Official information
This restaurant is registered on Tabelog as a corporate member. Business information is released by the staff.
綺麗さび
晩秋の深町さん。冬らしい食材もチラホラと。
おまかせのコース(税込28,600円)は汲上湯葉から。
天ぷらは唐墨、牡蠣、車海老×2、銀杏、鱚、栗、雲丹、蓮根、甘鯛、百合根、グリーンアスパラガス、墨烏賊、椎茸、穴子。
〆に天茶。デザートにアイスクリーム。
最も印象に残った天種は百合根。月光という糖度が極めて高い品種でした。月光自体は何度か食べたことがあるのですが、この日食べたものは過去一番でした。甘味はもちろんですが、食感・香りも良く、非常に美味しかったです。
次点は栗や蓮根。渋皮のついた状態の栗は甘味・香りと良好。蓮根も水分が抜けてきて粘りと甘味が増してきたなと。当店が使用しているひかり蓮根は瑞々しい時期でも、寒くなって水分が抜けてきた時期でも美味しいと思います。それ以外の野菜では椎茸もうま味・食感・香りとまずまず。
魚介で好印象だったものは鱚、穴子、牡蠣。鱚は衣はサクッと、身はしっとり・ふわりと。鱚は淡いうま味にふわりとした食感、そしてそれらと同時に鼻に抜ける香りが魅力の天種だと思います。たまに鱚の身を閉じて揚げるお店を見かけますが、うま味を強調するだけでは鱚の本当の魅力は引き出せないように思います。
牡蠣(三陸)は以前よりもジューシーな仕上りになったように感じました。もっとジューシーでも良いくらいですが、十分美味しいといえる水準。
太白胡麻油100%で揚げており、油が疲れてきたら適宜交換しています。油が切れる温度帯で揚げていますし、非常にキレイな味の天ぷらです。客側の食べやすさに配慮した供し方にも当店の気遣いが伺えます。派手さこそありませんが、野暮ったいわけでは決してありません。お店の雰囲気含め、侘びの中に洗練も感じる、そんな天ぷらだと思います。
ケレン味のない天ぷら
秋の深町さん。この日の主役は何といっても松茸。
おまかせのコース(税込28,600円)は汲上湯葉から。
天ぷらは口子、車海老×2、松茸(岩手県)、鱚、銀杏、雲丹、蓮根、すみいか、椎茸、女鯒、グリーンアスパラガス、穴子、南瓜。
追加で舞茸。〆に天茶。デザート。
松茸は香り・食感・うま味といずれも高水準。この秋に食べたものの中では一番だったかなと。南瓜は9月にいただいたものほどではありませんでしたが、甘味・香りともに好印象でした。
江戸前の鱚や女鯒もGood。鱚はサクッとした衣の食感の中にホロリ・しっとりとした身が現れます。仄かなうま味が舌の上に残り、鱚の香りが鼻に抜けていきます。スミイカもまだまだ柔らかいものでした。
使用している油は太白胡麻油のみ。量をケチらずにしっかり使っているので、キレイな仕上りです。天種によってはもう少し香ばしさがあってもと感じるものもありますが、個々の天種の味わいだけで評価するのは間違いでしょう。胡麻油に苦手意識のある方でも受け入れやすいと思います。しっかり食べても翌朝にはお腹が空きます。
ケレン味のない天ぷら
秋の深町さん。この日の主役は何といっても南瓜。
おまかせのコースは汲上湯葉から。
天ぷらは口子、鮑、車海老×2、銀杏、万願寺唐辛子、鱚、松茸、雲丹、女鯒、蓮根、すみいか、グリーンアスパラガス、穴子、カボチャ。
追加で栗、すみいか。〆は天茶。デザートに無花果のスイーツ。
南瓜は糖度の高い品種(Ikka)を追熟させたもの。南瓜の品質のお陰もあるのでしょうが、揚げ方も考えられています。文字通りキャラメリゼされており、甘くて香ばしい逸品に昇華されていました。
南瓜以外では、スミイカ、蓮根、松茸が好印象でした。スミイカはまだまだ新いか。蓮根は8月と比べると少し水分が抜けてきていましたが、まだまだシャキシャキ。甘味が強いので瑞々しさと合わさると口の中に甘いジュースが広がります。松茸も今年の不作を考えれば十分なクオリティだったのではないかなと。
ケレン味のない天ぷら
晩夏の深町さん。この日のおまかせのコースの中で特に印象に残ったものは鮑と蓮根。
当店の鮑は一度蒸したものを揚げています。鮑の食感のグラデーションは弱いですが、柔らかく仕上がっています。味的には昨年までよりも美味しくなったような気がします。ただ、肝で作ったソースは少々塩気が強いとも。
蓮根は茨城のひかり蓮根。瑞々しくシャキシャキの食感ながら、甘味が強い蓮根です。
鱚はしっとり・ふわりと揚げられています。身を開かずに揚げるお店や厚めの衣でハードに揚げるお店もありますが、そういったお店では軽い食感やそこから漏れる鱚の香りは味わえないような気がします。
ケレン味のない天ぷら
夏の深町さん。この日もおまかせのコースは汲上湯葉から。
天ぷらは口子、鮑、車海老×2、トウモロコシ、万願寺唐辛子、鱚、水茄子、雲丹、蓮根、鱧、稚鮎、グリーンアスパラガス、穴子。合間に鱧の子の煮付けも。
追加で種無しピーマン、いんげん、新蓮根。〆に天茶、デザートにメロンのシャーベット。
好印象だったものは鮑、鱚、穴子。深町さんの鮑は一度炊いたものを揚げています。炊き方なのか、揚げ方なのか、鮑の質の差なのかは分かりませんが、この日の鮑はここ最近当店で食べた鮑の中では食感・味わいともに一番だったかなと。
鱚はふんわり・しっとり揚げられており、淡いうま味・甘味とともに心地良い香りが鼻に抜けます。穴子は衣はサクッと中の身はホクホクに揚げられており、こちらも美味しかったです。穴子はもう少しメリハリの利いた揚げ方が私の好みではありますが、これ位の塩梅もいいなと。
〆のかき揚げの出来も素晴らしかったです。無駄な衣がありませんし、余計な油も吸っていません。小柱は硬化しておらず、食感も良好。お茶漬けの中で心地よく解けてくれました。
太白胡麻油だけを使って揚げているので、焙煎したごま油特有の癖のある香りがありません。ごま油に苦手意識のある方でも抵抗なく食べられると思います。油の交換も適切に行っているので、油には劣化が見られず、揚げる力は最後まで強いまま。蘊蓄や口上を好む(情報を食べる)方には向かないかもしれませんが、純粋に天ぷらを味わいたいという方にはオススメです。
ケレン味のない天ぷら
初夏の深町さん。天ぷらのハイシーズンです。
おまかせのコースは汲上湯葉から。天ぷらは口子、鮑、車海老×2、トウモロコシ、万願寺唐辛子、鱚、雲丹、水茄子、太刀魚、蓮根、稚鮎、グリーンアスパラガス、穴子 。
追加でアオリイカ、女鯒。〆に天丼、デザートはグレープフルーツのシャーベット。
最も好印象だった天種は女鯒と鱚。次点がアオリイカ、太刀魚、グリーンアスパラガス、蓮根といったところかなと。
太刀魚はタネ質自体はそこそこ程度なのかもしれませんが、しっとり・ふんわりと揚げられており、太刀魚の良い所を引き出せていました。アオリイカは中が半生の仕上がり。柔らかさの中にもムチっとした食感があり、甘味もまずまず。
野菜では、蓮根が甘く、アスパラガスも香りよく美味しかったです。上記以外の魚介・野菜も外れが無く、ハイアベレージ。
派手さこそありませんが、提供方法方は食べやすさ等も意識されています。ご主人の実直な性格をよく表した天ぷらだと思います。
ケレン味のない天ぷら
初夏の深町さん。天ぷらが美味しくなってくる季節です。
おまかせのコースは汲上湯葉から。
天ぷらは口子、鮑、車海老×2、トウモロコシ、鱚、空豆、雲丹、椎茸、稚鮎、万願寺唐辛子、女鯒、グリーンアスパラガス、穴子。
追加でアオリイカ、新蓮根(熊本)。
〆に天茶、デザートにシャーベット。
最も好印象だった天種はムッチリ・ホクホクに揚げられた江戸前(竹岡)の女鯒。定番の天種では鱚(富津)と穴子も美味しかったです。次いでアオリイカといった感じかなと。
野菜ではグリーンアスパラガスが香り良く美味しかったです。〆のかき揚げのクオリティも流石。
