権之助坂 満留賀/目黒ハンガー (お腹すいたほうの)
昨日、昼過ぎまで仮死状態になっていたが、午後三時を過ぎてフェニックスのように復活した。
が、いつまで不死鳥でいられるかどうかは、正直、自信が無くなりつつある今日この頃である。もういつ蘇らなくなっても不思議じゃないよね、と …… で、ブラックアウトした記憶への不安を抱えつつ歩き出し、王子でご飯を食べてから電車一本、いつもの御徒町、上野松坂屋へ。都内有数と名高いここ上野松坂屋のデパ地下だが、ニ、三年前だったかに入った「アルサスローレン」ってパン屋が滅法美味く、いきつけの居酒屋の女の子たちを、トップブリーダーとして、主にこちらのパンで育てている私である。
―― うちの子はこれしか食べないのよ ♪
何でも美味いんだけど、特に人気なのは“明太フランス”かな …… 小柄で華奢な女の子が、短い休憩時間に、この長くてハードなパンをまるまる一本、意地でも食べ切っちゃう、というのがそのすべての証明。戻ってきて、美味しかったよと私にみせつけてくる笑顔の中の前歯に、ちょこっとバジルのアクセントなんかつけていようものなら、もう殊更に可愛さが募る ……
<H29.12.30/翌日、目黒>
「権之助坂 満留賀」
暮れということで、期待の洋食屋さんはもうお正月休みに入ったか、前まで歩ってったけどお休み。
途方に暮れて勝手分からぬ街を往く。真っ昼間にしてがんがん突き刺してくる斜光に、たまらずに眉をひそめた。風はそれほど冷たくはないと思う。蕎麦屋の看板をみつけた。その屋号にはちょっと気分が殺がれるが、佇まいは悪くないなと思って入ってみることに。
脚を踏み込むと品の良い花番のお母さんが私を認め、上等の席へと誘ってくれた。オーバーコートを正面の椅子へと丸めていたら、「ハンガーがございますよ ♥」とありがたきお声を掛けていただく。が、それでは万が一テロリストが乱入してきた時に素早くハンガー拳法を使うことが出来なくなるので、ここは遠慮させていただくことにする
おすすめミニ丼セット
“ミニ玉子丼セット/冷たいお蕎麦” @920也。
満留賀ということで期待はしていなかったのだが (おいおいおい !)、見るからに美味そうな玉子丼と、見るからに美味そうな蕎麦がやってきた。
果たしてそれは、私の蕎麦人生で経験した中で、独断と偏見ながら、満留賀史上最高のお蕎麦と仮認定させていただきたいほど。そのつゆ極端に辛くなく、甘さとして甘い、東京規準に適う細打ちの、凄みはもっていないがふつうに美味いお蕎麦に全く以てマッチしていた。
因みに都内の町場の、極く標準的な「満留賀」(「長寿庵」のも同様と思っているが)の“生そば”というのは、どうも規格統一された製麺所からの買い物と想像しているのだが、こちらのはそれよりも明らかに細打ちで、そばの粒状感を感じられる質(たち)のものとなっている。
時節柄、昼間っからお酒をやるパーティ複数組の面倒臭い注文を、滞りなくスマートに纏め上げる花番のお母さんの技巧の映える、そんな風景を堪能しながら、真っ当に透きとおる湯で割ったつゆを噛みしめさせていただいた
【還って昨日の続き/いつもの居酒屋にて】
脚を踏み込んだ瞬間から、美人系Mちゃんの笑顔が殊更にスパークするので何事かと思い、どうしたのと聞いたら、だって昨日こなかったから、と返してくる。こんなおっさんに一日逢えなかったからって、女子大生がそんなに寂しくなるものだろうか。いや、世の中にはまだ科学で解明できないことが山ほどある。常日頃から小松左京を読んでいれば、それは解ることだ。そして科学者に必要なものは常に、豊富なイマジネイションと優れたインスピレイションである。
私の脳内で、豊富なイマジネイションが弾けた。
「昨日、俺がいなくて寂しかった ?」
「ううん、食べ物がないなと思った。ただ食べ物がないなぁ~って」
―― そこかよ !!!
俺はもう、その科学で完全に解明可能な現象を、癪だったが、ただ受け入れることしかできなかった ……
Restaurant name |
Maruka(Maruka)
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Categories | Soba、Udon、Tempura |
Phone number (for reservation and inquiry) |
03-3493-2005 |
Reservation Availability |
Reservations available
FAX:03-3493-2005 |
Address |
東京都目黒区目黒1-4-8 東レクビル 1F |
Transportation |
JR山手線【目黒駅】徒歩3分 146 meters from Meguro. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget |
¥1,000~¥1,999 ~¥999 |
Budget(Aggregate of reviews) |
~¥999¥1,000~¥1,999
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Method of payment |
Credit Cards Not Accepted Electronic money Not Accepted QR code payment Not Accepted |
Number of seats |
30 Seats |
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Private dining rooms |
OK |
Private use |
OK |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables |
Parking lot |
not allowed |
Drink |
Japanese sake (Nihonshu),Japanese spirits (Shochu) |
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Occasion |
This occasion is recommended by many people. |
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「俺が運転代わる !」
「銀ちゃん、免許持ってなかったでしょ ?」
「ばかやろう! これ、キャデラックだぞ。 キャデラックに免許がいるか !」
こないだの夜。
「Fishfirst」のカウンターに着いてとりあえず「マカロニサラダ」と告げたら、BUCK-TICK(バックチック)の今井寿(いまいことぶき)のファンなのか、いつもの奇抜なヘアカラーリングの若い彼が近寄って来て、「ましもさんすみません、マカロニサラダは一から作るのでかなり時間が掛かってしまいますが、よろしいですか ?」 と耳元で囁くものだから、それぢゃポテトサラダはありますか ? とやってみる。
すると彼から確認を受けた目の前のオーナー店長が彼に直ぐ様、苦虫を噛み潰したような表情で、「いやいや、今日(忙しくて)とても無理 !」 と彼に促すのだけれど、それってちがうでしょ~ !
