光らない輝き
梅雨入りしたのかしないのか、まだ日の高い夕方。
その夜の一軒目は臚雷亭。
壁に向かったカウンターに席をいただきレモンサワーをお願いする。
会わないでいた数週間を埋める言葉がまだみつからない。
あなたの好きな焼売と搾菜をたのむ。
ほどなく届いたレモンサワーで乾杯し、あなたからこぼれでる話をただ聞く。
新客がみえる度、風が開け放たれた戸から狭い店内にゆるんと入ってきた。
細かく刻まれた搾菜は少し箸でつまみにくいが、こぼしながらもそれも楽しい。
やがて届いた焼売はあつあつで、ひらひら薄いレースのような皮の間にむっちりしたお肉があふれ出ている。
焼売好きのあなたが美味しいと笑った。
私はあなたの笑顔をみとめて、やっと嬉しいと思った。
この夜の一軒目はあなたの笑顔を見たかったから、
この焼売を食べてもらいたかったから選んだお店だ。
焼売4個310円。
レモンサワー200円。
さばき上手なホールさん、厨房を守る方。
このお店の光らない輝きは客の心にあまねく届いている。
・・・・・・・・・・
そして次のお店はひらりすぐそこ。
ひらりの時間
ここだよ、とあなたが言った。
小さな立ち飲み屋さん。
店内はいっぱいだったが、
何とか入れてもらえるところが立ち飲みのよいところ。
レモンサワー200円を。
すぐにおねえさんが作ってくれたレモンサワー。
今夜二度目の乾杯だ。
壁に貼られたメニュウから
ザーサイ100円
餃子230円
焼売200円
いずれもなんて安いんだろう。
あつあつの餃子。
蒸したての焼売。
小さな厨房で作られたお料理を、くるくると先程のおねえさんが運んでくる。
熱い焼売はほこほこ美味で、立ち飲み屋であることを忘れるような本格的な味がした。
途切れ途切れの話。
流れた優しいとき。
ふたりで1000円ほど。
青いお札が、ひらりくれた時間。
Restaurant name |
Rorai Tei(Rorai Tei)
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Categories | Stand Bar、Chinese |
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Reservation availability |
Reservations unavailable |
Address |
東京都品川区東大井5-4-15 |
Transportation |
JR京浜東北線大井町駅より徒歩2~3分 164 meters from Oimachi. |
Opening hours | |
Average price(Based on reviews) |
¥1,000~¥1,999~¥999
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Method of payment |
Credit Cards Not Accepted Electronic money Not Accepted QR code payment Not Accepted |
Table money/charge |
サービス料、チャージ、お通しなし |
Number of seats |
( 立ち呑みカウンターのみ) |
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Private rooms |
Unavailable |
Private use |
Unavailable |
Non-smoking/smoking |
Smoking allowed The revised Health Promotion Act for passive smoking prevention has been in effect since April 1, 2020. Please check with the restaurant for the most up-to-date information. |
Parking |
Unavailable |
Space/facilities |
Counter seating,Sports viewing |
Drink |
Sake (Nihonshu),Shochu (Japanese spirits),Wine |
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Occasion |
This occasion is recommended by many people. |
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Remarks |
テレビあり |
川崎で講習を受けた日、近くに住むあなたを誘って大井町で待ち合わせ。
まずはひとりで一杯やっておこう。
肉のまえかわにしようか、臚雷亭にしようか少し悩んで、まだ空きが見えた臚雷亭へ。
ホールのおねえさんにレモンサワーとザーサイをお願いした。
届けてくれた時、レモンサワー220円、ザーサイ100円の計320円を、引き換えに渡す。
炭酸のあまりきいていないレモンサワー。
それでも疲れた脳と身体に送り込むひとくちが嬉しい。
ザーサイは100円でひとりでサク飲みするには余るほどあった。
良心的なお店なのである。
壁の上のテレビでは見つかった女の子のニュースをやっている。
小学生がSNSで知り合った大人についていく時代。
見つかったことはよかったが、家出された親御さんはどれだけ複雑な気持ちだろう…
繰り返し観るニュースはなかなかに残酷だ。
…酔いがほんのり頭にのぼってくる。
さあ、あなたを迎えに行こう。