椿という誇りのもとに
2023.11.
椿という誇りのもとに/おみ乃 椿
椿。
「控えめな素晴らしさ」という花言葉がある日本古来から親しまれてきた花の1つ。そんな花の名を冠して、京橋の交差点から鍛冶屋通り沿いにあるビルの階下にひっそりと2023年10月16日にオープンした「おみ乃 椿」に初訪問。目黒の名店「鳥しき」で研鑽を積まれた店主・小美野 正良さんの3店舗目となるお店です。
螺旋状の階段を下っていくと、真白な暖簾があり、それをくぐると椿と凛とした表札が出迎えてくれます。焼き場を囲う緩りと弧を描く7席のカウンターからは、小美野さんが焼く姿は勿論のこと、串も確りと見ることができます。
さび*♡
擦りたての山葵の鮮烈さが走り、柔らかな胸肉の旨味が広がります。
抱き身♡
上には柚子胡椒を乗せており、カリッとした皮としっとりとした胸肉のジューシーさが美味しい。
ささみ刺し*♡
松風地とりのささみをちり酢と山葵で。酸味と辛味でささみの甘味が映えます。
鬼おろし
手でおろしている鬼おろしに梅肉を添えて。
砂肝♡
弾むような食感に砂肝らしからぬ柔らかさ。ザクザクと小気味良い食感が楽しく、そして美味しい。
茶碗蒸し♡
キノコの餡掛けをかけて。茶碗蒸しの中に銀杏を入れて食感を与えており、餡は蟹の身も入れて旨味たっぷり。
やげん軟骨♡♡
ゴロリとしたボリュームで軟骨のバリバリ食感、周りの肉の旨味の濃さ。濃厚な味わいは串を持つだけで、旨味が滴るかのよう。
銀杏
極上のモチモチ加減。
血肝♡♡
舌に絡みつくほどに滑らかで、甘味と旨味の濃さがあり、食べ終えて鼻から抜ける香りすらも素晴らしいひと串。
南瓜の摺流し
口当たりは柔らかく、味わいは濃厚。
ソリレス*♡
ちり酢を乗せて。炭の香りを存分に纏っており、弾むような身質にちり酢の酸味でより輪郭を成す旨味が素晴らしい。
白子と背肝*♡♡
松風地どり。白子は口に入れた瞬間になくなるほどの口溶けで、背肝はゆっくりとゆっくりと旨味が溢れてきます。実に美味しい。
波*♡♡
首皮。コレが首皮?と驚くほどに分厚い。肉も少し串打つことで、更に旨味を底上げしているかのようで美味しい。
佐土原なす
宮崎県産の伝統野菜。滑らかな口当たりで、上品な甘味が広がります。
レバーペースト♡
トマトのピクルス添え。炭火で炙ったトーストはカリッとした瞬間になくなるほど。口に残るのはレバーの旨味のみという驚く美味しさ。添えてあるトマトのピクルスも良い口直しになっています。
丸はつ♡
生姜をちょこんと乗せた丸はつ。表面を確りと焼き固めており、口の中で爆ぜる旨味の熱がたまらなく好き。
白玉
黄身はソースのような粘度で、プリプリの白身と口の中で絡み合います。
はらみ*♡
タレの旨味とはらみの旨味が混ざり合うことで、更なる美味しさになることを実感できるひと串。
股関節*♡
ふわっとした身と軟骨のコリコリ感とその軟骨の周りのゼラチン質が同時に楽しめ、濃厚な旨味が甘く美味しい。
はつもと*♡♡
濃厚なはつもとにタレ+山葵というアクセントで、暴力なまでの美味しさ。
伊達鶏のつくね入り飛竜頭♡
無理に鶏を使わなくても…と思っていましたが、ふわりとした食感に鶏の旨味が溢れて、美味しい。『厚揚げ』に代えて、炭火で焼いてもいいかも。
大黒本しめじ♡
京都府丹波産。プリプリとした食感とシャクシャクとした食感が映えます。仄かに甘く、椎茸好きにはたまらない美味しさ。
ぼん*♡
皮目を長めに焼くことで余分な脂を落としているのでカリッとし、身はプリッと弾けるほどにしてジューシー。
膝*♡
素晴らしい焼き。皮目は極上のパリパリ感、身は歯を跳ね返すほどの弾力があり、咀嚼すると旨味が怒涛のごとく溢れます。
厚揚げ♡
実に丁寧に焼かれており、表面には一片の焦げもありません。厚揚げには珍しく生姜が添えられおり、より爽やか。
あか*♡♡
コレも焼きの丁寧さが光るひと串。歯を入れる角度で食感が変わる部位ですが、身がとろけます。
手羽先の蓮根詰め♡
季節によって、中に詰める食材を変える「おみ乃 神谷町」を彷彿させる手羽先。今回は辛子蓮根をイメージしたそうで、和芥子の鼈甲餡掛けかけて。
表面は極上のパリパリ感、かぶりつくと鶏の旨味と蓮根のサクサクが楽しめ、辛子香る鼈甲飴をたっぷりとつけて食べれば、もう1本欲しくなる美味しさ。
つくね♡♡
焼く直前に手で丸めて形成するつくね。何度もタレを纏わせながら焼くことで照り焼きのようになり、確りと練られているので舌触りも滑らか。
かしわ*♡