いや、ぼくはマカロニサラダに異常に執着していたわけぢゃなくって(笑)、ポテトサラダがあったらそれでいいです(いつもどっちかあるので)、と謙虚をみせたつもりなのに、彼らときたらば、というかこれは昨今の飲食店に携わる人たち全体の傾向だと思ってるけど、逆に「傲慢なやつ誕生 !」ってなっちゃうから難しい ……
このお店は、料理はお値段に対して文句なく十条界隈№1だと思うし、オーナーのスタッフに対する指導も高圧的ではなく、具体的なのだけれど、その具体的な説明を、でもいつもしてる。
いつもしてて、成果がない(笑/が、このことも、どの店でもおおむね同じ現象)。
ここ6~7年は通って、ずっと同じものしか飲んでいないのに、ぼくの顔見てもいっこうにボトルセットが黙って揃わないってことも、なんだかなぁ ……
―― 結論だけ言っても伝わらないだろうけど、所謂“人間好き”の人が客商売に就くのは、感覚的にだけど、向いてないと思う。おれなんか人間嫌いで営業やってて、何か知らないけどお客さんたちからは、好かれて好かれてしょうがないくらいだもん ……
<5.5.20>
「目黒権之助坂 満留賀」
ここ最近目黒づいていて、そのたんび目の前を往き過ぎて繁盛し過ぎで入店の叶わなかった、私の中で「満留賀」最高峰と勝手にランク付けさせていただいているお店に、本日ようやく再訪が叶った。
ってゆ~より、午後1時になったばかりなのに何故か閑散としてるんですけど、こないだまでの勢いはなんだったの ? とばかりに窓際の4人掛けの卓を奢られてlucky !
おそばを評価していたなら“素のつめたいの”一本でいくのが礼儀とは思ったが、でもその印象から年数も経ていた為、リスク回避の為にmini-bowlとの揃いものを注文
“玉子丼セット/せいろ” @1,000也。
舞い降りた蒸籠の凄みは、思っていたとおりとまではいかなかったものの、やはりそこいらの満留賀さん標準仕様の生そば(きそば)とは異なっている。
撮影の為に先ず徳利のつゆを猪口へと移す作業を行うが、そこでもやはり、他の満留賀さんよりは上品なつゆの分量に、無意識のうちにエコノミーな注ぎとなる。そしてこの際玉子丼は放っておいて、先ずは蒸籠に集中することにし、早速そば猪口を左手と直結させて、narrowなそばに箸を入れた !
が ……
―― ちょっとオーヴァボイルなこともあるけど、ぬるいんだよなぁ ……
期待が大き過ぎたこともあろうが、おそばがぬるいのが惜しいと思った。
つゆはその甘さが特徴であったが、玉子丼のかえしはそれほどでもなく。ともあれ、量産型満留賀生そばとは一線を画す、良質な質(たち)のおそばであることには間違いなく、その意味では、記憶どおりだったな、と
そして本日のメ~ンイベント ! 目黒シネマにて、ちゃんと観るのは初めてと思うが念願の「蒲田行進曲」を鑑賞 !
その昔、いきつけの鉄板焼き屋のマスターが「なんたって18歳 !」の岡崎友紀の熱烈なファンだったという話題になったとき、ぼくはバカぢゃないか ! という思いを隠し切れず、その訝りをもう完全に態度に顕してしまったと思うが、それはなにかというと、「なんたって18歳 !」観たらふつう、岡崎友紀よりも松坂慶子のほうがどう見たって断然美人なのに ! ということに他ならない。
今回「蒲田行進曲」を鑑賞し、そのときのぼくの考えが完全に正しかったと証明出来たはいいのだけれど、しかしぼくの心は浮かない。
どころか、ひどく落ち込んだ ……
何故ならば、ぼくはその1982年公開の映画を観て、絶望したのだと思う。
松坂慶子のほとばしる圧倒的美人 ! そして高見知佳の透けて眩しいハイレッグに、いつの間にか美人度でAV女優にさえあっさりと敗れ去っている昨今の日本映画女優陣、それと連動するように地に堕ちた邦画そのものに、洪水に流されるマイホームに「さようなら」を言い続けた国広富之さんのように、ぼくも爽やかな笑顔で、せめて邦画を冥土へと送り出すことが出来れば良いのだけれど、今は未だ、それが叶いそうもない今日この頃 ……
魂抜かれたようにうつむいて目黒駅に戻る
今夜、何故か無償にあなたに逢いたくて、王子駅の「コージーコーナー」でシュークリームを買いました
こんなぼくを、それでも人間として何ひとつ間違っていないと、あなたは言ってくださいますか ?