天丼が好きだった理由がわかった月命日
今日はタナカくんの34回目の月命日。浅草の「尾張屋」を目指す。
大好きだった天丼を食べて偲ぼうと思う気持ちも手伝って、電車の中でもずっと気持ちが小走りしてた。
祝日ということもあって、浅草の町はおおにぎわい。仲見世通りも新仲見世も人で溢れて地面が見えないほどでした。
開店と同時を狙ってお店についた。
今日は天丼。並天丼。
並天丼でも器からはみ出す大きさ。蓋を持ち上げ尻尾が飛び出す景色がうれしい。
蓋をとった瞬間に、うれしそうにニッコリとするタナカくんの笑顔が見えるおゴチソウ。
蓋の中に閉じ込められていたごま油とタレの香りがフワッと鼻をくすぐって、お腹がグーとなるのもうれしい。チリチリよじれるように揚がってタレをたっぷり吸い込んでもなおサクッと前歯でこわれる感じがたまらない。
エビは大きくずっしり重たく、むっちりとしたたくましさ。ブチッと歯切れて衣がハラリ。タレと一緒に油がジュワリと唇ぬらして口を一瞬ひんやりさせる。
タレは甘い。甘いけれどもあと口スッキリ。出汁のうま味や醤油の香り、油の風味が混じってエビのうま味をひきたてる。
タナカくんはなんで天ぷらそばより天丼の方をよく食べたんだろう…、と不思議に思って考えた。
ゆっくり時間をかけて食べるのが好きだったから、急いで食べなきゃいけないそばよりご飯がよかった…、のかもしれないなぁって思ったりした。ここのご飯はパラッとこわめで、好きな状態だったもんなぁ‥。
三つ葉とお麩、結びかまぼこの汁もおいしく漬物3種。お腹にきれいに収まりました。オキニイリ。
今日は天丼。蓋がしまらぬおゴチソウ
昼は「尾張屋」。雷門の近くに支店があって、そこはいかにも老舗な風情。友人と一緒にくるときにはそちらで昼をとっていた。
ただふたりのときは商店街のはずれの本店。おなじみさんにやさしい店で、のんびり食事ができる感じが好きだった。
天ぷらがおいしくって、来ると天ぷらそばか天丼を選んで食べた。
今日は天丼。並天丼。
並天丼でも器からはみ出す大きさ。
天ぷらそばも同じサイズのえびだから器からはみ出すのだけど、天丼だけが蓋付きでくる。
その蓋が閉まらず天ぷらが持ち上げた状態でやってくるのがなんとも壮観。「蓋を開ける瞬間がいいんだよね」ってそっと蓋を持ち上げて中をたしかめ、にんまりとする。うれしそうな笑顔を今日も思い出す。
蓋を開けると油とタレの香りが蓋と一緒に持ち上がり、鼻をくすぐりお腹をならす。タレを吸い込み深い茶色にそまった衣は、チリチリまるで花が咲くように仕上がっている。
ずっしり重たくムチュンと歯切れる。一緒に衣がハラリと崩れてジュワッと油とタレが滲んで一瞬口をひんやりさせる。
むっちりとした噛みごたえのある上等な海老。
タレは甘い。甘いけれどもあと口スッキリ。出汁のうま味や醤油の香り、そこに油の風味が混じって海老の持ち味をひきたてる。
ご飯はパラッとこわめの仕上がり。タナカくんの好みのご飯。汁には三つ葉と結びかまぼこ、そしてお麩。ずっと変わらず昔のまんま。やっぱり一緒に食べたかったってしみじみ思う。オゴチソウ。
東京で一番たくさん食べた天ぷらそば。そして一番好きな天ぷらそば
浅草寺さんにお参りをして昼を尾張屋で天ぷらそば。
ふたりで一緒に一番お参りしたお寺はここ浅草寺。参拝のあとにはたいてい尾張屋で食事をしたから、一緒に一番食べた天ぷらそばはここ尾張屋の天ぷらそばに違いない。
腹ペコのときには天丼をひとつ追加して分けてたべてた。天ぷらそばにはえび天2本。天丼にも2本で都合ひとり3尾の天ぷらを食べてたことになるんだけれど、おいしいんだからしょうがない(笑)。
天ぷらの衣が厚すぎず薄すぎず。
チリチリ花を咲かせるように揚がってて、それが思う存分汁を吸い込み散らかっていく。汁に油が混ざってコクや旨みが増していく。おいしいねぇ…、って汗をかきかき食べたものです。なつかしい。
器を横切る立派で大きなエビの天ぷら。エビはむっちり、ムチュンと歯切れて華やかな香りと甘みが広がっていく。衣がサクッと壊れてハラハラ口の中で散らかる感じがエビの食感引き立てる。
ばっさり歯切れるそばの食感は心地よく、風味もゆたかで天ぷらや汁に負けぬおいしさ。豊かなうま味をたたえた汁は後口スッキリ。最後に酸味が舌に残って、次のひとくちをねだるおいしさ。オキニイリ。
考えてみればエビの天ぷらは天ぷら界の女王であると同時に、そばのお供の王様でもある。天ぷらそばとはそういうゴチソウなんだろうな…、と思ってニッコリ。尻尾バリバリ、汁一滴も残さず食べた。満ち足りる。
天丼も旨い!