派手さはありませんが、実直で丁寧ね仕事振りが魅力の天ぷら屋です。物珍しさであったり、食材や揚げ方に関する蘊蓄や屁理屈で誤魔化すような単なる高額店とは一味違います。
ケレン味のない天ぷら
春の深町さん。山菜が最盛期。
おまかせのコース(税込28,600円)は汲上湯葉から。
車海老×2、タラの芽、空豆、鱚、雲丹、こし油、鮑、椎茸、甘鯛、稚鮎、グリーンアスパラガス、穴子。
追加で女鯒、蛤、山独活。
〆に天丼、赤出汁、香物。デザートに蓬のアイス
特に好印象だったものは女鯒と蛤。次点が鱚でしょうか。女鯒は身がむっちり・ホクホク、蛤も非常にジューシーでした。鱚はしっとり・フワフワに揚げられており、上品なうま味と風味が味わえました。穴子も含め、定番の魚介種は高いレベルで安定していると思います。
野菜ではタラの芽、こし油が好印象。椎茸やアスパラも香りよくジューシーで美味しかったです。
かき揚げの仕上がりもGood。きれいな状態の油で揚げているので最後までカラッと揚がっています。太白胡麻油だけを使用しているので、胡麻油の焙煎した香りが苦手という方にもオススメです。
ケレン味のない天ぷら
早春の深町さん。山菜等の春らしい天種が増えてきました。
おまかせのコースは汲上湯葉から。
天ぷらは河豚の白子、口子、車海老、タラの芽、鱚、蕗の薹、雲丹、筍、甘鯛、椎茸、稚鮎、グリーンアスパラガス、穴子。
追加でホワイトアスパラガス、蛤、白魚、女鯒。
〆に天茶、デザートに桜のアイスクリーム。
白魚、蛤、グリーンアスパラガスが特に好印象でした。白魚は均等に火が入っており、むっちりとした食感と仄かな甘味が楽しめました。鱚、女鯒、穴子といった定番の天種も美味しかったです。ホワイトアスパラガス以外はどれも高水準。
食材の質や揚げる技術はハイレベル。使用している油は太白胡麻油のみなので、(焙煎した)胡麻油の香りが苦手という方でも抵抗がないのではないかなと。価格は安くありませんが、若手・中堅の派手なお店と違って、質相応の価格です。予約難易度も常識の範囲内だと思います。
ケレン味のない天ぷら
冬の深町さん。寒さが特に厳しくなりだした時期でした。
おまかせのコースは汲上湯葉からスタート。
天ぷらは口子、河豚の白子、車海老、空豆、鱚(淡路)、筍、雲丹、蕗の薹、スミイカ、椎茸、甘鯛、アスパラ、穴子。
追加で山独活、白魚(宍道湖)、蛤、生牡蠣(厚岸)。〆に天茶、デザートにデコポンのゼリー。
最も好印象だった天種は白魚。次点は河豚の白子、鱚、蛤。その一方で、牡蠣はジューシーさに欠けるとの印象を受けました。
野菜では空豆、椎茸が美味しかったです。筍も玉蜀黍のような甘味があってなかなか。
本当に上質
晩秋の深町さん。移り行く季節が天種から感じられました。
この日のおまかせのコースは汲上湯葉から。
天ぷらは口子、河豚の白子、車海老×2、銀杏、鯊、栗、雲丹、蓮根、甘鯛、女鯒、椎茸、すみいか、グリーンアスパラガス、穴子。
〆に天茶、デザートにリンゴのシャーベット。
最も印象に残った天種は鯊。野菜では栗と蓮根が特に好印象でした。次点が女鯒、穴子、椎茸。これらも美味しかったです。
鯊は質が良く、火入れも良好。カラリ・ホクホクに揚げられており、非常に美味しかったです。当店の女鯒や穴子は一年を通して質が安定しています。
栗は渋皮ごと揚げたもので、甘味・香りが印象に残るもの。蓮根も水分が抜けてきてホクホクしており、甘味がしっかり感じられました。
タネ質だけでなく、油も上質。太白胡麻油しか使っていないので、胡麻油に苦手意識のある方でも食べやすいと思います。もちろん、油のコンディションも良好です。
6月や7月も非常に良かったですが、この日の天ぷらも大変印象に残るものでした。秋に訪問した天ぷら屋の中では当店のパフォーマンスが頭一つ抜けていたかなと。
真摯
最近ほとんど見かけないお好みにも対応してくれる数少ない高級天ぷら専門店です。初見でもお願いできるどうかは不明ですが、コースは食べきれないという方にはお好みもオススメです。
おまかせのコースはこの日も汲上湯葉からスタート。
天ぷらは唐墨、鮑、車海老、銀杏、鱚、栗、雲丹、椎茸、甘鯛、蓮根、スミイカ、グリーンアスパラガス、穴子で一通り。
追加で椎茸、蓮根、女鯒。〆に天バラ。ピオーネのゼリー。
特に印象に残った天種は椎茸、蓮根、女鯒。次点が鱚、栗。この日の椎茸は押し返すような食感があり、噛むと香りが鼻に抜け、口の中にはうま味が広がるものでした。
蓮根も、夏のシャキシャキの新蓮根と比べると水分が抜けてきてホクホク。食感だけでなく、甘味の感じも夏とは違ったものでした。この時期の蓮根をここまで美味しいと感じることは少ないだけに驚きました。
栗はここ2、3年ほどは渋皮ごと揚げられています。この方が甘味や香りが強く感じられます。昨年ほどではないものの、甘くてホクホクでした。
〆には天バラを。塩で味を調えた混ぜご飯です。個人的には天丼や天茶の方がお勧めですが、たまの変化球にはアリだと思います。
真摯
秋の深町さん。松茸を目当てに訪問しました。
この日もおまかせのコースは汲上湯葉から。
天ぷらは口子、車海老×2、鮑、銀杏、鱚、万願寺唐辛子、雲丹、舞茸、甘鯛、子持ち鮎、蓮根、グリーンアスパラガス、穴子。
追加で女鯒、松茸。〆は天茶。デザートにピオーネのゼリー。
特に印象に残ったものは岩手産の松茸。香りが良く、非常に美味しかったです。
次点が鱚、女鯒、穴子。この辺は一年を通して本当に高いレベルで安定していると思います。蓮根も美味しかったです。
真摯
晩夏の深町さん。最近減ってきたお好みにも対応してくれる数少ない高級天ぷら専門店です。おまかせのコースは食べきれないという方はお好みで揚げてもらうのがオススメです。
この日のおまかせのコースは汲上湯葉から。
天ぷらは口子、車海老、新銀杏、鮑、万願寺唐辛子、鱚、トウモロコシ、雲丹、蓮根、稚鮎、葉しょうが、穴子。
追加で女鯒、水茄子。〆に天丼、無花果のデザート
富津の鱚や竹岡の女鯒といった江戸前の物を仕入れる努力には感心してしまいます。鱚はフワッとしっとり、女鯒はホクホクに揚げられており美味しかったです。
野菜では蓮根が最も好印象。前回ほどではありませんでしたが、瑞々しくて甘味にも富んでおり、食感はシャキシャキ。今年の当店の新蓮根は非常に美味しかったです。次点がトウモロコシかなと。
〆のかき揚げのクオリティもGood。塩梅良く揚がっており、美味しかったです。
天ぷら屋としては難しい季節に入りつつあるタイミングでしたが、相変わらずの安定感でした。流行りに乗らず、真摯に仕事と向き合われているのが良く分かります。
Excellent
夏の深町さん。おまかせのコースは汲上湯葉から。
天ぷらは口子、鮑、車海老、新銀杏、玉蜀黍、鱚、万願寺、鱧、葉しょうが、雲丹、松茸(岩手)、新蓮根、鮎(郡上)、穴子。
追加で新蓮根、新銀杏、女鯒。
〆に天茶、デザートはわらび餅とシャインマスカット入りのシャーベット。
最も印象に残ったものは新蓮根と松茸。蓮根は瑞々しくシャキシャキで、甘味も申し分なし。ここまで美味しい蓮根はちょっと記憶にないかなと。
松茸は一本丸ごと揚げて、軸の中央部まで蒸された仕上り。軸の食感も少し残っており、ジューシーで香りも素晴らしかったです。食べやすいように切れ込みが入れられているのも当店らしいところだと思います。
上記以外では新銀杏も好印象でした。サクッとした食感と秋の銀杏にはない香りがGood。鮎、鱚、女鯒、穴子といった定番種もさすがの安定感でした。ただ、鮎は良い鮎ならしっとり仕上げてみても面白いのではないかなとも感じました。
何にせよ、この時期の天ぷら屋でここまで満足するというのは初めてかもしれません。
ハイアベレージ
天ぷらのハイシーズン、初夏の深町さん。魚介、野菜ともに充実している季節です。
おまかせのコースは汲み上げ湯葉と唐墨餅からスタート。
天ぷらは口子、鮑、車海老、鱚、とうもろこし、女鯒、新玉ねぎ、鱧、万願寺唐辛子、雲丹、水茄子、グリーンアスパラガス、穴子。
追加で細いんげん、新蓮根、銀宝。
〆に天茶とデザート。
