入っていたものくらいである。だからたぶん味はわからないと思うが、誰でも最初は♪初心者なんだかーら。
鹿肉のタルタルは、肉に火が入っている感じだった。アボカドソースがおいしく、一瞬で食べ終えたので、鹿肉の印象は真っ白なままだ。次に、スモークしたレモンソース添え。おっ、結構牛肉に近いしっかりした肉の味だ。脂が全くなく、ローストビーフの赤身の旨さに近いか。続いてローストしたブルーベリーソースの方は、ガラリと違う味である。あっさりしているが、豚とも牛とも羊ともダチョウとも違う。クセや個性を感じにくい肉だなあ、今のところ。
その合間にスープと麺も味わうが、スープはスッキリした塩味でまとめてある。大人しく濁りの無い旨み。脂に頼らないイノシン酸の旨みなのかなあ。
なんにせよ、鹿のラーメンを堪能した。素晴らしい一年の締めくくりになった。
進化し続ける看板メニュー
2021年12月
「のどぐろラーメン(お茶漬け付)1,000円」
ここしばらく限定ラーメンを食べることが多かった。一年を締めくくる時期となり、傑作看板メニュー「のどぐろラーメン」を食べ収めておこうと思い立った。確か去年の暮にも同じことをしていた。進歩が無いというか、毎年のルーティーンというか…。
さて、とスープを飲むと、気のせいか以前よりノドグロの旨みが強い。スープが泡立っているのは、調理過程で念入りにブレンダーをかけていたから分かっていたが、スープを滑らかにするのかな、と思っていた。しかし、この一工程が増えたのは、ノドグロの脂を乳化する作業らしい。よりスープにノドグロの旨みを溶け込ませるのだ。
世間には他にも「のどぐろラーメン」があるが、いずれも乾物のダシを使ったものだ。『おこじょ』の「のどぐろラーメン」は、鮮魚のノドグロを材料に作っているので、そういうものとは全く違うのである。
何口食べても、やはり気のせいではなく、香りも風味も強くなっている。ため息の出そうなうまさだ。魚の風味が強いといっても、生きのいい刺身や煮魚が生臭くないように、風味がそのまま旨みになっている(もちろん、魚の鍋を食べられない人にはダメです)。
また進化したのか「のどぐろラーメン」。すごいぜ。〆のお茶漬けも、無論うまかった。
おこじょ月例訪問11月
2021年11月
「世界三大茸のラーメン1280円」
店主がラインで、赤字宣言している限定ラーメン。ポルチーニとトリュフと松茸を使ったラーメンだって。ちょいと成金趣味だけど、食べに行ってみようかなと思ったのだ。
あまりにも独特だった。まずスープはぬるい。料理の基本として、味を最大限に生かす温度なのだ。ラーメンの常識からは外れているが。レンゲに一口サイズのミニラーメンが載っていて、これが黒トリュフのラーメン。混ぜずに食べる。あ、おいしい。でもトリュフそのものの味に慣れていないので、どうおいしいかは表現できない。
スープには、ポルチーニを使っていて、エスプーマで泡にした松茸を浮かべている。マツタケ、固体で見たかったなー。あの姿が無いと実感わかないなー。食感を楽しみたかったなー。チャレンジングにもほどがあるなー。いや旨いんだけどね。
麺は、推定16番の平打ち麺。幅広いけどそれほど厚みは無い。ちぢれは無い。やはりパスタではないな、という味。もちろんうどんとも違う。でも、ラーメンなのかな、そうなのかな、と思って食べているうちに無くなっちゃった。
スープはバカウマ。スープとして十分に成り立っている。ラーメンスープとは呼べないナニモノカだ。このスープを残す人は、さすがにいないだろうな。ハッキリ言いますが、いたらアホです。
?が渦巻く限定ラーメンだった。間違いなく旨かったけどね。料理の鉄人・道場六三郎は怒るだろうなあ、マツタケをこんなにしてどういうつもりだっ…てね。…旨かったけどね。
これを赤字で作るなんて、おこじょ店主はやはり変態ラーメン馬鹿だ。…つまり同類♡
月例訪問10月~「Tみ田」専用粉のつけ麺
2021年10月
「濃厚魚介つけめん」980円
現在、日本で一番おいしいつけ麺の店はどこか、と聞かれたらあなたは何と答えるか。「六厘舎」、あるいは「大勝軒」のどこかのお店をあげるかもしれない。だが、ラーメン雑誌での流行なども考慮すれば、多くの人が神奈川の「飯田商店」か千葉の「とみ田」だと答えるだろう。どちらの店も、開店前から整理券をもらい、もう一度出直さないと食べられないお店である。
おこじょの11月期間限定麺は、「濃厚魚介つけ麵」だ。なんだよ、どこが限定なんだよ、よくあるヤツじゃん、と思ったあなた。登録しておいたラインで送られてきた画像に刮目したまえ。
「とみ田」専用粉を使ったつけ麵なのだ。「とみ田」の店主は、弟子にも専用粉の使用やレシピをたやすく教えない。また、「とみ田」の名を安易に使わせない。関係者が新店を出す際にも「とみ田」で修業したとか、「とみ田」のレシピを継いだとか言うことを基本的には禁じている。もちろん、専用粉を分けて納入してやるなんてことはしない。
おこじょ店主はたまたま若いころからの知り合いだったため、こうして専用粉をわけてもらったが、「とみ田」専用粉のつけ麺だとは公言しにくいのである。そういう特別な限定麺なのだよ。土日は混むので避けて、さっそく月曜に行ってきた。
つけ汁が旨い。六厘舎のようになめらかではなく、煮干しと節系のパンチがある。ちょいとざらついたワイルドさも好感触。長岡市のつけ麺の主流は、大勝軒系のシャバ系。だがこのつけ麺はガッツリのドロ系だ。ベースは豚骨白湯か。
麺はまず一口かんだときのグニッとした反発が心地よい。16番太麺。多くの麺は食べ終わりにフッとかん水臭が鼻に残るが、それが無い。そしてかんでいるうちに甘くなってくる。大手企業の食パンと高級食パンが違うように、この麺は何かが違う。何が違うかなんてわからないが、食べてみれば違うということはわかるはずだ。
という訳で、おいしかった。この限定麺なら、もう一度食べに行くかもしれない。
おこじょ月例訪問9月
2021年9月
「背脂濃厚豚骨醤油ラーメン 880円」
