冬の味覚
半年ぶりの磯田さんへ。
冬の味覚をいただきます。
朴訥としながらも、きちんとお話する磯田さんのキャラクターは変わらず。
カウンター8席は満席。
・香住のズワイ蟹
蟹の値段が急騰してきたそうで、最後の蟹さんかも・・。
京菊菜、利休麩と合わせて。
・カラスミの飯蒸し
半生のカラスミが良い感じ。
・北寄貝の焼き物、銀杏
ホッキは苫小牧産。
苫小牧の港の近くにホッキを食べに行ったことを思い出しました。
見事なホッキがここまで運ばれて、滋味深い日本料理になることに感慨。
・淀大根
鯛の中骨出汁で炊いたしみじみ感は、修行先の星野さんに通じるものが
・富田林の海老芋
これは星野さんがずっと提供し続けている京味を伝える逸品のひとつ。
意図的に甘味を増して、お菓子のような感覚で、とのこと。
(お造り)
・明石の真鯛、墨烏賊
・七尾の鰹
鰹が出るのは珍しく、上等。
(お椀)あこう、湯葉
(焼き物)まな鰹
・グジの蕪蒸し
(お食事)
・牛肉の時雨煮、チリメンジャコ、香の物、赤出汁
(デザート)洋梨コンポートと苺
冬ということもあってか、今回は星野さん由来のお献立が多めだった感。
伝統を継承しながらの新境地の開拓に今後も期待。
ごちそうさまでした。
初夏は爽やかに
4か月ぶりの再訪。
この日は皆さま常連さんのようで
礒田さんもずっとお話ししながら和やかに。
いただいたのは
・三田のジュンサイ
この時期、最初にジュンサイが出てくることは多いですが
下にキスが入っているのが個性的。
・千葉のカマス
大好きなトウモロコシの天ぷらも添えられて。
・スッポンの付け焼き
・ぐじの冬瓜蒸し
・明石 オコゼの唐揚げ
(お造り)明石 スズキ、
気仙沼 カツオのタタキ
(お椀)
この日は、鮎がまだ小さいということで、塩焼きではなくお椀に
板取川の鮎は半日干しでジュンサイとともに。
こういう鮎もなかなか良い。
・稲取 金目鯛の鱗焼き
外はバリバリ、身はふっくら。
火入れが抜群。
(炊き合わせ)賀茂茄子、みょうが
・お食事
星野さんでお馴染みのご飯セットは引き継がれて。
牛肉の時雨煮の味付けが少し濃いかな。
・デザート
・マンゴー、ブルーベリー
星野さんから独立して2年。
初めて来たときは、まだ前のお店の居抜きのような感じでしたが
その後、お手洗いも改装、壁に灯りを入れたり、
少しずつ工夫されているよう。
器も増えてきました。
オーナーが別にいるわけでもなく、自力なので
スタートは、資金的にお店を開くのに精一杯という感じだったと思います。
ただ、だからと言って、もっと内装や設えにお金をかけたお店を持てるまで
数年待つのは、腕は確かなので、その期間がもったいなく
できる範囲でオープンしたことは正解だと思います。
一国一城の主として
イキイキと自身の個性を活かしたお料理を提供されているのは
見ていて、気持ちが良い。
これまで現金払いだけだったのが不便でしたが
まもなく端末を導入できるそうで一安心。
次回は半年後に。
ごちそうさまでした。
早春の閃き
2月初旬に再訪。
まだまだ寒くても、暦のうえでは春の始まり。
昨年3月に訪問した際には、春爛漫のお献立でしたが
今回は、冬の名残と早春の閃きが感じられるお皿の数々。
日本の春は、一瞬で春そのものになるのではなく
ある意味グラデーションの色合いのように変わっていく。
日本料理も、その季節の微妙な移ろいを映せることが大切。
・白味噌のお雑煮 海老芋
・蕗の飯蒸し
・広島の猪肉、セリ
・かすご
・大間のなまこ
・宍戸湖のシラウオ、タラの芽を天ぷらで
・(お造り)明石の鯛
・(お椀)毛蟹
・白甘鯛のウロコ焼き
・丸大根、鯛のお出汁で炊いて
・お食事
・ちりめん山椒
・牛肉時雨煮
・香の物
あまおうとデコポン 白ワインのゼリー
お椀の滋味深さと、明石の鯛、お食事の牛肉時雨煮には
星野さんの片鱗が感じられますが、
あとはもう礒田さんオリジナル色がより濃くなりました。。
もちろん、焼き物、揚げ物の腕の確かさは折り紙付き。
器もかなり買い揃えたよう。
支店の立場なら、最初からそれなりの場所で、器も揃えたうえで始められますが
独立で自前となると、出来る範囲のところからのスタート。
でも、一国一城の主で、責任は重いながら自分の好きなようにできる、というところが
礒田さんには合っているようで、活き活きと楽しそうに、お料理と向き合っています。
礒田さんの早春のお料理を満喫できました。
ごちそうさまでした。
去りゆく夏に
5か月ぶりの再訪。
すっかり大将が板についてきた礒田さん。
若い方たちも感じよく。
いただいたのは
(先付)田辺の京茄子
とろろを合わせたところが新しい。
・明石の鱧(湯引き)
下には湯葉。
・新銀杏
・天草の鰻、飯蒸し
地焼きなのは星野さんと同様で、表面はパリッと。
・蒸し無花果
白い和え衣で、無花果の新しい美味しさを引き出して。
・グジととうもろこし
カラッと揚げて。