鱚はふんわり・しっとりとデリケートに揚げられており美味。女鯒もホクホク。
穴子は外のサクッとした食感と中のホクホクの食感のコントラストが楽しめる揚げ方。以前はこのコントラストがもっとハッキリしていたような気もしますが、気のせいでしょうか。銀宝はムチっとした食感と上品な味わいがGood。もう少し皮目のゼラチン質が感じられれば尚可かなと。
ハイアベレージ
天ぷらのハイシーズン序盤の深町さん。おまかせのコースは汲上湯葉と唐墨餅から。
天ぷらは口子、車海老、鱚、万願寺唐辛子、鮑、水茄子、雲丹、新玉ねぎ、女鯒、蓮根、稚鮎、グリーンアスパラガス、銀宝、穴子。追加で空豆。〆に天丼、アイス。
主役の銀宝(松島)は皮目のゼラチンはそこそこといったところですが、身の締まりや弾力は十分にあり、銀宝特有のうま味・食感を味わえました。穴子は外はサクサク、中はホクホクに揚げられており、心地よい食感のコントラストがありました。
定番種である鱚(淡路?)はふんわり、しっとりと揚げられています。香りも飛んでおらず、鱚の上品な味わいが楽しめました。女鯒もタネ質は良かったかなと。
魚介も野菜も外れと感じるものがないのが当店の良いところ。もちろん、かき揚げの出来栄えもGood。常に全てが高いレベルで安定しています。ただ、実直すぎるというか、もう少し遊び心や個性を出しても良いのでは?という気もしなくはありません。
ハイアベレージ
春の深町さん。おまかせのコースは汲上湯葉と唐墨餅から。
天ぷらは口子、蝦夷鮑、車海老、タラの芽、空豆、鱚、筍、甘鯛、雲丹、蕗の薹、稚鮎、グリーンアスパラガス、穴子。追加で山独活、こし油、女鯒。
〆に天茶、かき氷とわらび餅。
特に好印象だったのが魚介では鱚、野菜では山独活、こし油、グリーンアスパラガス。次点が筍(物集女)や穴子(対馬)といったところだったかなと。
ここは稚鮎は必ずしも天然物にこだわっていないようですが、活きを使用していますし、揚げ方もGood。天ぷら屋の中では上位に入るのではないかなと。
弥生の深町さん。この日のおまかせのコースも湯葉と唐墨餅から。
天ぷらは口子、車海老、河豚の白子、タラの芽、鱚、筍、雲丹、蕗の薹、稚鮎、そら豆、甘鯛、アスパラ、穴子。
追加で白魚、蛤、女鯒、椎茸。
〆に天茶、デザート。
魚介、野菜ともに高いレベルで安定しており、外れと感じるタネは一つもありませんでした。特に好印象だったものを挙げるとすれば白魚でしょうか。ムチムチ、もっちりの食感で、火入れは完璧。非常に美味しかったです。
鱚、筍、蛤も美味しかったです。鱚はしっとり・ふわりとした仕上がり。江戸前のものではなかったと思いますが、鱚らしい上品なうま味と香りが感じられました。筍も香り・甘味ともにまずまず。蛤は海苔を巻いて揚げたものを、塩とレモンでいただきます。蛤と海苔の強い磯の香りとうま味に、レモンの爽やかさが良く合います。
にい留、成生、たきやといった、ここより高く、予約の取りづらいお店がありますが、そういったお店と比べてもこちらの方が総合力は上でしょう。もっとも、口上を愉しみたい方向けのお店ではありませんが。
ハイアベレージ
早春の深町さん。この日のおまかせのコース(税込23,000円)は汲上湯葉と唐墨餅から。
天ぷらは口子、車海老、河豚白子、タラの芽、鱚、筍、かんざし人参、雲丹、蕗の薹、甘鯛、山独活、そら豆、すみいか、アスパラ、穴子。
追加でホワイトアスパラ、白魚。〆に天茶、デザートは苺のアイス。
特に印象に残った天種は山独活、筍(鹿児島)、白魚(宍道湖)。山独活と筍は香りが非常に良かったです。バラで揚げた白魚はムッチリとした食感。こちらも非常に美味しかったです。次点はそら豆、スミイカ、ホワイトアスパラ。
油は太白のみなので、良くも悪くも癖がありません。ごま油に苦手意識のある方でも大丈夫でしょう。油切れも良好。魚介・野菜ともに高水準でアベレージが高く、価格も常識の範囲内に収まっていると思います。
ハイアベレージ
大寒の深町さん。おまかせのコースは汲上湯葉から。
天ぷらは口子、車海老、河豚の白子、筍、鱚、空豆、雲丹、蕗の薹、すみいか、タラの芽、女鯒、アスパラ、穴子。
追加で白魚、蛤、鱚。
〆に天茶、デザートにデコポンのゼリー。
河豚の白子はトロトロ・クリーミーで美味しかったです。鱚や女鯒もこの時期でも良いものを使われていると思います。筍、スミイカ、蛤、筍なども好印象。
この日の白魚は大葉で巻いたものを揚げて。中まで火が入りきっていたのですが、この揚げ方であれば、中心部に生の部分も残した方が良いのではないかなと。
天茶はかき揚げとご飯を別々にして。かき揚げのサクサクとした食感が最後まで損なわれないので、これはこれでアリなような気がします。最後まで食感を残したいという方にはピッタリだと思いました。
収まりがよい
年末の深町さんにお邪魔しました。冬らしさが増したラインアップでした。
おまかせのコースはカラスミと汲み上げ湯葉から。
天ぷらは口子、車海老、銀杏、鱚、慈姑、河豚の白子、蓮根、雲丹、万願寺唐辛子、甘鯛、アスパラ、穴子。
追加で鯊、蛤、京人参、牡蠣。
〆に天茶、デザートはラ・フランスのコンポートとバニラアイス。
最も印象に残った天種は蓮根。香り・甘味が素晴らしかったです。鱚もふんわり・しっとり揚げられており、美味しかったです。鯊をいただくことが出来たのもラッキーでした。次点が蛤だったかなと。
この日は、穴子やアスパラがもう一歩のように感じましたが、車海老の頭は香ばしかったです。牡蠣も前回よりジューシーでした。
かき揚げのクオリティは相変わらず秀逸。外れと感じる天種がなく、安定感抜群だと思います。
試行錯誤
晩秋の深町さん。お任せのコースは汲上湯葉から。途中で蒸し鮑も。
天ぷらは口子、河豚の白子、車海老、銀杏、鱚、ユリ根、雲丹、栗、甘鯛、 加賀蓮根、すみいか、アスパラ、穴子。
追加で椎茸、栗、牡蠣、女鯒。
〆に天丼、デザート。
前回に続き、栗が非常に美味しかったです。香り・甘味が深く印象に残るものでした。やはり渋皮を残した方が美味しいのだなと。ゆり根もGood。
車海老は前回同様(従来とは異なり)、二本目も中心部まで火の入れきっていない仕上がり。穴子のクリスプ感も従来よりは気持ち弱めか?鱚は従来の仕上がりと差を感じませんでした。
車海老はレア気味のものを喜ぶ方が多いようですが、私は中まで丁度火の入った揚げ加減というのも好きです。どちらが良いというより、それぞれの良さがあると思っています。したがって、お店が美味しいと考えている方で二本とも出していただいて一向に構いません。ただ、もし二本を異なる火入れで出されるのであれば、メリハリはしっかりしていた方が良いのではないかなと。
穴子はクリスプ感があり食感のコントラストがはっきりしていた方が、鱚はしっとり揚がっているのが自分の好みなのだと再認識できました。前回食後に伺った話と揚げ加減の感じ方が結び付いたような気がして少しスッキリしました。
新しいことにも
秋の深町さん。おまかせのコースは汲上湯葉からスタート。
天ぷらは口子、車海老、松茸(カナダ)、鱚(富津)、銀杏、雲丹、栗、蛤、蓮根、甘鯛、アスパラ、穴子。
追加で舞茸、牡蠣。
〆に天丼。デザートはシャインマスカットとピオーネに紅茶のゼリーを掛けたもの。
好印象だったタネは鱚と栗。鱚はいつもよりしっとり、デリケートな仕上がり。栗は渋皮を残してあり、香りよく甘味に富んでいました。
車海老は基本的に一本目はレア気味で、二本目はジャストの火入れ(中心部まで丁度火が入った状態)で提供されることが多いのですが、この日は二本目もレア気味。穴子もクリスプ感というより、ムッチリと跳ね返ってくるような食感でした。食後に伺った話とこの揚げ加減の話がすぐには結び付かなかったのですが、なるほどとも。
収まりがよい
晩夏の深町さん。コロナの影響もあって、平日の夜は予約が取りやすくなっているようです。
おまかせのコースは汲上湯葉から。天ぷらは口子、車海老、鮑、新銀杏、鱚、万願寺唐辛子、鱧、茄子、雲丹、蓮根、女鯒、アスパラ、穴子。追加でアオリイカ、オクラ、茗荷。
