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沼里親方(このをとこ)「雞群靏立(ひとなみはづれ とびぬけて)」 時々刻々(つぎつぎ)進化變貌(くりだす) 廚藝(わざ)の數々(かずかず)
"伏龍鳳雛(よにしられざるてだれ)"に誘(いざな)はれ、またも『いしまる』。
此度(こだみ)は、舊(ふる)き"知己(しりあひ)"を迎(むか)へて、、。
迂囘(とほまはり)をし、
"親方"(おやかた)所緣(ゆかり)の『石丸酒店』酒肆(かくうち)にも。※←マヘヲトホツタダケ
"鮓店(すしや)"も亦(また)、
惡逆非道(みちにはづるゝあし)き"資本(ものゝけ)"が跳梁跋扈(のさば)り、
工匠(たくみ)を被平伏(ひれふさせ)、庖人(くりやびと)を被隸從(ぬかづかす)。
東都(えど)で高級店(ねのはるみせ)は十中八九(あらかた)この等類(たぐひ)。
"造築(つくり)"は《A工務店(あそこ)》、"鮪(しび)"は《Y(こゝ)》、
名店(なのあるみせ)の小僧(わかて)にそれなりの廚服(ふく)でも着(さ)せりャ、
「馬子(たづなひき)にも衣裝(いでたち)・髮形(かみかたち)」
と云ふ事情(わけ)にて「雨後竹筍(あめあがりのたかむな)」のごとき慘狀(ありさま)。
かゝる"鮓店(すしや)"の貴賓席(むしろ)を有難(ありがた)がる"客層(かたがた)"、
體裁上(おもてむき)、顰眉(まゆをひそめ)、顰顏(かほをしかむ)る客(もの)にも
夥計(なかま)に誘(さそ)はれ、あるいは、孔方(ぜに)に釣(つ)られ、
ノコノコ遠征(あしをはこぶ)×蟑螂(ごき)〇壁蝨(だに)のごとき鼠輩(やから)も。
當家(こちら)、
かゝる"飮食資本(ばけもの、ものゝけ)"とは一切無緣(つゆゝかりなし)。
當日(このひ)は、"掃愁帚(さけ)"を含(ふく)め、
對價(あたひ)、一萬七千二百十五圓也(いちまんしちせんにひやくじふごゑんなり)。
六百九十匁(≒2.6kg)の"白方頭魚(しろくづな)"は"昆布〆(あらめじめ)"。
適度(ほどよ)く脱水(みづけをぬかれ)、"鹹(しほけ)"も適切(よし)。
初體驗(はじめて)の"白星笛鯛(しろほしふえだひ)"は"炮(ひあぶり)"。
濃厚(あぢこ)く、「高級(ねのはる)白身魚(しろみ)」と"これ"にも解説(ある)。
例年(いつも)より遲(おく)れ傾向(ぎみ)の"竹筴魚(あぢ)"・"星鳗(あなご)"。
「江戸海(えどのうみ)に漁(いさり)し魚(いを)」と云ふ。
絶妙無比(たへ)なる火候(ひいれ)は"烏賊仔十腕(しんいかのげそ、=かふいかのあし)"。
「眞言(まこと)、鮮美(よきあぢ)!」と喝采(さけばざるべからず)。
"伏龍鳳雛(かれ)"絶賛(ほめちぎる)は"蝦夷石蔭貝(これ)"への火候(ひいれ)。
納得(げにも)!
"蝦夷石蔭貝(このかひ)"、"鳥蛤(とりがひ)"に似(に)て然(さ)に非(あら)ず。
風味佳絶(あぢとかをりはとびきり)にして"鳥蛤(それ)"をも凌駕(しのぐ)。※←IMHO
再度(またも)變更(かふ)る歟(か)?、"玉珧(たひらぎ)"へ刀工(はものづかひ)。
"桂剥(かつらむ)き"を廢(や)め、標準(よくある)做法(やりかた)に、、。
親方(おやかた)、縱横無盡(たてゞもよこでも)、自由自在(ほしいまゝ)。
試行錯誤(てさぐり)の「飽(あ)くなき探求心(きはめんとするこゝろ)」なるべし。
"基圍蝦(くるまえび)"が復活(もどり)、
"雞蛋糕(かすていらやき)"が原狀復歸(もとのすがたにもどる)は吉兆(よきしるし)。
「×夜這(よばひ)〇四倍(よばい)、せめて二倍(にばい)の寸尺(おほきさ)なら、、
惜(を)しみても猶(なほ)餘剩(あまり)ある!」とはこの"雞蛋糕(しな)"のこと。
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【暗匣】:富士膠片(Fujifilm)X-T4 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:福倫達(Voigtländer)NOKTON 1.2/35 @F2.8~F4
安徽長庚光學(Venus Optics)老蛙(LAOWA)2.8/9 ZERO-D @F8
玉石混淆(いしまじり) 名店發掘(たからさがし)に 疲勞困憊(つかれはて) 發掘名人(たくみ)に靠(すが)る 冢中枯骨(おひたるこのみ)
かの"トゥトアンクアメン陵墓(みさゝぎ)"發掘(ほりいだ)せしは"H.カーター":
世(よ)に彼(かれ)の大名(な)を周知(しらざるものなし)。
この大業(おほしごと)を成就(なしとげた)は、
偏(ひとへ)に、情熱(やむことのなきあつきおもひ)と智慧(ちゑ)の精華(たまもの)。
埃及(エヂプト)に大王(ファラオ、おほきみ)夥(あまた)存在(おは)しませど、
その陵墓(みさゝぎ)は悉(ことごと)く盜掘(はかあらし)に遭(あ)ひ、
未盜掘(いまだあらされざる)陵墓(おほきみのみさゝぎ)は、
"トゥトアンクアメン陵墓(これ)"が初(はじめて)。
これと同樣(おなじ)く、
知(し)られざる佳店(よきみせ)發掘名人(みいだし、ほりいだすたくみ)が、
老骨(それがし)が周圍(まはり)には二人(ふたり)。
