店で売っていた「塩竈の塩」で白菜を漬ける
玄関に入って右手の棚の上に置いてあった「塩竈の塩」が気になりました。(なんとオーストラリア原産)
こちらの料理に使っていると聞き、いただいた肝吸いや香の物の塩梅が良かったので、一袋を買ってきました。
我が家では、年末に白菜漬けを一回作って正月に食べ、食べ終えると一番寒い立春前に二度目を漬けるのが習わしですが、去年は暖かい日が続きましたので見合わせていました。
今日、白菜は一年中店頭に並んでいますが、旬は寒くなった冬です。
雪国では、積もった雪の中から掘り起こした白菜が甘みが強くなって美味しいと言われていますが、都会では手に入りません。それでも姿の良いものをふた株購入できましたので、4つに割って日干ししてから琺瑯の樽に漬け込みました。
(塩は白菜の重さの3%です)
私が子供の頃は、木の樽を使っていましたので、生きた酵母が白菜をより美味しくしてくれました。
重石をして水が上がってきたら寒い外に出します。
初めて使う「塩竈の塩」はどんな味にしてくれるのでしょうか。二週間後が楽しみです。
今でも縁のある懐かしい地の老舗鰻屋
母(89歳)は、文京区関口で生まれ、江戸川公園で遊び、昭和初期にスチーム暖房の整っていた関口台小学校に通いました。
私は、千代田区富士見で生まれ、神楽坂で幼い頃を過ごしました。
妻の実家の菩提寺は、茗荷谷にあり、お彼岸と義父の命日には墓参します。
従姉妹が、椿山荘の横に住んでいます。
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ここに鰻の名店が二軒あることは聞いていましたが、今まで訪れたことがなく、この冬一番の寒波来襲の日、引き寄せられるまま門を潜りました。予約を入れなかったのですが快く受け入れてくれました。鰻は、脂の乗る晩秋から今の季節までが旬です。
後で確認したHPには、下記のようにあります。http://unagi-ishibashi.com/history.html
石ばしからのお願い
営業時間中・夏場は時間帯により御電話が繋がりにくくなっておりますので、
お時間をずらして御電話ください。
売り切れ次第に終了致しますので御予約の際に御注文を伺っております。
御注文を伺いますが御料理の御提供にはお時間を頂戴しております。
メニューをご参考ください。
鰻料理はお時間を頂きますので、小学生未満の御子様のご入店を御遠慮させていただいております。
当店は全席禁煙となっております。
クレジットカード利用不可
営業時間 要予約
平日
11:30~14:30(13:30ラストオーダー)
18:00~21:00(19:30ラストオーダー)
土曜
11:30~15:00(14:00ラストオーダー)
17:30~21:00(20:00ラストオーダー)
定休日 日曜・月曜・祭日・土用の丑
立派な経営方針を貫いていると感じました。
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鰻屋の楽しみは、待たされることにあります。
連れがいる時はたわいのない話で盛り上がることもできますが、独りで文庫本を広げるのも、携帯電話でメールを読むのも嫌いな質ですから、渡された新聞を遠くに見ながら盃を傾けるのが一番好きです。この店の接客は、とても優れています。HPから想像される高圧的な印象は全くなく、客に諂うこともなく、自然な流れの中の間合いが丁度良く、東京の老舗料理屋の典型的なスタイルです。最近の業界マニュアルに則った慇懃無礼とも取りかねない丁寧過ぎる接客は私の好みではありません。
さて、徳利がすっかりが空になって体が温まってから三十分ぐらいした後、ご覧の鰻重が運ばれてきました。
堪らず蓋を取ると、隙間なく重箱いっぱいに並べられた鰻重は「眼福」という言葉が思い出されるほど良い蒸し加減と焼き具合です。お腹いっぱい食べることを覚悟してきていますから鰻重はこうでなくてはなりません。
鰻特有の香ばしい香りが漂い、まずは手前右側の蒲焼きだけを箸で摘んで口に運びました。
旬の上等な鰻が使われていることが分かります。香り良く、全く雑味のない蒲焼きです。このタレは本物です。これが子母澤 寛の著書「味覚極楽」に出てくる「下手味」の真骨頂だと思い、徳利をもう一本頼もうかと悩みましたが、後のことを考え、必死に踏みとどまりました。ご飯の炊き加減、タレの掛かり方、どちらも店の拘りが感じられ納得する鰻重です。
半分ぐらいまで食べ進んで蓋を取った肝吸いも塩辛過ぎず、香りが立ち過ぎず、生椎茸の食感が心地良い、美味しい吸い物です。変な匂いのする加賀麩などを入れている鰻屋もありますが、石ばしは、こんなところにも気遣いがあります。美味しい!