今日の二軒目は尾張屋本店。
並木藪蕎麦は11時開店。お店を出たのが11時15分ほど。終わりや本店は11時半開店だからゆっくり歩いても開店時間に十分間に合う。
案の定、開店前に到着し今日2回目のファーストゲストと相成った。
海老の天ぷらがおいしい店で、天ぷらそばもおいしいけれど「ここの天丼はそば屋の天丼の最高峰だね」ってタナカくんは天丼を食べることが多かった。
それで今日は天丼にする。
それにしてもお店はにぎやか。ほとんどの人が天ぷらそばが天丼で、うらやましいほど派手なジャケットが似合う浅草ダンディーも上天丼にビール一本、上新香。かっこいいったらありゃしない。
ボクは普通の天丼です。「上」でなくとも海老は立派で、丼から尻尾が突き出て蓋を軽々持ち上げる雄々しきさまにまずニッコリ。蓋をあけると天ぷら油とタレの香りが鼻をくすぐり蕎麦を食べたばかりのお腹がグーッとなる(笑)。
花が咲いたように揚がった衣。ちょっと厚めでその分たっぷりタレを吸い込みぽってり仕上がる。甘めのタレです。甘いけれどもぺっとりした感じはなくて後口スッキリ。出汁がしっかりしているからでしょう…、口が疲れず飽きずもりもり食べられる。
海老は上等。ブリンと歯ごたえ痛快で香り華やか、甘みを感じる。尻尾までもがカリッとおいしく香ばしい。
さっぱりとした味の汁には結び蒲鉾、三つ葉がたっぷり。ご飯はパラっと硬めで好みの仕上がりで、天ぷら衣の油をまとって口の中をコロコロ転がり散らかる食感が心地よい。
おいしい天丼を食べると、天丼をおいしそうに食べてるタナカくんの顔をどうしても思い出す。今日もほんのちょっとだけ泣きました。
東京で多分、一番好きな天ぷらそば
浅草の街には二人でよくきた。
浅草寺さんに道具街。ちょっと手前には上野の森の美術館とか博物館。新宿なんかとは空気が違って、小さな旅行の気分にひたれた。
帰りに御徒町の吉池で魚をどっさり買ってかえったりしてネ。そんなときのお昼は大抵、尾張屋にきて天ぷらそば。
お腹が本当に空いてたときには天丼をひとつたのんで二人で分けたりもした。結局、必ずここではエビの天ぷらを食べることになっていた。
おいしいんだからしょうがない。
天ぷらの衣が厚すぎず薄すぎず、チリチリ花が咲いたように揚げられていてそれが汁をすって散らかっていくと汁がどんどんおいしくなっていく。そう言えばここではいつも熱いそば。夏でも熱いそばだった。
今日も熱々の天ぷらそば。器を見事に横切る立派なエビの天ぷら。むっちりしていてプチュンと歯切れ、甘くて香りがしっかりしてる。天ぷらの衣をまとってもまけることなく、むしろ衣がサクサクハラハラ壊れて散らかる感じがエビの食感を引き立てるのが心地よい。
ばっさり歯切れるそばの風味は力強くて、豊かなうま味をたたえた汁は後口スッキリ。やさしい酸味が舌に残って、次のひとくちをねだるおいしさ。
するんするん、ハフハフ食べる。
香りの強いゆずは外してネギも食べずに尻尾は食べた。汁一滴も残さずにキレイに食べたよ…、また来よう。
天丼も旨い!