和歌山ラーメンのような濃厚な豚骨に、富山ブラックのような強い醤油ダレを合わせたという新レギュラーメニュー。太麺か細麺かを選べる。太麺でオーダー。背脂なしもあるが、そちらは麺指定ができない。
主流の和歌山ラーメンは、豚骨からそのままダシを取るのではない。豚骨を一旦醤油で煮て、その醤油味の付いた豚骨からスープを取るのである。豚骨下処理の手法から言って豚骨の量があまり多くなく、そのためあっさり系が多い。これに対して有名な井出商店は製法が少し違い、醤油で煮た豚骨に他のスープ材料や追い豚骨をして濃厚なスープにしているらしい。おこじょが参考にしているのは井出商店の手法だろう。
こってりした豚骨スープに、濃いけれども角の無い醤油味。そこに豚の背油。くどく感じるギリギリ手前のこってりスープだ。
麺は推定14番の太麺。少し硬めだが、二郎系のようなゴワゴワではない。スープの濃さとちょうどいいバランスだと思う(次回は細麺も試してみたい)。ゆるく手もみ縮れがかかっている。小麦粉の密度が少し高い感じの麺だ。
具は、穂先メンマに角型チャーシュー2枚。ドッサリの青ネギが、スープのくどさを和らげる。
魚介系を苦手な人向け。
おこじょ月例訪問7月
2021年7月
「トマトと貝の冷製麺 880円」
ここ三週ばかり連続して限定麺を出しており、今週は「トマトと貝の冷製麺」だ。氷でキリリと締めた20番細麺は、コシの強さが半端ないぜ。ここまでのかみごたえ、タマランね。スープはトマトのポタージュに貝のダシを合わせた感じ。貝はホンビノスにあさりにハマグリあたりか。
パスタで冷製カッペリーニにトマトのソースを合わせたものと少し似てるが、あんなサッパリしたものとは違って旨みの濃度が高い。
付け合わせは、豪快にぶつ切りにしたキュウリ。ワイルドだろぉ?(ふ、古いギャグ)
少し火を通したナス、鶏肉チャーシューにハムっぽいチャーシュー、角切りベーコン。普通のチャーシューだと、ラードが冷え固まってネチョッとしてしまうところを一工夫している。粉チーズが振りかけられ、これは果たしてラーメンなのか、という声も出そうな創作麺料理。ただし、パスタに寄り過ぎないよう具材などでコントロールしているところが面白い。こういうアバンギャルドな麺にはどうしても賛否両論あり、ラーメン保守派の中にはアンチおこじょ派の人もいるらしい。
料理としての完成度については、今回は正直微妙だ。ただし、限定麺としての遊び心は十分で、今回も楽しかったしおいしかった。特に、20番細麺なのに韓国レーメン以上のコシの強さを味わえたのが収穫だった。
おこじょ月例訪問6月
2021年6月
「鯨のつけ麺 1280円+鯨スジ肉100円」
待ってました!鯨の期間限定ラーメン!混まない平日を待って来店。リーマンのランチタイムが終わった13:00過ぎ、客はパラパラと5~6人。限定ラーメンの情報はラインに入るので、メンバー登録していないとわからないのだ。店内を見回すと、ふふふ「のどぐろラーメン」や「おこジロー」、味噌ラーメンと定番を食べている客ばかりだ。はーっはっは、あんたバカぁ?鯨のラーメン出てるのよウ?とアスカばりに高笑いしながら(心の中でね)食券を購入。鯨のスジ肉は、現金100円を追加で渡してオーダー。
ミンク鯨の脂身をあしらったつけ汁に、14番の平打ち太麺を合わせたもの。まず身の刺身をアツアツのつけ汁でしゃぶしゃぶにしていただく。ホウーッサイコーっ!と叫ぶ(心の中でね)。鯨の背骨の皿には、さらにスジ肉チャーシューが鎮座している。ひとかじりすると、濃いめの味付けの中にクジラ肉の確かな風味が詰まっている。こいつをチャーシュー代わりに麺と一緒に頬張ると、あ、逝く…。
刺身やすじ肉の血のにじむ感じは、女性とかジビエを嫌いな人とかには敬遠されるかもな。どーぞどーぞ、敬遠してください。私がゆっくり楽しみますから。
つけ汁には、湯がいた程度のナスと多めのネギ。もともと鯨汁には夕顔みたいな青臭さのある野菜をあしらうのだが、生っぽいナスのクセが、脂身のくどさを打ち消してくれている。んまいよ、んまい。つけ汁も、一口ずつ確かめながらすすっているうちに完飲してしまった。
あー、刺身とスジ肉だけで1500でも安いな。人口の多いところなら倍の値段でもすぐ売り切れだ。ここが長岡なんていう地方都市でヨカッタ。おこじょさん、他に移転しちゃだめだよ。
いやあ、旨かったですとつぶやいて店を後にした。(これは本当に口に出ちゃった)
「鯨のつけ麺」あと2~3日の提供らしい。
おこじょ月例訪問5月
2021年5月
「鮑のあえそば1280円」
お店の5周年記念もあって、このところ毎週のように限定ラーメンが繰り出される。今回は「県産鮑のあえそば」だ。太麺に、アワビの酒蒸し汁と肝で作ったソースを絡めて食べる。岩のり、キュウリ、青菜、紫玉ねぎと卵黄がトッピングされている。小さいとはいえ、酒蒸しした鮑もまるごと一個分添えられている。…こ、これは原価が高いぞ。
鮑の酒蒸し汁をベースにしたつけ汁と、口を一度リフレッシュするためのカブ、風味添えのスダチ汁が添えられている。…旨いに決まっているじゃないスか。全体を混ぜて食べると、ねっとりと旨い。アワビがフレッシュなので、肝の苦みや磯臭さすらなく、ウッカリしているとアワビの味だとわからない。…というのも、アワビは昆布を餌にしているので、グルタミン酸の旨みがたっぷりなのだ。つまり、昆布ダシやグルタミン酸が主成分のうま味調味料など、日ごろ私たちが口にしている馴染みある旨さなのだ。だから、目をつぶって食べると「普通に旨い」なんて言う人が出てきそうなのだ。この旨みをアワビから抽出するなんて、何という贅沢。
つけ汁につけて食べると、ちょっと塩味がしっかりして、更にスルスル食べやすい。アワビの身もモグモグ。あ、スダチをかけようとした頃には、あと一口しか残ってないじゃん。ちょっと塩気が強いけど、つけ汁も飲んじゃう。割りスープが欲しい人は、言えば出してくれる。あー、皿なめたい。
