焼きワンタンがオキニイリ
遅めのお昼、早めの晩を南昌飯店で食べることにする。
ゴールデンウィークではあるけれど、日本の祝日は関係ございません…、って具合にずっと営業。
かつては年中無休だったけど、最近、月曜定休になったときにはちょっとびっくりしたけれど、そういう時流でありましょう。
今日の定食は3種類。豚肉とキャベツの味噌炒めに鶏肉とトマトの炒め物、そして海鮮ラーメンチャーハン付き。やっぱり野菜だよね…、と思って豚肉キャベツの定食にする。
「焼きワンタン」を追加する。
茹でたワンタンをたっぷりの油の中で焼いたもの。餃子に比べて薄皮でパリッと壊れてプルンと舌を撫でる感じがオキニイリ。
豚ひき肉はふっくら、ジューシー。
胡椒をくわえたお酢で食べると脂が甘くて、後口スッキリ。
好きだったなぁ…。
食感軽くていくらだって食べられる。
そしてメインの定食がくる。
甘辛い味噌と一緒に炒めたキャベツ。
卵白をもみこみ油通しした豚肉たっぷり。それがプルプルなめらかで、脂がおいしくムチュンと歯切れる。
豚肉もおいしいけれど、キャベツがおいしい。
大きめに切られているからバリバリこわれる。そしてキュッキュと歯茎をくすぐり口の中を甘くしていく。
味噌や油をたっぷりまとっているのにキャベツの持ち味や緑の香りをなくさないことにウットリします。顎がたのしいおゴチソウ。
キャベツと豚肉以外にもニンジン、ピーマン、玉ねぎも混じっていろんな食感、風味があって食べ飽きないのがありがたい。
千切りキャベツのサラダがおいしい。すりおろした玉ねぎをたっぷり入れたドレッシングが辛くて、苦くて香りがよくて、手切りのキャベツはザクザク歯切れて口の中を騒々しくする。
塩味なのに不思議と複雑でおいしいスープ。ぽってりとしたとろみがついてて刻んだ豆腐に卵が浮かぶ。ラー油を垂らして大人味にしてゴクリ。
炒めたキャベツにお酢をたっぷり注ぎ、脂の味をスッキリさせる。
たっぷりの料理もご飯もスープも全部きれいに食べたよ。杏仁豆腐をスルスル食べて、お腹いっぱい。おゴチソウ。
昼の定食は手軽でおいしい
今日はひとりで食べるから定食にする。
メインの料理にご飯にサラダ、スープに杏仁豆腐がついてひと揃え。
今日のメインは豚肉とキャベツの味噌炒め。
注文すると、クワンクワンと鍋がなる音。
じゃじゃっと湿った音がして、厨房の方から味噌が焼けてく香りがしてくる。
薄切りにした豚肉とキャベツ、ピーマン、きくらげが甜麺醤をベースにした甘辛調味料で炒め上った料理が出てくる。
回鍋肉的料理ではある。
けれど本物の回鍋肉は豚の塊肉を茹でてから薄切りにして炒める料理。だから回鍋肉とは言わず豚肉とキャベツの味噌炒めと表するところにニッコリします。
味はしっかりついていて肉はプルプル。キャベツはキュッキュと歯ざわりがよくご飯の上にのっけてパクリ。小ライスでね…、とお願いしたのを後悔するような味がおいしい。
ほぼ千切りキャベツの野菜サラダ。ザクザクずっと口の中に居座る感じがおもしろくってずっとザクザク。顎からお腹が満たされる。
塩がベースでけれど何味なのかわらかない。なのにおいしい不思議なスープ。とろみがついてて中に刻んだきくらげだとか野菜だとかが浮かんでて中国の人がやってるお店でよく見るスープをぽってり飲んであったまる。
スベスベの杏仁豆腐を飲むように食べ、昼のお腹がしっかり満ちる。お店を出たら雨が降ってた。野菜を買って帰りましょう。
7ヶ月たってやっとこれた…。
家の近くにあって、なのにといえばいいのか、だからと言った方がいいのか、来づらかった「南昌飯店」。
まるでボクらのダイニングルームのように一時期使っていた店。
中国かぁさんはボクのことをお兄ちゃん、タナカくんのことを弟と呼んで本当にかわいがってくれていた。
彼が逝って一週間くらいした頃だったかなぁ。
たまたま街でばったり会ったカァさんが「ひさしぶり、弟は元気?」って聞くから「亡くなったんです」って答えたら、両手を合わせて「御愁傷様、さみしいネ」って言ってくれた。
いつも街角で会うと「また来てね」、店先で会うと「ご飯は食べたの?」って明るく声をかけるかぁさん。でもそれからたまに顔をあわせても静かに頭を下げるだけ。その気遣いがありがたく、甘えてずっとこなかった。
そろそろかなぁ…、と思ってお店の前でしばらく気持ちを整えてやっとお店の中に入った。
なつかしいなぁ…。