内(うち)一人(ひとり)は、若年(わか)き「臥竜鳳雛(よにしられざるすぐれもの)」。
「玉石混淆(たまといしとがいりまじる)」鮓店(すしや)の中(なか)ゟ(より)、
『いしまる』發掘(みいだ)したるもこの賢人(かた)。
だが、鐵面(あつかま)しくもその功績(てがら)を竊取(よこどり)せんと狙(ねら)ふ、
「虎狼之心(けだものゝこゝろをもつ)」盜人(ぬすびと)が、、。
旣(すで)に他店(よそ)でも竊盜(ぬすみ)を重(かさ)ねし惡漢(わるもの)。
賢者(かれ)も、「かくなる上(うへ)は、、」と決斷(はらをくゝり)、
新規開拓情報(あらたにみいだしたるはなし)は内密(そとにもらさぬやう)に、、。
その數(かず)、旣(すで)に六軒(むゝね)にも及(およ)ぶ。 ※←卍調べ
陵墓(みさゝぎ)の盜掘人(はかあらし)は、
自(みづか)ら金銀財寶(たから)の所在地(ありか)を探索(さぐりあ)て、
汗水(あせみづ)流(なが)して墓(はか)を掘(ほ)る。
他方(かたや)、件(くだん)の厚顏無恥(あつかま)しき輩(やから)はと云ふと、、、
汗一滴(ひとしづくのあせ)だに垂(た)らさで情報(はなし)を盜聽(ぬすみぎ)ゝ、
さも自(みづか)ら發掘(ほりいだし)たるがごとく吹聽(いひふらす)。
油(あぶら)を舐(な)め、生血(いきち)を啜(すゝ)る肥大(おほき)な壁蝨(だに)。
などて御天道樣(おてんたうさま)が看過(みのがす)理(ことわり)やある?! ※イヤ,ナイ
案下某生再説(それはさておき)、當日(このひ)の『いしまる』:
前述(くだん)の若(わか)き「臥竜鳳雛(よにしられざるすぐれもの)」ゟ(より)、
「甚稀少(いとまれ)なる"宮津(みやつ)"の野生(すなどり)"鳥蛤(とりがひ)"を、、」
との誘(さそ)ひを受(う)け、勇躍(いさみ)て武州足立郡大宮(おほみや)に、、。
冢中枯骨(それがし)、
宮津(みやつ)『繩屋』にてこの"鳥蛤(とりがひ)"噉(くら)ひし經驗(こと)あり。
築地(つきぢ)・豐洲(とよす)の魚市塲(うをいちば)まで流通(まはらぬ)ものとか。
ところが、通信障碍(テレガラフがらみのさしさはり)により荷(に)が不着(とゞかぬ)。
適度(ほどよ)く昆布〆(あらめじめ)にせし"白方頭魚(しろくづな)"、
"雞魚(いさき)"と續(つゞ)く。
"鹽(しほ)"の用法(つかひかた)は遉(さすが)!
やはり、古今東西(いにしへよりいづこにても)、"鹹(しほけ)"こそ要(かなめ)。
"紅金眼鯛(きんめ)"は"湯引(ゆび)き"。
三種(みくさ)の"鮪(しび)"は、
「各々(おのおの)異(こと)なる産地(みなと)、"卷網(まきあみ)"にて、、」
との説明(はなし)。
"以前(まへ)"とは異(ことな)る"小鰶(こはだ)"髣髴(おもはす)"鰮(まいはし)":
精麁好醜(よしあし)は保留(お)くとして、
その"醢醯(あぢつけ)"の妙(たへなること)に打點頭(うなづかずといふことなし)。
これぞ"沼里親方(ぬまりおやかた)"が眞骨頂(まことのちから)。
"竹筴魚(まあぢ)"も"前囘(まへ)"とは異質(ことなる)。
"前囘(まへ)"は相州小田原(をだはら)、"此度(こだみ)"は長州(ながと)。
亭主(あるじ)、「今季(ことし)は遲(おく)れ傾向(ぎみ)」と歎息(ためいき)。
嗚呼(あゝ)!、南無三寶(なむさん)!
"玉珧(たひらぎ)"への刀工(はものづかひ)が被變更(かはりぬ)。
"以前(まへ)"と同樣(おなじ)く纖維(すぢ)を保(のこ)す廚藝(わざ)ながら、
所謂(いはゆる)"桂剥(かつらむ)き"とも難言(いひがたし)。
年々歳々(としごとに)、時々刻々(みるみるまに)、變貌(かたちをかへゆく)。
築紫(つくし)の"海鰻鱺(うみむなぎ)"百九十匁(≒700g)。
これを"志ら燒(しらやき)"にし、
"椒芽(なるのはじかみのめ)"と一緒(とも)に紫菜乾(ほしあまのり)にて捲(ま)く。
これが、現時點(いま)の親方(おやかた)なりの最適解(このうへなきこたへ)。
價格昂騰(いたづらに、うなぎのぼりのたかね)と云ふ"基圍蝦(くるまえび)":
「盡萬策(やむことをえずし)て"棒鮓(ばうずし)"に、、」
、、とは辯明(い)へ、白板昆布(しらいたゑびすめ)の味(あぢ)强(つよ)く、
半點(いさゝか)、鰕(えび)と酢飯(しやり)との均衡調和(つりあひ)も缺(か)く。
破裂寸前(はりさけんばかり)に期待膨脹(おもひふくら)む"雞蛋糕(かすてらたまご)":
常態(つね)に不變(かはらぬ)華美(よきあぢ)なれど、
顏色(いろみ)の餘(ほか)大同小異(おほきくことなるところなし)。
されど、獨學(ひとり)でこれほどの水準(たかみ)とは天賦之才(うまれながらのもの)。
最後(いやはて)に、
遲延(おくれ)に遲延(おくれ)し丹後國宮津(たんごのくにみやつ)の"鳥蛤(とりがひ)":
早飛脚(はやびきやく)が停滯(とゞこほ)り、
折角(せつかく)の"鳥蛤(しなもの)"が靑息吐息(いきもたへだへ)。
そこは、それ、職人氣質(しよくにんかたぎ)の師傅(おやかた)。
高價(ねのは)る"鳥蛤(とりがひ)"を無償提供(たゞでふるま)ふ膽力(ふとッぱら)。
對價(あたひ)、一萬六千九百四十圓也(いちまんろくせんきふひやくしゞふゑんなり)。
嗚呼(あゝ)、感謝感激雨霰(ありがたや、ありがたや)!