平日1時過ぎですいていたので、オーナーと少しお話しできた。その中で、「パスタだったらこの内容で2000円が普通ですけどね」という言葉にハッとした。確かに「国産アワビのパスタ」とでも銘打って提供されれば、2000円でも全く高いと思わない。和食で「地物アワビの肝ソースでいただく変わり素麺・アワビの酒蒸しを添えて」なんてことになれば、3000円でも納得だ。
オーナーは、ラーメンの作り手も、もっとラーメンを料理として工夫したり楽しんだりしていいのではないかと語る。日本料理やイタリアンなら、一年を通して料理の内容が同じだなんてことはあり得ない。ラーメン屋だって、十年一日のごとく同じものしか出さない店ばかりじゃなくてよかろう。日常食を毎日変わらず提供する定食屋と、少し豪華な非日常食を出す料理店とではジャンルが違う。ラーメン屋も、そのどちらだってあっていいのではないか。その辺の意識が、ラーメン屋業界では未分化でごっちゃになっているのだ。「シェフの気まぐれランチ」的なラーメンを出す店だって、もっと増えていいはずだ。
「ずっとそういうチャレンジをしてきて、連戦連敗ですよ。」とオーナーは笑う。そんなことはない。「のどぐろラーメン」は、開発から5年以上たった今も人気メニューで、一発屋で終わることが無かったではないか。
むむう、応援団の我々も、もっと頑張って応援せねば。
おこじょ月例訪問4月
2021年4月
「5周年記念期間限定名古屋コーチンのラーメン 税込1000円」
5周年記念の期間限定ラーメンとして、名古屋コーチンでダシを取ったラーメンが発売された。価格1000円也。すいている平日を狙って参上。
さて、着丼した一杯は、穂先メンマと刻みネギ、豚・鶏チャーシュー二枚ずつが載ったすっきりした外見。一口スープをすすると、むむ、ちょっと醤油だれが濃いナ。20番ストレート細麺をすすりこむと、うむ、旨いがニンニクの風味がするなあ。
食べ進めても、どうにも名古屋コーチンの素材の良さが感じられない。やはり、醤油ダレが強すぎるように感じたのと、ニンニクの風味が邪魔をしているように感じられた。プレミアム価格にふさわしく名古屋コーチンのスープを楽しむという具合には、私にはならなかった。残念。足し算発想では名古屋コーチンの良さを引き出せなかったんじゃないかなあ。
せっかく工夫して作ってくれたラーメンなのに、プラス評価できなくてスミマセン。
名古屋コーチンのラーメン
おこじょ月例訪問3月
2021年3月
「かます白醤油ラーメン 税込1000円」
店主がノドグロの仕入れにいったら、新鮮なカマスに目が行き、突発的に限定麺を作ることにしたとラインのお知らせが入った。それ行けっ!
カマスという魚は、身はふっくらして美味しいが、塩焼きにしてもかなり磯臭さがある。小骨が多い魚でもある。これをどんなスープにするのか楽しみだ。
チャーシューやメンマについてはのどぐろラーメンと同じ仕様。ただ、春菊が添えられ、刻み玉ねぎが散らばっている。臭み消しかな、と思ってスープを飲むと…?全然魚っぽくないんですけど。情報なしで食べたら、鶏ガラのやや薄めの味かなと思って全く気付かなそう。カマスのクセが全然ない。無さ過ぎて拍子抜け。こんなに上品なお吸い物みたいな味になるのか。
というか、のどぐろみたいに白湯化しないで、まさかの清湯仕立て。あんまり技術的なことをバラしちゃいけないんだろうけど、いったんカマスの団子を作って、スープを取ったらしい。動物系は使っていない。カマスの磯臭さって、皮だったのかな。でも全部のカマスの皮をはがすなんて面倒くさいことをしたのか?それとも鮮度がウルトラ良かったのか?
こうして食べてみると、カマスはラーメンのスープの材料としてはあまり適さない素材だということがわかる。旨いけど、鳥ガラや豚骨の圧倒的な旨さの前にはかすんでしまう。限定ラーメンは、楽しいし勉強になるなあ。今度はもっと空いている時に行って詳しく話を聞きたいなあ。
おこじょ月例訪問2月
2021年2月
「おこじろう 税込790円」
二郎インスパイアの「おこじろう」が麺を替え、より二郎っぽい麺にしたという。私、ラーメン二郎新潟店で二度敗退している。二度とも大ではなく小なのに、一度はスープと脂身を残し、二度目は麺まで残すという大敗北。二郎を卒業できず、中退となったのだ。
苦手な二郎系なのに、なぜかオーダーしてしまった。大盛りにはせず、ひっそりと普通盛りで注文。背油にんにくはふつうで。もやしの盛り上げは恐るるに足らず。問題は麺だ。天地返しでもやしを沈め、さっそく麺に取り掛かる。わあお、これだよ。日清製粉のオーション小麦を使うという固めのゴワゴワ麺。山梨県・吉田のうどん並みのバキバキ麺だ。ハシでつかんでも大人しくうなだれない。くせ毛みたいに跳ね散らかっている。こ、これは本家の二郎より手ごわいかもしんない。
スープのチープな醤油味、遠慮なくちりばめられたニンニク、まさしく二郎のラーメンだ。すっごく苦手なやつだ。ブルブル、ガクガク。これ、急速に満腹になるんだなあ。満腹かも、と思った次の瞬間にはハシがピタリと止まる。大脳が満腹サインをキャッチする前に、とにかく詰め込むのだ。ワシワシと決死の覚悟で食べ進める。
食べきったところで丁度満腹。うっ、ギリギリセーフだ。丼の底に2センチほどスープを残して、今日のところはごちそうさまでした。
きょ、今日のところはこれくらいにしといてやるよ、またな!(もう二郎系には手を出すのやめよう
おこじょ月例訪問1月
2021年1月
「白味噌ラーメン 税込790円」
レギュラーメニューから「白味噌ラーメン」の券を購入。「おこじろう」と並んで、オーダーする客が意外と多いメニューなのだ。一見まろやかそうに見えるスープだが、ショウガが強めにきいてピリピリと刺激的。白湯スープに背油も浮かんでいて、こってり系の組み立てなのに生姜のせいでサッパリ目に感じる。食べ進めば体全体がホカホカとほてってくる。なんか、体がぽかぽかする。シンジ君のことを考えると、心がポカポカする…って、綾波レイじゃないっての!
