居酒屋探訪家・太田和彦さんが「日本一の居酒屋」と評した山陰屈指の名店
田吾作@島根県益田市
・刺身定食 2200円
島根県西部の山口県寄りにあるJR山陰本線の益田駅から徒歩約10分。駅前の小さな商業地区からは外れた里山風景の住宅地にポツンと一軒ある古民家居酒屋。敬愛する居酒屋探訪家の太田和彦さんが「日本一の居酒屋」と評した名店。
http://tagosaku1966.jp/
木造古民家の店内の雰囲気も抜群だが料理も絶品。刺身定食は刺身盛り合わせ、ご飯、汁物、煮物、冷奴、卯の花、お新香。この日の刺身は鯵(あじ)、真鯛(まだい)、鰹(かつお)、鰆(さわら)、栄螺(さざえ)。お醤油は生姜用とわさび用で2つ用意してくれる。わさびはすりおろした本物の生わさびだ。
ご飯は白いご飯か松茸ご飯が選べるというのでもちろん「松茸で!」と即答。芳醇な香りがたまらない。定食はご飯、汁物おかわり自由。さすがにおかわり時は白飯だろうなと思ってたけど、なんとおかわりも松茸ご飯!
汁物は春菊と玉ねぎ、柚子皮入りのかきたま汁。煮物は蓮根、大根、里芋、人参、椎茸、さつま揚げ。それぞれの食材本来の味がしっかり分かる優しい味付け。冷奴は自家製の木綿豆腐で市販の木綿豆腐よりギュッと凝縮したような硬い食感と濃厚な味わい。自家製のおからの卯の花はほっとする素朴な味わい。
ランチは食後のコーヒーも付くが、コーヒーが飲めない同行人分は代わりにヤクルトをサービスしてもらった。素晴らしいホスピタリティ。ちょうど益田駅近くに宿を取っているので、そのまま夜にも再訪したいぐらいだったが、この三連休は昼も夜も全部予約で満席だそう。やはり山陰屈指の人気店で予約必須のようだ。
次回は是非夜に予約をしてゆっくり居酒屋として楽しみたいな。今週はイカが不漁だったので生簀には泳いでいないが、入荷があれば活きイカのお造りもあるそうだ。
Restaurant name |
Tagosaku
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Categories | Izakaya (Tavern) |
Phone number (for reservation and inquiry) |
0856-22-3022 |
Reservation Availability |
Reservations available |
Address |
島根県益田市赤城町10-3 |
Transportation |
益田駅から徒歩8分 490 meters from Masuda. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget |
¥4,000~¥4,999 ¥1,000~¥1,999 |
Budget(Aggregate of reviews) |
¥6,000~¥7,999¥1,000~¥1,999
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Method of payment |
Credit Cards Accepted (VISA、JCB、AMEX、Diners、Master) Electronic money Accepted (Transportation electronic money(Suica)、iD) QR code payment Not Accepted |
Number of seats |
40 Seats ( カウンター4席、個室8部屋(座敷)) |
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Private dining rooms |
OK For 2 people、For 4 people、For 6 people 8室 |
Private use |
OK |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables 喫煙室あり |
Parking lot |
OK |
Space/facilities |
Comfortable space,Counter,Tatami seats,Horigotatsu seats |
Drink |
Japanese sake (Nihonshu),Japanese spirits (Shochu),Wine |
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Food |
Particular about vegetable,Particular about fish,Healthy/beauty food menu |
Occasion |