〆に天茶、デザートは蕨餅と抹茶のかき氷。
魚介・野菜ともに高い水準で安定していました。ここより高額な若手・中堅のお店でもここより上質なものを使用しているとは言い難いのが現実でしょう。油のコンディションもgood。驚きは少ないのかもしれませんが、堅実です。
一組ずつ大き目のパーテーションで客席を区切っていますし、高額天ぷら専門店らしく換気も問題ありません。他の業種よりもずっと快適だと思うだけに、ここまで空いているのが意外でなりません。
収まりがよい
夏の深町さん。久しぶりに銀宝をいただくことができました。
おまかせのコースは汲上湯葉から。天ぷらは口子、鮑、車海老、玉蜀黍、鱚、万願寺唐辛子、女鯒、水茄子、雲丹、鱧、稚鮎、蓮根、グリーンアスパラガス、穴子。追加でアオリイカ、銀宝(宮城)。〆に天丼、デザートは蕨餅と抹茶のかき氷。
銀宝は押し返すようなゼラチン質はなく、うま味もそれなりといったところ。久しぶりに食べられたという喜びは大きかったです。魚介種・野菜種どれをとっても高額店の一定水準以上です。油もきれいですし、食後にもたれたりしません。バランスの良いお店です。
収まりがよい
初夏の深町さん。天ぷらの美味しいシーズンでしたが、コロナの影響もあって予約は取りやすくなっています。
この日のおまかせのコースも汲み上げ湯葉とカラスミ餅からスタート。天ぷらは口子、鮑、車海老、万願寺唐辛子、鱚、玉蜀黍、雲丹、水茄子、女鯒、蓮根、アオリイカ、グリーンアスパラガス、穴子。追加で鱚、女鯒。〆に天丼。デザートにシャーベット。
特に好印象だったものは鱚、女鯒そして穴子。次点がアオリイカといった感じだったかなと。ふんわり・しっとりとした鱚、ふっくらとした女鯒、外はカラっと中はホクホクの穴子とどれも非常に美味しかったです。
イカは中心部は生の風合いを残した火入れ。塩のみで半分、塩とレモンで残りの半分をいただきましたが、うま味・甘味が素晴らしかったです。その他の天種も外れなく美味しかったです。
安定感抜群の天ぷら
春の深町さん。
おまかせのコースは汲上湯葉と唐墨餅から。
天ぷらは口子、鮑、車海老、タラの芽、鱚、空豆、雲丹、筍(京都)、女鯒、蕗の薹、稚鮎、アスパラ、穴子。
追加で白魚、イカ、山独活。
〆に天茶、デザートは桜のアイス。
好印象だったものは女鯒。ホクホクで美味しかったです。次点がタラの芽、蕗の薹、白魚だったかなと。
筍は出汁を含ませたものを揚げて供されました。筍の旨煮唐揚のような感じでしょうか。悪くありませんでしたが、筍の味わい、食感、香りが少々犠牲になってしまっているようで勿体ない気もしました。
安定感抜群の天ぷら
早春~春の深町さん。
おまかせのコースは汲上湯葉と蒸し鮑から。
天ぷらは河豚白子、口子、車海老、こしあぶら、タラの芽、鱚、空豆、雲丹、筍、白魚、蕗の薹、女鯒、アスパラ、穴子。
追加でさつま芋、ホワイトアスパラ。
〆に天茶、デザートにアイス。
空豆が香り良く美味しかったです。筍の香り・甘味も好印象でした。山菜類も充実し始めていました。
この日はサツマイモを久しぶりに注文。深町さんのサツマイモは、しっとり・ねっとりとした食感で甘みが強いもの。昔ながらのホクホクした素朴な甘さのサツマイモも美味しいですが、こういうしっとり系もアリだと思います。
安定感抜群の天ぷら
冬の深町さん。春を感じる食材もチラホラ。
おまかせのコースは汲上湯葉と唐墨餅からスタート。
天ぷらは口子、河豚白子、車海老、空豆、鱚、タラの芽、女鯒、筍、雲丹、蕗の薹、白魚、アスパラ、穴子。
追加で椎茸、すみいか。〆に天丼、デザート。
好印象だったものは白魚、空豆、筍(合馬?)。筍は例年同時期のものよりも甘みが強いように感じました。歯応えや香りもgood。
次点はイカ。中央に程良くレアの部分を残した揚げ加減。食感のグラデーションがイカの味わい引き上げてくれます。塩と柑橘の酸味でいただくとイカの甘味をより感じられました。
安定感のある天ぷら
初冬の深町さん。さすがにちょっと遅いかなと思っていたのですが、運よく鯊に出会えました。
この日のおまかせのコースは汲上湯葉と唐墨餅からスタート。天ぷらは河豚の白子、クチコ、車海老、銀杏、鱚、慈姑、雲丹、加賀蓮根、女鯒、グリーンアスパラガス、穴子。追加で鯊、甘鯛、蛤。〆に天茶、デザート。
最も好印象だったものは鯊(浜名湖)。今年は一度しか食べられませんでしたが、良質なものをいただくことができました。鯊は骨の天ぷらやカラスミという形でも供されました。次点が鱚(淡路)といった感じでしょうか。その他のタネに関しても外れというものは一つもありませんでした。
安定感のある天ぷら
急に天ぷらが食べたくなって深町さんに。天ぷらにとっては必ずしも良い時期とはいえないでしょうが、さすがの安定感でした。
おまかせのコースは汲上湯葉から。天ぷらは口子、河豚の白子、車海老×2、銀杏、鱚、椎茸、すみいか、栗、雲丹、蓮根、甘鯛、グリーンアスパラガス、穴子。追加で松茸、舞茸、〆は天丼。デザートはシャーベット。
好印象だったものは鱚と甘鯛。鱚は一年を通じてハイレベルで安定しています。身のしっとり感が味わえ、味や香りも飛んでいません。甘鯛は鱗をパリッと、身はふっくらと。食感のコントラストはもちろん、甘鯛のうま味もgood。次点が穴子(対馬)。トロ穴子のような感じもありましたが、しっかり揚げて外はカラリと中はホクホクに。
それ以外のタネも松茸を除き一定水準以上でした。松茸は香り・食感ともにもう一つでした。松茸終盤の時期ということを考えると仕方ないかなと。
客足は完全には戻っていないようで、直前でも予約が取れました。予約がちょっと取りにくかった位のお店が狙い目なのかもしれません。
男でも天茶の気分
夏の深町さん。秋の食材も少しずつメニューに載り始めていました。
おまかせのコース(税別20,000円)は汲上湯葉でスタート。天ぷらは口子、車海老、玉蜀黍、鮑、水茄子、鱚、万願寺唐辛子、鱧、雲丹、蓮根、稚鮎、グリーンアスパラガス、穴子。追加で松茸、新銀杏、女鯒。〆に天茶。蕨餅と抹茶のシャーベット。
最も好印象だったのは鱚。次点が松茸かなと。当店の鱚はふんわり柔らかく揚げられており、味が飛んでいません。松茸は岩手のものだったはずです。今年初めての松茸は香りよく非常に美味しかったです。
鱚と松茸以外では、穴子と女鯒が美味しかったです。いずれもタネ質が良く、揚げ方もgood。穴子は衣と身の食感のコントラストが感じられる仕上がり。女鯒は鱚よりもしっかり揚げられており、身のホックリ感が楽しめました。当店の鱚と女鯒は通年でクオリティが高いのが素晴らしいと思います。
〆は久しぶりに天茶をお願いしました。男なら天丼という方もいらっしゃるでしょうが、この日は天茶の気分。かき揚げのタネは硬化しておらず、天茶として食べるのに丁度良い成形具合。美味しい天茶でした。当店の天ぷらは良い油を使って適温で揚げているため、油切れも良好です。
男なら天丼
初夏の深町さん。天ぷらのハイシーズン真っ只中に訪問しました。
おまかせのコースは口子、車海老、鮑、玉蜀黍、鱚、雲丹、万願寺唐辛子、女鯒、水茄子、稚鮎、グリーンアスパラガス、穴子。追加で鱚と女鯒。〆に天丼。デザート。
特に美味しかったのが鱚、女鯒、そして穴子。この日の穴子は大変良質でした。外はカラりと香ばしく、中はホクホクに揚げられていました。食感、味わいともに素晴らしいもので、他店含め今期一だったのではないかなと。ふんわりとした鱚、ホクホクの女鯒も非常に美味しかったです。天丼のかき揚げも小柱が硬化しておらず、素晴らしい仕上がり。丼汁はやや甘辛いものですが、甘すぎるということはありません。かき揚げは丼汁を上からかける食感重視タイプです。
上記以外の天種もどれも一定水準以上です。野菜は強烈な印象を受けるものこそありませんが、不満を感じるようなものは一つもありません。アベレージが非常に高いお店だと思います。もちろん、天ぷらの油切れは非常に良好です。
ハイアベレージ
