極上刺身・しゃぶしゃぶ＋炎のひれ酒 : Karigane

色々あった出向が任期満了となって、帰任に先駆けてフランス人上司が送別会を催してくれるというので遠慮なくこちらでしゃぶしゃぶをご馳走になった。

女将に「これからお得意様になってもらわなければいけないフランス人役員が来る」と伝えたところ「以前いらっしゃったフランスの方が残してくれた書き置きがあるので読んで欲しい」と仰る。見てみたら達筆過ぎる手書きのフランス語で何書いてるか自分もさっぱり分からない。

上司殿が読み解いたらフランスの住所と電話番号を書き残して「機会あれば連絡して欲しい」との書き残しだったようで、店側は聞いて喜びつつも「でもフランス語分からないし〜」と尻込みしてたところ、上司が徐に携帯を取り出してフランスに国際電話した。

お店が「そんな、国際電話代お支払いしないと」と恐縮してるので私から「会社の携帯だからお任せしておきゃ良いです」ととりなしてる横で流暢なフランス語の「国際電話」（フランス人がフランス人と話してるので当たり前だが）が展開し、「とても美味しい料理で感動した。次に日本に行く機会があれば是非またお邪魔したい」という先方さんのメッセージを上司から英語で聞いて店にお伝えした。

女将と大将が喜ばれたのは言うまでもなく、仲立ち通訳をしながら、こちらも嬉しくなった。良い店と良い客の良い出会いだ。ちなみに、国際電話の相手の方はフランスのパティシエさんだったらしい。

さて、頂いた刺身、しゃぶしゃぶ共に非常に美味しかったが、極め付けエピソードは「ひれ酒」。静岡の地酒を三種類頂いた後で「日本酒は冷やとお燗のどちらが美味いか？」などと聞いてくるので「両方美味いが、熱燗は燃える酒もある」とかとりとめもない会話をして、行きがかり上「ふぐひれ酒」を頼む事になった。

このひれ酒が「よもや」というレベルのアクロバティックなひれ酒で、ありきたりの蓋を開けた際に一瞬だけパッと燃えるタイプではなく、お銚子から注ぐ過程で火をつけて「炎の滝」みたいな豪快なファイヤーパフォーマンスが展開された。フランス人に知ったかぶりで伝えた会話が長じて自分も初めて眺めさせて頂いた。鬼滅の刃の炎の呼吸みたいな熱燗だ。（写真載せてます）

ちなみに、あまりに興味深いので複数人で何回も「炎の滝」をお願いしている内に、最後は中居さんが火傷をされてしまった。過ぎたるは及ばざるが如しだ。…すんませんでした。

美味しかった上に非常に楽しく心地よい送別会に感謝。
今後もお店とフランスのご縁は続くと思う。

Merci beaucoup, Nicolas!
ごちそうさまでした。