今年も十五夜は「きぬかつぎ」。羽田上空の満月を観ながら食べると美味しさもひとしおです。
十五夜に近江八幡発の和菓子屋さん「たねや」に当日限定の「きぬかつぎ」を買うようになって今年でもう6年目です。餡が入った団子生地の小さな里芋型の「きぬかつぎ」は「たねや」の和菓子の中でも一番のお気に入り。
今年も在宅勤務を抜け出して日本橋高島屋本館地下一階の売場に買いに行ってきました。売り切れが怖かったので伺ったのは開店間もない11:45分頃。
売場には今年も琵琶湖の月を詠んだ「にほの海や月の光のうつろへば波の花にも秋は見えけり」の和歌やすすきの穂が飾られています。この辺の季節感の演出も「たねや」ならでは。
さすがにこの時間だと「きぬかつぎ」の在庫も潤沢。無事1パック972円と水平に入れられる紙袋22円を買って自宅のある蒲田にとんぼ返りしました。
この日の予報は夕方は曇りということでしたが、東の空を見ると時々雲は流れるものの綺麗な満月。満月観ながら食べる「きぬかつぎ」は美味しさもひとしおでした。
今の季節、赤坂の虎屋や都立大学の「ちもと」にも里芋型の和菓子がありますが、来年以降も「たねや」さんの「きぬかつぎ」で決まりです。
たねやで初めてのみたらしだんご。お盆の二日間限定の『お迎えだんご』はさすがの美味しさです。
日本橋高島屋地下一階にある近江八幡の和菓子屋さんの売場です。こちらの和菓子屋さんが凄いのはいつ行っても何かしら季節限定の商品があること。それも月替わりとかではなくて、十五夜の『きぬかつぎ』のように1日~3日間限定というのも多いのが驚きです。
こちらのお菓子をフォローしていれば日本の昔ながらの風習や伝統行事を知ることができる感じ。さながら美味しい歳時記といったところです。
わずかな販売期間のために滋賀県内の工場のラインを切り替えて製造し、全国に40以上ある店舗に配送、店頭の飾り付けや商品の陳列もその都度変えるというそのオペレーションは驚異的と言わざるを得ません。個人商店ですらここまで小回り利かない気がします。
今回も購入したのは8月12日、13日の二日間限定の『お迎えだんご』918円。お盆で家々に精霊を迎える際に供える団子だそうですが、いわゆる「みたらし団子」の一種です。
今までこちらのお店への唯一の不満はしょっぱい味系のものが無いことだったのでこれは嬉しい。
家で包装を解くと中には真っ白い小粒のだんごが何と25個も入っています。同梱されているたれを掛けて食べるとさすがの味。だんごは表面がつるんとして中はもっちり。お米の自然な甘さ、旨さが活きている感じです。醤油の香りが高くてあまじょっぱいタレも旨い。
できれば通年で常に一種類くらいはしょっぱい系のお菓子を用意しておいて欲しいものです。
今回は1月2日限定のおめでたい上生菓子「迎春」。生地と餡がそれぞれ違う6品が楽しい。
暮れからずっと家にこもっていたので、元旦までで食料の備蓄はあらかた消費。1月2日は日本橋高島屋にとんぼ返りで食料の買い出しに出かけました。福袋の店頭販売を中止したこともあって初売りの日にしては意外に混んでいない感じです。
でも現在の状況ではできるだけ滞在時間は短くしたいところ。駆け足で売場を回る中でまず立ち寄ったのが近江八幡のこちらの和菓子屋さんです。
里芋を模した団子の十五夜限定『きぬかつぎ』をはじめ、季節感を大切にした和菓子が常に何かしらあるお店。正月らしいものがあるだろうと思ったのが訪問の理由です。
売場に伺うと、思った通りこの日限りという上生菓子『迎春』を発見しました。今年の干支の牛やおめでたい亀等を模した上生菓子が6種類入って一箱2,549円(税込)。
ふだん上生菓子はあまり食べないし、いいお値段なのでちょっと考えましたが、この日限りが決めてになって一箱購入することにしました。
せっかくなので家で一保堂のお茶と合わせて頂きます。6個のお菓子は年祝、此の花、福丑、実南天、初春、亀甲寿とどれもおめでたい名前。驚いたことにそれぞれ異なる生地とこし餡、つぶ餡、みそ餡、福白餡など異なる餡が使われています。
味の方は上品で甘さ控えめ。目でも舌でも美味しい和菓子でした。こちらのお店ではオリーブオイルやピスタチオナッツを使った新しい和菓子にも積極的に取り組んでいますが、それも今回の上生菓子のような伝統の技があってこそ。今どきの流行りの和菓子店系スイーツとは大違いです。
毎年恒例 中秋の名月は「きぬかつぎ」。『月月に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月』
今年の十五夜は10月1日。例年だと当日一日だけの限定販売だった「きぬかつぎ」が今年は29日~1日の三日間販売されると聞いて前日の30日に日本橋高島屋本館地下一階にあるこちらの売場に伺いました。
「きぬかつぎ」とは団子の生地で餡を包んだ里芋の形の可愛い和菓子。昔から採れたばかりの里芋を月見の際に供える風習があったことが、この和菓子の由来だそうです。例年通り7個入り一箱(972円)を買って帰りました。
因みにタイトルの有名な句は江戸時代の書物「一挙博覧」の中の『官家の女中は、八月十五夜に芋を箸につらぬき、其穴より月を見て、月々に月見る月は多けれど 月見る月はこの月の月、といふ歌を吟ぜらるゝとなり』にあるのがというのがその出典。ほぼ毎年書いているので今年も書き添えておきます。
家で一年ぶりに食べた「きぬかつぎ」はやはり美味しい。団子生地でできた皮はつるん、中のこし餡はさらりとしています。小さいので二個、三個と食べても腹が膨らまないのもありがたいところ。数ある「たねや」さんのお菓子の中でもこれが一番だと思います。
30日の月は満月には少し足りない状態でしたが、天気は晴れ。一日早い月見で秋の風情を楽しませて頂きました。
今回は新春限定「菱はなびら」。牛蒡と味噌餡使ってるのに雅で上品な美味しさです。
残念な結果に終わった駅伝を日本橋で見た後は高島屋地下一階食品フロアにあるこちらの和菓子売場に伺いました。十五夜当日限定の「きぬかつぎ」、冬至当日限定の「福南瓜」に代表されるように、近江八幡のこちらのお店は季節感ある期間限定商品が充実。何か新年らしい和菓子があるんじゃないかと思ったのが訪問の動機です。