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【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:福倫達(Voigtlaender)APO-LANTHAR 2/50 Asph. @F2~F2.8
鮓(すし)の"西之島新島(あのしま)"
好醜善惡(よしあし)は保留(さてお)き、
現今(いま)や"鮓(すし)"は「百花繚亂(おびたゞしきかずのはながさきみだれ)」、
かの「寒武紀大爆發(カンブリアだいばくはつ)」を髣髴(おもはす)樣相(ありさま)。
價格(ね)も昂騰(うなぎのぼり)。
玉石混淆(なかには、あやしげなるものもまじ)るも、
一際(ひときは)異彩(ひかり)を放射(はな)つが當家(こちら)『いしまる』。
元來(もともとは)"居酒屋(ゐざかや)"なれど、
獨學(ひとりならひ)で鮓店(すしや)に轉業(なりはひをかへ)て一周年(ひとゝせ)。
『いしまる』、"沼里親方(ぬまりおやかた)"の歩(あゆみ)は、
「突然變異(とつぜんへんい)」と云ふより、「正常進化(せいじやうしんくわ)」。
その變貌(かはりぶり)、
眞言(まこと)、「日進月歩(ひがすゝみ、つきがあゆむがごとし)」。
この日(ひ)も"雞群一靏(ひとなみはづれたるてだれ)"と。
"西之島新島(あのしま)"と比肩(かたをなら)ぶるほどに變遷(うつろひゆくさま)を、
聢(しッか)と兩眼(ふたつのまなこ)に錄畫(やきつけ)んと、
一足先(ひとあしさき)に"階(きざはし)"を昇(のぼ)る。
劈頭(いやさき)に、薩州(さつま)"黃帶擬鰺(しまあぢ)"に颳目(まなこけづら)る。
割刀(めしがたな)を入(い)るゝや、
魫(うをのあぶら)皮附近(かはのちかく)ゟ(より)浮騰(ほとばし)る。
「"養殖物(やうしよくもの)"ならで"天然物(てんねんもの)"」との説明(よし)。
"無花果白和(からがきのしらあへ)"にも霎時(しばし)絶句(ことばをうしなふ)。
"實質(みのしたざはり)"、"濕潤性(うるほひ)"、"甜(あまみ)"に、
不圖(はからず)も、"黑無花果(くろからがき)"と錯覺(みまが)ひ、
迂闊(こゝろならず)も、あの"白無花果(しろからがき)"かと誤認(あやまつ)。
"親方(おやかた)"應答(いらへ)て曰(いへら)く、
「否(いな)!、山州(やましろ)の"これ"に厶(ござ)りまする。
叮嚀(ねんごろ)に蒸之(これをむ)し、然後(のち)、白和(しらあ)へに、、。」
うむ、これを"技倆(うで)"と斷言(いはづして、なんといふ)。
三州(みかは)の"小鯷(こいはし)"にも驚愕(まなこしろくろ)。
旣(すで)に"油漬小鯷(あぶらづけのこいはし)"でその美味(うまさ)を知(し)るも、
"鮓(すし)"では初體驗(はじめて)。
『さいたう』の"鯷(いはし)"も佳味(よきあぢ)なれど、これも絶品(すごすぎ)。
そも、鮓(すし)の"形狀(すがたかたち)"からして完璧(ひのうちどころなし)。
前日(まへのひ)の『みや古』の"それ"とは雲壤懸隔(くもとつちほどのたがひ)。
新物(しんもの)"鮏腹子(さけはらこ)"も『みや古』の"それ"より嫩(やはらか)。
「熱湯(あつきゆ)も鹽(しほ)も不使用(つかはで)、、、」と自慢(むねをはる)。
"雞蛋糕(たまごやき)"は二種(ふたくさ)比較(たべくらべ)。
"一(ひとつ)"めは前日(まへのひ)のもの。
"二(ふたつ)"めは燒成(やきあがり)て間(ま)も無(な)きもの。
これも、一刻(ひとゝき)ほど寢(ね)かせたる後(のち)、眼前(まのまへ)に、、。
かの長嵜(ながさき)"加須底羅(かすていら)"も、
「一晝夜熟成(まるいちにち、ねかしうら)して味(あぢはひ)を増(ま)す。」と云ふ。
鮓(すし)の"雞蛋糕(たまごやき)"とて、なでふ異(こと)なる理(ことわり)やある?
うむ、慥(たしか)に、、!
"對蝦(くるまえび)"も半點(いさゝか)變化(かは)り、
以前(まへ)に比較(くらべ)て味覺(した)に馴染(なじ)む温度(あたゝかさ)に、、。
これで支拂額(しはらひ)は一萬一千二百廿圓(いちまんいつせんにひやくにじふゑん)。
參考(ちな)みに、『みや古』が"これ"で一萬七千圓(いちまんしちせんゑん)。
辭別(いとまごひ)には"かゝる品(しな)"も、、。
謙虚(おくゆかし)くも"粗品(そしな)"でも"せいや"でもなく"松の葉(まつのは)"と。
今後(このさき)、五周年(いつとせ)、十周年(とゝとせ)、、
その未來(すゑのすがた)、咄嗟(にはか)には不能豫測(はかりがたし)。
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【暗匣】:富士膠片(Fujifilm)X-T4 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:銘匠光學 TTArtisan 1.4/35 @F2~F5.6
安徽長庚光學(Venus Optics)老蛙(LAOWA)2.8/9 ZERO-D @F8
颳目(まなこけづ)りて、この親方(ひと)を見(み)よ!
