客が店をつくるのだ
四ツ谷というとここしか頭に浮かばない短絡思考化を老化と呼ぶのかもしれないがピンで行くも連れと行くもよし。
界隈でお仕事フィニッシュと同時に「呑助さん、ここいらでどこか手軽に?」と聞かれて「ここ!」
とほぼ延髄反射で答えてしまう。
幸い早めの時間で奥のテーブルを3人で陣取る。
関西からの客人はこのスタイルが珍しいらしく甚(いた)く喜んでもらえたが。
先ずは瓶ビールで喉を潤し、花浴陽、五橋、一歩己と流れる。
カウンター右端、受け渡し場兼支払い場所で差し出されるコップ酒には、まずお迎えに行って無駄にこぼすことなかれ!
10種類程度揃う各種アテはどれも熟(こな)れたものであるから外れは無し。
徐々に客が増えるとも立ち飲みの流儀を心得ているベテランばかり。
従来の光景が戻ってきたことが何より嬉しい。
鈴傳 ~四ッ谷 対 旧虎の門比較
言わずと知れた酒屋が経営する日本酒中心の立ち飲み屋だが実は今回が初の訪問である。
一方虎の門の金毘羅さんの近くに当店と同名の店があった(老朽化を理由に'08/4に閉店した模様)
もちろん当店と同一店主の経営だったのだが、こちらの立ち呑みスタイルに対して虎の門は丸椅子の相席当然
の雰囲気の店であった。
*追記:店主=社長は磯野元昭さんでした。
ここ四谷店から選りすぐりの40種程度の銘酒を当時都内でも廉価で呑ませる店は貴重だったので、95年~2000年
頃はほぼ週一ペースで顔を出していたが、手取川山廃\380(一合)から高くても出羽桜の吟醸が最高\600(同)で
築地で仕入れる刺身と豆腐を看板に、おから\250~最高値の刺身でも\900程度とあれば混雑は必至の店であった。
意外に狭いこちらに対してあちらは大箱でもう弥次さん喜多さん、資さん角さんもいらっしゃいてな盛り上がりで
50席の店内はいつも異常なまでに(日本)酒の匂いが充満していたものだ。
酒に弱い人だと店内の空気を吸っているだけで酔うだろうと思われるほど空気中のアルコール濃度は高かったと
記憶している。
現にベテラン(60歳前後)の男女店員さんは、始終この濃い空気を吸っていたためかラリっていたようで
オーダーは3品程度しか一度に通らないので我々の間では8ビットの店員さんと呼ばれていた(爆)
この調子だからオーダーミスは頻繁におきるのだが常連客がそのあたり注意していて
「そのオカラ、こっちでもらうよ」とか「ちょうど〆鯖を頼もうとしてたんだよ」とどっちが店側なんだがなぁ
という状態であった。
社内の若い酒好きの子でも連れて行くと、「社長~(おばさんは誰にでもこう呼んでいた)、可愛い子連れてる
じゃない?? はい、これお嬢さんにサービス」とオーダーミスした品が多いときは3品くらいタダで回ってきて
思わぬ恩恵に与れるものだと仲間内では必ずかわい子ちゃん連れでいったものだ。
そんな様子を知ってか知らずか痩身長身で穏やかな目をした店主(おそらくこちら本店の店主)は温かく見守って
いてくれたもので、常連はこの店主と店員さんコンビを慕って来ていたに違いないと確信している。
予約不可で到着順入店だったため外で待っていると
「これ呑んでおきな」と小生の好みを覚えていてくれてかラガーの大瓶を入口から差し出してくれたものだ。
これを入口横のビールケースをテーブルにして2本くらい呑んでいると順番が回ってくるてな具合で。
さて、こちらはそんなこともあり得ない少々ストイックな雰囲気が無くもない。
惣菜が並ぶカウンターか、基本的には二人立ち飲み用のテーブルがあるので、大勢で相席ということはない。
特に入口からの3卓は細い通路に並んでいるので必然的に二人呑みしかできない。
お皿を下げようとお姐様が割合鋭い目線で周回するからかは知らないが、30分以内で回転していくようだ。
このお姐様はお運びさんと言うより下げかた専門みたいでオーダーは客自ら狭い通路の右脇、カウンター右端
でのCOO(Cash On Order)システム。この位置関係もあって店内の移動がし辛いのがたまにキズか。
つまみは比較の意味があるかわからないが、虎の門の充実ぶりと比べてみるとやや寂しい気がしないではない。
あちらも店主の体調不良で出勤頻度が落ちると味の変化も顕著になったやに聞いたが、とやかく文句を言うほど
でもない。立ち飲みなのだから。
大瓶(500)、身欠鰊+ポテサラ=750、手取川(450)、南(550)、煮込み(450?)などなど。
小売スペースの階下に降りると3000本の品揃えを誇る大型冷蔵庫が並ぶので(日本酒の種類別に保管温度を
