和幸/真ん中の話
南北戦争に似た名前のメトロを今日は捻り、今度は飯田橋で大江戸温泉に似た名前のメトロに乗り換え東新宿駅つてとこで這い出たらいきなり ! ぼくにとっては馴染みの、何の面白味もない明治通りだったことに一寸面食らう。
ご飯処フロンティアを目指したのだが、単純に言って、これではただ歌舞伎町を外れた寂しいところに出てしまっただけで、結局無駄に性欲を刺激されながら歌舞伎町を突っ切り、復活した新宿サブナードへの潜行を試みる
<R4.10.2>
「とんかつ 和幸 サブナード新宿店」
午後12時半。何故か訪問歴の見つからなかったぼくのかずゆきへと突っ込むが、初訪問となろうか。
かずゆきを制覇することがぼくの夢だとは、微塵も思っていない。大昔、と或る“小さな居酒屋”が、静岡の本店以外都内に30店舗前後ほど構えていた頃だったろうか。
その“制覇”を目論んだ、ぼくのママに言わせれば“〇〇屋オタク”の人たちが、ぼくの縄張りのお店にもぐるぐると回って来て、その中の一人がとうとう店長となってぼくの目の前に現れたが(笑)、それも“ミイラ取りがミイラになった”ってことで合ってますか ?
皆まで言わないけど、その店長は店長になっても客気分が抜け切らず、アルバイトの女の子とのおしゃべりに常に夢中、且つ命懸け、だから当然仕事なんかそっちのけ ! という、“小さな居酒屋”史上最悪の店長として私の心に鮮やかに君臨し続けているから、ぼくもかずゆきにのめり込むことを、自ら警戒しているのかも知れない
カウンターでもよろしいですか ? と問われ、素直にその端に着席。
カウンターといってもセルフ式喫茶店のような対向型で、すぐに 非常にファッションセンスの高い、モデルじゃない ? と思われるエイジア系の美女が真正面に着いたとき、ぼくはそこはかとなく神様に感謝した。
やおらメニュウを広げれば、いつもぼくがプリンス(北区王子)でやっている茶碗蒸し付きメニュウなど、2,000円に届いているではないか !
それが新宿価格なのか、あるいはグループ全体で価格改定が謀られたものかは分からないが、尻込みして、速やかにほかの頁をあたりはじめるぼく。
やおら「お待ち2名様で~す」と、ホールの彼が誰にともなくつぶやいた ……
“潮” @1,680也。
一口ひれかつ・海老フライ・北海道産マダラフライ・カニクリームコロッケ
その北海道産が断面も顕わに白日の下に晒されたとき、ぼくは、ああっ ! これじゃタラの皮を剥がすことが出来ないじゃないか ! と途方に暮れた。これが湯豆腐ならばタラの皮を除けてやることが出来るわけだが、フライになってしまっていると、これはちょっとキツい。
しかしながら一旦ガブりといってしまえばそれは案外気にならず、かずゆきでのいつもどおりの自分をすぐにとり戻し、freeのご飯をお代わりする為にはこの充実したおかずをどう分配すれば良いか、その計算にただ没頭していればただそれだけで倖せが約束されるという、どうしようもなく単純なぼくであった ♪
お腹いっぱい夢いっぱい気分に微睡んでいると、隣でbeerをやっていたおじさんが去っていったと思ったら、真ん中だけが食われ、両サイドだけが残されたとんかつの死骸を発見 !
クマやライオンが人間を食べるときも、一番美味な内蔵だけを食べてあとは残される場合が多いと聞くが、私はそこで、王子の或るそば屋を思い出してしまった。そのお店は兎も角酷く、そのことをヨコハマタイヤ飲食店ガイドブックの次に権威ある食べグロというRestaurant総合サイトで世に問うてしまったことがあるのだが、憐れその投稿は、事実が確認出来ない事象ということでバンされてしまったのだ !
私がそこで憤りを感じたことは、その店にいけば必ずや何らかのかたちで不適合再現性があるのに(笑/ほんとだよ)、行きもしないで事実が確認されないと決めつけ、私の信念の投稿があっさりとなかったことにされてしまったこと !
とexciteしてしまったが、私が今ここで言いたいことはそれぢゃなく、その怒りを王子の重鎮であるマスター(bation)に吐露したところ、そのそば屋でかつ丼を注文すると、カツの真ん中一切れが必ず抜け落ちてくるという衝撃の新事実が発覚したのだ !!
そのことに訝ったマスターが「真ん中のあるかつ丼をください !」というと、店主は悪びれることもなく「上(じょう)ですね!」と言い放ったという ……
私はカツが苦手で守備範囲外なのだが、今瓶beerをやっていたおじさんが、カツの両サイドだけをきれいに残していったところを見るとこれはまさに !