天ぷらのハイシーズン序盤の深町さん。野菜は春のものと夏のものが混在していました。
おまかせのコースは汲上湯葉から。天ぷらは口子、鮑、車海老、タラの芽、鱚、こしあぶら、雲丹、そら豆、女鯒、水茄子、稚鮎、グリーンアスパラガス、穴子。追加で茗荷。〆に天丼。デザート。
特に好印象だった天種は鱚、女鯒、こしあぶら。次点が穴子と鮑だったかなと。鱚と女鯒はタネ質もさることながら揚げ方もgood。鱚はふんわりデリケートに、女鯒はよりしっかりホクホクになるよう揚げられていました。こしあぶらも香りが良く、非常に美味しかったです。
安定感のある天ぷら
この日はコロナの影響で空席がチラホラと。おまかせのコースは下記の通り。
口子、車海老、蝦夷鮑(肝のソースで)、タラの芽、鱚、筍(鹿児島)、雲丹、空豆、稚鮎、女鯒、グリーンアスパラ、ホワイトアスパラ、穴子。追加ですみいか、山うど。〆に天丼・赤出汁。デザートは桜のアイスクリーム。
印象に残ったものは女鯒と穴子。女鯒はこの時期にこのクオリティは流石。穴子はカラリ・ホクホクの仕上がり。トロ穴子っぽさを少し感じますが、衣と身のコントラストが楽しめます。
野菜種では山うどと空豆が印象に残りました。空豆はいつもと違ってかき揚げで。香り良く美味しかったです。〆の天丼も芝海老・小柱ともに硬化せずに火が入っており、技術の高さが伺えます。
魚介種・野菜種どちらも高水準です。特に鱚と女鯒は一年を通じて高いレベルで安定しています。安定感という点ではこちらが一番かもしれません。
安定感のある天ぷら
この日のおまかせのコースは下記の通り。
唐墨、車海老×2、タラの芽、鱚、空豆、河豚の白子、筍、雲丹、蕗の薹、太刀魚、アスパラ、穴子。追加で白魚。〆は天丼、デザートに桜のアイスクリーム。
この日も最も好印象だったのは白魚。次点が鱚と穴子。白魚はムッチリ。鱚はふんわりと揚げられており、香りやうま味が飛んでいませんでした。
野菜も全てが一定水準以上。この日は筍(鹿児島)と蕗の薹が良かったかなと。当店では、蕗の薹はガクを閉じたまま揚げられます。個人的には、苦味・えぐみが籠ってしまっていると感じるのですが、この苦味と天汁の甘味は良く合っていますし、天汁が蕗の薹の香りを引き立たせているというのも分からなくはありません。この揚げ方には塩より天汁でしょう。
安定感のある天ぷら
本年最初の訪問。おまかせのコースは下記の通り。
口子、河豚白子、車海老×2、タラの芽、蕗の薹、鱚、空豆、白魚、筍、烏賊、雲丹、ホタテ、アスパラ、穴子。追加で蛤、甘鯛、〆に天丼と赤出汁。
最も好印象だったのは白魚。次点が鱚、蛤、河豚の白子。白魚はムッチリしており、美味しかったです。産地に固執せず仕入れを行っているからなのか、鱚はいつ来てもハイレベルを保っています。揚げ方ももちろん素晴らしかったです。野菜類は感動するものこそありませんが、どれも一定水準以上。
隙が無い天ぷら
冬の深町さん。増税後初訪問です。おまかせのコースは20,000円(税別)に値上がりしていました。
おまかせのコースは、汲み上げ湯葉でスタート。天ぷらは口子、河豚の白子、車海老、銀杏、鱚、慈姑、雲丹、椎茸、女鯒、加賀蓮根、すみいか、アスパラ、穴子。追加で舞茸、サツマイモ、鯊。〆に天茶。デザート。
この日最も好印象だったのは鯊。質はもちろん、衣の付け方も適正で火入れ良好。カラりホクホクと揚げられており、非常に美味しかったです。次点が鱚でしょうか。椎茸は食感・香り・うま味と上々。久しぶりに注文したサツマイモもねっとり甘くて美味しかったです。サツマイモは蒸すのに時間がかかるので、早めに注文されることをお勧めしておきます。
決して安くはありませんが、内容や立地を考量すれば、価格は納得できるものだと思います。予約もそれほど大変ではなく、使い勝手も悪くありません。
バランスの良い天ぷら
夏の深町さん。前回訪問時の内容が素晴らしかったので、都合の付く日にランチでもお邪魔しました。
夜と同じおまかせのコースでお願いしました。先付の汲み上げ湯葉から始まり、天ぷらは口子、鮑、車海老×2、玉蜀黍、鱚、万願寺唐辛子、雲丹、蓮根、女鯒、水茄子、稚鮎、アスパラガス、穴子。追加で鱧、アオリイカ、ズッキーニ。〆に天丼。デザート。
鱚、女鯒、鱧が好印象でした。次点が穴子、白い玉蜀黍、水茄子。魚介・野菜ともに高水準で、優等生的で外れの無い天ぷらでした。
初夏は天ぷら
天ぷらのハイシーズンである初夏。おまかせのコースは汲み上げ湯葉からスタート。天ぷらは口子、鮑、車海老、そら豆、鱚、雲丹、万願寺唐辛子、女鯒、水茄子、稚鮎、アスパラ、穴子。追加で銀宝、アオリイカ、新蓮根。〆に天丼。デザート。
この日の女鯒は、他店含め2019年最高の質でした。カラりと揚げられており、身もホクホク。非常に美味しかったです。鱚も一、二を争う上質なものでした。衣は軽いサクッとした食感に、身はしっとりとなるように、ふんわり揚げられていました。味や香りが飛んでいませんでした。こちらも非常に美味しかったです。穴子は強めの揚げ加減で、クリスピーな衣とホクホクの身のコントラストが楽しめました。追加の銀宝もゼラチン質を感じるもので悪くなかったかなと。
この日の満足度は、当店の訪問歴の中では過去最高だったのではないかなと。素晴らしかったです。
バランスの良い天ぷら
春の天ぷらを満喫しに深町さんにお邪魔しました。
おまかせのコースは先付の汲み上げ湯葉からスタート。天ぷらは口子、鮑(肝のソースで)、車海老×2、タラの芽、蕗の薹、鱚、雲丹、筍、女鯒、さしぼ、稚鮎、アスパラ、穴子で一通り。追加で女鯒、アオリイカ、うど。〆に天丼。デザート(蓬のアイス)。
鱚とメゴチは相変わらず好印象。この日の野菜類は唸るものこそありませんでしたが、どれも高額店の水準を上回るものだったと思います。魚介・野菜ともに高水準で、外れの無いお店だと思います。
バランスの良い天ぷら
早春の深町さん。
この日のおまかせのコースは汲み上げ湯葉からスタートし、天ぷらは口子、河豚の白子、車海老、タラの芽、蕗の薹、鱚、筍、雲丹、空豆、白魚、甘鯛、アスパラ、穴子。追加で蛤、赤蓮根、薩摩芋。〆は天丼、デザートは苺のアイス。
特に好印象だったのは鱚、甘鯛、薩摩芋。鱚は質が良く、揚げ方もデリケートで味が飛んでいません。甘鯛はふんわりとした身が美味しく、皮目のパリッとした食感とのコントラストも愉しめました。薩摩芋も、甘みの強いタイプが好きな方にはお勧めです。揚げるのに時間が掛かるので、コースの序盤のうちに注文された方が良いでしょう。
上記にシャンパーニュのハーフボトルをいただいて、お会計は3万超。安くはありませんが、予約はそこまで難しくないですし、納得できる範囲ではないかなと。魚介種・野菜種ともにハイレベルで安定しているのが素晴らしいと思います。
バランスの良い天ぷら
冬本番の深町さん。
この日のおまかせは口子、河豚の白子、車海老、タラの芽、蕗の薹、鱚、雲丹、そら豆、慈姑、女鯒、白魚、筍、穴子。追加で唐墨、蛤、ユリ根も。〆に天丼、デザート。こんな感じでした。
高い次元で安定していると思います。特に鱚や女鯒は毎回感心するクオリティです。今回は別格だと感じる天種こそありませんでしたが、やはり全てが高水準。外れだと感じる天種は一つもありませんでした。技術や油ももちろんgood。
隙が無い天ぷら
冬の深町さん。おまかせのコースは汲み上げ湯葉でスタート。
口子、河豚の白子、車海老、銀杏、くわい、鱚、雲丹、加賀蓮根、女鯒、甘鯛、椎茸、アスパラ、穴子。追加で鯊、舞茸、むかご。〆は天丼、洋梨のコンポート。
魚介・野菜いずれも外れなし。特に好印象だったのが鯊。他店も含め今期最高のもので、非常に美味しかったです。次点が鱚。甘鯛や穴子も美味しかったです。野菜では加賀蓮根とむかごがgood。椎茸もうま味・食感・香りを十分堪能できるものでした。
これまでの当店への訪問歴の中で最高の満足度でした。魚介・野菜どちらもハイアベレージでした。もちろん、天丼のかき揚げのクオリティも素晴らしかったです。
バランスの良い天ぷら
