極上サワー。
六本木は"パトゥ"。
少量多皿で有名な中華seriesの目と鼻の先にあります。
大好きなメゾンドゥラメンヌというベーカリーもすぐ近く。
階段を上がり扉を開ければこじんまりとしていながらなんとも味のある佇まいな空間がこんばんは。
シェフがたった1人で作り上げるようでカウンター越しいらっしゃいました。
今回のメニューは、
余市産あん肝のロワイヤル ゴボウのブルーテ
氷見産寒鰆の藁燻 焼き大根
赤玉ねぎソース コリアンダーの香り
舞鶴産真鯵 北海道の赤ウニ 黒トリュフバター
長万部産ほっき貝 紫キャベツ トマトバルサミコ
余市産毛ガニのポシェ 有機子かぶのリゾット
余市産あんこうのポワレ
旭川産仔ひぐまのロースト ヘーゼルナッツソース
ジャラハニーアイス レモングラスのジュレ
山形県須田果樹園のラ・フランスのムース
あん肝のロワイヤル、あん肝の密度が高くて素敵。
茶碗蒸しのようなトゥルンとした滑らかな舌触りにエスプーマの消えゆく余韻を楽しみます。
ゴボウの和な香りが実はトリュフとの掛け合いでしっかり縁の下の力持ちな役割を果たし、全体をコーディネートしているようでした。
鰆、燻して旨みがギュッと詰まった鰆。
赤玉ねぎソースでさっぱりといただきます。このオリーブオイルとソースのタッチがとてもよく、どこかスパイシーさも感じるような軽やかな仕上がり。コリアンダーの香りが相まってそう感じさせているのかもしれません。
パンは普通、あまり小麦の香りがせず印象にありません。
とても軽いのが特徴的。
大人のフレンチ版高級サンド、真鯵とトリュフとバターの三段重ね。
パンが少々切りずらいことを除けば夢のような地層です。
パンが水分を吸わないようにバターでコーティングししかもそのバターもトリュフバターという抜かりなさ。
少々鯵の存在感が薄めですが、用いる素材のセンスがよく美しい調和です。
ほっき貝はトマトとバルサミコの酸味を全面に出したソースで。
ほっき貝の旨みという旨みが凝縮さており、ズシッとしていながらも後味爽やかな濃厚ソースとともに頂くと紫キャベツとのビビットな酸味の相乗効果で随分罪な味です。
毛ガニのポシェ、贅沢だなあ。毛ガニがドンとリゾットの上に陣を取っています。かぶの葉っぱのソースで見た目も鮮やかで楽しく、蟹の甘みという甘み、旨味という旨味を最大限に感じるがごとく比較的穏やかな味わい。
あんこうのポワレ、頬の部分もいます。
ちょっと美味しすぎやしませんか?なんなんですか?
今でも舌に焼き付いて離れませんが。
シェリービネガーのソース使いが巧すぎるが故、量としては割かし多めですがペロリ。
あんこうの火入れが素晴らしいですね。
外はカリっと中はフワッとしっとりと。
土台に敷かれた春キャベツがしっかりとソースを纏っており酸味が非常に心地よい。あんこうと交互に食べるとひと皿でお口直してきな要素もありこれは忘れられないひと皿となりました。
お肉はなんと熊さん。ヒグマです。
theジビエのような野性的な香りや食感ではなく、割かしソフトな歯触り。
今年度は、大好きなクマが食べられないんじゃないかとしょんぼりしていた訳ですが大満足。
アヴァンデセールはジャラハニーというはちみつのアイスクリーム。
これが相当美味しくてたまげました。
口あたりとても滑らかはそうなんですが、妙に艶っぽくエロスすら感じるアイスです。それにレモングラスのどこかアジアを思わせる香りが舞い込み脳への刺激が強すぎました。
からのグランデセールはラ・フランスのムース、なんですがちょっとデセールのレベルが高すぎる件。
甘さはしっかり存在しているのですが、後を引くのは甘ったるさではなくラ・フランスの爽やかな香り。
たった1人でデセールまで作り上げるとは度肝を抜かずにはいられません。
ハーブティーを飲んでfin
変わった派手なことを取り入れているわけでもなく、かと言って太い古典的な線でもなく、シェフの遊び心やセンスが随所に取り入れられているありそうでないフレンチと思います。
特に酸味使いは素晴らしく、サワーな味覚がラブなわたしにはツボでしかない。
極上サワー。なんのこっちゃですが。
最高です。
てか、早く再訪したい。
ご馳走様でした。
PS お店で販売していたオリーブオイルもちょっとスパイシーで様々な食材と合うので皆さんもぜひ。
Restaurant name |
Patous(Patous)
|
---|---|
Categories | French、European Cuisine |
Phone number (for reservation and inquiry) |
03-6807-4820 |
Reservation Availability |
Reservations available
電話予約は、営業時間を避けてご連絡いただけますと幸いです。 |
Address |
東京都港区麻布台3-4-14 麻布台マンション 1F |
Transportation |
東京メトロ「六本木一丁目駅」2番出口より徒歩8分 518 meters from Roppongi Itchome. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget |
¥15,000~¥19,999 ¥8,000~¥9,999 |
Budget(Aggregate of reviews) |
¥20,000~¥29,999¥10,000~¥14,999
|
Method of payment |
Credit Cards Accepted (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) Electronic money Not Accepted QR code payment Not Accepted |
Table money/charge |
なし |
Number of seats |
8 Seats ( テーブル8席) |