雷門の近くに江戸情緒満点の支店があって、浅草に友人と遠足に来るとそちらで昼、というのが定番だった。この本店は場所も設えも地味で、けれどお馴染みさんにやさしいお店。
支店であっても本店ででもタナカくんはいつも天丼。そば屋の天丼の最高峰…、って言って必ず食べていた。
車海老を使った上天丼もあるのだけれどそれはお重でやってくる。天丼は丼を手に持ち書き込むことが醍醐味だからと、いつも普通の天丼だった。今日はそれ。
丼から尻尾がはみ出し蓋を雄々しく持ち上げる海老。蓋をとると、花が咲くようにチリチリたっぷり衣をまとって、濃い色のタレをまとってご飯の上に鎮座。油のおいしい香りと甘いタレの匂いが蓋と一緒に持ち上がり、ボワンっと鼻をくすぐるおいしさ。
ブチュンと歯切れる健康的な歯応えに、逞しいほどに頑丈で香り豊かなエビの味わい。タレは甘い。甘いけれどもあと口スッキリ。タレのベースの出汁の風味や旨味が広がる。
さっぱりとした味の汁には結び蒲鉾、三つ葉がたっぷり。ご飯はパラっとこわめの仕上がり。天ぷら衣の油をまとって口の中をコロコロ転がり散らかる食感が心地よい。それにしても…。
天丼を食べると思い出して泣いちゃうな。それからプリン。もしおいしい天丼とプリンを一緒に食べさせる店があったら行ってみたいけど、食べるどころじゃなくなるんだろう…、今日も泣く。
松茸そばで季節を寿ぐ
浅草で蕎麦といえば尾張屋本店。エビの天丼、天ぷらそばが有名だけど今の時期だけの蕎麦がある。
松茸そばで、それが今日の目当ての料理。
うやうやしく蓋したままでテーブルの上に置かれる器。蓋をとると熱々のそばを熱々の松茸が覆い尽くした姿がなんともうつくしい。
松茸と出汁の香りまじりあい、蒸気と一緒にふわりふわりと器の中から立ち上がり鼻をくすぐる。秋の香りにむせるよう。
熱い汁の中につかってゆっくりねっとりとろける蕎麦。シャキシャキとした歯ざわりたのしい松茸と香り、味わい以上に食感が心地よくってたまらない。
松茸がきのことしておいしいか…、というと他においしいきのこはたくさんあってあまりに高価な値段をみるとつりあわないかもしれないなぁ…、と思いもする。けれど「季節を食べた」と思えば決して惜しくないんじゃないか。きのこが嫌いなタナカくんにはどうでもいいかって思って笑う。お腹もたのしく笑います。
秋となれば、尾張屋に来て松茸そば
開店時間の5分前。
お店の前にはご婦人方がすでにならんでキャピキャピしてる。
開店前にもかかわらず、お待たせしましたと入り口開いて、暖簾がかかってさぁ、開店。
ご婦人方は2階の席にススッと上がりおじさん一人が一階席に落ち着いた。
落ち着く店です。
同じ尾張屋の支店が雷門の近くに店を構える。
そちらはかなり江戸の風情で、間口大きくお店も広い。目立つ場所に目立つ姿をしてるから、観光客でにぎわうお店。それはそれでワクワクするような楽しさがある。けれど普通の蕎麦屋の風情があるのがこの本店で、偉そうぶらない普通のところがしみじみうれしく、オキニイリ。
松茸そばをもらいます。
秋の一時期。
年によってはほんの2、3週間だけ売られる商品。
去年は実は食べ損なった。
注文をして、その旨告げたら「うちはどこよりも早く松茸をお売りしてどこよりも早く終わっちゃうから」と言って、ニッコリ。
運がよろしゅうござんした…、ってウレシイ応え。
蓋した丼でやってきます。
蓋を開けると閉じ込められた香りがふわりと鼻をくすぐる。
華やかで、深い秋の香りでござんす。
ちょっと甘めの汁をまとって、口に含むとキュッキュと奥歯がきしむ音。松茸らしい香りと一緒に、土の匂いが軽くする。
最初はバサバサ。
繊維が歯切れる感じがたのしい。ところが汁に浸かるに従い、徐々にヌメッとスベスベしてくる。汁をタップリ吸い込んで、繊維と繊維がくっつきあって食感かえていくのです。
土瓶蒸しの中に入ったむっちりとした松茸のように歯茎を撫でてとろけてく。
蕎麦の香りと松茸の香りがひとつに混じり合い、ボクの周りの秋が深まるめでたきゴチソウ。お腹が軽く満たされました。気持ちも明るくなりました。
しっぽまでおいしいエビの天ぷら、蕎麦に浸かって布団かぶってシアワセげ
