感動的な食体験 : Rakan

中伊豆にある古民家割烹。

わさび農家がほとんどの集落に、ひっそりと1日1組限定でおもてなしをしている女主人。

入ってすぐの土間でお茶をいただいていると、準備ができましたので、、、と外の味噌樽を改装して作った小部屋に通されて、食前酒と前菜をいただきました。椎茸ペーストのムースの香りと味が優しくしっかりしていて好みでした。

しばらくしてまた土間に通されると、大きな漆塗りの一枚板の上に宝石のように並べられたアミューズが置かれていて、目にも鮮やか。地元の物中心に一つ一つ丁寧に作られていて美味しく楽しく頂きました。

またしばらくするの、今度はこちらへと、囲炉裏のある和室へ通され、そこで、残りのお食事を頂きました。

お造りは、地元のわさびをその場で擦るので、新鮮そのもの。部位によって辛味が違うようなのですが、それほど辛いというわけでもなく、むしろ辛味と独特の甘味のようなものが感じられ、わさびだけでも美味しい。もちろんお造りも、炙りや湯引き、塩味の加減などが絶妙で期待以上の美味しさでした。

次は、大皿でサワラの焼き物などがやってきました。サワラの身が厚くてびっくりしましたが、上品な脂と身の柔らかさで、トッピングのショウガやレモンのシロップ漬けなどとの相性もよいと思いました。次にカブと帆立の入ったしんじょうでは、旨味出汁を吸った大きめのカブがゴロゴロ入っていて、噛むたびにじゅわっと美味しかったです。

最後には海老芋の天ぷらも油で揚げるのとで、今の旨味がアップして、タレも甘辛過ぎず、ちょうどよかった。

締めは炭火で1つは焼きおにぎりに、もう1つを雑炊にして頂きました。糠漬けは種類も量も多く、あっさり漬け。

デザートはまた土間に移って、林檎のコンポートと紅茶。上にのっているいちごや栗も美味しくて、最後まで満足感の高いものでした。

料理の洗練さだけをとれば、他にもよい割烹などはありますが、ここは、ここでしか味わえない食を愛しむ食体験に価値があると思います。