Restaurant name |
Toritsune Honten
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Categories | Unagi (Eel)、Chicken dishes、Japanese Cuisine |
Phone number (for reservation and inquiry) |
0284-41-3330 |
Reservation Availability |
Reservations available |
Address |
栃木県足利市通1-2686 |
Transportation |
JR両毛線「足利」駅(北口)から徒歩5分 296 meters from Ashikaga. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget |
¥2,000~¥2,999 ¥2,000~¥2,999 |
Budget(Aggregate of reviews) |
¥3,000~¥3,999¥4,000~¥4,999
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Method of payment |
Credit Cards Accepted (AMEX) Electronic money Not Accepted |
Number of seats |
( 小上がりあり) |
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Private dining rooms |
OK 2階に宴会場があります。 |
Private use |
OK |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables |
Parking lot |
OK 6台 |
Space/facilities |
Comfortable space,Wide seat,Tatami seats |
Drink |
Japanese sake (Nihonshu),Japanese spirits (Shochu) |
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Occasion |
With family/children |With friends/colleagues This occasion is recommended by many people. |
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Location |
Secluded restaurant,House restaurant |
Service |
Take-out |
With children |
Kids are welcome
Ok |
Dress code |
ない |
足利には鰻屋が多いが、こちらのお店は、江戸末期創業の老舗の鰻店らしいと聞き、かなり気になっていた。
ただ、炭火との情報がない事から「おそらくガスだろう・・・」と想像し、訪問する事はなかった。
しかし、先日の足利「金箱」の鰻で、「遠赤のガス」の効果を見直しさせられ、少しガス焼きの鰻店も回ってみようと、こちらのお店に白羽の矢を立ててみた。
二名で訪問。
お店の駐車場は10台くらい入りそうだが、その奥に生簀のようなものが見え、チョロチョロと流水音が聞こえる。
という事は、串打ち済みの冷蔵鰻ではなく、生きたピチピチの鰻を仕入れて、自店で割いている可能性が期待できる。
お店の中は、さすがの老舗だけあり、「昭和」の歴史が静かに息づく、薄暗いセピアチックな素晴らしい空間である。
手前半分はテーブル席、奥の半分は座敷席、レトロで立派な階段もあり、どうやら二階席もあるようだ。
こういう悠久の時の流れが漂う旧い店内はとても落ち着くし、ちょっとした非日常の時の狭間へタイムスリップしたような、ワクワク感がある。
厨房は壁で仕切られていてまったく見えない。
禁煙マークはどこにも見当たらなかったが、灰皿も置かれておらず、念のため禁煙席を希望すると、「はぁ、一応、全体に禁煙といいますか、何と言いますか・・・」のような回答で、やや曖昧ながらも、一応は全席禁煙になっている様子。
じっさい、帰る時まで他客の誰も吸うことはなく、タバコの残留因子で喉が痛くなることもなかった。
「ありがたやありがたや・・・・」である。
ということで、雰囲気の得点は満点の「☆5」である。
ただ、小生達の後に、次ぎ次に客が訪れ、席はほとんど埋まり人気振りが窺えるのだが、他の客がすべて60~70歳以上のご婦人方である事に少し驚いた。
さらに、席に着くや否や、一気に物凄いオシャベリと笑い声が連続して炸裂、テーブル席は床がツルツルのタイルなので、音が100%反射して、非常に響く。
まさに天然のスーパーサラウンドシステムである。
それにしても、あちこちの席から延々と大声量のオシャベリがエンドレスに続き、一体いつ息継ぎをしているのか・・・・と不思議になる。
これでは女性が男より10年も長生きするはずであるとおもう。
