Restaurant name |
Chiyou Jiyu
|
---|---|
Categories | Chinese、Ramen |
03-3682-2494 |
|
Reservation Availability |
Cannot be reserved |
Address |
東京都江東区亀戸6-26-11 |
Transportation |
総武中央線 亀戸駅 徒歩3分 194 meters from Kameido. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget(Aggregate of reviews) |
¥1,000~¥1,999¥1,000~¥1,999
|
Method of payment |
Credit Cards Not Accepted Electronic money Not Accepted |
Number of seats |
13 Seats |
---|---|
Private dining rooms |
not allowed |
Private use |
not allowed |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables 店内に電子タバコ含む喫煙不可ステッカーあり。 |
Parking lot |
not allowed |
Space/facilities |
Counter |
Drink |
Japanese sake (Nihonshu),Japanese spirits (Shochu) |
---|
Occasion |
Alone |With friends/colleagues This occasion is recommended by many people. |
---|---|
Location |
Secluded restaurant,House restaurant |
Service |
Take-out |
「明日何の日 ?」
と聞かれて、おれの目だって悪いんだからね ! と思いつつ、年長者には逆らっちゃいけないと横っちょに掛けてあるカレンダーまで歩いて行ってメガネを外し、そこまでしてようやく、小さな文字で勤労感謝の日とあるのが解読出来た
「勤労感謝の日だって」
そう教えてあげたおじさんはさぶちゃんというこのスナックの重鎮で、未だ齢80には達していないと思う。その呼び名が演歌界のロニー・ジェイムズ・ディオと呼ばれた北島三郎御大からとられたものかは知らないが、年も年で最近めっきり点数が出なくなったと言いながら、93、4点出したくらいではまったく納得しないオトコ。
この人が赤羽のバカ祭りカラオケ大会/老人の部に出場したらかなりのところまでいくと思うが、一方、上には上がいるんだろうな、とも。
そんなもの思いに耽りながら、ボクも今の自分に出来る精一杯のこと、小柳ルミ子の「瀬戸の花嫁」を入れて、順番が来るまでコンセントレーションを高めるべく、静かに瞑想態勢に入った ……
<R5.11.23>
その夜も明けて勤労感謝の日。
水木しげる先生生誕100周年記念作品ということで「ゲゲゲの鬼太郎」が劇場公開されたことを知り、常日頃より「ゲゲゲの鬼太郎」よりも「ドロロン閻魔くん」派を公言して憚らない私だが、無視できずに錦糸町で切符をとった。
そこで錦糸町ご飯もやり尽くした感あり、何故かご飯処としてはあまりの充実していないというイメイジが固まっていたが、たまにはということで、一駅とっ越して国鉄亀戸駅で下車。
改札を出て一寸迷ったが、まずは南側に出て、京葉道路を跨いでみる
「長寿」
と、なんだか三丁目の夕日のような、そこだけ昭和から時間が完全にストップしている狭い路地をみつけ、興味本位で入っていくと、人気店なのだろうか、とんかつ屋の前に人が2、3人突っ立っていて、一方、その頭上に中華という黄色い看板が目立っていたのであと数歩回り込んでみたら、広い間口いっぱい暖簾をわたしたラーメン屋を発見 !