もも肉の弾むような食感と絡まるタレの旨味と鶏の旨味が実に美味しい。
肩*♡
所謂、手羽元。生姜を乗せることで、淡白な身質がより爽やかにいただけます。
せせり♡
独特なせせりの食感の中で、獅子唐の辛味がいい仕事をしており、炭の香りをを纏った肉と獅子唐の香りもいい。
合鴨*♡
よく見ないと分からないほどの薄い葱を合鴨の間に串打ちされていて、口の中で葱のシャリシャリとした食感に風味にやられます。
親子丼
やはり「鳥しき」を彷彿とさせる白身と黄身を分けて、出汁を食べるような仕立て。でも私が欲しているのは、コレじゃない…
そぼろ丼
卵黄を乗せて。つくねよりもかなり粗く挽かれており、味わいは「鳥しき」よりも濃厚。
鶏スープ
上品な味わいですが、なんだろう?この変わった風味は。葱かな?
安納芋のミルクアイス黒蜜かけ♡
想像以上に芋感が強く、ミルクの甘味が強くて美味しい。
このお店では「おみ乃 神谷町」よりも焼鳥に重きを置いているようで、伊達鶏を中心にして、今後は松風地どりや高原比内地鶏もコース内に織り交ぜ、ご飯ものも増やしていく予定だそうです。まだ100%の稼働状態ではないにしろ、どの串もとても丁寧な仕事ぶりが感じられ、山葵・生姜・柚子胡椒・ちり酢などで辛味や酸味を加えられた焼鳥は何よりも美味しい。
椿のもう1つの花言葉…「誇り」。焼鳥に人生をかけた小美野さんの誇りを感じられるお店になりそうです。
今夜出逢ったお酒
日高見 中取り 純米大吟醸
黒龍 純米大吟醸
作 純米吟醸 ひやおろし
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Restaurant name |
Omino Tsubaki
|
---|---|
Categories | Yakitori (Grilled chicken) |
Phone number (for reservation and inquiry) |
03-5579-5945 |
Reservation Availability |
Reservations available |
Address |
東京都中央区京橋2-5-17 京橋SKビル B1F |
Transportation |
67 meters from Kyobashi. |
Opening hours | |
Budget |
¥20,000~¥29,999 |
Budget(Aggregate of reviews) |
¥20,000~¥29,999
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Method of payment |
Credit Cards Accepted (VISA、AMEX、Master、JCB、Diners) Electronic money Accepted QR code payment Accepted |
Number of seats |
7 Seats ( カウンター7席) |
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Maximum party size | 7people(Seating) |
Private dining rooms |
not allowed |
Private use |
OK |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables |
Parking lot |
not allowed |
Space/facilities |
Comfortable space,Counter |
Drink |
Japanese sake (Nihonshu),Japanese spirits (Shochu),Wine,Particular about Japanese sake (Nihonshu),Particular about wine |
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Occasion |
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Location |
Secluded restaurant |
Website | |
The opening day |
2023.10.16 |
2024.4.