劈頭(いやさき)に、六百七十匁(≒2.5kg)の"星鰈(ほしがれひ)":
曰(いは)く、「朝締(あさじめ)」との説明(よし)。
大多數(おほく)の名親方(なのあるおやかた)と同樣(おなじ)く、
「"臠(さしみ)"は當日(そのひ)、"鮓(すし)"なら翌日(あくるひ)」とも、、。
無遺漏(もれな)く"裙邊(えんがは)"も附屬(つ)き、
"齒應(はごた)"へのみならず"旨味(うまみ)"すら不可輕視(あなどりがたし)。
眞言(まこと)、
「白身魚(しろみ)の皇(すめらぎ)」たるに相應(ふさはし)き風味(あぢかをり)。
かゝる上等魚(よきうを)は"鹽(しほ)"と"山蓼(わさび)"が適切(よい)。
當家(こちら)は藝州(あき)の"藻鹽(もじほ)"。
仕込(しこみ)にも用之(これをつかふ)。
"山蓼(わさび)"の御殿塲(ごてんば)"眞妻種(まづま)"なるは勿論(いふもさらなり)。
"大溝貝(おほみぞがひ)"は初體驗(はじめて)。
何(なん)でも、"大溝貝(これ)"は"竹蟶(まてがひ)"の同類(なかま)とか、、。
しかはあれど、
口味(あぢ)も形状(かたち)も"竹蟶(まてがひ)"とは大差(おほきなるたがひ)。
"鰕蛄(しやこ)"は有卵(こもち)。
嫉妬(やきもち)、食盒(をかもち)、幇間(たいこもち)。
"餈(もち)"を炙(やく)なら炭(すみ)が最適(よい)。
禁斷(ならぬ)は、剽竊(ぱくり)に騙(かた)り、賄賂(まひなひ)、僞客(さくら)。
「濱茹(はまゆで)」とのことなれど、
愚按(やつがれおもふに)、
"鰕(えび)"と同樣(おなじく)"活(いけ)"の"茹上(ゆであげ)"が最善(なにより)。
親方(おやかた)曰(いへら)く、「"活鰕蛄(いけ)"は難入手(てにいれがたし)!」。
淡路(あはぢ)の"鱆魚(たこ)"には脱帽(おそれいりやのあさがほいち)。
"櫻煮(さくらに)"を髣髴(おもはす)顏色(いろ)と輭(やはらか)さでありながら、
"甜(あまみ)"と"鹹(しほけ)"を適度(ほどよ)く抑制(おさ)へ、
能(よ)く"鱆魚(たこ)"の風味(あぢとかをり)を留(とゞ)む。
「風習(ならひ)の"打擲(たゝきつけ)"や"茶(ちや)ぶり"を囘避(さ)け、
●●分(ミニュト)ばかり冷凍(いてつかせ)、
"赤酒(あかざけ)"、"淡口醬油(うすくち)"、"水(みづ)"以て煮(に)まして、、」
と、飄々(かほいろひとつかへず、おだやか)に語(かた)る。
"紅金眼鯛(きんめ)"の調劑(あぢつけ)も上等(よき)。
冷製(つめたくした)て、朱明(なつ)らしき"堀口切子(ほりぐちきりこ)"に盛(も)る。
配搭(つけあはせ)は"蓴(ぬなは)"に"椒芽(きのめ)"。
"潮汁(うしほじる)"でも"酒蒸(さかむし)"でもあり、寔(まこと)淸涼(すゞやか)。
"玉珧(たひらぎ)"への刀工(はものづかひ)にも肝裂魄飛(おほいにおどろかさる)。
"桂剥(かつらむき)"のごとく、薄(うす)く長方形(ながしかく)に削(そ)ぎ、
纖維(すぢ)を直交(たちきるむき)に淺(あさ)く入刀(はをい)れ、
"紫菜乾(ほしあまのり)"などの"帶(おび)"をせずに成形(にぎ)る。
摸倣(まねごと)に非(あら)で親方獨創(みづからあみいだせ)し廚藝(わざ)。
なれど、寸毫(つゆ)傲慢(おごりたか)ぶることもなく、
先人(このみちをひらきしかたがた)を尊敬(したひ、うやまふ)こと、
宛然(あたかも)、白藏(あき)の稻穗(いなほ)の風(かぜ)に靡(なび)くがごとし。
厚顏無恥(あつかましくも、つゆ、はぢいることもしら)ず、
剽竊(ぱくり)・猿眞似(さるまね)を繰返(くりかへ)す鼠輩(ねづみのともがら)!
颳目(まなこけづ)りて、この親方(ひと)を見(み)よ!
、、とか何(なん)とか、居丈高(えらさう)に發言(い)ッてみる。
"鹽(しほ)"の用法(つかひかた)も、眞言(まこと)、合理(ことわりにかなふもの)。
"老虎魚(おこぜ)"・"白方頭魚(しろあまだひ)"は"振鹽(ふりじほ)"、
身(み)の薄(うす)き"棘鬛魚(かすご)"・"竹筴魚(まあぢ)"は"立鹽(たてじほ)"、
と辯別(わ)け、"旨味(うまみ)"を强(つよ)め、"臭氣(くさみ)"を去(さ)る。
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【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:福倫達(Voigtlaender)Apo-Lanter 2/50 Asph. @F2.8
福倫達(Voigtlaender)Super Wide-Heriar 4.5/15 Asph. III @F11
海(うみ)の無(な)き 僻地(わびしきゐなか)に 棲(す)みかねて 武州(むさし)『いしまる』 "沼里(ぬまり)"戀(こひ)しき
此度(こだみ)は若(わか)き俊英(ひいでたるちからのもちぬし)と、、。
能(よ)く"蚶(あかゞひ)"の產海(うまれ)による差異(たがひ)を知盡(し)り、
"沼里親方(ぬまりおやかた)"が潛在能力(ひめたるちから)を高評價(たかくかふ)。
「末(すゑ)怖(おそ)ろしき大器(おほもの)」とは正(まさ)にこのこと。
當日(このひ)の"鮓(すし)"そのもの、
"舎利(すめし)"も、"醋(す)"も、"山蓼(わさび)"・"生薑(くれのはじかみ)"も、
加旃(しかのみならず)、"鮓種(すしだね)"に至(いた)るまで、
前囘(まへ)と大同小異(おほきくことなるところなし)。
一際(ひときは)瞠目(めをみはる)べきは、
"鯖鮓(さばずし)"、輒(すなは)ち、鯖(まさば)の"棒鮓(ばうずし)"歟(か)?