暖簾越しカウンターには十分に空きがあったがあまりに怪しく、そこは一旦通り過ぎて頭を冷やすことに(笑)。
が、こんなとき先に進んでいつも失敗しているのもそうだし、なにより、人間のには恐いもの見たさというものがある。
よってやっぱりUターンしてその暖簾を恐る恐る割り、親子であろうか、鍋を揮う若い男性と、奥に年嵩のお父さんの姿を認めたが、私の入店に対して揃って無反応のまんまで、これはどうしたものかと思ったが、ままよと目の前の椅子に腰かけてみた次第
BGMはNHKの連続テレビ小説。
もしも朝の放送を見て、昼またその再放送を見る人間がかなりの阿呆だとはもう何度も先述させていただいているが、それに食い入っているお父さんは果たして ……
それはいいとして、こんなとき私がいつも考えるのは、何をしたら怒られるのか ? そしてまた何をしなかったら怒られるのか ? ということ。
看板には中華そばと餃子とあるので、ふつうにそのまんま餃子とラーメンといきたかったが、ペラのメニュウの中、表裏をくまなく探してどうしても餃子が見つからなく、でも目の前で無言を貫く息子さんの怒りのvoltageを測ればもたもたしているわけにもいかず ! (笑)
ラーメン一杯というのも物足りなかろうと、同じどんぶり一杯だったとしても、おかず的なもので補強されるハイブリッドラーメンを、またしても恐る恐る「すみません ……」して注文させていただく
それにしてもその間微動だにしないお父さんは大丈夫だろうか ? いちおブラウン管の中の水川あさみさんに食い入っているようなのだが、だんだんと心配になってきた ……
そして隣のおじさんは常連だろうか ? やはり水川あさみさんに見入っているのだが(超人気だなぁ、水川あさみさん !)、まあまったく混雑していないということもあろうが、食事を終えて暫しぼぉっとしていて怒られないことも気になる。
そこまできて、うっ ! なんで餃子がないんだと訝ったが、メニュウの欄外に思いっきり太字で“ぎょうざ”って書いてあるぢゃん !! でもこの針のむしろ状態で、とても「今から注文変えて良いですか ?」なんて切り出せるわけもなく ……
しかしボクのラーメンの為に起動し始めた息子さんの手さばきはアクティヴで、最初におたまでどんぶりに味の素を入れてくれた時点で、正直、にわかに期待が高まってきているのもまた事実 !
“マーボーラーメン” @850円也。
「味の素は入れれば入れるほどうまいんですよ ! だって入れれば入れるほど売れたんだから !」
今は昔に演芸場通りに在った伝説の居酒屋、「粂八」で聞いた、6大学卒にして的屋経験を持つ彼の、そんな焼きそば屋台での実体験から絞り出された真実の叫びがにわかに蘇ってきたが、カウンター最高位の天板に突き出され、こぼさぬよう細心の注意を払って引き下ろしたどんぶりの迫力は、それを優に上回っていた !
圧倒的艶々を誇る深紅のつゆ。
豆腐は杏仁豆腐のカット同様の高度な技巧が用いられ、息子さんのパティシエとしての確かな力量をも如実に物語っている。今まで目にしたことの無い新しいタイプの麻婆豆腐に、少々興奮気味に割り箸をsplitし、さっそくまばゆいばかりのつゆの中心核に向け、全力の突きを繰り出した !
通常麻婆ラーメンというと、どんぶりのsurfaceに被せた麻婆豆腐とつゆについて、最初分解されていたものが、食べ進めるうちにどんどん混然一体となってきてしかし ! その一体化は寧ろ、食べ始めに得られたスリルを奪ってゆく、というディレンマを抱えた料理だと思っている。
麻婆豆腐とラーメンは分解されていてこそ、その異個性のコントラストが最大限際立つが、形態上その撹拌一体化は避けられず、そこをどう考えるか ? ということの一つの答えが、このつゆに与えた“とろみ”となろうが、このどんぶりに関して、その考えは一定の成功を得ていると思う
とんがらしマーク付きの麻婆ラーメンは、辛さはそれほどでもないと思うのだが、熱々さとも相まって堪らずに汗が噴き出してくる。
だからか、よく考えたら“水”が足りない(水が出て来ていない)ということにそこで気付いたが、どこかのふざけたカレー屋のように水を出さないことをポリシーとしているお店だったらいけないと思い、黙って耐える覚悟を決めた。
と思ったら ! 目の高さの最高位の天板にいつの間にか、もう水が出ているではないか !
日本そば屋ではよくよく、気付かぬうちにお茶が新しいものに入れ替わっているということがあるが、そんな老舗そば屋の花番さんと同等の超絶技巧がここでも発揮されたということは、にわかに信じがたいが ……
結論的にこちらの麻婆ラーメンは、十分に人を温めてくれる性能を持つ、レトロチックながらも独特の理に適ったものだと思った。
隣のおじさんがようやく重い腰を上げたので、その“帰り方”をよく観察したのは無論、自分が帰るときにそのやり方を踏襲し、このまま怒られずに無事、ここからの脱出を成功させる為。
そんなこんな私の番がやってきて、小銭入れの中を探ってちょうどぴったりの小銭を発掘することが出来たことに心底ほっとし、お金を貰うときだけ稼働する(こらっ !)お父さんに差し出せば、そのお父さんの表情は意外にも優しそうで ……
―― なんだったんだ、今までの緊張感は …… この無駄な徒労感は ……