椿という誇りのもとに/おみ乃 椿
「すいません。今日、めちゃくちゃ仕込んでしまったのですが…」
入店して早々にそんな嬉しいことを言ってくれたのは、小美野 正良さん。ここは京橋にある「おみ乃 椿」、2023年10月に「おみ乃」の3店舗目としてオープンさせた焼鳥店です。螺旋階段で階下に降りて、真白な暖簾を潜ると、店名にもある椿が出迎えてくれます。
さび焼き*♡
高原比内地鶏。ささみでも身が締まっているのを感じられ、丁寧な火入れがふわっとした食感を生み出しています。甘味のある山葵の鮮烈さもいい。
砂肝*♡
伊達鶏。極上のサクサク食感が織りなす旨味のトルネード。塩で引き出された旨味の余韻が長く続きます。
胸肉の抱き身♡
高原比内地鶏。皮はパリッとし、身はしっとり。そのコントラストが口の中で楽しめ、太い葱の風味と辛味が心地よい。
春菜のサラダ
うるい・春キャベツ・菜の花・アスパラ・クレソンを使ったサラダ。ほろ苦さが春の野菜の醍醐味。
せせり♡
伊達鶏。かんずりをちょこんと添えて。脂がある部位に獅子唐の辛味がとてもよく合います。
血肝♡
タレを纏う血肝(レバー)はねっとりととろけ、ゆっくりとした旨味の溢れ方がより美味しさを感じさせます。
砂肝刺し♡
高原比内地鶏。胡麻油と山葵を添えて。確りとした食感と旨味を感じられ、薄切りだからこその味わい。
かっぱ♡
伊達鶏。バリバリとした軟骨に串を傾けだけで滴る極濃厚な肉の旨味がたまらない美味しさ。
白玉♡
プルプルとした白身はタレを纏い、黄身はまるでソースのような感じ。私の理想的な仕上がり。
新じゃがいもの摺流し
温かな摺流し。新じゃがいもの甘味が甘く美味しい。
はつ*♡♡
高原比内地鶏。コレがはつ⁉︎と目を見開く美味しさ。旨味が濃厚で、物凄く甘い。
あか*♡
伊達鶏。ふわりとした食感に時折感じるザクザクとした食感があり、甘味のある旨味に食べ応えのあるボリュームも素晴らしい。
アスパラガス♡
熊本県産。旨味を引き出している塩加減の中、アスパラガスの味わいが濃く、何よりも青い香りがとても良い。
丸はつ♡
伊達鶏。先程の高原比内地鶏ものとは違い、じっくりと熱を閉じ込められて、食感は跳ねるようにプリプリ。
レバーペースト♡
炭火で焼いたトーストにレバーペーストを乗せ、トマトピクルスを添えて。トーストはカリッフワッで、濃厚なレバーペーストに食感をプラスしています。レバーペーストはクセなど微塵もなく、極濃厚な旨味のみ。トマトピクルスも心地よい酸味と旨味で美味しい。
皮♡
高原比内地鶏。脂を落としながら焼いているので、パリパリとした食感に濃い旨味が感じられます。
蓮根のはさみ揚げ♡
サクサクとした蓮根と間に挟んだ鶏の旨味が絶妙。
ソリレス♡♡
伊達鶏。ちり酢をちょこんと乗せて。腿肉の付け根にあるソリレスは弾むような食感と思いきや、とろけるだ…と…。
ふりそで*♡♡
高原比内地鶏。バリバリの皮、確りとした身質に生姜の辛味。濃厚な旨味ですが、とても爽やか。
せせり*♡
高原比内地鶏。先程の伊達鶏のものとは違い、確りとした食感があり、じっくりと咀嚼すると溢れ出す甘味が素晴らしい。
合鴨*♡
とても身質は柔らかく、とろけるよう。肉の間に見えない極薄の葱を忍ばせており、口の中でシャリとした食感と風味がより合鴨の美味しさを加速させます。