夏の深町さん。ハイシーズン終盤での訪問でした。おまかせで車海老、鱚、女鯒、雲丹、鮑、穴子、とうもろこし、水茄子、蓮根、アスパラ等。追加で鱧。〆は天丼で。
印象に残った天種はこの日も鱚と女鯒。繊細な鱚は味が飛ばないように、女鯒はカラリと揚げられていました。当店の鱚や女鯒は、時期を問わず本当に高い水準で安定していると思います。質・揚げ方ともにgood。野菜類は記憶に残るような逸品こそないものの、どれも上質です。油切れも良好ですし、かき揚げもハイレベルです。
バランスや総合力という点では当店は最高ランクのお店だと思います。良く言えば優等生、ちょっと意地悪な言い方をすれば強烈な個性はないのかなと。もちろん、私は優等生の当店を非常に好意的に評価しているので気になりませんが。
バランスの良い天ぷら
初夏の深町さん。天ぷらのハイシーズンに突入していました。
この日もおまかせで。先付けは蒸し鮑と湯葉。天ぷらは口子からスタート。その後の魚介種は車海老、鱚、女鯒、穴子、雲丹等。野菜はとうもろこし、タラの芽、空豆、水茄子、アスパラ等。〆に天丼、デザート。
この日印象に残ったものは鱚、女鯒。次点が穴子。鱚はフワッとデリケートに、女鯒は外はハードに中はふんわりと。タネ質だけでなく、揚げ方もgood。穴子は衣と身の食感のコントラストが強調されています。野菜も夏のものが出始めていました。トウモロコシは例年よりも香りや食感が良いと感じました。
シャンパーニュのハーフボトルを頼んだせいでお会計は3万円強。決して安いとは言えないと思いますが、十分納得のいく内容でした。
バランスの良い天ぷら
早春の深町さんにお邪魔しました。おまかせのコースに白魚や蛤等を追加。印象に残った天種は鱚、白魚、ホワイトアスパラ等。
鱚はふんわり・デリケートに揚げられ、味が飛んでいません。白魚はムチッとした食感でやはり美味。海苔で包んで揚げた蛤はレモンと塩で。磯の香りがレモンの香りと好相性ですし、海苔に包まれた蛤のうま味は塩味と酸味でより引き立てられます。立派なホワイトアスパラもgood。空豆、筍、山菜といった春らしい食材も増えていました。
バランスの良い天ぷら
2018年最初の深町さん。
この日のおまかせで供された天ぷらは口子、白子、車海老、タラの芽、蕗の薹、鱚、雲丹、空豆、甘鯛、蓮根、イカ、アスパラ、穴子。
追加で白魚、筍、蛤、椎茸。〆に天丼。
山菜類も増え始めており、春の訪れを感じる内容でした。最も印象に残ったのは白魚。ムチっとしており非常に美味しかったです。すぐに火が通ってしまう白魚は揚げるのが難しいと聞きますが、さすがの腕前でした。
こちらではトロ穴子が供されることが多いように感じますが、サクッとした衣と穴子の食感のコントラストが愉しめます。個人的にはこの手の穴子は好みではありませんが、万人受けしやすいとは思います。野菜類も悪くなく、外れの少ないお店と言えるでしょう。
バランスの良い天ぷら
2017年最後の訪問。
おまかせのコースは汲み上げ湯葉からスタート。
天ぷらは口子、河豚白子、車海老×2、銀杏、鱚、玉ねぎ、雲丹、椎茸、女鯒、加賀蓮根、すみいか、アスパラ、穴子。追加で鯊、〆は天丼、デザート。
深町さんの椎茸は歯応えや香りという点で物足りないと感じることが多いのですが、この日の椎茸は前回に引き続きgood。魚介種では女鯒が最も印象に残りました。こちらの女鯒は質が安定していると思います。その一方で、シーズンのはずの鯊がイマイチだったのは残念でした。
バランスの良い天ぷら
深町さんで晩秋の天ぷらを。この日のおまかせのコースは下記の通り。
まずはお通しの湯葉。
天ぷらは口子、車海老、銀杏、鱚、栗、白子、甘鯛、椎茸、雲丹、スミイカ、加賀蓮根、アスパラ、穴子(対馬)。
追加で舞茸、〆に天丼、デザートという構成。
強烈な印象を受けたものこそありませんでしたが、鱚と椎茸は美味しかったです。この日の椎茸は食感・うま味・香りいずれもなかなか。
穴子は身が厚いので、サクッとした衣の食感とフワリとした身の食感のコントラストが楽しめます。トロ穴子が好きな方には良いと思いますが、嗜好の差は出るでしょう。残念だったのは鯊が欠品だったことでしょうか。
バランスの良い天ぷら
秋の味覚を求めて深町さんに。この日のおまかせのコースは下記の通り。
お通しの湯葉、蒸し鮑。
天ぷらは口子、車海老、銀杏、雲丹、万願寺唐辛子、鱚、丹波栗、女鯒、鮎、加賀蓮根、アスパラ、穴子。
追加で松茸、舞茸、新いか。〆に天丼、デザート。
女鯒、新いか、舞茸がまずまず好印象。女鯒の質は本当に安定していると思います。外はカラリと中はフワッとしており、揚げ方もgood。新いかは丁度良い火の入り方で、滑らかな柔らかさと甘味が愉しめました。
松茸が高かったことも影響して、お会計は3万円強。高いとは思いますが、納得できる内容でした。
この日のおまかせは鮑、湯葉、うるかでスタート。
天ぷらは口子、車海老、とうもろこし、鱚、万願寺唐辛子、雲丹、蓮根、女鯒、水茄子(泉州)、稚鮎、いんげん、穴子(小柴)
追加で鱧
〆に天丼、デザート
この日の一番は文句なしに江戸前の穴子。他店も含めて今季一だったと思います。外はカリッと中はホクホクに揚げられており、非常に美味しかったです。次点は鱚。こちらはふんわりと揚げられていました。
野菜では万願寺唐辛子と蓮根がgood。とうもろこしやいんげんも前回訪問時より美味しかったです。
天ぷらのハイシーズンに深町さんに。
おまかせのコースは湯葉と蒸し鮑から。
天ぷらは口子、車海老、空豆、トウモロコシ、鱚、雲丹、万願寺とうがらし、女鯒、水ナス、稚鮎、アスパラ、穴子(長崎)
口子の後に口子の酒粕漬けも。
追加でいんげん、新蓮根、銀宝(浜名湖)
〆に天丼、デザート(ヨーグルトのシャーベット)
好印象だったのは稚鮎、女鯒、穴子。野菜ではアスパラ。穴子はそこまでトロ穴子っぽい脂の乗り方ではありませんでした。外はカラリと、中はホクホクに揚げられていました。アスパラは瑞々しく、うま味がしっかり。香りもGood。
その一方で、物足りなかったのは銀宝、いんげん、とうもろこし。銀宝はこの時期のものにしてはゼラチン質に乏しく、味が弱かったです。いんげんは筋が気になりましたし、トウモロコシも食感・香りともう一押し欲しいところ。
かき揚げは小柱が硬化している部分をあまり感じず、仕上がりは上々。美味しい天丼でした。どの種も一定水準以上で、油切れも良好。バランスの良いお店だと思います。
バランスの良い天ぷら
晩春の深町さんに。
この日のおまかせは、先付けの湯葉と蝦夷鮑(三陸)から。
天ぷらは口子、車海老、タラの芽、蕗の薹、鱚、雲丹、筍(物集女)、女鯒、稚鮎、空豆、アスパラ、穴子(韓国)
合間に口直しの浦里
追加で白魚、蛤、銀宝(江戸前)、
〆に天丼、デザート
最も印象に残ったのは白魚。今年は宍道湖のものが遅くまで入ったそうです。次点は稚鮎か。こちらも天ぷら屋の中では上位でしょう。江戸前の銀宝もゼラチン質には欠けますが、なかなか。野菜ではアスパラが好印象。瑞々しく、香りも感じられました。
その一方で、残念だったのが物集女産の筍。硬く、えぐ味を感じてしまいました。香りもイマイチ。朝掘りではないのかなと。穴子はトロ穴子でした。
息子さんたちもメインの揚げ手となりつつあるようです。今回は弟さんの方に揚げていただきました。高温と低温のメリハリはもう一歩かなとは思いますが、小柱のかき揚げは硬化させることなく上手く揚げられていました。そのうち複数の種を使ったより難易度の高いかき揚げもいただいてみたいと思いました。
バランスの良い天ぷら
春の天ぷらをいただきに伺いました。
おまかせのコースは先付けの湯葉でスタート。
天ぷらは、からすみ(大根おろしで)、車海老×2、蕗の薹、空豆、鱚、白子、筍(合馬?)、女鯒
口直しの浦里を挟んで、
雲丹、椎茸、アスパラ、穴子(対馬)
追加でホワイトアスパラ、蛤、白魚
〆に天丼、デザートに桜のアイス