移動の途中に浅草による。
蕎麦を食べたくなったのでして…、それというのも先週末からのうどん三昧。
東京に戻ってしまうと博多うどんのやわらかを、味わうことがしばらくできない。
そう思ったらしみじみ寂しく、その寂しさに打ち勝つためにはここには蕎麦があるんだと、気を紛らわすのが一番だ…、って。
それで浅草。「尾張屋」にくる。
地下鉄銀座線の駅を上がると店がある。
昭和風情がいかにも蕎麦の老舗っぽくって、けれどそちらは支店でそこからちょっと歩くとこの本店。こじんまりしてどんな街場にもありそうな、いかにも蕎麦屋然とした雰囲気が好き。
それにしても駅からここまで歩く途中、ずっと天ぷらの揚がるおいしい香りが漂う。
雷門前から国際通りに向かう目抜通りは天ぷら通りって、言ってもいいんじゃないかと思う。この界隈が憧れの場所だった頃。大衆のご馳走といえば天ぷらだったに違いなく、洋食屋さんが目立つ理由もおそらく同じ。
そして尾張屋。
天ぷらが花形料理の時代の蕎麦屋。天ぷらそばが旨くて、お店にやってくる人たちの大多数が天ぷらそばか天丼たのむ。それも蕎麦はせいろではなく熱い汁そば。
蕎麦喰いはせいろに限るという人が多いお江戸の蕎麦の世界では、少々、変わった特徴の店。ボクもココではほとんど温かい蕎麦にする。
天ぷらそば。あるいは海苔をたっぷりのっけた花巻。今の季節なら小柱でつくる「あられ」も捨てがたい。
ただ、今日は天ぷらの匂いをかぎつつ「天とじそば」にしようと思ってやってきた。
「天とじひとつ」ってボクの注文が厨房の中に飛んでって、しばらくしたとこでカシャカシャ、卵を溶く音がする。
ああ、今まさにボクの料理を作ってるんだ、とワクワクしながらしばらく待って、お待たせしましたとやってくるのがこの一品。丼からはみ出すほどのエビの天ぷら。尻尾がキレイな健康色でウットリします。
しかも二尾。尻尾を並べて堂々と…。
その天ぷらにふんわり、玉子の掛け布団。玉子とじと言う料理は実は、卵で出汁を閉じ込めたと言う意味なんだと思う。そんな様。
そばはスルンとなめらかです。
甘めの出汁で、しかも旨味が強いからそばの風味や持ち味は少々控えめ。ズルンとたぐって口の中を鰹の出汁の旨みで満たす。
次の一口たぐろうと箸を操る間もずっと、出汁の旨みと香りが口に居座るたのしさ。
玉子はふっくら。口に中でゆっくり潰れて出汁の旨みを吐き出し消える。
出汁にまみれた玉子をずっとかぶっているから、天ぷら衣はグダグダです。けれどそれがとろりととろける。油の香りを撒き散らしつつ、とろけた先にはエビのムチュンと萩れる食感が待っている。
衣を脱いでも立派に太く、歯ごたえ頑丈。エビの香りがするのですね。香りだけでなく甘みを帯びた濃厚な味。噛めば噛むほど旨味を強く感じるステキ。
エビの天ぷら、そばにつゆ。玉子以外にあるものといえば刻んだ三つ葉くらいなもので、とてもシンプル。
なのに天ぷらそばがとは違った風味に食べ心地。
すべてがやわらか。やさしくなめらか。
玉子が出汁をまろやかにして、天ぷら油のコクを一層、強烈にするからなんでしょう。
ふっくら玉子に出汁を含んで膨れた衣が混じったところをゴクリと飲むと、どっしりとした風味に味わい。これでご飯のおかずになってくれそうな味。
ごくごく飲みます。
飲みはじめると休むことも忘れてごくごく。
それも出汁がおいしいからに違いなく、気づけば一滴残らずお腹に収まって、後に残るのは空の丼と使わず済ませたネギばかり。蕎麦屋で一滴残らず出汁を飲み干せるのはここくらい。特に天とじそばの汁はお代わりしたくなるほど。
ちなみにこれで1500円。お江戸にいると当たり前だと思う値段も、博多帰りにはいささかドキリ(笑)。つっけんどんでお客様を突き放したようなサービスもお江戸の味と、思えばたのしい。それもよしなり、オキニイリ。
Restaurant name |
Owariya(Owariya)
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---|---|
Categories | Soba、Ten-don (Tempura Bowl) |
