FAQ

和幸/プリンス、暮れて : Wa kou

Wa kou

(和幸)
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4.0

¥2,000~¥2,999per head
  • Cuisine/Taste4.0
  • Service4.0
  • Atmosphere3.5
  • Cost performance3.3
  • Liquor/Drinks-

4.2

JPY 1,000~JPY 1,999per head
  • Cuisine/Taste4.5
  • Service4.0
  • Atmosphere3.5
  • Cost performance3.0
  • Liquor/Drinks-
2023/12Visitation20th

4.2

  • Cuisine/Taste4.5
  • Service4.0
  • Atmosphere3.5
  • Cost performance3.0
  • Liquor/Drinks-
JPY 1,000~JPY 1,999per head

和幸/プリンス、暮れて

昨夜は久しぶりに、些か飲み過ぎた。
昔の仲間との久々の集いが、あまりにしっくり来たからだろう。
年末の上野広小路界隈の(アメ横界隈の連中とは差別化を図りたいのてぜ/笑)飲み屋はほとんど時間制になっていて、それを覆す力をとうに失っている我々のこと[注]、素直にルールに従って河岸を梯子してしまったのだ

注):
昔仲通りで数人、最低週一では活動していた、全員がウィスキィボトル半分/1人プレーヤーの我々であったが、食べものもたっぷりと注文して高単価だったからだろうか、何故か界隈の店から顔を覚えられており、大手チェーン店でさえ融通を利かせてくれていたのも今は昔。上野バイク街壊滅に依り、一家離散状態になって十数年の月日が流れてしまえば、もう界隈で我々を覚えている飲み屋などなくなった、という寂しい物語
(つ~かその前に、店からしてほとんど入れ替わってしまってるけどね)

「ああ~、やっとテーブルのグラグラがなくなって良かったぁ~ !」

「一件め酒場」ではないがお値段的にはそれに準ずる、おおよそ大人が集う場所ではない一杯飲み屋からスタートすることになったが、そのテーブルが料金の安価に正比例するようにグラグラで、その不安定さが非常に気になっていた。それが2件目、「上野市場」に落ち着いたところでようやく、いや、それがふつうなんだけど、そのふつうのテーブルのがっちりとした力強さに安心し、向かいのニンジャ乗り(トム・クルーズではない)からやおらホッとしたように吐き出されたそのセリフに、あなたもまったくおれが思っていた通りのことを ! と、妙に感心してしまう ……
いや、その不安定さを物言わず耐え抜いてしまうという謙虚さの、なんていうか、そんなテンションが皆揃っているからこそ、久々に再会してもすべてのことがストレスなく、スムースに運ぶんだろうな、とね

<R5.12.31>

「和幸 王子駅前店」

二日酔いで疲れた胃に揚げ物を大量に搬送する道を選んだことは、べつにショック療法を狙ってのことではなく、如何せん営っているお店も限られる中で他に選択肢がなかった、ということに依る。
店内はさすがに満員という感じではなく、スムースにカウンター席に通していただき、目の前にあった倖せに縋りつくように、目の前にあった“おすすめ”を注文し、揚げあがりを待った

“ひいらぎ” @1,480也。
(本ずわいがにのクリームコロッケ・一口ひれかつ・海老フライ)

未だパーティションが健在の為、体を大きく逸らせて到着した膳を受入れると、新人と思しき女の子が(それは大切なことだが)マニュアル通り、これはキャベツのドレッシングでこれはソースで、これはソースを入れる小皿で、キャベツ千切りとごはんと味噌汁はお代わり自由で、 etc.
を、まるで新車のHarley-Davidson納車時、ディーラーから受ける「10の楽しみ」のダラダラとした説明を、もう早く乗りたいのに ! とイライラしつつ待つ大型二輪免許取りたてのおっさんデビューライダーのように、可愛そうなので右から左へ受け流しつつ聞いてるふりをしてあげているうち、もしかしたらこんな自分は根性が曲がっているのではなかろうか !? と、ふと心配になる。
もしかしたら他のふつうのお客さんたちは、ああ、これがドレッシングなのか ! これがソースを注すお皿なのか ! と、ほんとうに真剣に聞き、都度感動しているのではなかろうか、と ……(笑)

さすがにご飯お代わりはやめておいたが、やっぱりしじみ汁のお代わりは必至。
そのしじみ汁は、前とくらべて若干薄くなってない ? と思うが、気のせいだろうか。しかしやはりボクの「かずゆき」のご飯は今日も美味しく、途中で気持ち悪くなってくるかこないか微妙の体調であったが、結果なんの滞りもなくあっさり完食 !
こちらのご飯の素性の確かさを、これは分かっていたことだがあらためて再認識させられた次第

お店を出て腹ごなし。こないだ津軽のひとを撮影した親水公園で、カメラのレンズを、新しく入手した単焦点、オートフォーカスのモータさえ付いていないレトロチックなヤツに切り替えて、暫しお散歩写真。
Mamiyaの645でのスナップ撮影で、まあそれが一番軽かったからということなんだけど、標準画角のレンズ一本付けっ放しということはさんざんやってきたはずなのに、今回標準の単焦点に“戻した”ときの、その距離感覚のズレといったらなかった

