五年半ぶりの "生クッキー"
ISETAN 新宿店へ行くと「デメル 伊勢丹新宿店」の前を通るようにしているのですが、人気商品 "生クッキー" は、いつも売り切れ状態であり、「申し訳ございません。火曜日と金曜日に入荷があります。」と、販売員に言われ、『そうか、火火金金火金金ー♪ チャンスは、週二回やってくる。』なのかと、何も買わずに立ち去り、納得するのでした。
・カーキン音頭 河内家菊水丸:https://www.youtube.com/watch?v=QGll4WASqHg
・FROM A と FROM A TO Z:https://www.youtube.com/watch?v=vVKeI4Qg-xM
この日も期待せずにショウケースを眺めていたら、"宝石箱" と呼ばれる箱に入った生クッキーがひとつだけありました。
「十個入りは、生憎、売り切れておりまして、この二十個入り (6,048円 税込) 一箱しかありません。」
「いいんです。それをください。」
・About DEMEL:https://demel.co.jp/about/
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食べ物は "好みの問題" であり、世の中には人それぞれの多様な欲求を満たす多くの店があります。
2019年、二十年ぶりに訪れた WIEN DEMEL 本店は、世界中からの観光客で溢れ、以前のようなハプスブルグの末裔たちが醸す上質な静けさは無くなり、何だかテーマパークのような様相を呈していました。主に聞こえてくる言語はドイツ語であり、地元オーストリア人と隣国ドイツ、スイス東部からの観光客だと思われました。ドイツのケーキはあまり甘くないのですが、ハプスブルグの菓子は結構な甘さです。
ライセンス生産している日本の「デメル」の菓子は、その中間の甘さで、このSNSにおいては、レイティング 3.33 という点数が与えられ、並いる洋菓子オタクからはどちらかというと敬遠されている キガシマス (©︎KYTさん)。これは、私が年中購入している「巴裡 小川軒」(レイティング 3.56) と似た現象です。
どちらの店も洋菓子の基本である "焼き菓子" がおいしく、"通好み" が食べる洋菓子だと思うのですが、 "好みの問題" であり、声高にすればするほど "老害" とか "スノッブ" だとか言われてしまうのでここら辺りで御開きとさせていただきます。
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DEMEL Vienna 本店 の名誉を ISETAN新宿店で挽回する
六月下旬、三ヶ月間のイタリア滞在のトランジット地として選んだウィーンで数日間遊び、思いかけず貴重な体験をすることができました。
今年(2019)が、日本オーストリア友好150周年 http://austrianculture.jp/?cat=170 とはつゆ知らず、ANAのウィーン便が開設されたことを機にイタリアへのトランジット地として選んだだけだったのですが、帰路において五泊六日のウィーン滞在を気儘に楽しみました。https://tabelog.com/rvwr/000124517/rvwdtl/B416578024/
唯一残念なことは、「DEMEL Vienna 本店」が20年前に訪れた時に比べ、テーマパーク化してしまい世界中からの観光客で溢れ、カフェ文化の街ウィーンの雰囲気が壊れてしまったことです。店内もしくは店舗前道路に設けられたテラス席に座るためには、長蛇の列に1時間以上も並ばなければならず、仕方なくケーキを買ってホテルで食べたのですが、これも私の口に合いませんでした。
https://tabelog.com/rvwr/000124517/rvwdtl/B89558813/
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この日、ISETAN新宿店に用事があり、久しぶりに「デメル 伊勢丹新宿店」でケーキを買いました。私はここの "生クッキー" が大好きなのですが、今回は次に好きな "キリッシュタルト" と "プラリネクリームとアプリコットのケーキ" を選びました。
日本における DEMEL は、本店のライセンスを取得したデメル・ジャパン株式会社が製造しています。ザッハトルテも本場ものより穏やかで食べ易く、日本人向けに作られている キガシマス (©︎KYT氏)。
"イタリア贔屓" の私は同時に "ドイツ贔屓" でもあり、日独伊三國防共協定ではありませんが "ものづくり" に長けた三つの国が連携すれば "ことづくり" が上手な国々から一目置かれ、世界から尊敬される国になるのではないかと34年前に考え、息子を4年間ドイツに送り、娘はイタリアに住むようになりました。WW2の敗戦国日本が世界の盟主国になることは未来永劫あり得ないのですから。
と、いうことで我が家には グラッパ(Grappa) の瓶もゴロゴロしていますが、シュヴァルツヴァルト(Schwarzwald、黒い森) 地方に住むドイツ人からいただいた キルシュヴァッサー(Kirschwasser) も封を切っていない瓶がたくさんあります。
デメルの "キリッシュタルト" は、このサクランボ (Kirsche) から作った蒸留酒にダークチェリーとサワーチェリーを漬けて作った二種類のサクランボが載っているケーキです。アルコール分は飛び、甘過ぎず爽やかな酸味とサクランボの香りが口の中に広がり、タルト生地、ダークチョコレート、生クリームと一体化したおいしさは本店の生ケーキを凌ぐ出来です。おいしい!!!!