---|---|
Maximum party size | 10people(Seating) |
Private dining rooms |
not allowed |
Private use |
OK Up to 20 people |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables |
Parking lot |
not allowed 近隣にコインパーキングあり |
Space/facilities |
Stylish space,Comfortable space,Wide seat,Free Wi-Fi available |
Drink |
Wine,Particular about wine |
---|---|
Food |
Particular about vegetable,Particular about fish,Healthy/beauty food menu,Vegetarian menu |
Occasion |
This occasion is recommended by many people. |
---|---|
Location |
Secluded restaurant |
Service |
(Surprise) Party accommodations,BYOB |
With children |
Kids are welcome
お子様のご予約は事前にご連絡ください。 |
Dress code |
スポーツウェア、ショートパンツ、サンダルでの入店はご遠慮いただいております。 |
Website | |
The opening day |
2020.8.13 |
Remarks |
※貸切予約ご希望のお客様は、人数・ご予算などお気軽にご相談ください。 |
好きなフレンチレストランのひとつです。クラシカルなのにどぎつさがなく、大好きな酸味を巧みに操る山口シェフの冷たい桃のスープが始まったと聞き訪問。
今回はキャンセルがあったとかで貸切空間でした。
ここのお店の素敵ポイントは、シェフが最初から最後まで一人でコースの全てを作ること、そしてそれが間近で見られる(上座なら)こと。これはなかなかありそうでないですね。
スペースの距離感も然ることながら、シェフがお腹の方は大丈夫ですか?と伺って下さる心の距離感も嬉しいです。
コーンムース トマトジュレ
滑らかで甘さをたっぷり含んだトウモロコシのムース、これに甘酸っぱいトマトとの糖度と酸度が混じり合います。消え入るような口当たりがたまらない。
猿島沖の真鯵と余市産ムラサキウニのタブレ
赤玉ねぎソース
酸味の旋律が暑さにバテたカラダには心地よく、するすると食べられます。ウニでこってりになるかと思いきや、ハリのある味わいで美味しい。
長良川産天然群上鮎のパートブリック包み
きゅうり 大葉紫蘇のソース
このパートブリックのシートは手作りでしょうか、分かりませんが、薄く、だけどパリッとした力強い食感があり気持ちいいです。紫蘇ときゅうりの夏の名コンビな組み合わせが鮎に合わないわけはなく、鼻腔を気持ちよく刺激するとともに軽やかな酸味で食欲を掻き立てます。
噴火湾の毛蟹とジロール茸のリゾット
見た目で完全に美味しいが確約されたお皿。
分かりやすい旨味成分が口の中いっぱいに広がります。カニの強い甘みが妙にしつこく感じる時がありますが、ちょうど良い頃合のうまさの引き出し方で、唸らずには居られません。
岡山産清水白桃とセロリの冷たいスープ
きました、マイレビさんの投稿を見てからずっと気になっていたお料理。もはやこれを食べるために来たのですが大優勝。セロリのスパイシーさと桃の甘さが本来であれば全く別の味覚であるにも関わらず、バランスに秀でた妙味な味わいに着地しました。すっきりとスタイリッシュな香りを纏わせつつ桃のリッチな甘さ、そしてシャリシャリと音がする0.5歩手前まで冷やされたスープは、猛暑の中なんとか生き抜いた自分への最高のご褒美となりました。
五島産突きの神経締めのすじあらのポワレ
ホワイトバルサミコソース
当店はお肉も美味しいですが魚が最高に美味しい。
酸味をどの料理にも忍ばせているのにどれひとつ似通ったものが無いのです。
魚の火入れ加減も素晴らしいの一言に尽きるのですが、やはり肝であるソースが美。濃厚な口当たりでちょっと強めな酸味感ですが、この魚に絡ませると驚くほど完璧なマリアージュ。まさに本で見るような絵面みたく焼かれた皮目に絡ませると、香ばしさを包み込むように酸味が溶け込みます。
下に敷いてあるトロナスもナス好きにはたまりません。
フランス産子牛フィレのロースト 温野菜
お肉の筋とフォンドヴォー、そして白ワインで作った一見シンプルに見えて深いコクが齎されたソース、これがウマウマですね。泣けてきます。
しっとりと妖艶さを感じる肉質及び焼き加減であり、メインの牛も場合によっては悪くないのかもしれないと思い始めました。
山梨産夢みずきとすもものソルベ
伊勢のパッションフルーツとそのジュレ
パッションフルーツとすもものビビットサワーな感じ、たまらなく美味しいですね。最高。
底に柔和な甘さの桃が配合されることによって角の取れた仕上がり。計算づくめなデザートです。
ココナッツブランマンジェ 沖縄マンゴー
東南アジアを想起させるエキゾチックな味。マンゴーとココナッツはおしどり夫婦のようなものですね。
柔らかでなめらかな舌触りが心地よく甘さ加減も絶妙でした。
大変に大満足で大変です。
冬も美味さに痺れましたが、夏はちょっとホームランをかましすぎな完成度です。
今回はキャンセルが出てしまい、ゲストは私たちだということもありましたが、一人で作ってらっしゃるのに皿出しのペースもちょうどよく。それなのに一つ一つのお皿に抜かりなく旨みの移ろいや余韻が感じられるなんて。
1人でも訪問したい大好きなお店です。
ご馳走様でした。