とうもろこしが嬉しい。
・白イカ、アコウのアライ
お造りは2種にて。
・(お椀)淡路の鱧とジュンサイ
さらなる奥深さを探求すべく、もう一息。
・(焼き物)稲取の金目鯛
予定していた産地指定の鮎が悪天候で入らなかったとのこと。
それは残念。礒田さんも残念そう。
金目は前回も食べていましたが、美味しかったのでよしとしましょう。
・(炊き合わせ)島根の黒アワビ
蒸し鮑をキクラゲと胡瓜とともに。
・噴火湾の毛蟹、オクラ
サラダ風なのが若々しく新鮮。
・お食事
牛肉の時雨煮、じゃこ、白菜の浅漬けは星野さんと同様のラインナップで。
・デザート
大粒のピオーネで〆
少し値上げされたようですね。
ちょうど魚類の仕入れが難しかった時期だったようで
前回(春)のすごい勢いを感じるのは厳しかったですが、技術はしっかり。
去りゆく夏に、最後のタイミングとなるような素材の数々をいただけて良かったです。
ごちそうさまでした。
進化の一途
4か月ぶりに2回目の訪問。
今回はカウンター席で計7名にて。
「3月になって、すっかり春のメニューですよ。」と礒田さん。
若いお弟子さんも感じよく、かいがいしくヘルプされています。
・桜マス、うるい、こごみ
綺麗な薄橙色の桜マスが綺麗。
山菜のうるいとこごみの若草色がマッチし
春ならではの味わい。
・淡路の赤貝、蕗、シャリ
2品目も赤貝の色が鮮やか。
蕗を添え、シャリと一緒に。
礒田さん流の春オリジナルメニューが2品続き、
期待が膨らみます。
・すっぽんの炭火焼き
こちらはシンプルに。
・ぐじと筍の挟み揚げ
これも新しい発想で。
今の筍は鹿児島産。
アツアツでいただきます。
・虎河豚の白子と百合根の茶碗蒸し
さすがのお出汁。
白子に寄り添い、百合根がイイ仕事をしています。
・(お造り)明石の真鯛、宮城のサヨリ。別皿で舞鶴のメジマグロ
明石の鯛は、星野さんでお馴染み。
メジマグロもたまにいただきましたが、サヨリが新鮮な感じ。
器が若々しいイメージで、お魚も映えます。
・(お椀)宍戸湖 シラウオ、筍
ちょうど1カ月前に、星野さんでシラウオのお椀をいただきましたが、
しっかり自分流にアレンジされています。
・(焼き物)稲取の金目鯛の鱗焼き
大きな金目鯛で火入れ按配も抜群。
・(炊き合わせ) 筍、タコの桜煮、揚げ蕨、菜の花
筍がまた登場。
筍好きとしては、超うれしい。
タコも上品に炊けて良いですね。
・能登のなまこ
・(お食事)
筍ご飯と土鍋の白ご飯の2種類も用意されています。
星野さん譲りの牛肉の時雨煮もイイ感じで。
ちりめん山椒 香の物、赤出汁
筍ご飯が食べられて、シアワセ。
・デコポン 白ワインゼリー
最後はデコポンでさっぱりと。
もうすぐ、星野さんから巣立ち、こちらをオープンされて1年。
早かった!というご感想でしたが
この1年で、かなり良い方向性でのオリジナリティを発揮されつつあり
それぞれの一品が、きちんと美味しい。
すでに、予約がたくさんの人気店ですが
星野さんにいらした頃からの
ひょうひょうとした良い意味でのマイペースさが
重圧を感じることなく、新たな道を切り拓いていかれている気がします。
次は夏の終わりに。
今後が一層、楽しみ。
ごちそうさまでした。
伝統と個性の狭間
初めて礒田さんにお会いしたのは、星野さんの移転前のお店に
一番弟子として入られた時。
それまでお料理は星野さんのワンオペだったので
星野さんがとても嬉しそうで、ニコニコされていたのが昨日のことのよう。
その、星野さんとこのお兄さんが、4月に独立。
人形町というのが、ちょっと意外かな。
準備が大変だったと星野さんから聞いていたので
少し落ち着いてから・・・と思っていると
6月に星野さんに行くと、もう秋まで予約がいっぱいとのこと。
あらら・・・と連絡し、予約がとれたのが11月初旬。
満を持しての訪問。
外で礒田さんが待っていてくださいました。
店内に案内いただくと、L字型のカウンター席が8席。
手前には、使っていないようでsが、4人掛けのテーブル席も。
思わず「あっ、星野さんより広い!」
礒田さん「そうなんですよ。大将のとこより〇△ m2広いんです。」
とちょっと誇らしげに。
カウンターは檜とか高級ではなく
ほとんと居抜きの感じですが、若いスタートで一国一城の主なのですから
これでいいでしょう。
また、8席あっても、6席のみ使用。
星野さんも、師匠の西さんから「当分、6席でやりなさい」と言われ
予約困難店になっても、かなり長いこと、それを守っていました。
あら、お弟子さんがおふたり。
開店7か月で、これは恵まれていますね。
責任もありますが・・・。
松茸は終わり、蟹は翌週からというタイミング。
前週伺った星野さんと同じ条件で、何がいただけるのか楽しみ。
小蕪と京菊菜の炊き合わせでほっこりスタート。
大分のカマス棒鮨はオリジナル。銀杏と紅葉の葉を添えて秋らしく。
真鱈の白子は初物。