03-3845-4500 |
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Reservation Availability |
Cannot be reserved |
Address |
東京都台東区浅草1-7-1 |
Transportation |
東京メトロ銀座線、東武伊勢崎線 浅草駅 徒歩4分 314 meters from Asakusa. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget |
¥3,000~¥3,999 ¥3,000~¥3,999 |
Budget(Aggregate of reviews) |
¥2,000~¥2,999¥1,000~¥1,999
|
Method of payment |
Credit Cards Not Accepted Electronic money Not Accepted QR code payment Not Accepted |
Number of seats |
70 Seats |
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Private dining rooms |
OK |
Private use |
OK |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables |
Parking lot |
not allowed |
Space/facilities |
Tatami seats |
Drink |
Japanese sake (Nihonshu),Japanese spirits (Shochu) |
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Occasion |
With family/children |With friends/colleagues This occasion is recommended by many people. |
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Service |
Take-out |
With children |
Kids are welcome
ベビーカー不可 |
浅草で昼。今日は尾張屋で天ぷらそばを食べることにする。
町はにぎやか、インターナショナル。
雷門を中心に人が溢れてまっすぐ歩くのに難儀するほど。
雷門近くの支店の前は行列でした。
そこからかなり歩いたところの本店は、どこにでもある町場のそば屋の風情もあって、ひっそり静かでありがたい。
タナカくんとふたりで一番たくさん食べた天ぷらそばはここのそば。
上もあるけどいつも並。
それで十分エビは大きく丼からはみ出すほどに豪勢でウットリします。
揚がったばかりの熱々で、汁がバチバチ爆ぜるよう。
エビの天ぷら以外は三つ葉、それに柚子皮。潔い。天ぷらの下に箸をいれ、そばをたぐって持ち上げる。いつもながらに角がキリッと立った男前のそば。七味をパラッとかけてスルンとたぐる。ザクッと歯切れてちらかるおいしさ。
天ぷらの衣は厚め。花咲くようにチリチリ揚がってザクッと壊れる。
それも徐々に汁を吸い込み膨らんでやわらかになる。それでも揚がった直後の余韻はそのままで、汁に油の香りや風味がうつってコクがでる。「天ぷらとそば」じゃなく「天ぷらそば」とはこういうことさ…、と思ってにっこり。天ぷらそばを味わう醍醐味。
ひと口目からエビが前歯に当たります。軽く伸ばしているけれど太くて長く、しかもむっちりたくましい。衣まみれの着ぶくれ天ぷらじゃないことは、尻尾の大きさが証明してる。
汁は甘めでうま味ふくよか。最後に酸味がキリッと後味ひきしめる。
おいしいなぁ…、食べはじめると箸が止まらぬオゴチソウ。汗かきながら一気に味わい、尻尾バリバリ、汁も一滴残さずお腹におさめます。