全体的にまずまずのお味でした。中には美味しいものもありました。楽しい雰囲気での食事でした。 : Gentil H

数年前に訪問するはずでしたが、訪問できず、
残念に思っていましたが、ようやくその機会を得ました。
夫婦揃って、非常に訪問を楽しみにしていたお店です。
全体的には期待値が高すぎたのかもしれませんが、個人的には
満足できるものとそうでないものとが混じり合っていました。
お味、ポーション、お値段的にも例えば、最近、レビューしたRestaurant Sola様の
方が好印象です。また、レビューしておりませんが、近隣ではアルゴリズム様と
同程度、閉店してしまいましたが、Libre様の方がCP的には非常に優れ、
少し離れたところでは、CP的にOde様の方が個人的満足度は高い気がしております。
コートドール様とかよりは個人的には全然良いです。
妻は量的にちょうど良いと言っていましたが、コロナ禍で外食休止状態から
外食に再び慣れてきて、朝食の量を調整をしてきた私には
量的にかなり物足りない感じでした。

(1) ノンアルコールワイン

樽の味がしました。文字通り白ワインからアルコールの「きつさ」を
除いたものでした。おいしい飲み物だと思いますが、私はあまり樽の味が
木材の味として感じるので、あまり好みではありませんので、このコメントは
他人様には有益な情報ではないかと思います。

(2) お水

選択はガス入りかガスなしかを聞かれるので、ガスなしを選択しました。
若い頃、調子に乗っていたとき、ガス入りの水を飲み続け、
イタリアで自分で制御できない、非常にヤバイ体調になってからは
注文しないことにしています。銘柄はパンナでした。
個人的には飲める水でよかったです。ただ、温度が家の冷蔵庫より
高めでしたので、個人的には1杯目からパーフェクトな状態ではありませんでした。
料理終盤で一瞬だけ、グラスの匂いが気になりましたが、グラスの匂いがほぼしない
良いものでした。


(3) アミューズ

ドウマンガニを使った3品ありましたが、
言葉がきつくてすいませんが、どれもパッとしませんでした。

(a) クロケット

もう少し、表面をパリッと、温度帯ももっと高く、中身の
カニ、ゴールドラッシュ、モルネーソースの組み合わせも今ひとつと感じました。
閉店してしまいましたミッシェルトロワグロ様とは相当違います。

(b) フェンネルのスープとサラダ

上にいくらが乗っていますが、これもなんだか意図が
分からず、私としては食べただけという感じでした。
サラダは玉ねぎですかね。。。

(c) サフランのクレープ

下にクレープがあり、うにとかレッドペッパーとかカレーの
味がしましたが、これも全体的になんと申しましょうか、ゆるい
感じで(b)と同じく、食べただけという感じで感想は何もないです。

アミューズがかなりレベルが低く感じましたので、大丈夫だろうかと
不安を感じました。

(4) 鈴木三兄弟の枝豆　ロワイヤル仕立て　はもとほっき貝を合わせて

メニュー通り書きました。枝豆が鈴木さんという方が作ったとのことです。
普通の味でした。茶碗蒸し風のものですが、味的にエスニック風ブイヤベースという
感じがし、エスニックがあまり得意でない私には美味しくは感じませんでした。
はももほっき貝自体もおいしいものとは感じませんでした。
2品続けて、好印象を持てなかったので、評判ほどではないかもとますます不安に
なりました。

(5) バゲット

これは非常においしいものでした。静岡のブーランジェリーLien様が
作っているものだそうです。フランスと静岡の小麦を使っているそうです。
発酵は低温発酵だそうです。確か、冷凍して、運搬し、お店で温め直しているそうです。
会話をしながら、食事だったので、記憶にモヤがかかっていますが、
最初から温かいものではなかったと記憶しております。
(冷めたバゲットに対し、
いろいろなお店の口コミで「バゲットを温めて欲しい」と目にしますが、
温め直すと本当に美味しくなりますか？
おいしいバゲットは冷えていても十分おいしいです。
海外のお店でバゲットを温めてくださいと言っても、
何言っているの？と思われるだけでしょうけれど。
個人的には温め直した温かいバゲットの方が不自然さを感じます。)
兎にも角にもクラストの焼きの入った準強力粉の火の入った、旨味の適度な強さ、
後を引く長さも十分、完璧と感じたバゲットでした。
添付した写真ではそんなに美味しそうに見えませんが、実際に見た感じでは見た目も
美味しそうで、全お料理の中で一番美味しく感じたものでした。

(6) バター

桜のチップスで薫製の味がしています。最初の一口でこれは拒否しました。バターの
味よりも薫製の味の方が強くて何を食べているのか私は混乱しました。
食事終盤でこれもありかなとは感じましたが、バターに薫製の味をつける必要は
全くないと思います。ちょっと、味を盛り過ぎてしまう感じがしたので、シンプルな味が
好みの私と一口目に食べた印象としては合わないかもと感じました。

(7) フォアグラのフォンダン

これは美味しかったです。フォンダンというだけあって、柔いものです。
バター、生クリームも比率的はわからないですが、しつこくなく、
食べやすいものでした。フォアグラ自体がフレッシュでむちゃくちゃクオリティ
が高いものかどうかまでは料理超初心者の私にはわかりませんでした。
マンゴーはメキシコ産のものでちょっと硬い感じ、特徴のあるものでした。
上のチュイルにはスパイスが練り込まれ、メレンゲにはチリペッパーがあり、
ちょっと違和感を感じました。あまりにたくさんの味がすると頭が混乱するので、
私は拒否りがちになります。ただ、フォアグラのフォンダンからは何か迫る迫力を
感じ、全体的にはおいしい一皿とは感じ、(5), (6)の印象から一転して、たくさんの
味を盛りすぎる感はありますが、美味しい品もあるかとこの品で挽回してきた感じです。