鶏チャーシュー、豚チャーシュー、鶏団子とトッピングが豪華。他にはキャベツともやしが少し。
麺は16番太麺で、コシのある固め。食べごたえありです。スープまで飲み干すと、満腹間違いなしの重量級メニュー。
おこじょ月例訪問12月
2020年12月
「純のどぐろラーメン 税込900円」
しばらく限定ラーメンばかり食べていたので、看板メニューの「純のどぐろラーメン」で月例訪問記を締めようと思った。今はサービスでノドグロ茶漬けセットがついて税込900円なのだ。
ノドグロの風味がラーメンスープとして無理なく成立している不思議。魚介系の鍋の〆のラーメン的な味というか。20番ストレート細麺は、小麦のしっかりした風味で細いのに存在感がある。何だろ、この旨さ。
〆のノドグロ茶漬けは、岩のり風味がプラスされてやや味変し、飽きることなく食べられる。せっかくのノドグロスープ、最後の最後まで味わいつくして、ごちそうさまでした。オリジナリティーの強い名物ラーメンながら、一度限りで満足するものではなく、何度でも食べたくなる定番ラーメンとして成り立っている。
毎月この店でラーメンを食べられることに感謝。
おこじょ月例訪問11月
2020年11月
「毛ガニの味噌ラーメン」税込1280円
期間限定の「毛ガニの味噌ラーメン」をオーダー。スープは毛ガニを始め三種類のカニを使ったという甲殻類の旨みたっぷりの味噌味。麺は16番太麺で、少し短い。すすりやすさを考えたのかな。で、旨いんだけど問題はトッピングだ。
豚ひき肉そぼろ、細切りサツマイモの素揚げがトッピングされていたのだが、どちらも主張が強すぎて、毛ガニの旨みを減衰する方向に働いていたように思う。主役の毛ガニが、すごすごと後ずさりしているように印象を弱めている。食べ進むにつれ、サツマイモの甘さがドンドン強くなっていく。もったいない。毛ガニの風味が負けている。秋の豊かさを演出するトッピングではあるが、カニのダシに合わせるには、不向きだったように思う。
世界初!鯨の骨でスープをとったラーメン
2020年10月16日(金) 11:00
「鯨のラーメン 税込1500円」しばらくの間、毎月第三金・土・日のみ 1日20食限定
今日は、「くじらの西京味噌仕立てラーメン」と予告されていた期間限定ラーメンが、ついに登場する日である。鯨のラーメンなんて、どう考えても世界初のメニューである。開店時間に合わせて来店すると、6人くらい並んでいた。みんな、Lineのお知らせで今日を待っていたのだな。…結局、開店時には10人が店になだれ込んだ。
しかし、意外にも「おこじろう」や「のどぐろラーメン」をオーダーする人もいて、結局初回で鯨のラーメンをオーダーしたのは5人だった。待っていたら…すごいの来たよ。……キター、鯨ラーメン、キター!
やわらかな白味噌ダレを溶かし入れたクジラの骨からとった出汁。麺は16番平打ち太麺。少し柔らかめの茹で上げ。夏に魚沼などで食べる「鯨汁」に似ていて、その脂肪系の旨さをたんぱく質・アミノ酸系の旨さに移行させたような風味だ。もちろんクセはあるが、皮の脂身を煮た「鯨汁」よりは、はるかに食べやすく、クセが穏やかだ。針生姜もトッピングして、クジラのクセがイヤミにならないよう抑えている。
丼のふちには、身の刺身数枚と、脂の刺身が一枚。それぞれ生姜醤油のタレでいただく。さ、刺身うめぇ―。鯨専門店じゃなきゃ食べられない品質!
そして、ゲンコツ大の鯨チャーシューが、クジラの骨の輪切りを台にして付いてきた!凄いぜ、世界初、鯨チャーシュー。このまま食べてもいいが、一口かじってラーメンに投入すると、クジラの風味がますます豊かになる。鯨チャーシュー旨い!小学生の時食べたクジラの竜田揚げの味のいいところだけを集めた感じだ。歯ごたえも適度。鯨チャーシューだけで1500円にしても、居酒屋だったら売れるなー。
鯨といっても、何鯨なのか。世界捕鯨委員会を脱退したとはいっても、日本が商業捕鯨で捕獲しているのはミンククジラ、イワシクジラ、ニタリクジラの三種類である。ずっと前から店に張ってある予告ポスターには「ナガスクジラ」とあるが、それは調査捕鯨でわずかに捕ることもあるというだけで、まず手には入らない。もしナガスクジラなら秘密のことがいろいろありそうなので、ここはミンククジラということにしておこうよ、みんなの平和のために。ナガスクジラだったら本当は10倍のお金出しても食べられないぜ。ミンククジラにしたって、この内容なら、2~3倍の値段じゃないと儲けなんか出ないと思うがなあ。
ではなぜ「おこじょ」店主は鯨でラーメンを作ったのか。それは、登山家マロリーがそこに山があるからチョモランマに登らずにいられなかったように、そこに鯨の骨があったからだ。そこにまだ誰も使ったことの無い素材があれば、それでラーメンを作りたい、これがラーメン職人の真骨頂である。鯨がラーメンの素材として向いているかいないか、それはこれからいろんな人と共に研究していくべきことだ。何はともあれ、世界初の鯨ラーメンの実現、そして発売、おめでとうございます。
あなたも、たった1500円で、世界初の料理を食べられるのだ!最高だぜ。
おこじょ月例訪問10月
2020年10月
「豚清湯ラーメン 税込700円」
ここ1~2年、東京で流行の兆しを見せている「豚骨清湯ラーメン」のおこじょバージョン。数量限定での提供。本格的中華料理の世界では、いったん白湯化させたスープをひき肉等で濁りを取り、再び透明にするものらしいが、東京豚骨清湯はそうじゃなくて、長時間沸騰させないで豚骨からじっくりダシをとるもの。
これって、「えるびす」が温度計使ってやってたやつだよ。やっぱ流行は一回りするんだなあ。いったん鶏が大流行して、で、やっぱり豚の重厚で力強い旨みは侮れないってことになったんだよね。でも背油には頼らず、スープ自体の旨みを追求する方向性だ。
基本ダシは豚骨。野菜、昆布を使わない場合もあるらしい。チャーシューの調理も兼ねたりして、肉等の部位も使うことがあるかもしれない。だから原価が安く、提供価格も低く抑えられる。