白魚、ホワイトアスパラが好印象。天丼は小柱のみでしたが、硬化しておらず火入れはGood。欲を言えば複数の種で作っていただきたかったですが、無駄な衣も感じず、美味しかったです。対馬の穴子はぶよぶよですが、癖もなく万人受けするとは思います。
魚介・野菜ともに外れが少なく、美味しい天ぷらでした。胃がもたれることもありません。立地を考えると安いとまでは思いませんが、予約は常識の範囲内で取れます。使い勝手は特に問題ないでしょう。
外れのない天ぷら
冬の天ぷらをいただきに深町さんへ。
おまかせのコースは先付けの湯葉でスタート。
天ぷらは口子、河豚の白子、車海老×2、空豆、蕗の薹、鱚、雲丹、筍(鹿児島)、女鯒、椎茸、蓮根、すみいか、穴子(対馬)
追加で白魚、百合根、
〆に天丼、デコポンのゼリー
この日のベストは白魚。むっちりとしていて、揚げ加減も申し分なし。非常に美味しかったです。
上記以外では鱚、女鯒もgood。デリケートな鱚は味を飛ばさずに、女鯒はカラリと揚げられていました。深町さんは江戸前のものにこだわらずに仕入れているので、一年を通して安定したクオリティを保てるのでしょう。お口直しのうらさとが供されるタイミングも、癖の強い女鯒の後というのは丁度良いかなと。野菜ではゆり根が印象的。甘くてホクホクでした。
その一方で、かき揚げの小柱はやや硬化気味だと感じました。弘法にも筆の誤りか。車海老も少々疑問。穴子はカラリと揚がっているのは流石ですが、ぶよぶよ感の気になるものでした。どれも美味しいには美味しいのですが。
2017年1月
バランスが良い京橋の名店
晩秋の天ぷらをいただくために訪問しました。
この日のおまかせのコースもスタートは湯葉から。
天ぷらは口子、河豚の白子、車海老、銀杏、鱚、栗、雲丹、万願寺唐辛子、甘鯛、椎茸、烏賊、アスパラ、穴子
追加で女鯒、舞茸
〆に天丼、デザート
鯊を目当てに訪問したのですが、まさかの欠品。今年は不漁とは聞いていますが・・・。この日一番良い印象を受けたのは鱚。ワーストは車海老かなと。その他の魚介種は総じてGood。鯊の代わりの甘鯛は鱗をパリパリに、身はふっくらと。不満というほどのことではありませんが、雲丹を包む大葉が以前より硬くなったような気がします。食感的に少し違和感を覚えました。
野菜類は特筆すべきものこそありませんでしたが、外れというのもありませんでした。
〆のかき揚げもさすがの仕上がり。コースの合間に供された浦里も食欲が刺激され、良いアイデアだと感心しました。もっと序盤に供されると尚良いのではないかと思いました。
2016年11月
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夏の天ぷらを堪能しました。おまかせのコースにいくつか追加で。
湯葉と蒸し鮑、
天ぷらは口子、車海老×2、万願寺唐辛子、トウモロコシ、鱚、雲丹、水茄子、稚鮎、蓮、女鯒、アスパラ、穴子、
追加でアオリイカ、鱧、茗荷、
〆に天丼、
デザートにわらび餅と抹茶のアイス、
印象に残ったのは鱚、女鯒、穴子。特に鱚と女鯒は絶品でした。どちらも今年食べたものの中では間違いなく一番でしょう。稚鮎も天ぷら屋の中では上位だと思います。魚介ではお陀仏の車海老が唯一微妙かなと。野菜は特筆すべきものこそありませんでしたが、どれも標準以上。玉蜀黍は香りや食感が物足りませんが、甘味はまずまず。和食屋と大差ないとも感じましたが、美味しいとは思います。
2016年7月
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初夏の天ぷらをいただきに訪問しました。
おまかせのコースは湯葉、蒸し鮑でスタート。
天ぷらは口子、車海老、空豆(串に刺して)、万願寺唐辛子(通熟した赤いもの)、鱚、雲丹、水ナス(泉州)、女鯒、稚鮎、椎茸(山形)、アスパラ二種(ホワイト半分、グリーン半分)、穴子
追加でグリーンアスパラ、鱚
〆に天丼、ヨーグルトのシャーベット
特に印象に残ったのは鱚、女鯒、穴子(穴子は揚げが少し甘かったですが)。野菜ではグリーンアスパラです。ホワイトアスパラや椎茸は高額店としてはイマイチでしたが、それ以外の野菜は一定水準以上の美味しいものでした。
定番の魚介種が美味しく、野菜や油切れも常に一定水準以上。ソツのない天ぷらで、超高評価にも納得です。
2016年5月
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おまかせのコースに少し追加で。
湯葉、蒸し鮑(肝のソース)、口子の先付け
天ぷらは口子、車海老、タラの芽、蕗の薹、鱚、雲丹、筍(物集女)、ホタテ、椎茸、スミイカ、アスパラ2種(グリーンの上半分、ホワイトの下半分)、穴子。
追加で空豆、蛤。〆に天丼、ヨーグルトのシャーベット。
良い意味で印象に残ったのは空豆。悪い意味で印象に残ったのは蛤とアスパラ二種です。
相変わらず魚介種の質が高く、美味しい天ぷらでした。残念だったのは蛤くらいです。蛤は生臭さを感じてしまいました。野菜類では空豆が香り良く、美味しかったです。しっかりした衣でかき揚げになっているので、食感的には空豆より衣の方が主役といった感じかなと。もちろん、空豆以外の野菜も標準以上だと思います。筍は朝堀りではないものの、状態の良いものを使っているようです。椎茸もこれまでの訪問の中では一番良かったと感じました。ただ、二種類のアスパラはそれほど薫らず、もう一つという印象を受けました。
薄めながら存在感がしっかりした衣で、非常にバランスの良い天ぷらだと思います。油切れは前回よりは良かったかなと。混んでいるとはいえ、車海老等の剥き置きが目立ったのは残念でした。お酒を少し飲んで2万円台半ば。京橋ということを考えると、CP的には良いとはいえないでしょう。
2016年4月
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先付けに汲み上げ湯葉、
くちこ、河豚の白子、車海老、タラの芽、鱚、蕗の薹、生雲丹、筍(合馬産)、女鯒、稚鮎、椎茸、アスパラ、穴子、
追加で白魚、空豆、ホワイトアスパラ、
〆に天丼、アイスクリーム
白魚はむっちりしていて、非常に美味しかったです。白魚や天丼のかき揚げといった技量が問われるものの揚げ加減が素晴らしかったです。穴子はカラリと中はホクホクに揚げられており、美味しかったです。野菜は全てが一定水準以上で美味しかったです。ただ、やはり野菜の香りは物足りず、最高と感じるものは1つもありませんでした。アスパラ、ホワイトアスパラは美味しかったですが、タラの芽や蕗の薹にはあまり感心しませんでした。
混雑のためか、油切れの良さをもう一つ堪能できませんでした。タネの事前処理も目立ちましたし、混んでいる時はパフォーマンスが落ちるという印象があります。
2016年3月
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夏の天ぷらを頂きました。
先付けに汲み上げ湯葉、蒸し鮑(胆ソース)、
魚介類の天ぷらは口子、車海老、鱚、雲丹、稚鮎、女鯒、穴子、
野菜類が蓮根、新銀杏、とうもろこし、万願寺唐辛子、アスパラ、
追加で鮑(胆ソースで)、
〆に天丼、無花果のゼリー寄せ、
定番のタネはさすがで、穴子とメゴチが印象に残りました。車海老は、一匹目はレア気味に、二匹目は中まで火を通す感じで揚げていると思っていたのですが、今回はほとんど差のない仕上がりでした。一匹目が非常に中途半端な加減で、少々残念でした。鮑は中心部までしっかり火を入れています。天ぷらならではの味わいとは感じませんでしたが、美味しかったです。野菜はアスパラ以外はそこそこ程度でした。アスパラは香りよく、美味しかったです。とうもろこしは甘味が弱く、新銀杏も香りがもうひとつという印象でした。
野菜の質に満足できるならば、定番の魚介種の質高く、お勧めできるお店です。2万円台前半は京橋にしては少々高めと感じなくもありませんが、予約はそこまで難しくなく、使い勝手は悪くないと思います。
2015年8月