"白板昆布(しらいたひろめ)"を沙糖(さたう)入(い)り赤醋(あかず)に滲(ひた)し、
成形(かたちをとゝのへた)る"棒鮓(ばうずし)"を包(つゝ)み放置(ねかしおく)。
半晌(はんとき、≒1h)後(のち)、剪斷之(これをき)りて客前(ひとまへ)に、、。
華洛(みやこ)"の鯖鮓(さばずし)"とも大坂(おほさか)"小舟(バテイラ)"、
かの『與兵衞鮓』の"鯖鮓(それ)"とも異質(こと)なる、唯一無二(ほかになき)もの。
鮮美(よきあぢ)なれど、"甜(あまみ)"强(つよ)きが「白璧微瑕(たまにきず)」。
淺(あさ)き火候(ひいれ)ゆゑ"文蛤(はまぐり)"は輭(やはらか)。
"乾瓢(ゆふがほのひもの)"に"椒芽(きのめ)"を配劑(あしら)ふは、
「"山蓼(わさび)"より適合(よくあふ)」との信念(つよきおもひ)に基(もと)づく。
眞言(まこと)、稚拙(つたな)き摸倣(さるまね)に非(あら)ず。
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【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:福倫達(Voigtlaender)Apo-Lanter 2/50 Asph. @F2~F5.6
"鮓業界(すしのよ)"に新島(あらたなるしま)出現(あらはる)。(その二)
(その一)ゟ(より)續(つゞ)く
■【舎利(すめし)】:
・古米(ふるきこめ)摻(ま)づるが業界(よ)の通例(ならひ)なれど、
越後(ゑちごのくに)、"笑みの絆(ゑみのきづな)"なる新米(しんまい)のみ。
この"粳(うるのこめ)"、「舎利(すめし)には最適(このうへなし)」とか。
善哉(よき)、善哉(よき)!
慥(たしか)に、口中(くちのなか)に入(い)るゝや、
爆發的(たちまち)に炸裂(とびち)ること、鳳仙花(あのはな)のごとし。
加旃(しかのみならず)、
舌觸(したざは)り滑(なめ)らかにして、疾(と)く咽喉(のみど)の奧(おく)に。
・その形状(かたち)、横(よこ)に膨(ふく)らむ"俵形(たはらがた)"。
側面(わき)の成形(おさへ)、底面(そこ)の凹(くぼか)が不足(たりぬ)か?
これ、旣(すで)に"Cさま✨.:*゚:.。:."御指摘(おほせ)のとほり。
「不沈下(したにしづむことなき)」理(ことわり)も、亦(また)同樣(おなじ)。
指先(ゆびさき)に剩餘(あま)れる舎利(すめし)を捨(す)つることなく、
左手(ゆんで)に舎利玉(しやりだま)を成形(かたちづくる)。
但(たゞ)し、その成形速度(はやさ)は、
『喜久好』淸水喜久男親方(しみづおやかた)とは雲壤懸隔(くもとつちほどのさ)。
所謂(いはゆる)"小手返(こてがへ)し"。
「最(もつと)も合理(ことわりにかな)ひまする故(ゆゑ)、、」
との親方(かれ)の辯(はなし)に、「實(げ)にも!」と打點頭(うちうなづ)く。
手數(てかず)少(すく)なきは、技倆(うで)の立(た)つ證據(あかし)。
・鹽(しほ)を適度(ほどよ)く利(き)かせ、沙糖(さたう)はその半量(なかば)。
その配合比(わりあひ)、『辯天山美家古壽司』、『淺草 壽司淸』に同樣(おなじ)。
纔(わづ)かながらも沙糖(さたう)用(つか)ふは、
鞏固信念(それなりのたしかなるおもひ)ありてこそ。
・"仕込(しこ)み"の"鹽(しほ)"は粗鹽(あらじほ)、
"醋(す)"は、《橫井》(よこゐ)の"琥珀(こはく)"+《私市》(きさいち)。
流行(はやり)の《橫井》(よこゐ)"與兵衞(よへゑ)"は不使用(つかはぬ)。
これも亦(また)、確乎信念(ゆるぎなきおもひ)あればこそ。
・鮓種(すしだね)に依存(よ)り、温度(あたゝかさ)を變更(かふ)。
「その方法(たつき)は"湯煎(ゆせん)"」とのよし。
『初音鮨』は緩慢(ゆるやか)に冷(ひ)えゆくを愉(たのし)ませ、
『佐竹』、『なんば(未訪)』は、鮓種(すしだね)毎(ごと)に昇降(あげさげ)。
■【醢醯(あぢつけ)】:
・"生薑(くれのはじかみ)"の沙糖(さたう)も極少量(きはめてわづか)。
"甜(あまみ)"、舌(した)に不滯留(とゞまることな)く、
さりとて、『しみづ』のごとく醋(す)が顯著(きはだつ)こともなし。
あるいは、これが沼里親方(おやかた)なりの最適解(いとよきこたへ)歟(か)?
・"鯖(まさば)"と"小鰶(こはだ)"には沙糖(さたう)不使用(さ)け、
"鱵(さより)"には沙糖(さたう)→鹽(しほ)して醋洗(すあら)ひ。
"鯖(さば)"に沙糖(さたう)→鹽(しほ)は定石(よくあるて)。
「"鹹(しほけ)"の滲透性(しみこみやすさ)」がその緣由 (ことのよし)と云ふ。
・一見(みるからに)强(つよ)き〆の"鯖(さば)"は、
鹽(しほ)と醋(す)、各(おのおの)九十分(90min.)したる後(のち)、
敢(あ)へて冷凍之(これをいてつかす)。
その緣由 (ことのよし)、寄生蟲(あしきむし)への對策(そなへ)なるべし。
『奈可久』鈴木親方(すゞきおやかた)發案(あみいだせ)し刀工(はものづかひ)、
輒(すなは)ち、
三葉(みひら)に薄(うす)く削(そ)ぎ重之(これをぬ)る手法(やりかた)より、
かゝる刀工(きりかた)が吉(よい)。 ←※IMHO
・"芝鰕(しばえび)"の"魚鬆(おぼろ)"は、
"鯖(さば)"、"小鰶(こはだ)"など、"光物(ひかりもの)"にのみ利用(つかふ)。
"對蝦(くるまえび)"に不使用(つかはぬ)は、
それなりの動機(おもひ)あらざるべからず。
・"握(にぎ)り"に用(つか)ふ"鹽(しほ)"は藝州(あき)の"藻鹽(もじほ)"、
"醋(す)"は上述(うへにのべたる)がごとし。
"醬油(しやうゆ)"は《髭田》"本膳"。
「地方(をちこち)の名品(しな)も試(ため)すも、有偏差(ばらつきあり)」と。
・"煮切醬油(にきり)"は、
"本膳"一升(≒1800cc)に、
"酒(さけ)"六合七勺(≒1200cc)+"美淋酎(みりんちう)"四合四勺(≒800cc)、
と、稍(やゝ)甘(あま)め。
・"煮詰(につめ)"はと云ふと、
『紀文壽司』級(なみ)の濃度(こさ)なれど少量(かなりひかへめ)。
"星鳗(はかりめ)"の煮汁(にじる)のみを用(つか)ふ。
「以前(まへ)に"蛤蜊(はまぐり)"も試(ため)したることあり」とのこと。
■【盛時(さかり)】:
・時季(とき)を重視(おもん)じ、
"星鳗(はかりめ)"→"斧文蛤(ぢはまぐり、てうせんはまぐり)"に切替(きりかへ)。
因(ちな)みに昔(むかし)の鮓工(すしゝよくにん)は、
初夏(なつのはじめ)、"小鰶(こはだ)"→"竹筴魚(あぢ)"へと切替(きりかへ)。
また、「貝(かひ)の盛時(さかり)は冬(ふゆ)」とも、、。
慥(たしか)に"蠔(かき)"は冬(ふゆ)なれど、
"蚫(あはび)"は夏(なつ)、"蛤仔(あさり)"・"文蛤(はまぐり)"は春(はる)、
とは、冢中枯骨(くたばりそこなひのそれがし)が固定觀念(おもひこみ)歟(か)?