売場に伺ってみると思った通り、紅白の薯蕷饅頭など、この時期限定の商品が5種類もありました。中で一番興味深かったのは牛蒡と味噌餡を羽二重餅で包んだ「菱はなびら」というお菓子。面白いので三個入り1080円のを一箱購入しました。
家に帰って食べてみると牛蒡と味噌餡の組み合わせからは想像できない雅で上品な味。もっと野趣に富んだ味かと思っていました。和菓子として全く違和感ありません。中に赤いお餅が一層仕込まれているのもおめでたい感じです。
後で調べてみるとこのお菓子はここのお店のオリジナルではなく、明治時代から全国の和菓子屋さんで作られるようになったものだとか。
元は平安時代の宮中のお正月行事として固いものを食べて歯を丈夫にし長寿を願った「歯固めの儀式」で食べられていた料理が簡略化されて今の姿になったらしい。
世界に美味しいお菓子はあまたあっても、ここまで季節感を大事にするのは和菓子ならではだと思います。和菓子自体はそんなに得意分野ではありませんが、やはりそういう伝統は大事にしたいもの。
ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食;日本人の伝統的な食文化」の特徴として「自然の美しさの表現」や「年中行事との関わり」があげられているように、季節感ある和菓子は日本の食文化の重要な一部だと思います。
東の野に炎の立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ。冬至当日限定「福南瓜」を頂きました。
この日は日本橋でお買い物。高島屋本館地下一階を歩いていて近江八幡のこちらの和菓子屋さんの売場で「福南瓜」というお菓子を発見しました。
一年に一度冬至のその日だけ1日限定で販売されるお菓子でかぼちゃ餡のパイだそうです。そういえばこの日は冬至だったんだ!
「たねや」さんの1日限定といえば毎年十五夜の「きぬかつぎ」は大のお気に入り。団子の生地で餡を包んできぬかつぎ(里芋)の形に仕立てたそれはあんまり美味しいのでここ数年毎年頂いています。
なのできっとこの冬至限定のも美味しいはず。そう思って8個入りのものを一包み(972円)頂いて帰りました。
家に帰ってオレンジ色の包みを開けると中にはピンポン玉くらいのパイが籠に盛られています。外の皮はバターが香るパイ生地。中のかぼちゃ餡は緑の皮も混じってい甘さ控えめ。かぼちゃそのものに近い感じです。
パイなので洋風な感じもありますが、甘過ぎなくて日本茶と一緒に食べて違和感ありません。やはりこちらの1日限定商品は買って損はないようです。
なお、タイトルの和歌は有名な柿本人麻呂の歌。万葉集に収められたこの歌は輪廻転生の節目としての冬至にちなんだもので、夭折した父草壁皇子から軽皇子への魂の授受を詠ったものと言われています。
Restaurant name |
Taneya
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Categories | Japanese sweets |
Phone number (for reservation and inquiry) |
03-6910-3940 |
Reservation Availability |
Reservations available |
Address |
東京都中央区日本橋2-4-1 日本橋タカシマヤ本館 B1F |
Transportation |
メトロ銀座線 日本橋駅 B1出口 徒歩1分 196 meters from Nihombashi. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget |
¥1,000~¥1,999 |
Budget(Aggregate of reviews) |
~¥999
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Method of payment |
Credit Cards Accepted Electronic money Accepted |
Private dining rooms |
not allowed |
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Private use |
not allowed |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables |
Parking lot |
OK |
Occasion |
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Website | |
The opening day |
2018.9.19 |
日本橋高島屋本館地下一階にある近江八幡発の和菓子屋さんのお店です。季節感あるお菓子が美味しい上に、発売期間が短い限定商品もいろいろ。なので、高島屋来るたびに一応何があるか覗いてみるようにしています。
この日発見したのは夏季限定の「たねやの寒天」。昨年まではスティック状の透明プラスチック容器に入っていたはずですが、今年6月の販売合わせてパッケージをリニューアルしたらしい。
新容器では井桁の枠を入れることで寒天が切れる仕組みに変更してプラスチック使用量を3割に削減するとともに寒天は17%増量したんだそうです。
このところクリームあんみつにハマってあちこち試していますが、たまには寒天とあんこだけのシンプルなのもいい。そう思って「たねや寒天 小豆」486円を購入しました。
家で井桁の枠から取り出した立方体の寒天は一辺があんみつのものより1.5倍くらいあるので体積は3倍くらいか。寒天自体に味は付いていないようですが、小豆の餡を掛けて食べると食感が良くて不思議に美味しい。
寒天が口のなかでくずれる瞬間のはじける食感とみずみずしさにこだわったというだけあって固さと保水量が絶妙な感じです。
求肥や白玉、生麩、フルーツ等の具材が入ったあんみつも美味しいけれど、シンプルに食感だけを楽しむこの寒天もアリ。エコとかサステナブルとか意識高い系は今ひとつ苦手ですが、こちらの寒天は例外です。