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冬の天ぷらを頂きました。
おまかせの内容は以下の通りです。
先付けに湯葉、
天ぷらはくちこ、車海老、烏賊、銀杏、慈姑、鱚、雲丹、蛤、加賀蓮根、メゴチ、椎茸、アスパラ、穴子、
追加で鯊、河豚の白子、〆には天丼、デザート、
江戸前定番の魚介に安定感があり、野菜はマチマチという印象を持っています。衣は薄めながら、その食感がしっかり感じられるものです。天汁は少し甘めで個人的にはあまり好きなタイプではありません。
女鯒、蛤そしてハゼが美味しかったです。特に、ハゼと蛤(レモンで)は非常に美味しかったです。しかしながら、穴子には少し臭みを感じましたし、烏賊や雲丹も火入れに関して疑問を感じる仕上がりでした。安定感があると思っていただけに少々残念でした。野菜では加賀蓮根と慈姑が美味しかったです。椎茸は無駄な水分が多く、食感・香りともに物足りませんでした。かき揚げを成形する技術はさすがで、天丼もなかなか美味しかったです。今回はもたれることなく帰ることができました。
2014年12月
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久しぶりの訪問です。
先付けは湯葉と蒸し鮑でした。頂いたおまかせの内容は以下の通りです。
くちこ、車海老、烏賊、タラの芽、蕗の薹、鱚、雲丹、万願寺唐辛子、メゴチ、椎茸、アスパラ、穴子、
雲丹をもう一つ追加して、〆は天茶、デザートはヨーグルトのシャーベットでした。
鱚、女鯒、穴子といった定番の魚介のタネ質は高いレベルにあると思います。その一方で、椎茸、蕗の薹やアスパラといった野菜はイマイチでした。特に椎茸は無駄な水分が多く、香り・食感ともに良くありませんでした。
衣の主張がしっかりしている(衣の存在感が強い)天ぷらです。バランスが良いとも言えますが、突き抜けたものを感じないというのも率直な感想です。何より残念だったのは胃がもたれてしまったことです。隣席の女性客もかなり残していました。
2014年4月
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山の上出身の深町さんのお店です。
おまかせで〆には天茶をお願いしました。頂いた天ぷらは下記の通りです。先付は湯葉と鮑でした。
車海老、いか、キス、メゴチ、雲丹、白魚、稚鮎、ギンポ、
タラの芽、蕗の薹、筍、アスパラ、椎茸等
天ぷらは衣が薄めで、いかにも山の上出身といった感じです。野菜は素材の風味を生かすように揚げられています。タラの芽は山菜特有の風味があり、なかなか美味しかったです。しかし、蕗の薹や椎茸等はイマイチで、野菜には注文が付く部分もありました。魚介は総じてタネ質が良く満足出来ました。天茶も一流店に恥じない一品だと思います。
内容を考えれば、CPは悪くないと思います。天ぷらを食べている女性の浮世絵を飾るなど、雰囲気作りにも凝っています。サービスは家族経営らしいもので、好き嫌いが分かれるかもしれません。個人的にはアットホームさがあり、居心地は良いと思います。
Restaurant name |
Fukamachi(Fukamachi)
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Categories | Tempura |
Phone number (for reservation and inquiry) |
03-5250-8777 |
Reservation availability |
Reservations available
※昼、夜共にコース料理のみ |
Address |
東京都中央区京橋2-5-2 A・M京橋ビル 1F |
Transportation |
1 minute walk from Kyobashi Station on the Tokyo Metro Ginza Line 44 meters from Kyobashi. |
Opening hours |
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Average price |
¥20,000~¥29,999 ¥10,000~¥14,999 |
Average price(Based on reviews) |
¥20,000~¥29,999¥15,000~¥19,999
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Method of payment |
Credit Cards Accepted Electronic money Not Accepted QR code payment Not Accepted |
Table money/charge |
サービス料なし |
Number of seats |
14 Seats ( 10 seats at the counter, 2 tables for 2) |
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Private rooms |
Unavailable |
Private use |
Unavailable |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables |
Parking |
Unavailable Coin parking available nearby |
Space/facilities |
Relaxing space,Counter seating |
Drink |
Sake (Nihonshu),Shochu (Japanese spirits),Wine,Particular about Sake (Nihonshu) |
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Food |
Particular about vegetable,Particular about fish,Vegetarian menu,English menu available |
Occasion |
This occasion is recommended by many people. |
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Location |
Hideout |
Family friendly |
Children must be 10 years old or older, or order one portion of the same course as an adult. |
Dress code |
None Please refrain from wearing excessive perfume. |
大寒の深町さん。山菜類も少しずつ供されるようになっていました。
おまかせのコース(28,600円)は汲上湯葉とカラスミから。
天ぷらは口子、河豚の白子、車海老×2、空豆、鱚、蕗の薹、雲丹、筍、蛤、女鯒、山独活、太刀魚、白魚、牡蠣、椎茸、グリーンアスパラガス、穴子。
追加で人参。〆に天茶。デザートはデコポンのゼリー。
河豚の白子は臭みがなく、大変クリーミー。白魚はピークはもう少し先なのでしょうが、ムッチリ感が十分ありました。蛤や牡蠣もジューシー。
野菜では筍、椎茸、アスパラが美味しかったです。筍はトウモロコシのような甘味と香りが印象に残るもの。椎茸はうま味・香りともにGood。アスパラも、この時期のものとしてはかなり美味しい方に入るものだったのではないかなと。
派手な演出等はありませんが、どれも丁寧に卒なく揚げられています。魚介・野菜ともに一年を通してここまで高いレベルで安定しているお店は、他にはないのではないでしょうか。