おこじょバージョンは、塩ダレの塩ラーメンだ。チャーシューは三種。鶏チャーシューも一枚入っているのは御愛嬌。紫玉ねぎと穂先メンマのトッピング。豚骨の旨みがしっかり広がる。現代風屋台味というところか。醤油だれにしちゃうと、結構よくある味に近づいちゃうんで、ここはスープを強調するための塩味なんだろうなあ。
麺は16番平打ちストレート太麺。うん、安心する旨さだね。これ、ちぢれ細麺にして半分醤油だれにしちゃうと三吉屋の味になりそうだ。…今月もラーメンの最新トレンドを味わえた。シアワセ。
おこじょ月例訪問9月
2020年9月
「宮崎辛麺 税込880円」
今月の限定麺は「宮崎辛麺」。最近ラーメン好きに知られるようになったご当地ラーメンだ。麺はそば粉を入れて独特の固めの食感にする。おこじょは特注麺で20番細麺を採用。スープは、唐辛子とニンニクの辛味をきかし、具にニラと牛豚あいびきひき肉を使う。そこに卵を溶く。おこじょの限定麺の辛さは、レギュラーだと辛さ6で、レトルトカレーの大辛レベルだった。もちろん、申告して辛さ20以上にできるし、逆に和らげることもできる。
牛の脂が特徴的で、コクがある。麺のくっきり角の立った感じが面白い。辛いけどスープも全部飲んでごちそうさまでした。
いやあ「おこじょ」って、ラーメン・フリークにとってテーマパークのような楽しいスペースだ。今月も楽しかった。たぶん県内で「宮崎辛麺」を食べられるのは、ここだけだろう。あっ、そういえばいち早く明星チャルメラが「宮崎辛麺」の袋ラーメンを出したんだった。…自分で作る手もあるか。ニラと卵と牛豚あいびきひき肉を用意して再現できないこともない。…しかしラーメン業界の情報スピードには目を見張るものがあるね。
おこじょ月例訪問8月
2020年8月
「鮎の二種つけ麵 税込980円」
楽しかった。完璧なイベントラーメンだった。鮎をメイン素材にした夏らしい期間限定ラーメン、しかも夏の涼を意識してつけ麺。そのつけ麺を、20番細麺と2番の超幅広ロール麺の二種で楽しむという趣向。
登録しておいたお店からのライン告知で知ったのだが、鮎のつけ麺始めますのお知らせには鮎の一夜干し作り画像が張り付けられていた。いやいや、ここからやるのか。
つけ汁は鮎の白湯だし汁。どうやって作っているのか、もう考えるのに脳がついていけない。情報量の多さにパニックになっている。麺を入れた器には、カツオダシ水が張ってある。ミョウガとオクラがちりばめられているのが印象的。20番細麺をそのまま一口すすってみたが、これだけでもそこはかとなく旨い。鮎の自家製一夜干しが半身載っている。これは半分残しておいて、後でご飯を入れて冷や汁風のダシ茶漬けにして食べるのだそうだ。
ロール平打ち麺がハシで扱いにくいが、まずは一枚に広げてからつけ汁に入れて食べる。うーん、面白い。意外とお腹にたまるね。今自分が何を食べているのかワカラナイ。でも楽しい。超絶楽しい。大葉の清涼感が効果的。
ロール平打ち麺は3個あるので、最後の一本をロール状のまま食べてみた。上部、下部とも念入りにつけ汁に浸し、毛細管現象を利用して汁を吸わせ、慎重にかぶりつく。おお、旨い。サッパリ系鮎の和風ラザニア?似たものを他に知らないが、旨いぜ。
さて、麺を食べきってから、サーブされた岩のりごはんをカツオブシ水に投入し、つけ汁を加えながらダシ茶漬けとして食べる。もうこの段階では、情報量の余りの凄さに脳はフリーズしてしまっている。アミューズメントパークで走りまくってもはやゾンビ化したイベント日終盤の子どもの精神状態に近い。
面白かった。旨かった……に違いない。情報の嵐にもみくちゃにされ、120%楽しませてもらった。ありがとう。
おこじょ月例訪問7月
2020年7月
「冷やし担々麺 税込880円」
夏の新定番メニューを賞味したくて参上。券売機と張り紙をじっくり見ながら購入。ふむふむ「限定880円」のチケットを買えばいいのだな。少々わかりにくい面もあるが、落ち着いて張り紙と見比べれば理解可能。もちろんフロア係に聞けば教えてくれる。ま、きょうは「ひとりでできるもん」ってことで。
午後1時、店内6割ほどの客は「みそ」と「のどぐろ」がほとんどだ。確かにどちらもリピートしたくなる個性的な二枚看板だからなあ。特盛まで無料、茶漬けセット無料の期間限定サービスも、皆さんけっこう使っていらっしゃる。
冷やし担々麺はクリーミーに仕上げたスープが印象的。そこにマー油、ラー油がちらちら見えて、洋風料理のソースのような感じ。辛さレベルは5段階の2程度で、マーのシビレ、ラーのピリリが共存している。もし辛くしてほしければ、オーダー時に口頭で伝えれば対応してくれるはず。ほんの少し酸味があり、夏の冷やし麺らしさがある。
18番中麺だが、冷やされているのでコシが強く、まるで16番太麺のような食感。ネギのシャリシャリ、肉みそのグニグニ、香ばしいナニカのカリッとした食感が、旨さと共に口中にランダムにはじける。
おいしかった。ではまた来月。
おこじょ月例訪問6月
2020年6月
「まぜそば 税込700円」
目標が無い。というか、なんだか心が燃えない。ケータイゲームの成績が悪いせいだろうか(じ、自分で書いてて恥ずかしい)。今日は、なんとなーく知ってるお店に行ってなんとなーく無難なものを食べたい気分。
ここのところ毎月訪問しているこちらの駐車場に着いた。平日の13:00近くなると、スッと入れるのだ。券売機でじっくりとメニューを検討する。初めからオーダーを決めて来ることが多いので、珍しいことだ。あんまり個性的じゃなくて、ボリュームも値段も「いつものやつ」みたいなメニューないかなあ。お、あるじゃん「まぜそば700円」ポチっ。
いつもは新メニューが出るとハイテンションになって店員や店長に話しかけたりしてしまうお騒がせラヲタなので、マスクをしたままひっそりと待つ。
やがて目の前に置かれた一杯は、特に何ということもない「まぜそば」。もやしとキャベツ少々で、チャーシュー2枚。辛味とか極太とか、こちらを緊張させる要素が特にない。天地返しして味をなじませ、淡々と食べる。えーと、お店のサービス券で味玉つけてもらいやした。