■【熟成(ねかし、うらし)】:
・魚(いを)に依存(よる)。
"雲紋石斑魚(くゑ)"は七日(なのか)、"紅金眼鯛(きんめ)"は四日(よつか)。
『喜邑』のごとく、濫(みだ)りに寢(ね)かすを嫌(きら)ふ。
今(いま)や、"熟成(ねかし、うらし)"が漬塲(つけば)を席捲(なびかす)。
嘗(かつ)ては、これを"大哥(あにき)©毒さま✨.:*゚:.。:."と喚做(よびな)し、
貓(ねこ)すら跨(また)ぐものなりしに、
近會(ちかごろ)の若手(わかて)は濫用之(みだりにこれにたよる)。
川口(かはぐち)『豬俣』亦(また)然(しかり)。
"熟成(このわざ)"により、
"旨味(うまみ)"そのものは増加(ふ)えるは確實(たしか)なれど、
換言(ことばをかふる)なら、
齒應(はごた)へを喪失(うしな)ひ、"腐敗(いたみ)"も進行(すゝむ)と云ふこと。
■【炙(あぶり)】:
"炙(あぶり)"て温度(あたゝかさ)が變化(かはる)ことに因(よ)り、
食感(はごたへ・したざはり)ばかりでなく、
"甜(あまみ)"など、味覺(した)の感受性(かんじやすさ)までもが變化(かはる)。
"雲紋石斑魚(くゑ)"を炙(あぶ)ることにより、
"風韻(かをり)"と"旨味(うまみ)"が一齊(とも)に開花(はなひらく)は、
旱(ひでり)の慈雨(あめ)に、
硬(かた)き種(たね)が瞬時(またゝくま)に發芽(めぶ)くに似(に)たり。
"燻(いぶし)"となると、温度(あたゝかさ)のみならず、
外面(とのも)からも風味(あぢとかをり)が加(くは)ゝり激變(おほいにかはる)。
これも、"熟成(ねかし、うらし)"と同樣(おなじく)、
『さは田』のごときは過剩(やりすぎ)。 ※←十五年前(とゝせあまりいつとせまへ)
■【煮物(にもの)】:
・"斧文蛤(ぢはまぐり、=てうせんはまぐり)":
熟々(つらつら)その姿(すがた)を眺(なが)むるに翼(つばさ)そのもの。
その窮理(ことわり)、火候(ひいれ)聊(いさゝ)か强(つよ)く、
舎利(すめし)と鮓種(すしだね)が遊離(はなれ)たるに起因(よ)る歟(か)?
次(つ)いで、その顏色(いろ)を觀察(うかゞふ)に、
"漬込(つけこみ)"と云ふより"爽煮(さはに)"を髣髴(おもはす)。
上述(うへにのべた)るがごとく、"煮詰(につめ)"は『紀文壽司』級(なみ)。
"友詰(ともづめ)"ならで、"星鳗(はかりめ)"の煮汁(にじる)。
この『紀文壽司』、活(いけ)を瀹(ゆが)き、煮汁(にじる)は椀(わん)に、、。
『しみづ』など、淺(あさ)めの"漬込(つけこみ)"より尚(なほ)輭(やはらか)。
參考(ちなみ)に、八重洲(やへす)『おけい』は、
濃(こ)き調劑(あぢつけ)で火候(ひいれ)も强(つよ)め。
・乾瓢(かんぺう、ほしゆふがほ):
明白(あきらか)なる"暗黑醬油味(あんこくしやうゆあぢ ©毒さま✨.:*゚:.。:.")。
この調劑(あぢつけ)、『うを德』に畧(ほゞ)同樣(おなじ)。
對照的之(これとことなり)、駒形(こまがた)『松波』は淡味(うすあぢ)。
愚按(やつがれおもふに)、
"乾瓢(ほしゆふがほ)"の眞味(まことのもちあぢ)は淡(うすきあぢつけ)にあり。
しかはあれど、紫菜乾卷(のりまき)に淡(うす)き醢醯(あぢつけ)では、
味(あぢ)の輪廓(ほねぐみ・かたち)の暈(ぼ)くるが常態(つね)。
■【鷄卵燒(たまごやき)】:
・"薯蕷(いも)"と"海鰻(はむ)"の泥(すりみ)に、
"卵白(たまごのしろみ)"を"メレンゲ"状(のごとく)泡立(あはだ)て、
"スフレ"のやうな食感(したざはり)に嫩(やはらか)に燒成(やきあげ)たるもの。
輭(やはらか)、眞言(まことに)、嫩(やはらか)!