(オーストリア/墺 はドイツではありませんが、ドイツ語文化圏ということでご容赦ください)
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これぞ、ウィーンのカフェ文化で培われたスイーツです。
【3回目のコメント】
二種類のサクランボを使ったキリッシュタルトの写真を追加しました。
ウィーンの香りがすると言っても生ケーキをオーストリアから空輸するわけはありませんので、日本のどこかで作っているのですが、このサクランボの洋酒漬けの香りとショコラの匂いを嗅ぐとウィーンのカフェに立ち寄った記憶が蘇ってきます。果物の香りとリキュールやワインの香りに深煎りカフェの匂いが混ざった店の空気です。
ヨーロッパの中世から近世までを支配したハプスブルク家を戴いて栄華を極めた中心都市ウィーンには、現在も様々な民族が行き交っていますが、特に年配の方々の立ち居振る舞いは歴史を感じさせる優雅さを感じさせます。そんなカフェの文化を代表する店がDEMELです。美術史美術館で教科書に出てくる絵画を鑑賞した後、ホーフブルグ宮殿を抜け、シュテファン大聖堂に向かって歩くと左側にDEMELの本店があります。
飛行機でひとっ飛びですから、ウィーン国立歌劇場やウィーン学友協会のチケットを入手して週末を楽しんできたい気持ちにさせるキリッシュタルトです。
【2回目のコメント】
ここの生クッキーは絶品ですが、その他、焼き菓子、チョコレート、生ケーキも美味しいです。
ウィーンのケーキといえば私の大好きな“ザッハトルテ”となりますが、食感が苦手な人も居るようです。
そんな方には、この時期の生ケーキ“キリッシュ”がお奨めです。
二種類のサクランボを生クリームとチョコのスポンジケーキに載せた逸品です。
キリッシュの香りが鼻をくすぐり、生クリームとチョコのスポンジケーキが滑らかに舌を滑っていきます。
【1回目のコメント】
ウィーンは、カフェの文化が息づいている街です。
同様に パリ、ブリュッセル、トリノなど カフェが盛んな街では、美味しいチョコレートが育まれています。
長らくこの売店の前を通り過ぎて、ザッハトルテが気になっていたのですが、買わずじまいでした。
今年の初めに意を決して、ザッハトルテとキリッシュタルトを買って食べてビックリ!
上品な甘さのクリームと香り豊かなチョコレート、さくっとしたビスケット、そして口当たりの良いキリッシュ。
どうして、早く買わなかったのかと後悔しました。
この写真の生クッキーの中には、マジパンの入った物もあり、大きさに負けない存在感のあるスイーツです。
食後でも、テータイムでも、食後酒と一緒でも、いただくことが出来ます。
Restaurant name |
DEMEL(DEMEL)
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Categories | Chocolate、Cake |
Phone number (for reservation and inquiry) |
03-3226-1390 |
Reservation Availability |
Reservations available |
Address |
東京都新宿区新宿3-14-1 伊勢丹新宿店 B1F |
Transportation |
地下鉄新宿三丁目駅から徒歩すぐ 78 meters from Shinjuku Sanchome. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget(Aggregate of reviews) |
¥1,000~¥1,999¥2,000~¥2,999
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Method of payment |
Credit Cards Accepted (VISA、Master、JCB、AMEX) Electronic money Accepted |
Table money/charge |
なし |
Number of seats |
( テイクアウトのみ) |
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Private dining rooms |
not allowed |
Private use |
not allowed |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables |
Parking lot |
OK |
Occasion |
This occasion is recommended by many people. |
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Service |
Take-out |
With children |
Kids are welcome |
Website |
「甘味 (スイーツ)+アルコール」の三連荘 (一幸庵 → 京菓子司 仙太郎 → DEMEL) です。
この "生クッキー" ほどアルコールに適した小菓子はありません。WIEN本店「DEMEL Vienna」
https://tabelog.com/rvwr/000124517/rvwdtl/B89558813/ では見掛けなかったので、これは日本のアルコール好きなパティシエが考案したのではないかと思わせます。どちらにしてもカフェ文化の進んだWIENのことですから、「Confiserie de Vienne
」https://tabelog.com/rvwr/000124517/rvwdtl/B416721403/ 菓子店のようにグラッパやマールに合わせる小菓子を売っている店はたくさんあります。
「デメル 伊勢丹新宿店」では、火曜日と金曜日に "生クッキー" の入荷があります。ぜひ、この「宝石箱」の蓋を開いてひとつずつ異なる味と香りをお好きなアルコールで "ゆっくり" 召し上がってみてください。心豊かなひとときを過ごすことができます。決してムシャムシャ噛み砕いてはなりません。
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