With family/children |Business |With friends/colleagues This occasion is recommended by many people. |
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Location |
House restaurant |
Service |
Extended party hours (more than 2.5 hours) |
With children |
Kids are welcome |
Website | |
Remarks |
1階の玄関、大きな甕に花。下駄箱は、木のサイコロ型。階段下に大きな生けす。季節の魚が遊泳。カウンター、座敷のテーブルも木製で凝ったもの。障子入口の小部屋が6室。昔の田舎家風。ガイシがむき出しで趣あり。料理は田舎料理。竹筒に入った手作り豆腐などもあり。魚は日本海。食後のコーヒー付で800円。 |
田吾作(たごさく)
(島根県益田市/最寄駅:益田)
島根県の西端の山口県と接する益田市にある昭和42年(1967年)創業の老舗居酒屋「田吾作」。
JR山陰本線 益田駅から徒歩10分ほどの里山風景ののどかな田舎町の住宅地にポツンとある木造の古民家。居酒屋探訪家の太田和彦さんが「日本一訪れる価値がある」と太鼓判を押す名店。
傾斜の土地に建っている建物で、道路に面する2階部分が玄関になっており、階段を降りた1階部分に厨房や客間がある店構え。下駄箱に靴を入れて階段を下っていくと目の前に水色の大きな生け簀があり活きたイカが泳いでいる。
外から見た店構えからは想像をこえる広大な古民家で、剛直な梁天井の下に広い配膳場を囲むようにして大小8つの個室部屋がある。
部屋の板戸障子は人間国宝だった出雲の紙漉き師による石州和紙が貼られ、床は全て板張りでスリッパもなく素足が心地よい。空間の贅沢さや居心地の良さという点も考慮すれば、「日本一の居酒屋」という呼び声も決して大袈裟ではないと思う。
もちろん料理も抜群。近隣の港で水揚げされた魚を店内の水槽で活かして提供する鮮度抜群の魚が名物。エアーポンプで活かしたまま仕入れる須佐湾の白イカや、清流日本一の高津川でとれる鮎やツガニ、自家製の豆腐や野菜など、益田の海、川、山、野の季節ごとの旬の食材の味わいをそのまま生かした料理を提供する。
ランチタイムの定食メニューは「刺身定食」(2500円)や「いか丼」(2000円)、「あじ丼」(2000円)、「海鮮丼」(2000円)など。近隣の住民には日替わりの煮魚や焼き魚がメインのリーズナブルな「田吾作定食」(995円)も人気。
前回2019年11月に来て以来、約4年半ぶりの訪問。前回はイカが不漁で仕入れがなくて、代わりに刺身定食をいただいたが、今回は絶対にイカの刺身を食べたかったので、事前に電話でコースを予約。
おまかせ料理のコースは1人4400円、5500円、6600円、7700円、8800円、9900円、11000円と予算に合わせて食材や内容が変わるそうだ。今回は4400円でお願いした。
●おまかせコース 1人4400円
・小鉢(おから)
・酢の物(なます)
・自家製豆腐(青竹よせ豆腐)
・煮物炊き合わせ(筍、ワラビ、ゴボウ、椎茸、人参、厚揚げ)
・イカ刺し(ヤリイカ活け造り)
・お造り(ヒラソ、ブリ、ヨコワマグロ)
・揚げ物(カレイ唐揚げ)
・御飯
・味噌汁
・お新香
突き出しのおから、酢の物、煮物の炊き合わせはどれも優しい味わいで。自家製のよせ豆腐は大豆の味わいが濃厚でなめらかな舌触り。
イカの刺身は店内の水槽で活かし、注文後にザルですくって即、刺身にする。ついさっきまで泳いでたイカは身が綺麗に透き通っていてイカゲソはまだうねうね動いている。コリコリした心地よい歯ざわりと上品な甘みがゆっくり口の中に広がっていく。
スーパーに置いてある真っ白なイカの刺身とは全く別物。この透明なイカ刺身の味を知ったら、普通のイカの刺身には戻れない。イカの刺身以上に活け造りとそうでない刺身で味の違いがある食べ物は他にないのではと思うぐらい。わさびも市販の粉わさびや練りわさびではなく、ちゃんと本物の本わさびをすりおろしているので、爽やかな辛み。
お造りはヒラソ(ヒラマサ)、ブリ、ヨコワマグロ(クロマグロの幼魚)の3種類。脂がしっかり乗っていて美味しい。島根県西部沖は、暖かい対馬暖流と島根冷水域といわれる深海の冷たく栄養に富んだ海水とが混ざり合い、魚の餌となるプランクトンの発生量も多い海域なので、魚種も豊富でたっぷり脂が乗った魚が揚がるそうだ。
カレイの唐揚げは身がふっくらしていてほぐれやすく、ヒレや皮も美味しくいただける。ご飯もしっかり美味しいふっくらツヤツヤの白米。ご飯と味噌汁はおかわりできるのも嬉しい。食後にはコーヒーのサービスもあり、コーヒーが飲めない場合はヤクルトに変更もしてくれる。