"蛋白(しろみ)"を泡立(あはだ)て"メレンゲ"と爲(な)す廚藝(わざ)そのものは、
『一條』、『み富』、『かね庄』も同樣(おなじ)なれど、
"薯蕷(いも)"と"メレンゲ"雙方(どちら)も用(つか)ふは稀有(まれ)。
この柔軟性(やはらかさ)、好不好(このむもこのまざる)も客(ひと)によるべし。
"鰕(えび)"を不使用(つかはぬ)理(ことわり)、
偏(ひとへ)に"甲殼類アレルギー"の賓(まらうど)の爲(ため)との説明(よし)。
「『鈴木』に倣(なら)ひたるもの」と證言(いふ)。
"雞蛋(たまご)"の數量(かず)を變更(か)へ探求中(きはめんとするさなか)。
愚按(やつがれおもふに)、
"海鰻(はむ)"は"鰻鱺(むなぎ)"にも贏(まさ)る"旨味(あぢ)"があり、
"泥(すりみ)"にして擂込(すりこ)むは、理想(このうへなきこと)。
藤本繁藏門下(かの)『喜久好』淸水親方(しみづおやかた)蹈襲之(これにならふ)。
■【柑橘類(たちばなのたぐひ)】:
・"柚(ゆ)"は"斧文蛤(ぢはまぐり)"、"墨魚(すみいか)"には"酢橘(すだち)"。
『久兵衞』一門(いちもん)のごとく、
濫用之(これをみだりにつかふ)は辟易(しりごみ)するばかりなれど、
柑橘香(かをり)の過强(つよきにすぎぬ)は吉(よき)。
■【紫菜乾卷(のりまき)】:
・"紫菜(のり)"は有明産(ありあけの)"スサビノリ"。
『うを德』と同樣(おなじく)、
"燒紫菜乾(やきのり)"を炙(あぶ)ることなく、その儘(まゝ)用(つか)ふ。
反之(これにひきかへ)、
『すきやばし』、『しみづ』、『さいとう』などが炙之(これをあぶ)るは、
「"機械燒(きかいやき)"だと八分(はちぶ)の燒(やき)に止(とゞ)まるから」
とは淸水邦浩親方(しみづくにひろおやかた)の説明(はなし)。
愚按(やつがれおもふに)、
"溶融性(くちどけ)"は"スサビノリ"より昔(むかし)の"アサクサノリ"が上(うへ)。
「"旨味(うまみ)"も優越(まさる)」との定説(はなし)なれど、
老骨(それがし)が駄舌(だじた)では不詳(つまびらかならず)。
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【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:高千穗光學(Olympus)瑞光(Zuiko)Auto 微距(Macro)2/50 @F2~F5.6
高千穗光學(Olympus)瑞光(Zuiko)Auto 2/21 @F8~F11
"鮓業界(すしのよ)"に新島(あらたなるしま)出現(あらはる)。(その一)
"西ノ島新島(にしのしましんたう)"狂騒(さはぎ)は周知(あまねくしらる)。
海底(うみのそこ)ゟ(より)暴(にはか)に噴火(ひがふきあが)り、
嶋(しま)と化(な)り、年年歳歳(としごと)に成長(おほきくたかくそび)ゑ、
軈而(やがて)、元(もと)の"西ノ島(にしのしま)"と合體(みとのまぐはひ)。
多方面(をちこち)の學者(かしこきひと)、"西ノ島(このしま)"を調査(しら)べ、
「新發見續出(あらたなることが、つぎつぎ、あきらかになりつゝあり)!」、
とは各種媒體(かはらばんのたぐひ)の報道(つた)ふるとほり。
この先(さき)の展開(なりゆき)、無者知之(だれひとりしるものなし)。
「"鮓(すし)"にも新島(あらたなるしま)出現(あらはる)!」、
とは、"Cさま✨.:*゚:.。:."ゟ(より)仄聞(みゝに)せし有力情報(みゝよりのはなし)。
麾(さいはひ)、
「非常事態宣言下(あのおふれのもと)、午餐(ひる)の商賣(あきなひ)あり」とも、、。
かくて、勇躍(こゝろをどら)せ『いしまる』の暖簾(のれん)を潛(くゞ)る。
甚(いと)鄙(ひな)びたる高樓階上(たかどの、きざはしのうへ)。
勿驚(おどろくなかれ)、滿席(せきにあきな)く、
一同(みなみな)、"沼里裕幸師傅(ぬまりひろゆきおやかた)"に注目(め)。
檜(ひのき)の"漬臺(つけだい)"+公孫樹(いちやう)の"俎(まないた)"。
"山蓼(わさび)"は高名(なだか)き豆州御殿塲(いづごてんば)の"眞妻(まづま)"。
これを擂(すりおろ)すは、流行(いまをときめ)く"鋼鮫(はがねざめ)"。
"生薑(くれのはじかみ)"も「今(いま)や遲(おそ)し」と待機(でばんをまつ)。
沼里親方(ぬまりおやかた)は左利(ひだりき)ゝ。
左利(ひだりき)ゝのための"割刀(うをきりがたな)"は、
「"堺(さかい)"でも"本燒(ほんやき)"でもなき霞(もの)!」と、誇(むねをは)る。
『初音鮨』中治親方(なかぢおやかた)も、武州馬込(ぶしうまごめ)"定康(さだやす)"。
『すし通』→『ふぢなが』藤永親方(ふぢながおやかた)も、
『あそこ』に修業時代(ならひたるころ)の"割刀(うをきりがたな)"を活用(つかふ)。
『KRG』のごとく、これみよがしに堺(さかい)の本燒(ほんやき)開陳(ひけらかす)は、
虚飾症(みえッぱり)の虚假脅(こけおどし)。
"Cさま✨.:*゚:.。:."の解説(はなし)のごとく、
「元來(もとより)、酒樓(のみや)を商賣(あきなひ)しに、
魚愛好(うをずき)・鮓愛好(すしぐるひ)が嵩(たかぶり、こじ)れ、
鮓店(すしや)に轉業(なりはひをかへ)たが去年(こぞ)の八月(はちがつ)」。
「"鮓(すし)"の"西ノ島(にしのしま)"」故(ゆゑ)、
その廚藝(わざ)は"日進月歩(ひゞすゝみゆくもの)"。
否(いな)!