“トンカツの真ん中”はカツ好きの人たちにとって特別な価値を持つということが、私にさえはっきりと見えてこようというもの
Restaurant name |
Tonkatsu Wakou(Tonkatsu Wakou)
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Categories | Tonkatsu (Pork cutlet) |
03-5269-0433 |
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Reservation Availability |
Cannot be reserved |
Address |
東京都新宿区歌舞伎町1 新宿サブナード 地下街 |
Transportation |
西武新宿線【西武新宿駅】徒歩1分 160 meters from Shinjuku Nishiguchi. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget(Aggregate of reviews) |
¥1,000~¥1,999¥1,000~¥1,999
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Method of payment |
Credit Cards Accepted Electronic money Not Accepted QR code payment Accepted |
Number of seats |
58 Seats |
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Private dining rooms |
not allowed |
Private use |
not allowed |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables |
Parking lot |
OK 新宿サブナード駐車場:有料400台 |
Space/facilities |
Comfortable space |
Occasion |
This occasion is recommended by many people. |
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Service |
Take-out |
Website | |
Remarks |
FAX:03-5269-0433 |
GWもよく天気が持ったと思ったが、残念ながら最終日で雨に。
ずっと腰の痛みを引きずる連休となって、痛風発作のときにもらった痛み止めを飲めば数時間後に痛みが沈静化することは分かっているのだが、ほんとうの痛風発作のときに医者に行って、また怒られながらその処方箋をもらわなければならないと考えると、安易に手持ちの薬のストックを減らしたくなく。
しかし背に腹は代えられず、お昼ご飯を食べて今日2回目を飲むつもり ……
<R5.5.7>
「和幸 サブナード新宿店」
雨ならば新宿の地下。
とのナントカのひとつ覚えでサブナードのRestaurant街を覗いてみる。すると「かずゆき」には今日も野郎独り紛れ込むくらいの席は空いているようだが、入り口に回ってみたらどうなるか、と思って恐る恐る目の前まで行ってみれば、幸い今日は待ち客は座っていないよう。
これはlucky ! と思いながら、目が合ったホールの男性に人差し指を一本立ててみたところ、その男性は私をちょっとタンマさせ、わざわざ記帳ノートを確認してから、それがクリヤだと見るや悔しそうに(違うでしょ !)、私を空いているカウンターへと誘ってくれた
とはいえ両サイドには先客が着いており、その狭間に腰を据える格好。
鞄を床に置いたら右手の女性から肩を叩かれ、荷物用のバスケットがありますよ ♪ と空いていたそれを私に滑らせて来てくれるのだが、その女性だと思っていた人が実は男だと気付いた瞬間 ! 大きなお世話だわ ! という気分に襲われる(人間として何ら間違ってないですよね、ぼく)。のだが、人の好意を無にするのもなんなので、素直にありがとうございますして鞄をそこへ収めた。
そして気を確かに持ってメニュウを広げるわけだがそこでまたしても !
―― うわぁ ! 一番高い定食がとうとう2千円超になってるじゃん !
“葵” @1,630也。
未だに“レディースセットだが男性でも注文可能”と謳われるこの表記は、他所の「かずゆき」ではもう見ないと思っていたのだけれど、これは過去の遺物なのではなかろうか。
最近ではお手洗いもジェンダーフリーなんだから、品書きもちゃんとジェンダーフリーメニューにしておいてくれたら良いのに、と思いつつ、ジェンダーフリー茶碗蒸しの蓋をそっとはずすぼく ……
ほんとうはお新香にしょう油をかけたいのだが、卓上にしょう油が見当たらなかったことは、「かずゆき」さんでは初めてと思うが、これももしかしてスティルス値上げというやつであろうか ?
実値上げの上にこうした目隠し値上げを積み上げることでお店の収益を極限まで引き上げるという、この涙ぐましい企業努力に全米が泣いた !
―― じゃあ、南米はどうなの ?
ともあれ無事にご飯としじみ汁をお代わりしてご満悦 ♪
お腹いっぱい、地下から直結のショッピングビルを上昇下降したりしつつ映画までの時間を稼ぎ、ニコマート映画館にて「不思議の国の数学者」という韓国映画を鑑賞。
エリート私立高校で用務員のおじさんをしている、生徒たちから「人民兵」とバカにされている脱北者のほんとうの姿は、数学の世界で人類が160年かけて尚解き明かすことの出来ないまんまの「リーマン予想」という仮説の証明にあと一歩まで迫るほどの天才数学者で、そのおじさんと、成績不振で担任から転校を薦められている落ちこぼれ苦学生との、親子のような友情の描かれる、とても印象深い映画であった
クライマックスのシーンでその男は、全校を挙げたイベントである数学大会の試験問題流出の犯人に、しかも担任教師の手によって仕立て上げられようとしている少年の潔白を晴らす為、ひた隠してきた自分の素性を白日の下に晒し、大会賞授与式で大勢の生徒、教師の前で渾身訴るのだが、そこで強く心に残ったことは ……
それは、自分の数学が武器開発の為に使われることに幻滅して南に渡ってくれば、今度は数学が進学や就職を有利にする為だけに使われている ! そこには学問の自由などなく、数学が本来持っている美しさなどどこにもない ! いったいこれは何事か ! と憤るところ。
こういう映画をぜひとも、世界一のスーパーコンピュータに“つばの飛び方”を計算させた、どこか知らないけど、東のほうにある島のバカな国民たちにぜひ観て欲しいと心底願ったわ。
まあ、そ~ゆ~人たちに観せたって、結局何も響かないんだろうけどね ……
Q.E.D.