麺がしっかりしていて旨い。今日は気温が高くなったので、熱いスープの無い「まぜそば」は、食べ終わった後に体がカッカとしてこなくてありがたい。ごちそうさまでした。
今日の気分にぴったりだった。毎日が「ハレ」の日ではない。こういうメニューがあるのはありがたいなあ。…ではまた来月。
限定を食べに緊急訪問
2020年5月
「佐渡鮭の冷製つけ麵 税別980円」
お店からのライン告知で限定メニューを味わいに来店。これがまた、ネーミングだけで情報パニックになりそうなくらいの凝ったつけ麺だ。
佐渡の鮭というのは、両津湾沖で養殖され、5月から出荷時期を迎える銀鮭だ。秋に川を上ってくるシロザケとは種類が違う。冷凍ものや塩蔵ものじゃないので、フレッシュで脂がのっている。この銀鮭をたっぷり使ったつけ汁なのだ。ちなみに、トッピングでも半生のものが一切れ載っている。佐渡の養殖銀鮭は沖合で養殖し、管理が厳しいので、状態によっては刺身でも食べられる。
キリッと冷水で締めた20番細麺をこれにつけて食べるのだ。麺は、ノドグロと昆布の水出しダシにつかっている。そしてその上に春菊ソースがかかっているのだ。春菊ソースは意外にもクセが弱く、控えめなハーブといった感じ。
銀鮭のつけダレ、めちゃめちゃうまい。鮭だとわかる。サーモンの旨みが、魚臭さの全くない状態で口に広がる。今まで他店で鮭節とか鮭のアラとか鮭の醤油とかを使ったラーメンを食べたとき、「ふーん」としか思わずピンとこなかった。しかしこれは違う。これは誰が味わっても鮭だとわかる。
麺を食べ終えたら、ノドグロと昆布のダシをつけ汁に全部入れてそば湯感覚で飲み干した。旨さの科学を踏まえれば、グルタミン酸とイノシン酸を合わせて旨くなるのは自明の理なり。…うーん、最後の一滴まで旨かった。
頑張れ未来の巨匠たち
2020年5月
「芳醇濃コク味噌ラーメン 税込890円」
自分の他レビューで「この苦しい時期、お店に真の固定ファンがいるどうかわかる」などと書いて以来、ソワソワ落ち着かなくなった。自分で自分の首を絞めるとはこのことだ。あの店とあの店だけには、真の固定ファンとしてどうしても足を運ばなければならない、と追い詰められた気分である。13:00を少し過ぎ、様子を見に行くと、駐車場に車が無い!よし、激励だッとばかりに駆け込むと、オーナー不在で店員二人の営業。客は私一人だった。
新型コロナ対応でテイクアウトメニューがカウンターに並べられていた。フロア店員に様子を聞くと、お昼はぼちぼち来店があったとのことで、一安心(←部外者なのに心配しすぎ)。
芳醇濃コク味噌ラーメン(税込890円)のチケットを買う。おや、いつもとオペレーションが違うじゃん。厨房とフロアのメンバーが入れ替わってるよ。それぞれのスキルアップを狙ってのことだね。これはいいね、お手並み拝見。二人とも是非この店の「顔」になってもらいたい。人の育つラーメン店こそ本物だ。オーナーだって新潟市の「おもだかや」修業が出発点なんだぞ。
着丼。香ばしいいい香り。麺を手繰ると、モウモウと揚がる湯気。キリッとした味噌の風味を最大限に生かし、透明ラードが表面を覆っている。通販で取り寄せた「純蓮」のラーメンによく似ている。でもパクリじゃないよ。純蓮リスペクトって公言してるもんね。そういう姿勢が、コソコソした人たちとは違うのよ。
おっ、16番太麺が固めの茹で上げ。いいねえ、攻めてるねえ。実に旨い。スープが濃いめの味なので、豚と鶏の二種のチャーシューは鶏チャーシューの方がしつこくなくて旨かった。味噌ラーメン、開店時より旨くなってる!仕込みバッチリだし、麺揚げも仕上げも気を抜いた時のオーナーより旨いかも(気を抜いた時を見たことは無いけど)。頼むぜお二人さん!
旨さの足し算で作るしじみラーメン
2020年4月11日(木) 「おこじょ」どっさりしじみの貝だしラーメン 税込1000円
おこじょへの月例訪問。四日間限定の「どっさりしじみの貝だしラーメン」がねらい。店主によると、ユーチューブに作り方を公開したというので、興味のある方はぜひご覧いただきたい。下づくりの動物系スープだけで、おいしさへの期待値Maxである。温度管理、素材の投入順序、煮出し時間など、知識と経験に裏打ちされた確かな仕事ぶり。貝は、ホンビノス貝、ホタテ稚貝、アサリ、しじみの四種類が確認できる。これらを冷凍処理したり、サイフォンでだしをとったり仕上げたりという、時間も手間も材料費もかかるほとんど趣味の世界。(サイフォンでだしをとる魚介ラーメン屋、たしか東京にいたなあ。)
丸鶏入りスープにひき肉で雑味を取った下ごしらえスープだけで、絶対に十分旨い。サイフォンでだしを取ったしじみスープ、絶対旨い。この二つをトム・ブラウンのように合体させるのだから、間違いなく旨いだろう。という足し算発想。
これまで私が食べたしじみラーメンというのは、引き算発想のものが多かった。しじみの風味を生かし、それだけでは足りない旨さのバランスを適度に入れるやりかただ。しかし、おこじょ店主は足し算発想で作りたかったのだ。
で、食べてみた。旨かった。だが、しじみの特徴は旨さに埋没していた。サイフォンを使ったために少し何かの成分が焦げるらしく、薫香がするのが非常に面白かった。スープは全方向に旨すぎて、私の舌ではよく理解できなかった。
麺も相変わらず旨い。20番細麺。
幻の限定ラーメンを食べられて幸せ。でも私の舌では理解できなかった。もっと実力を付けたい、とうなだれるじんぺいであった。
おこじょ月例訪問
2020年2月
「牛深煮干ラーメン 税込880円」
熊本県天草市牛深で水揚げ・加工された最高品質の煮干しを使った贅沢な一杯。素材の鮮度が違うのか、旨みに奥行きがある。表面に白っぽく反射するキラキラは、イワシ煮干の銀色の体表薄皮。
セメント系のようなくどさはなく、ズーンと深くまでしみわたる煮干しの風味を楽しむことができる。今回は、穂先メンマの仕上げが少し硬すぎた。それが玉にきず。
20番細麺の茹で上げは、固めにビシッと決まって旨かった。のどぐろラーメンの麺とは違って、全粒粉を配合していない別な麺だ。
今月の限定麺も楽しくおいしかった。また来月が楽しみだ。
「純」が付くか付かないかにも意味はある
