Restaurant name |
Asano ya
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Categories | Soba (Buckwheat noodles)、Udon (Wheat noodles) |
Phone number (for reservation and inquiry) |
03-3351-3903 |
Reservation availability | |
Address |
東京都新宿区左門町13 |
Transportation |
212 meters from Yotsuya Sanchome. |
Opening hours | |
Average price(Based on reviews) |
~¥999
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Method of payment |
Credit Cards Not Accepted Electronic money Not Accepted |
Non-smoking/smoking |
− |
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Parking |
Unavailable |
Occasion |
This occasion is recommended by many people. |
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新宿通りを這い出してみればいきなりの初夏。
ここから大通りを南下して、信濃町方面へと500mほど歩いたところに、浅草や神田で有名なお店と同じ屋号を持つ日本蕎麦屋があることを発見し、通りを渡って、意気揚々と足を進めてゆく。
と ! これは私の距離間隔が狂ってしまっているのであろうか、それほど進まないうちに、あまりに簡単にそば屋の暖簾が顕れ、これはlucky ! とばかりに近づいていったら、また別のお店だったみたい
―― 予定は未定 ! もうここにしよう ♪
<R4.4.23>
「浅野屋」
自動に更新された引き戸に儀式感を殺がれつつ足を踏み込む。
もっと小じんまりとしたお店と想像して暖簾を割ったが、どうして、うなぎの寝床さながら奥へと長き、最奥には座敷席まで整っているよう。私はゆったりと4人*2パーティ、都合8人の着くことが出来る島二つのうちの手前の一つに誘われ、まかないをやっている向こうの島のおばちゃんと向き合うような恰好。
と思ったら、そのおばちゃんはこのお店の人ではなくって、近くにあろう粕漬け屋さんの人かな。袢纏にそう書いてあったような ……
「大ざるだいじょぶだっけ ?」
「大丈夫。その次が問題だな ……」
おそばを注文すると茹で場からそんな声が聞こえ、にわかに不安が募る ……
(笑/まだ早い時間にそばの無くなるそば屋って)
“ざる” @750
“おそば大盛り” @170
海苔が鋏切りだということは、店内をつたってくるときに若いお母さんの蒸籠が見えて気付いていたことだが、そのblackの艶に心の芯を突かれたこともまた事実。揃いものをやっていないという潔さに、逆にこちらの真っ当を予感していたが、その期待に違わぬ範疇の蒸籠が舞い降りた、と言ってオーヴァではないと思う。
昨日の昼間と同じように、徳利を蓋する猪口を外してつゆを注いでから、写真を撮った。そのつゆのblackの艶も良好。見た目からして非常にnarrowなそばは、時々、というよりは頻度少なく、ほんとうにとっきどき見かける、これはガルシア/ボニール系[注]でしたね
注) ガルシア/ボニール:
その昔中禅寺湖でブラウントラウトを狙うときに必須と言われた、ベイトリールよりもスピニングリールに似合う非常にしなやかなライン(釣り糸)のこと。斯くいう私は中禅寺湖で釣りをしたことも、対象魚としてブラウントラウトを狙ったこともないのだが、ルアー釣りにこういった舶来の釣り糸が全盛だった頃、そのあまりにどぎつい蛍光色には、既に他の釣りをやっていたこともあって抵抗を感じていたのだけれど、このラインは落ち着いたダークブラウン系だったので、これならばと、私もABU/アンバサダーに捲かさせていただいていた次第
思ったとおりに、ブロンズダイスの肌を持ちながらも非常にしなやかな質(たち)の、これもひとつの堂々とした東京のおそばだと思う。口腔にぱっと広がる鰹、というよりはかつぶしの出汁感も印象的な、ふつうにおいしいもの。
おそばをやっていると、隣に高齢のおじさんと、私より年上、いや、私と同じくらいなのかな、そんな女性との、親子にも思える二人連れがやってきたのだが、その会話が、これは内容がどうと言うことではなく実に抑制が効いていて、大人のホリディの午後を彩るに相応しいものであったので、つい感心してしまう。
限りなく透きとおり、限りなく熱き湯でつゆを割れば、かつぶしが活きているかのようにたちまちsparkする !
(実際菌レヴェルでは活きているだろうし、分子レヴェルでsparkするわけよ !)
端数の十円玉2枚に千円札1枚を握りしめて両脚に力を籠めれば、間髪を入れずにご高齢のお父様が、うしろを通るよ、と娘さんに促し、しかし娘さんはそのお父さんの言葉よりも紙一重早いresponseで椅子を引いてくれ、そこからさらに無理をして詰めてくれようとするので、堪らずに「すみません、もう大丈夫です ♪」と、柄にもなくreactionしてしまうぼく ……
このことを、日本人の真髄が発揮されやすいパワースポットとしてのそば屋の中だったから、というふうに私は考えたくなく、日本人は何時いかなる時にでも、すべからくこのように、他者を慮(おもんぱか)ることの出来る崇高な民族であるべき ! と思ってる。
だから例えば通勤電車なんかで、こちらが降車しようとしているのを目いっぱいの力で遮って我先に乗り込んでこようとする人たちって、あなたたちっていったい何人 ? まさか日本人じゃないよね ? って思ってしまうのだけれど、見た目同じモンゴロイドに見えるのが不思議 ……
追記
「尾張屋」さんを目指して図らずも「浅野屋」さんに入ってしまったが、神田の「浅野屋」さんも、私は東京最高峰のおそば屋さんのひとつだと評価していて、でも出てきたおそばは良い悪いじゃなくって、異なるもの。
但し今日私が「尾張屋」さんにたどり着けたとしても、そのおそばは、これも東京そば最高峰の浅草「尾張屋」さんのものとは言わずもがな、良し悪し別として、異なるものであったと思う。
またおそばが足りなくなりそうだと困っていながら、その直後にお隣のご注文を難なく受けたということも、となると自家製麺なのだろうが、都内津々浦々の「満留賀」さんたち同様、自家製麺の品質もその機械、作業手順に依存し、それが系統立って見えるのかなぁ ?
そんなことをズバズバと言い当ててしまう猛者を私はインターネットの世界にお一人知っているので、自分の無力さにまたしても打ち拉がれる午後となった