イタリアから帰ってきて、ようやく体が馴染んできたのか、やっと美味しい外食に出会うことができました。
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店を出てプラプラ歩いていたら、直ぐ近くに同業「はし本」がありました。蕎麦屋の「浅野屋」もあります。少し先にあった「[酢飯屋」水道ギャラリーという店でホットジンジャーを飲んで膨れたお腹を収めました。
Restaurant name |
Ishi bashi(Ishi bashi)
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Categories | Unagi (Eel) |
Phone number (for reservation and inquiry) |
03-3813-8038 |
Reservation Availability |
Reservations available
特になし |
Address |
東京都文京区水道2-4-29 |
Transportation |
From Edogawabashi Exit 4 on the Tokyo Metro Yurakucho Line, head towards Iidabashi and turn left at the third traffic light. 476 meters from Edogawabashi. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget(Aggregate of reviews) |
¥20,000~¥29,999¥10,000~¥14,999
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Method of payment |
Credit Cards Accepted (AMEX) Electronic money Not Accepted QR code payment Not Accepted |
Table money/charge |
お座敷ご利用の場合サービス料 別途。お飲み物には御通し2品(1,000円)をお付けしています。 |
Number of seats |
40 Seats |
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Private dining rooms |
OK For 6 people、For 8 people、For 10-20 people、For 20-30 people |
Private use |
not allowed |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables All seats are non-smoking except for private rooms. |
Parking lot |
not allowed |
Space/facilities |
Comfortable space,Tatami seats |
Drink |
Japanese sake (Nihonshu),Japanese spirits (Shochu),Particular about Japanese sake (Nihonshu) |
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Occasion |
This occasion is recommended by many people. |
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Location |
Secluded restaurant,House restaurant |
Dress code |
none |
Website | |
Remarks |
As eel dishes take time to prepare, we do not allow children under elementary school age to enter the restaurant. Street View http://hokkaido-sv.com/shop/ishibasi |
今年も早、四十日間が過ぎました。"内食" が主体の私は、先日、今年に入って四回目の "外食" を楽しんできました。
(今年の "外食" は、手打そば 車家、上野藪そば、神田まつや 本店 の三回です)
この間、朝食、昼食、夕食を毎回食べるとして百二十回あった食事の 3% が "外食" です。久米 宏ではありませんが、仮に今後二十年間生きることができるとして残り七百二十回の "外食" を何処で食べるかについては慎重に店選びをしなければなりません。たとえ余裕があったとしても豪奢な料理ばかりを食べるのは、あまり褒められたことではなく、「吾唯足知 = 足ることを知る人の心は穏やかであり、足ることを知らない人の心はいつも乱れている」釈迦が説いた教えの通りであります。予算の多寡に関わらず、ロケーション、店の設え、什器、接客を含め心の籠った "質の良い食事" を心掛けなくてはなりません。
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散髪のため外出した私は、おいしい "冬の鰻" を食べていないことに気付くも、馴染みの「信川円」は定休日であり、義父(享年93) の墓参りを兼ねて文京区江戸川橋駅まで足を伸ばしました。母は文京区関口の生まれ、妻の父親も茗荷谷の生まれ、私は千代田区富士見の生まれですから、プラプラと歩いていると辺りの空気感に懐かしさを覚え、騒がしい神楽坂より自分に相応しいのではないかと思わせます。
料理については、添付写真とキャプションをご覧いただければ嬉しいです。
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