「破竹之勢(たけのさくるいくほひ)」、「旭日昇天(あさひのぼるがごとし)」。
現今(いま)も驀進中(おそるべきはやさにてすゝみつゝあり)、
摸倣(まね)されぬ現時點(いま)も、將來(いづれ)は眞似(まね)さるゝ筈(はづ)。
「かつ消(き)えかつ結(むす)びて、久(ひさ)しくとゞまりたるためしなし。」
と云ふわけで、今日(いま)の廚藝(わざ)も明日(あす)には陳腐化(つまらぬものに)。
その技法(わざ)と進化過程(すゝみゆくみちのり)を審(つまびらか)にし、
記録之(これをしるす)は、"新島(あらたなるしま)"を觀察(み)るに同(おな)じ。
待塲鮓出身(まちばあがり)の『初音鮨』、『すぎた』、『喜邑』、『やす秀』はともあれ、
『とゝや』のごとく無鮓修業歴(すしをならひたるためしすらな)きは稀有(まれ)。
亭主(あるじ)、『鈴木』鈴木孝尚親方(すゞきたかひさおやかた)を尊敬(うやま)ひ、
"生薑(くれのはじかみ)"も『鈴木』の"これ"に瓜两箇(うりふたつ)、
錫(すゞ)の"酒罌(さかどくり)"も『鈴木』の"あれ"に酷似(にる)。
『しみづ』にも一目置(いちもくお)くも倣之(これにならふ)を潔(いさぎよし)とせず。
かく、確乎(たしか)なる思想信條(かんがへ)の下(もと)、
地元(うぶすな)の客人(まれうど)に己(おの)が鮓(すし)を提供(ふるま)ひ、
これを新(あらた)なる生業(なりはひ)と爲(な)す。
その哲學(かんがへ)たるや如下(つぎのごとし)↓。
(その二)に續(つゞ)く
Restaurant name |
Ishimaru
|
---|---|
Categories | Sushi |
Phone number (for reservation and inquiry) |
048-871-7244 |
Reservation Availability |
Reservations Only
予約は電話かTableCheck、LINE@から |
Address |
埼玉県さいたま市大宮区桜木町2-305 |
Transportation |
10 minutes walk from the west exit of Omiya Station 527 meters from Omiya. |
Opening hours |
|
Budget |
¥20,000~¥29,999 ¥15,000~¥19,999 |
Budget(Aggregate of reviews) |
¥20,000~¥29,999¥15,000~¥19,999
|
Method of payment |
Credit Cards Accepted (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) Electronic money Not Accepted QR code payment Not Accepted |
receipt |
Invoice-compliant receipts can be issued Registration NumberT9810173514446 *For the latest registration status, please check the IRS Invoice System Qualified Invoice Issuing Business Publication website or contact the restaurant. |
Table money/charge |
なし |
Number of seats |
8 Seats ( Counter seats: 8) |
---|---|
Maximum party size | 8people(Seating) |
Private dining rooms |
not allowed |
Private use |
OK Up to 20 people |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables Smoking room available |
Parking lot |
not allowed Coin parking available nearby |
Space/facilities |
Comfortable space,Wide seat,Counter |
Drink |
Japanese sake (Nihonshu),Japanese spirits (Shochu),Wine,Particular about Japanese sake (Nihonshu) |
---|
Occasion |
This occasion is recommended by many people. |
---|---|
Location |
Secluded restaurant |
With children |
Children welcome upon request |
Dress code |
If you are wearing a strong perfume, please remove it before entering the store. |
Remarks |
For inquiries, please contact us via LINE@. Register here: https://lin.ee/I7idLl4 For reservations, please search for "Ishimaru" on TableCheck. |
此度(こだみ)は、
"饕餮世界(たべてのよ)"に君臨(ましま)す"絶對王者(くらぶるものなきおほきみ)"、
仍(すなは)ち、
所謂(よにいふ)"ラスボス"たる"味神樣(あぢがみさま)"降臨(おみえに)。
近來(ちかごろ)、
「傳説的饕餮(いひつたへになるほどのたべて)」を騙(かた)る鼠輩(やから)、
"味神樣(あぢがみさま)"が片言隻句(ふたことみこと)を鸚鵡(くちまね)し、
貴重情報(みゝよりばなし)を剽竊(ぬすみぎ)ゝて己(おの)が手柄(てがら)となす。
加旃(しかのみならず)、
「三寸不爛之舌(したりしがほ)」に"鮓(すし)"を譚 (かた)り、
輕佻浮薄(うはつきた)る"御朱印蒐集(ごしゆいんあつめ)"を非難排斥(そし)るも、
言舌(いふこと)ゝ行動(やること)が眞逆(まさかしま)と云ふ醜態(みにくさ)。
當家(こちら)『いしまる』は"味神樣(あぢがみさま)"ならで、
"伏龍鳳雛(いまだよにしられざるてだれ)"發掘(みいだし)たる鮓店(すしや)。
上述(くだん)の破廉恥(はぢをしら)ぬ"偸兒(ぬすびと)"、
秋毫(すこし)の臆面(はぢらひ)もなく"伏龍鳳雛(かれ)"からも竊盜(ぬすみ)。
扨(さて)、當日(このひ)の『いしまる』。
仔細(くはしきこと)は"伏龍鳳雛(かれ)"に一切合切(すべて)白紙委任(まか)せ、
蒙(それがし)が印象(おもひ)を數點(いくつか)。
不束(ふつゝか)、蟻塚(ありづか)、大森貝塚(おほもりかひづか)。
常態(つね)のことながら×貝塚〇"貝使(かひづかひ)"の名人(たくみ)。
北海(きたのうみ)、これぞ"姥貝(うばがひ)"、"蝦夷石影貝(いしかげがひ)"。
「現在(いまや)、良質(よ)き"海松食(みるくひ)"は價格昂騰(ねがふなぎのぼり)」
と歎息(なげ)くこと再三再四(しきり)。
熟成(ねか)すこと、
"馬鮫魚(さはら)"七日(なのか)で"雲紋石斑魚(くゑ)"一夜(ひとよ)。
"縱彈性係數(はごたへ)"と、"鮮味(うまみ)"の太極(つきとひ、しろとくろ)。
その對比(たがひ)に啓蒙(くらきをひらか)るゝ感慨(おもひ)。
徒(いたづら)に"熟成(ねかし)"に志向(はし)るは野暮(やぼ)、
濫(みだり)に"活魚(いけ)"に拘泥(こだは)るは無智(むち)。
"沼里親方(ぬまりおやかた)"、
そのどちらとも異(こと)なる流儀(みち)を獨(ひと)り開拓(きりひら)かんとす。
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【暗匣】:富士膠片(Fujifilm)X-T4 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:福倫達(Voigtländer)MACRO APO-ULTRON 2/35 @F2.8~F4
安徽長庚光學(Venus Optics)老蛙(LAOWA)2.8/9 ZERO-D @F8
* * * * * *
【暗匣】:東京通信工業 索尼(Sony)α7 III 無反光鏡可換鏡頭照相機(みらーれす)
【鏡珠】:高千穗光學(Olympus)瑞光(Zuiko)Auto 微距(Macro)2/50 @F2 2021-01