・湯葉と京水菜のイクラ添え
・スッポン焼き
・富田林産の海老芋
・コハダ、辛味大根
星野さん直伝。
みな、オープン7か月としては、もちろん合格点ですが
海老芋は、伝統の一品で
お口のなかで、ふわっと広がる幸福感が・・・
なんて抽象的ですが、これから年月をかけて
磯田さん流に突き詰めてほしい。
(お造り)明石の鯛と小柴の墨烏賊
(お椀)対馬産の穴子の白焼きと大根
(焼き物)銚子産の金目鯛のウロコ焼き
・ぐじの蕪蒸し
柿なますでお口直し。
(お食事)合鴨無農薬栽培のお米の白飯、赤出汁、牛肉の時雨煮、ジャコ
星野さんと同じラインナップ。
時雨煮は今一歩。
新イクラでイクラご飯に。
おこげもいただきました。
デザートがシャインマスカットなのが、新感覚。
星野さんから「うちのシンプルなお料理にひと手間かけた感じ」
と伺っていましたが、この日のお献立は、王道でオーソドックス。
星野さんからの伝統も活かしながら
新しい個性も・・・というのは、言うは易し、行うは難し。
もう人気店になっていますが、じっくりと取り組んで・・・
礒田さんなら、やってくれるでしょう。
星野さん直系で、「京味さんの孫弟子」という呼ばれ方には違和感。
星野さんのお客さんでは最後の訪問だったそうで
出遅れて、失礼いたしました。
次回の春の訪問を楽しみに。
ごちそうさまでした。
Restaurant name |
Isoda
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---|---|
Categories | Japanese Cuisine |
Phone number (for reservation and inquiry) |
03-3527-3116 |
Reservation Availability |
Reservations Only |
Address |
東京都中央区日本橋人形町2-6-11 五十番ビル 2F |
Transportation |
2 minutes walk from Ningyocho Station A3 exit 53 meters from Ningyocho. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget |
¥30,000~¥39,999 |
Budget(Aggregate of reviews) |
¥30,000~¥39,999
|
Method of payment |
Credit Cards Accepted Electronic money Not Accepted QR code payment Not Accepted |
Number of seats |
8 Seats ( Counter seats: 8) |
---|---|
Maximum party size | 8people(Seating) |
Private dining rooms |
not allowed |
Private use |
OK |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables |
Parking lot |
not allowed |
Occasion |
|
---|---|
The opening day |
2021.4.15 |
5か月ぶりの再訪。
新ばし 星野さんから独立されてからはや3年。
ふたりのお弟子さんが手を加えるお皿も多くなり、ご主人としての貫禄も出てきた感。
今回は初夏のお料理で。
・白イカの細造り
ガラスの器で清涼感のある一品からスタート。
紫蘇の花が可愛い。
・生カラスミの飯蒸し
錦糸卵の下には生カラスミとお米。
生カラスミがさすが。
・焼きスッポン
山椒とともにシンプルに。タレも良い感じで。
・炊茄子
上には鰹節がたくさん。出汁が効いています。
・おこぜの唐揚げ
2種の大根おろしとともに。
(お造り)愛媛の白甘鯛、舞鶴のトリ貝
今の時季で、良いものを。
(写真撮り忘れ・・・)
(お椀)冬瓜と閖上のウナギ
お椀でウナギは初めてかも。
・稲取の金目鯛の鱗焼き
蓼酢でいただきます。
星野さんでは、スズキを蓼酢でいただいたような。
・胡麻豆腐の揚げ出し、鹿島のはまぐり
はまぐりが素晴らしく上質。
・お食事
牛肉の時雨煮、香の物、ちりめんじゃこは、開店以来ずっと星野さんと同じ。
それまでのお料理は全て磯田さん独自のものになっていたので、
最後のお食事が出身元へのオマージュなのかな?
・ブルーベリーと枇杷のコンポート
・緑茶
デザートはフルーツでさっぱりと。
春が過ぎ、鮎の季節にはまだ、という少し難しいタイミングでしたが、シンプルながら工夫が感じられる構成。
物価高の影響は免れず、前回よりお値段は少しアップ。
ごちそうさまでした。