第一印象で判断してはいけない : Mino Ya

評価の分かれるお店だと思います。私は買います。

しばらく前の昼過ぎに、こちらのお店に寄りました。年配の女将さんは入店した私に目もくれず声もかけず、何やら作業をしていました。だめだこれは、と思い、別のお店に向かいました。その時の印象は、もちろん良くありませんでした。
この日のお昼前、再訪しました。いつも、地下に降りる階段の入口にメニューが出ているのですが、この日は出ていません。それでも階段を降りると、その女将さんが小鉢の盛りつけをしていました。
ーやっていますか？
「今何時？」
ー11時37分です
「もうそんな時間か…もう少しでご飯が炊けるけど、待てる？」
私の来店と共に営業開始、という感じです。
この日の日替りは豚肉生姜焼。女将さん、各卓に冷水のポットを置き→コンロに点火し→棚から玉ねぎを取り出し切り→たまにスマホを見→冷蔵庫から豚肉を…（以下略）と、効率的とは言えない順序でお店を立ち上げていきます。
徐々に後客さんが来店。徐々に見えてきた、この店の心得。
・女将さんは作業に没頭するタイプ。入店時声を掛けられなくても、気にせず席に着けば、いずれ注文を聞きに来てくれます。（以前の私はここで挫けた）
・1クールの調理は約4～5食。そこに入らないと、結構待たされそうです。また、日替わり以外を頼むと、そのクールからさらにはじかれるので、更に待たされそうです。
・潔癖な方は調理過程を観察しない方がいいです。
・出来上がりが近くなると、「悪いけど取り来て」…セルフ配膳です。
女将さんが小柄な体で時折鍋を振るいながら焼き、皿に盛りつける際に手でちょいちょいと整えられた生姜焼き、何故か2台の炊飯器からブレンドされたご飯、温泉卵。ボリューム十分で美味しかったです。
会計時、女将さんと会話。
「どうだった？」
ー満足しました。ご飯はブレンドしてるのですか？
「ブレンドってわけじゃないけど…
　待たせてごめんね。また来て」
うわべの愛想より、深く心に響きました。