手羽先揚げ♡
手羽先の中に季節によって変わる食材を詰める「おみ乃 神谷町」から続くスペシャリテ。今回は蚕豆を詰めており、上から鼈甲庵をかけたもの。手羽先を使った一品料理としてはとても完成度が高く、何より美味しい。
新じゃがいも♡
バターに頼ることなく、じゃがいものみで勝負しているひと串。ホクホクとしており、激熱ですが、ひと口で食べるべき串。
ぼん*♡
伊達鶏。表面はサクサクとしており、濃厚な身はプリプリ。濃厚な旨味の後に濃厚な甘味が広がります。
あか*♡
高原比内地鶏。かなり確りとした身質を想像していたのですが、とても柔らかい。そして、旨味が極濃厚。
明日葉の胡麻和え
口当たりは甘く、そしてほろ苦い。良い口直し。
かしわ*♡
高原比内地鶏。伊達鶏よりかは確りめ、比内地鶏よりかは柔らかい。旨味はやはり比内地鶏寄り。
赤茄子♡
皮がなかったら、流れてなくなってるかも!と思うくらいにトロトロ。コレも激熱ですが、頬張るべき串です。
はらみ*♡
高原比内地鶏。噛み締める度に旨味が溢れて、最後は甘味に変わります。ずっと噛んでいたくなる美味しさ。
肩*♡
高原比内地鶏。厚みのある皮をカリカリに焼き上げているので、確りと締まった身とのコントラストを感じられます。
手羽先*♡♡
高原比内地鶏。開いていないのに骨抜きしてあり、そのまま頬張るとカリカリ感を存分に楽しめます。
塩つくね♡♡
レア気味に焼き上げており、口の中でドッパーンと溢れる鶏の旨味と甘味が素晴らしい。
ぺた*♡♡
高原比内地鶏の腰皮。表面はカリカリ、甘味のある旨味が滴ります。
はつもと*♡♡
高原比内地鶏。山葵に負けない力強い旨味、そして甘味が凄い。
食道*♡♡
高原比内地鶏のものを塩+ちり酢で。柔らかな酸味が食道の旨味の新しい一面を見せてくれます。
ソリレス*♡♡
高原比内地鶏。やはりこの地鶏は分厚い皮が美味しく、弾むような身質が最強のひと串。
背肝*♡♡
高原比内地鶏。串を持つだけで滴るような脂があり、甘い香りと濃厚さが群を抜いて凄い。
ちょうちん*♡
小ぶりな卵黄ですが、素晴らしい火入れ。口の中でプチッと弾け、とろりと流れ出す黄身は極上のソースです。
親子丼とそぼろ丼のハーフ&ハーフ♡
ありそうでなかった禁断の組み合わせ。更に進化させるならば、このそぼろをかけるのではなく、玉子に混ぜて親子丼を作って欲しい。
青森県産林檎のミルクアイス
林檎の味わいの後にかなり濃厚なミルク感がします。
今回は高原比内地鶏と伊達鶏を織り交ぜて、最早どれがデフォルトでどれが追加しているのか、分からないくらいに供していただきました。特に高原比内地鶏を使った串は、丸のまま仕入れて、店内で捌いているからこそ成せる希少部位ばかりで、どれも旨味が濃厚且つ甘味に溢れて、実に美味しかったです。焼鳥はタレと塩だけではなく、黒胡椒・山葵・生姜・かんずり・柚子胡椒・ちり酢などをちょこんと乗せることで、香り・辛味・酸味がプラスされてより美味しく感じられました。まさしくこれは師匠である「鳥しき」池川義輝さんから受け継いだ技や心を「小美野の焼鳥」として更なる高みへと昇華した結晶だと思います。
小美野さん、今回も素晴らしい焼鳥をありがとうございました!