2020年1月11日(土) 11:45「おこじょ」純のどぐろラーメン 税込900円
今日は「おこじょ」に月例訪問。今月の限定麺はセメント系煮干しラーメンだった。じゃ、リニューアルしたという「純のどぐろラーメン」にしよう。厨房にオーナー店主の姿が見えたので、タイミングを計って、かねてからの疑問を聞いてみた。
「長岡店オープン時は『純』の文字を外してたけど、また『純』のどぐろラーメンの名に戻しましたね。これに意味はあるんですか?」
「長岡市民の味に合わせようとしてたんですが、やっぱり自分のやりたいようにしようと思って、スープも麺も変えました。」
…勇気を出して聞いてよかった。やっぱりネーミング一つにもこだわってたんだ。
わくわくしながら待っていると、「純のどぐろラーメン」着丼。あ、見た目からして違う。泡立ってるぞ。泡だて器でかき混ぜて仕上げてるんだ。こうすると、クリーミーな口当たりになるんだよね。で、スープが全然違う。オープン時は少し魚のクセが出ていたんだけど、それが全くなくなった!のどぐろの甘さを含んだ豊かな旨みが、おいしい湯気になって立ち上ってくる。
麺は、浅黒い20番細麺。オーナーの許可をもらったので書くと、ハルユタカ、ユメチカラ、胚芽小麦、無農薬小麦の全粒粉をブレンドしたそうです。ちなみに全粒粉は石臼で自分で引いたそうです。うーん、見上げたラーメン馬鹿ぶりです。
まあ旨いのなんの。オープン時に「のどぐろラーメン」に首を傾げたラーメンフリークの皆さん、もう一度だけ食べてみてください。絶対旨くなってますから。そして全国の皆さん、新幹線に乗って「おこじょ」の純のどぐろラーメンを食べに来てください。私が和歌山や青森や東京や平塚で一杯のラーメンに抱いた感動と同じものが、この店にはあると断言します!
期間限定ラーメンのシリーズいよいよスタート
2019年12月
「カニ味噌ラーメン 税込1280円」
12月になり、そろそろ今月の期間限定ラーメンを食べに行こうと、開店時間に合わせて来訪。何をやってるのかな、ワクワク。おー、カニ味噌ラーメン1280円か。券売機で確認し、チケットを購入。
厨房に店長の姿が無いな。限定ラーメンを作れるように店員を鍛えたってことか。なるほど、チーフらしい人の挙動が落ち着いている。そうすると他のスタッフも安心するんだよね。
着丼したラーメンは、セメント系煮干しラーメンのようにドロッとした灰色だ。立ち上る香りは、カニ味噌!カニじゃないよ、カニ味噌!珍味の味をここまで前面に押し出してくるか。トッピングには、芽キャベツ、レンコン、インゲン豆など。チャーシューは低温ローストの豚と鶏チャーシュー。野菜は別容器のカニみそだれにつけて食べるとよいとのこと。わはははは、ぶっとんでるねー。メンマと海苔を条件反射のようにつけている多くのラーメン店主に、背中をどやしつけながら食べさせてやりたい。
麺は18番中麺だが、ザラザラした食感。全粒粉なのかな。ソラノイロ(東京)の麺に似た味わいだ。
味は正直、微妙。素材がカニ味噌だけに、珍味に寄りすぎて、万人に向く料理ではなくなっている。しかも、鶏や豚骨のスープを使っていない感じで、多分昆布やカニだけでスープを取っている。
今までのカニラーメンやカニ味噌ラーメンは、オーソドックスなラーメンに、後からカニやカニ味噌を足していただけだ。しかし、このラーメンは、カニ味噌の風味を最大に生かし、カニを主体にラーメンを作ったらどうなるのか、という挑戦なのだ。設計思想が根本的に違うのだ。
これは好き嫌いが分かれるはずだ。だが、期間限定ラーメンなら、これくらいの挑戦をするべきだ。さすが「おこじょ」店主。今後にますます期待し、次の限定ラーメンも必ず食べに来たい。
Review not for normal use
These reviews are based on the use of unusual services such as tastings, pre-opening and reception use.
「おこじょ」の進化が止まらない
2019年9月
「おこじょの塩ラーメン」平日限定モニター特別限定麺 税込500円
平日限定で、ノドグロとしじみダシの「おこじょの塩ラーメン」を500円で提供するという。食後、アンケートに答えるのだという。…それ行けっっ!
11:30だが、四割程度の客入り。ほとんどが特別限定麺の塩をオーダーしている。で、カウンター情報にずらりと張られた限定麺の説明書きにびっくりした。ははあ、これを月単位程度に気まぐれに一つずつ提供していくのか。…すごいぞ。見たことも聞いたこともないラーメンがゾロゾロある。「鯨の西京味噌仕立て」「鹿三昧ラーメン」「毛ガニの白味噌ラーメン」ぜ、ぜって―食べたいヤツばかり。あ、「しじみの塩ラーメン」は、先週終わったわけね。青いラーメンかあ。「おこじょ」でも青いラーメンやってたのか。知らなかった。
「おこじょの塩」着丼。麺は18番中麺ストレート。おこじょの麺は主張が強くてスープと別々な感じがしがちなんだけど、今回は一体感が強いね。のどぐろの風味はグッと引っ込んで、しじみの旨みと五分五分って感じだな。魚臭さや魚介の癖が中和されていて食べやすい。旨いぜ、これ。比較的わかりやすい旨さだ。岩のりがいいのかも。魚のイノシン酸と貝のコハク酸だけだと旨みに奥行きが出ないけど、岩のりがグルタミン酸を足しているんじゃないかなあ。厚みのある旨さだ。「私のバカ舌では何の旨みかよくわからないけど、おいしいです」なんて感じでブロガーが書きそう。
この塩らーめん、いいですよ。日常食としてのラーメンの方向性を持っている。値段も900円以下になりそうだし。
今、ラーメンは日常食(毎日でも食べられるっていう方向性のラーメン)とイベント食(遠くから来て二時間並んでも食べたいガツンと個性的なラーメン)の両極化してきている。「おこじょ」は、この二つの方向性のラーメンを両方揃えようとしている。イベント食の方は、気まぐれ限定ラーメンで思う存分やってほしい。全国のラーメンファンよ、鹿ラーメン食べたいだろう?鯨らーめん食べたいだろう?新幹線で長岡市に来いよ!
