Restaurant name |
Fukunokawa Ishida
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Categories | Oden、Japanese Cuisine |
Phone number (for reservation and inquiry) |
03-5341-4258 |
Reservation Availability |
Reservations available |
Address |
東京都新宿区荒木町15 津の守坂マンション 1F |
Transportation |
256 meters from Akebonobashi. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget |
¥6,000~¥7,999 |
Budget(Aggregate of reviews) |
¥10,000~¥14,999
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Method of payment |
Credit Cards Accepted (AMEX、JCB) Electronic money Not Accepted |
Number of seats |
10 Seats ( カウンター6席、個室4席) |
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Private dining rooms |
OK For 4 people |
Private use |
OK |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables |
Parking lot |
not allowed |
Space/facilities |
Comfortable space |
Drink |
Japanese sake (Nihonshu),Japanese spirits (Shochu),Wine |
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Occasion |
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With children |
日曜日・祝日はファミリーデー、お子様連れ歓迎いたします |
Website | |
The opening day |
2017.6.30 |
せっかくなのでおばんざい全部食べていってください。
そんな一言が温かく、そしてその拘った味には心が揺れた。
オープン前から何人もの板前さんからご紹介していただいていた石田さんのお店。
1ヶ月ほど満席が続いていたが、やっと伺えた。
石田さんの経歴は普通の板前さんとは少し違う。
昆布のプロ中のプロなのである。
ボーイスカウトをやっていた事から料理が好きになり食に興味を持ち、50歳を過ぎるまで築地の有名昆布屋さんにて勤務。
大好きであったが強い味や同じ味に煮てしまうことに疑問を抱いていたおでんやさんを自分で開きたく一念発起。
料理学校に通い、僕もよくお世話になっているミシュラン2つ星店などでの修行を経て此方をオープンされた。
関東、関西のあらゆるおでん屋さんを再度食べ歩き、料理人相手のオープン前の試食会は15回も行ったという。
その拘り抜いたおでん。
まず全体的に味わいは極めて繊細。
一般的なおでんとは別物だ。
醤油や甘みもかなり抑えた柔らかな味わいの出汁で必要なものは一緒に炊き、出汁の中で雑味になる物は完全に別に炊くという。
おでんというよりは味わい、調理共に炊き合わせに近いかもしれない。
まず出汁が素晴らしい。利尻、真昆布、羅臼昆布から引いた出汁を合わせ、そこに3つの節からとった出汁を合わせていくという。
本枯節では旨みが足りない為、鯖節、そうだ節を合わせた出汁は厚みがありつつも雑味は皆無。
香りも本枯を使ったような一番出汁よりも穏やかで品がある。
そして懐石以上に拘った出汁から作られる地のあたりのつけ方も抜群で一流の煮方に勝るとも劣らない。
薄口醤油と塩気、味醂でのコクの均整が取れていて突出しない絶妙さ。
そのおでんの中で特に印象的だったものを数品。
〜穴子の煮ばなおでん 木の芽〜
香ばしく炙られた穴子が微かな甘みを携え、ホロリと溶ける。
丁寧な骨切りはその口溶けを加速させ、程よい穴子の風味がふわっと鼻に抜ける。
穴子の旨みを地が受け止め、軽やかな醤油の香りとコクが引き立てる。
穴子の質こそ最上とは言えないが、丁寧な仕事と絶妙な塩梅で仕上げられた技の一品。
〜椎茸 オクラ 高野豆腐の煮ばなおでん〜
生の椎茸に包丁を入れ、さっとおでんに仕立てられて差し出された。
熱々の椎茸を頬張るとザクッとした強い食感と共に強い旨みが拡散する。
椎茸の癖は押さえられ、軽い油の旨みを纏い、旨みの塊と化したそれは野菜とは思えない。
椎茸のグアニル酸が加わると、一気に旨くなるんです。
驚く僕に石田さんはそう笑う。
ここまでの淡く、綺麗なおでんとは一変。
味わいは繊細ながらも爆発的な旨みを感じさせる一品。
そして最後の一品としての盛り合わせおでん。
出汁には少しの鶏出汁を加え旨みを増強し、練り物や油ものを炊いた一皿。
練り物も自分で作るという中で、とても好みだったのが、枝豆を入れた飛竜頭。
〜枝豆入り飛竜頭〜
柔らかな味付けながらも、鳥の旨みを加えた出汁は深く染みる。仄かな肉由来の様な酸味が流れの中で舌に新しい。
味付けは抑制された深度のある旨みのなかで飛竜頭は解けて行く。
ほろりふわり。まるでひと吹きの風でも崩れる様な食感は儚いほどに柔らかい。
しっかりとした大豆の風味が喜ばしく、柔らかな中の枝豆はコリっと環境によりその食感を際立たせる。
淡くとも深い。滋味という味を舌に刻みこむ一品だった。
前述した通り味わいはおばんざい含め、淡めであり、こちらから味わいを感じにいく様なおでん。
四谷にも、他にもある京風おでんをうたうお店とも違う。
もちろん全体的に油分や甘みで旨みを感じさせる料理ではない為、物足りなさを感じる方もきっと少なくないと思う。
僕はその淡さや繊細さ、味の決め方共にとても舌に合い、静かな料理から強い個性を感じた。
コースとして舌を一旦淡さに調節し直してから、少しずつ複雑な出汁の旨みを感じさせていく構成でありその流れもとても楽しめた。
少し気になる点は盛り付けの順やコースの満足感の与え方であったが、そちらは8月からすぐに変えていくそうなので更に愉しめるコースになると思われる。
お店は以前よねやまさんが入られていた場所であるが、僕がよねやまさんに伺った際とは少し外装や個室などの内装が変わった様。
綺麗なカウンターにカウンターからも目が届く個室が1部屋。
優しい雰囲気の石田さんが調理と共に柔らかに主な接客をしてくれるので誰でもリラックスしていただけると思う。
現在は焼き物や刺身とおでんなどの品数も増える7800円のコースとおばんざいとおでんの4500円のコースであるが、8月から少しずつリクエストに応えコースの構成も変える予定だという。
どんどんとおでんのタネも変えて行くというし、洗練を感じるおでんが一年通して楽しめそうだ。
素敵な夜をありがとうございました!!
耳を澄ませば聴こえる様な、静かにして深いおでん料理。
是非一度、伺ってみては如何だろうか。
〜いただいたもの〜
根三ツ葉と椎茸の煮浸し 酢橘 白胡麻
うざく
ぜんまいと揚げの炒め煮
穴子の煮ばなおでん 木の芽
蒟蒻 イトヨリと鱈のはんぺん 大根 昆布のおでん
蛸とわけぎのてっぱい 黄柚子?
椎茸 オクラ 高野豆腐の煮ばなおでん
芋茎 蓮根 揚げ 梅肉
牛肉 牛蒡
とうもろこしの練り物 蓮根のさつま揚げ 飛竜頭 卵 昆布 九条葱
天の戸特別純米など