(8) うなぎパイ

9台目のうなぎパイだそうです。味自体は美味しかったですが、
ちょっと、如何せん、細すぎて、少量とは個人的には感じました。
したのパイは薄すぎるものでした。ご説明によると、その上に、マスカルポーネと
卵黄を合わせたもの、その上に、うなぎ、その上にマデラ酒とうなぎの出汁を取ったものを
合わせたもの、その上に、黒トリフがあります。上の半球体の白いものは玉ねぎのピューレで
味変のためにあるそうです。うなぎパイが小さいので、味変がなくても大丈夫でした。
手前のソースはマデラソースです。お店が力を入れているだけあって、
美味しかったので、もうちょっと、量をいただきたいと個人的には思いました。

(9)　お魚

お魚はアイナメでしたが、ラビオリの印象が強くて、淡白な味と
感じた以外あまり印象に残りませんでした。ソースはソースナンチュア
(ザリガニのソースでバターを使うところを軽くして、
生クリームにしています。ラビオリがハーブの香り(緑の草の香り)
が強すぎました。中に何が入っていたのかさえ(ホタテとザリガニの殻)の
味の記憶から飛んでいます。これはあまりおいしい一皿とは感じませんでした。


(10) お肉

一方、鹿肉のお肉はかなりよく、こちらは美味しかったです。
肉の緻密さ、シェリー酒を使ったソースとの相性もよく、全体的には
よかったのですが、上の黒胡椒に見えるものは黒いレモン(シトロンノワール)
で黒胡椒の刺激を嫌ったのか、黒いレモンは味がしませんので、その
意図が私には理解できませんでした。付け合わせの朝鮮人参のベニエも
生薬みたいな味とは限らず、面白い味でこちらもよかったです。
ただ、場所柄止むを得ないとは思いますが、博多のRestaurant Sola様は
ほぼ同じ大きさ、厚みの雄鹿2枚ありましたので、地理的条件がさほど
関係しない私としては地方の有力なレストランに行きたいと思ってはしまいます。

(11) パンドカンパーニュ

これはバゲットほど高品質なものではありませんでした。薄く切ってあることも
一因であるかもしれませんが、クラストがもっと、輪郭を持って欲しいです。また、
全粒粉、ライ麦の味がかなり弱いです。今はよいレシピ本があるので、素人さんでも
ハイレベルのパンドカンパーニュを自宅で焼成することも可能かと思います。

(12) デザート

平面的に幾何学的に見た目を美しすることにエネルギーを注ぐことよりも
味が主役で盛り付けはその次のお役目として考えていただけるとありがたいです。
ピオーネとシャインマスカットを輪切りにしてあったので、おいしいのか、そうでないのかが
判別し難いです。ぶどうの「ツルッ」とした感じが全く消えてしまうので。
もし、そのもののがよければ、その一粒で相当のインパクトがあります。
家では私もピオーネを栽培していますが、採りたてを水で洗って、常温で
いただいてもかなりのインパクトがあります。また、以前に知り合いからいただいた
ロザリオビアンコもそれに劣るとも勝らないインパクトを感じたことを覚えています。
味的にはクレムブリュレの印象が一番強いです。
ラベンダーの花の香りがつけられていました。ラベンダーの花単体の
香りは心地よいですが、クレムブリュレに載せられてしまうと
個人的には違和感を感じました。これをいただいたとき、
花の香りの味が強いと単純に

ラベンダーの花の香り　+ それから、クレムブリュレの味

となってしまいますので、もはや、私の頭の中ではお料理がまとまらなく
なってしまいました。周りには赤紫蘇のジュレ、生姜のアイス(上が泡状の2品)
もありました。それらは無難な味でした。


(12) 小菓子

(a) フィナンシェ

キャラメルっぽい味でバターの香りは抑え気味な感じでした。

(b) マカロン

パッションフルーツ のマカロンでこれは良いものでした。
食感は柔い感じのマカロンでした。

(c) パートドフリュイ

フリュイはライチでして、まずまずの味でした。

エスプレッソは雑味はありませんでしたが、
それほどのインパクトはありませんで無難な感じでした。

お値段はノンアルルコールワイン、パンナ一瓶で一人14000円強でした。
全体的にはアミューズ1, 2の印象がよくなく、中盤から後半盛り返してきましたが、
デザートでまた、下降し、小菓子とエスプレッソはやや盛り返し、あるいは
普通でしたという感じです。

サービスに関しては個人的には非常に良いと感じました。シェフ様も非常に腰が低く、
シェフ様自らお料理を持ってきてくださることもあり、説明もなさることも
あり、大変だと思いますが、ありがたい限りなので、印象が非常によくなります。
ソムリエの方々もいろいろと気がつき、会話も楽しくなるように心がけていらっしゃると
感じました。最後にはお店の外までシェフ様とソムリエの方のお見送りしていただき、
全体的な印象としては明るい感じの楽しい食事となりました。ありがとうございます。
もう一段、お料理が、曖昧すぎる言葉ですが、
クリアな完成度(いろいろな香りや味を盛るのではなく、そのもの自身のシンプルな
味を高めることにし、脇役が出過ぎないで勝負する)を上げていただけると
もっと、もっとよい印象になるだろうと個人的には感じました。
妻はとても気に入ったようでした。