こ、これからは毎月一度は有給休暇取って「おこじょ」に来なきゃ。
マニアのための味噌ラーメン
2019年5月
味噌ラーメン 税込780円
味噌ラーメンは、たいてい旨い。味噌自体が旨いからだ。そういう意味で、この味噌ラーメンも、特に仰天するような仕掛けや新機軸はない。スープをバーナーであぶって香ばしさを出したところが新しいかな。でもこれも日本初の試みではない。ただ、もやしの炒め煮を載せた「サッポロ味噌ラーメン」系とはキッパリ決別したものであることは、外見からもわかるであろう。むしろ「すみれ」「純連」リスペクト系である。
この味噌ラーメンがどのようにおいしいかというと、ちょっと表現が難しい。それは、味噌の味が最大に引き出されているということだ。だからややしょっばめだ。で、その味噌は、食材としての力強さが非常に大きい。村上市奈良橋醸造のものだが、県産大豆、天日塩で作った住みつき酵母(店の醸造蔵に住みついたもの)で作られたものだ。
だから、我々が味噌汁などで知っている味噌とは、違う味がする。基本設計は同じなのだが、まろやかな酸味とか、今の私では表現できない味がする。たんぱく質が発酵分解される中でつくられる様々な核酸、アミノ酸が天然の妙味を複雑にかもし出しているのだ。人間の浅知恵で大きく旨みを出すとわかっている物質だけ数種類組み合わせたものとは違う。
麺は14番極太麺。
ラードが丼の表面を覆い、熱々。
しょっぱいのに最後までスープを飲んでしまった。適切に表現できずに申し訳ない。とにかく旨かった。わかりやすい旨さじゃないから、これは本質的にはマニア向けの一杯だ。
新潟県新名物ラーメン爆誕!
2019年4月
のどぐろらーめん 税込900円
諸般の事情で新潟市から「おこじょ」が移転してきた。開店から6日目。まだまだ大フィーバー中。平日でも昼は店外まで行列。もちろん店長のSNさんが陣頭指揮をとって麺揚げしている。二大看板メニューは、二つのバーナーで派手に味噌をあぶる「焙煎味噌ラーメン」と、「2017年世界ラーメン大会」でファイナリストに選ばれた際の「のどぐろラーメン」。
「純のどぐろラーメン」は、新潟店時代に1000円で限定販売していたが、店長は苦笑いして「赤字です」と言っていた。そのメニューを900円でレギュラーメニューにしたということは、いろいろ工夫したんだろうなあ。限定の時は、ぶっ飛ぶ個性と旨さだった。
のどぐろラーメン所望!券売機で慎重に買い、店長に一言あいさつ。改装開店おめでとうございます。
再び食べられるとは思っていなかった「のどぐろラーメン」着丼。チャーシューは豚の肩肉?と鶏。穂先メンマ2本に煮卵ハーフ、小さなノドグロの切り身一つ。スダチのスライスが1枚。麺は20番細麺。推定加水率35%。角のはっきりした半透明に茹で上がるタイプ。
スープが旨い。もちろん、一口目に魚独特の匂いがフッと感じられるから、そもそも魚が苦手という人にはおススメしない。というのも、魚介系とは言っても、乾物のダシではないのだ。いわゆる鮮魚系。鮮魚のノドグロからスープを炊いているのだ。斬新にもほどがあるぜ。料理名から「純」が取れた分、鶏か何かでスープを補強しているのだろうが、ちょっと違いがわからなかった。小さな切り身のノドグロと同じ味のスープだ。ノドグロの豊かで力強い旨みが、スープで主張している。日本海の高級魚を、いったん~節などと乾物にせず、ずどんと直球でラーメンに仕立て、しかもうまい。これは日本海文化の宝ですよ。新しい新潟名物になってもおかしくない逸品。
他県の皆さんも、長岡市まで足を運んでちょうだい。へへへ。
Restaurant name |
Ramen Okojo
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Categories | Ramen |
0258-89-8536 |
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Reservation Availability |
Cannot be reserved |
Address |
新潟県長岡市蓮潟4-11-18 |
Transportation |
JR長岡駅から越後交通バス 江陽循環線で造形大学前下車 2,926 meters from Kita Nagaoka. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget |
~¥999 ~¥999 |
Budget(Aggregate of reviews) |
~¥999~¥999
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Method of payment |
Credit Cards Not Accepted Electronic money Not Accepted QR code payment Not Accepted |
Private dining rooms |
not allowed |
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Private use |
not allowed |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables 外に灰皿あり |
Parking lot |
OK 20台 |
Space/facilities |
Counter |
Occasion |
This occasion is recommended by many people. |
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The opening day |
2019.4.19 |
Remarks |
子供用メニュー有り |
2024年6月
「贅沢海鮮ちゃんぽん」1,100円
今月の期間限定ラーメンは、豪華な海鮮トッピングを楽しもうという趣向。殻付き赤海老2本、大きなホタテ貝柱3個、かき4個をドンドーンとトッピングしたシーフードラーメンだ。ちゃんぽんといっても、長崎ちゃんぽんに寄せているわけではなく、海鮮ラーメンという意味らしい。
麺は14番極太麺で、固めのやや低加水気味の麺だ。麺がスープを吸って、麺自体もおいしくなってくる。
スープは、海鮮の旨みたっぷりの醤油味。海老が殻ごと入っていて、殻をむくとき手が汚れてしまうが、甲殻類は殻からいいダシが出るのだ。海老とホタテのダシがこってりとスープにしみ出している。この具材で1,100円は安い。
麺を食べてスープを飲んで、さて、トッピングを楽しむとしましょう。ホタテもエビも存在感がある。そして食べてみると、やはりしっかり煮込んである。別茹ででトッピングしたのではなく、スープの旨みに貢献した後なのだ。このスープは一口も残したくない。
いやあ、海鮮を堪能したぜ。