変えてある)ここでお気に入りの酒を見つけて帰るのも良いかと思う。
ちなみに満席だと隣接する小売店側にも樽があるのでそこで4人程度は呑めるようだ。
虎の門はまだベニヤを張って閉じたままですが、いつか復活してあの雰囲気をふたたび呼び戻してほしい。
Restaurant name |
Suzuden(Suzuden)
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Categories | Nihonshu (Japanese sake)、Izakaya (Tavern)、Stand Bar |
Phone number (for reservation and inquiry) |
03-3351-1777 |
Reservation Availability |
Reservations available
予約は取れますが、大人数でない限り必要なさそうです。ただし、18時以降の混みあう時間で6人以上だと、予約を入れた方が無難です。 |
Address |
東京都新宿区四谷1-10 鈴伝ビル |
Transportation |
JR中央線、東京メトロ丸ノ内線・南北線【四ツ谷駅】徒歩3分 190 meters from Yotsuya. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget |
¥1,000~¥1,999 |
Budget(Aggregate of reviews) |
¥2,000~¥2,999¥2,000~¥2,999
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Method of payment |
Credit Cards Not Accepted Electronic money Not Accepted QR code payment Not Accepted |
Number of seats |
40 Seats ( 立ち飲み40席(※2021.11.2.現在、入店制限中。スタンディングルーム側の入口に『満席』の札が出ていたら入店不可。)) |
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Private dining rooms |
not allowed |
Private use |
not allowed |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables 外に灰皿あり |
Parking lot |
not allowed |
Drink |
Japanese sake (Nihonshu),Japanese spirits (Shochu),Particular about Japanese sake (Nihonshu) |
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Occasion |
This occasion is recommended by many people. |
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Location |
Secluded restaurant,House restaurant |
Website | |
Remarks |
酒屋に隣接した立ち呑み屋。 |
九州だと角打ちと呼ぶ酒屋が運営する立ち飲み屋。歴史もあるいい店だ。
さしずめ販売・飲食提供の第5次スタイル?となるんだろうか?
四谷界隈での0次会乃至一次会であれ、こちらを起点として間違いは無い。
変わらぬ雰囲気は飲み方を心得た上級者と店側が積み上げた信用の証みたいなもので、最近はガイジンさんも
チラホラ混じっているやに思えるが良い傾向。NHK-BSの「世界の入りにくい居酒屋」じゃないけど入りやすい
居酒屋との認識がTrip Advisorなどで拡がっているのかもしれない。
酒は常時10数種は置いてあるが一部日替わり(?)かと。
手取川からスタートするのは虎ノ門の店があった頃から変わらないルーチンだけど、ビールや濁りも間に挟む
のも組み合わせはご自由に。基本は1人あたり3種程度とつまみ2品くらいだろうか。
独酌乃至二人がベスト。3〜4人が小さい卓では限界だが導線の関係上早々に切り上げるのがベター。