さて、ランチメニューの中から、小生が鰻と鶏が二段重ねになる「二段重」、連れが「うなぎランチ」をちゅうもん。
確か、それぞれ1750円位と、1450円位だったと思う。
オーダー後、改めて、店内に気を配ると、炭の匂いはしない・・・・。
壁や柱が煤けてもいない・・・・。
しかし、先日の伊勢崎の「菊もと」の例もあるので、この時点では、まだ炭かガスか不明である。
最初にサラダ、少しして茶碗蒸しがとうじょう。
配膳の作法などはざっくばらんな感じで、老舗とは言え、そのへんは極めて庶民的な感覚のようだ。
ただ、店員さんは屈託のない庶民的な接客ながらも、皆さん非常に感じが良く、歴史ある老舗の店員としてのしっかりとした自覚を持って働いている感じがした。
そして、注文からだいたい「25分」で鰻重が登場した。
注文から10分で鰻が出て来てしまう「作り置き店」ではないことに「ホッ」とする。
この低価格でありながら、重箱は大きく立派な物で、傷一つないのはじつに素晴らしい。
過去、他の足利の老舗鰻店では、漆のはげたようなボロボロの重箱で出して来る店があったのとは雲泥の差だ。
重箱は二段になっていて、それぞれ鶏と鰻が入っている。
鰻はさすがに価格どおりの小ぶりなサイズだが、小さくても身肉は貧相ではなくしっかりしていた。
ただ、鰻が気持ちよくフワリと膨らんだ感じはなく、横たわる姿も芸術的な美しさとは程遠いが・・・・。
食べてみると、鰻はそこそこアツアツで、表面もパリッとしているし、中は立派にジューシーである。
さすがに作り置きしていないだけあり、嫌な固縮感や硬直感もない。
ガス特有のベショベショとした水っぽさがほとんどなく、皮目のゼラチン化もなかなかお見事であった。
川魚系の臭みもなく、旨味や精分も身の中に上手に閉じ込められた感覚がある。何より、この低価格にして鰻の身肉に鰻自体の旨味もあることに驚く。
これまた・・・・予想していた以上に「かなり良い仕上がり」である。
先日の「金箱」と、実に良く似た焼き具合だ。
こうなると、「遠赤のガス」か、「安い黒炭」か・・・・のどちらかなのだろう。
タレは、煮詰めた醤油と強い甘味が拮抗し、かなり「味が濃い」タレだ。
ドロッとする粘度もあり、強めの甘味が最後にグイッと舌を押すが、いつまでも残らず、後口は破綻したような強い甘味ではないのが救いか。
かなり「タレで喰わせる」感じで、何となく「B級グルメ」のような安っぽさがある味ではある。
しかし、一般の大衆の舌には、高級感や熟成感などの職人気質のような崇高な味ではなく、むしろこういう安直な味が受けるのだろう。
どこかしら女子供向けの味にも感じられ・・・・事実、この日の客層もまさに「それ」であり、まさに「的を射た」味付けになっているようだ。
山椒は色が褪めて茶色になっていて、かなり枯れた弱弱しい風味であった。
タレが甘口なので、もう少し強くピリッと来ると良いのだが・・・・。
鳥重は、薄く切られたモモ肉が4片乗ってた。
こちらのタレは、鰻とはかんぜんに別物で、醤油、生姜、ネギ、味醂などで作られたタレである模様。
甘さではなくしょっぱさで食べさせるタレであり、醤油が濃く効いていて、やはり鰻同様に洗練された上品さではなく、庶民的な濃い目の味付けだ。
ただ、タレを付けた後にもしっかり焼いているため、タレが加熱で上手く凝縮された感じがあるのがいい。
鶏肉の味も抜けておらず、柔らかくて、パサパサしてもおらず、水っぽさもなく、これまたなかなか美味しい鶏肉だ。
価格から言えば、普通のブロイラーの可能性が高いが、鶏肉の臭みはなく、皮のブヨブヨ感も少なかった。
ご飯はガス釜炊きのようだが、一切、何の主張もせず、ただただ従順に鰻や鶏の後に黙って付いて来る感じの大人しいもの。
お新香は、白菜の浅漬けと胡瓜一枚、それに赤かぶらの酢漬け・・・・この蕪がすっきり爽やかで美味しかった。
味噌汁はシジミで、味は家庭的なかんじ。
茶碗蒸しはシンプルな具で、味は普通。
サラダは大根、レタス、貝割れで、味は普通。
お茶も大衆食堂レベルの普通の味。
しかし、少し驚いたのは、冷めてから、なお、鰻が美味しく感じられたことだ。
ネトリとする濃度の甘いタレが焦げて、冷えるとキャラメルのような味になって感じられるのである。
つまり、鰻の表面の甘いタレがキャラメリゼになっていて、それが冷めるとサクッとする小気味良い歯応えが生まれているのだ。
さらに鰻の内部もジューシーなので、冷めても決してパサパサにならない。かといって水っぽくもないのでベシャともしない。
これは、出前やテイクアウトにも良さそうだとかんじた。
ただ、今回の鰻・・・・小さな鰻なのに食べ終えてから、かなり重苦しく胃にもたれた。
鰻の質や餌の違いなのか、なぜか、ジトジトと胃に嫌なもたれ感が残った、もちろんたまたまの個体差もあるとは思うが・・・・。
そう言えば、店内に「国産鰻」という貼り紙は見当たらなかった。
価格が安い店なので、その辺は仕方のない事なのだろう・・・・。
ちなみに会計時、店員さんに鰻は何で焼いているのか尋ねたところ、「ガスです」とのお答えであった。
なるほど、ガスはガスでも、こちらは「遠赤のガス」なのは間違いないだろう。
もちろん、焼き職人の「腕前」も大いに影響しているとは思うが・・・・普通のガス焼きとは、これまた雲泥以上の激差であった。
いやはや「遠赤のガス」・・・・恐るべし、である・・・・。