いつものテーブルをもらって座って、なんで目の前に彼がいないんだろうって思ってちょっと気持ちが揺れたけど、いつもたのんだ豆苗と餃子に今日のおすすめメニュー。
麻婆麺とミニチャーハンのセットをくださいっておかぁさんに言ってちょっとニッコリしてみる。
落ち着いた?って聞かれて「まだまださみしいネ」って答えたら、無理しないでゆっくりネって言われて頷く。さみしいよ。
ニンニクがバッチリ効いた豆苗炒めは、タナカくんのビールのお供。ふっくらとした水餃子と焼き餃子の中間みたいな食べ心地の餃子も好きで必ずたのんだ。ちょっと甘めの麻婆豆腐が醤油スープをおいしくさせる麻婆麺もオキニイリ。
しっとり系のチャーハンはどちらかといえばボクの好みで、あんまり彼は手を出さなかった。ただ豆苗チャーハンっていう豆苗と枝豆を具材にしたチャーハンだけはシャキシャキとした食感が好きだったんでしょうね…、たのむとふたりで奪うようにして食べあった。それで今日はチャーハンの上に豆苗おいて、豆苗チャーハンみたいに食べた。
黙々と食べていたら、かぁさんが来てそっとティッシュを箱ごと置いた。
食べることに夢中で必死で気づかなかったけど、ずっとボクは泣いてたらしくて鼻水までも出てたんだ。ゴメンってティッシュで顔を拭いてたら、「泣くのは生きてる証拠だから」って言われて声を出して泣く。
豆苗たのんでおかぁさんを喜ばす(笑)
誰かと一緒に食事をする。それもひさしぶりの誰かと一緒だと、気を使ってあまり食べない。
何を食べたか思い返すと、そこそこ食べていたりもするけど、食べたかという実感がなくてそれでお腹を空かせちゃう。
日曜の遅いランチもそんな感じで、それでお腹が空いたワケです。
家に帰る途中のお店。
南昌飯店に立ちよって、おかぁさんの顔を見ておくのもいいかと思って、ふらりと入る。
相変わらず元気な声で、いらっしゃいませ、ひさしぶり。ありがとうね…、元気だった?と声をかけられ日帰り旅の疲れがふっとぶ。
日曜の夜でさすがに静か。
…、と思っていたら次々お客様がやってきて、お店の中はにぎにぎしくなる。しかもみんなが常連さんで、和気あいあいなたのしいムード。
2人でひとつ定食たのんで、料理をいくつか。それを分け合いたのしむ趣向。
日替わりランチがいつも2種類。
ランチと言っても一日中たのむことができるところがうれしくて、日曜ランチは麻婆豆腐とエビと卵の炒め物。
今日は玉子を食べてなかった…、と炒め玉子を選んでたのむ。
中国料理の炒め玉子は、なんでこんなにおいしんだろう…、っていつもウットリしながら味わう。
油をたっぷりふくませて、鍋の中でよじれるように仕上がる玉子。しっかり熱が入っているのに、硬くならない油の効果。
スープの旨味をたっぷり飲み込み、なのに決して水っぽくなくふっくらしていて噛むととろける。
ムッチリとしたエビの食感もほどよくて、食べると元気が湧いてくる。
小さなサラダととろみのついた塩味スープ。ほどよき量のご飯がついてひと揃え。
今日のおすすめ料理の中から、豆腐鍋っていうをたのんだ。
どんな鍋かと思ったら、キムチがたっぷり入ったスープ。具材は豆腐とアサリにキクラゲ。ここに玉子を落としたら純豆腐チゲになってくれそうな鍋でござった。
味噌は使っていないから、とろみはないのネ。
しかも甘みも控えめで、鶏のスープの旨味がドッシリ、舌に乗っかりなかなか旨い。
赤唐辛子を後でくわえて味を整えつくったのでしょう…、だから辛味が直接ズドンとやってきて、口から頭のてっぺん向かって突き抜けてくような辛さに舌がよじれる感じ。
なのにスープが旨いから、次々、手が出る。そして体をあっためる。
たのむとおかぁさんが「ありがとうね」と喜ぶ豆苗。シャキシャキしてて、奥歯がたのしくなるような味。
骨付鳥の半身揚げ…、っていうのがあって、たのんでみると、中華スパイスをとかした液に漬け込みそれを焼いたもの。
しっとりしていて、骨からスルンと取れてほぐれる肉の食感なめらかで、そういや、讃岐に今晩泊まる妹家族は、ご当地名物の骨付鳥を食べたのかしら…、って思ったりした。お風呂に入って早く寝た。
Restaurant name |
Nanshou hanten(Nanshou hanten)
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Categories | Chinese |
Phone number (for reservation and inquiry) |
03-3356-2827 |
Reservation Availability |
Reservations available |
Address |
東京都新宿区四谷3-13 大高ビル 1F |
Transportation |
東京メトロ丸ノ内線【四谷三丁目駅】徒歩2分 163 meters from Yotsuya Sanchome. |
Opening hours | |
Budget(Aggregate of reviews) |
¥2,000~¥2,999~¥999
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Method of payment |
Credit Cards Accepted (JCB、AMEX、Diners) Electronic money Not Accepted QR code payment Accepted |
Private dining rooms |
not allowed |
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Private use |
OK |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables |
Parking lot |
not allowed |
Occasion |
With family/children |With friends/colleagues This occasion is recommended by many people. |
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Service |
Take-out |
With children |
Kids are welcome |
Remarks |
出前アリ(11:00~23:00) |
大掃除も終え、料理を作る気力も使い果たしてお外で食事。
ひさしぶりに南昌飯店。
昼に何度も来ようと思うもずっと閉店。夜だけの営業になっちゃったんだなぁ…、と思ってやってきてみる。
店に入るとおかぁさんが「ごめんね、ランチをお休みしてて」って。調理人がひとりやめてしまって昼営業の余裕がなくなってしまったのという。
定食メニューも今はお休み。
1人のときには便利でありがたかったのにちょっと残念。タナカくんと一緒ならあれこれたのんで分けられたのにって思って凹む。しょうがない。
海鮮かた焼きそばにする。
「海鮮かた焼きそば」って言うとすかさずおかあさんが「と?」って聞く。
追加で何をたのみますか…、って間合い。
焼きワンタンを食べたくってそれも注文。
厨房の中はたちまちにぎやかになり、中華鍋をカシャカシャこする音と一緒においしい匂いがやってくる。
まず海鮮かた焼きそばが完成。極細の揚げ麺にたっぷりのあんかけ。野菜がたっぷり食べられるのが好きで昔はよくたのんでた。
皿うどんじゃない…、って最初食べたときには思ったけれど皿うどんとは違う味。
塩加減や油の香りがやはり中国料理的でびっくりしたのを思い出す。
それから追加の焼きワンタン。
茹でたワンタンを多めの油で焼いて仕上げる。
餃子に比べて皮は薄い。
その薄皮がカリカリに揚がったように焼き上がり、くるんだ餡が透けて見えるのが肉感的。
餡は豚ひき肉にネギに細かく刻んだクワイ。
ネギはシャキシャキ、クワイはザクザク、肉汁をたっぷり含んだ餡はなめらか。皮の焦げたところはパリッと壊れ、焼けないと部分はプルンとすべすべしてる。
餃子に比べて繊細で、儚い感じがボクは好き。
お酢にラー油を垂らしたのにトプっと浸してパクパク食べる。
お酢の酸味が肉の脂をあまくしながらスッキリさせて、ラー油でうま味がくっきりしてくる。
ひと皿6個なんてあっという間になくなっちゃって、2、3皿は食べられるよなぁ…、って思ってパクリ。どうしようもないほどのオキニイリ。
かた焼きそばの餡はもやしにキャベツ、キクラゲ、ニンジン、黄ニラ。ホタテの柱にゲソにかまぼこ。エビの姿が見当たらず代わりにかまぼこが以前に比べて目につくのネ。まぁ、かまぼこだって魚の加工品だから海鮮素材って思うことにする。おいしいからよし。
お酢をかけて油をスッキリさせて食べ、パリパリだった麺がとろけて餡と一体になっていくのを味わい食べる。お腹もしっかり満たされる。