依って早くその“昔の”感覚をとり戻したい
それは決してノスタルジーというではなく、過去に還ることに依り、さらなる進化を求めていくということであり !
そしてそんなこんな、ボクの令和5年が(オートフォーカス)音もなく暮れていく ……

  • Wa kou - 実に完成されたご飯である

    実に完成されたご飯である

  • Wa kou - 時代は「ロンドン」から「リンデン」へ

    時代は「ロンドン」から「リンデン」へ

  • Wa kou - 音無美紀子親水公園

    音無美紀子親水公園

  • Wa kou - 天気もすこぶる良く

    天気もすこぶる良く

  • Wa kou - 息を止めてのフォーカス

    息を止めてのフォーカス

  • Wa kou - そしてそれぞれに暮れてゆく

    そしてそれぞれに暮れてゆく

2022/11Visitation19th

4.0

  • Cuisine/Taste4.0
  • Service4.0
  • Atmosphere3.5
  • Cost performance3.3
  • Liquor/Drinks-
JPY 2,000~JPY 2,999per head

和幸/プリンスの晩御飯

【前回の続き】

「これってYouTubeとかでよくやってる、「任意でしょ ?」って拒否しても付き纏われるやつですか ?」
「…… そうです」

―― やっぱりそ~なのかよ ! 否定してくれよ、拒否されたら追いかけませんって (笑)

ふたりの偽装警官のホルスターには、日本の警察では支給されないSIG SAUER P226が装備されている。
地下道も新宿駅に近づけば人通りも多い為、お互い迂闊な動きがとれぬ中、丸腰の私は、どこかに示現流黒檀の衣紋掛けがあればハンガー拳法で互角に渡り合えると思い、辺りに視線を泳がすのだが、見つかるわけもなし。
袖を捲って腕時計を見る仕草をしてみる

「お時間大丈夫ですか ? 手荷物の確認にご協力いただけますでしょうか」
「いいですよ」

―― 地球の果てまでも追い詰めてくるつもりなら、ここで決着をつけてやる !

その瞬間 ! とつとして向かって右の戦闘員が特殊警棒を抜くのが見えた。
喰らったら骨折は免れないと思い、重心をつま先に乗せて即座に全方向へ飛べる体勢をつくりつつ、鞄のフラップをめくる。そこへ特殊警棒が突っ込まれた瞬間、鞄の中を照らすように明りが灯った。特殊警棒に見えたそれは懐中電灯だったのだが、近接戦の武器として使えるよう、明らかに強化されているようだった。
またも男の手が別の生き物のように動く !

「これは何ですか ?」
「のどの薬、龍角散です」
「…… これは ?」
「メガネのケースです」
「開けて確認させてもらいますね」

「これ(こんなにしつこくしたら)、絶対トラブルになるでしょ ?」
「…… はい」
―― はいだって (笑)

男たちは隙を見せない私のこの場での暗殺は不可能と判断したのだろうか、非常に不服そうな表情で私を釈放したが、尚も一定の距離を保ってつけてくるよう。一度は沈静したかに見えたCIAとKGBの限りなき闘いは、主戦場を日本に移し、ふたたび激化に向かうというのだろうか。
凄まじい怒りの中で覚醒し、そして眠りについていた私の中の野獣が目覚めぬように祈りつつ気配を消しさり、人混みに紛れて追跡者を撒いた ……

<R4.11.23 夜の部>

「和幸 王子駅前店」

どうすることもI can notで王子駅。
まだ時間も早かったがご飯だけ食べて帰ろうと思い、北とぴあ通りに並ぶぼくのかずゆきさんへ。しかしメニュウに目を通すと、ドリンクファミリの中に日本酒というのがあった

「冷酒、冷やしたのありますか ?」

常温しかできないとのことで、それをもらうことに。
よくよく考えればこちらの定食は様々な揚げ物のヴァリエイションに彩られており、且つご飯としじみ汁、そしてキャベツがおかわり自由ともなれば、これはお酒のおつまみ~ご飯まで、同時に享受出来るのではなかろうか ? という助平心がにわかに湧いてきたため

これは“葵”ってやつでしょうかね。
茶碗蒸しとくず餅の付く、最初はレディース膳としてメニュウに載っていたと記憶しているが、男女雇用機会均等法施行に依ってレディースという表記が撤廃され、男性でも注文出来るようになったことが嬉しい。
(なんて、最初っから言えば注文できたけどね)

お酒は、徳利とお猪口は情緒があって気分が上がったが、私も最近日本酒づいているので分かってきたことだがその中身は非常にグレードの低いもので、喉をおちていくのに抵抗を感じ、且つ悪酔いしそうなものであったことだけが惜しい ……

とは言え、目論見通りにこちらの質(たち)の良いご飯とお酒の相性は良い。
お酒はたしかビールと日本酒しか選択肢がなく、日本酒も安価なもの1種なのだが、若干コストアップさせてそこに“あたごのまつ”ってやつを加えてもらえれば、呑み処としての戦闘力が俄然上がると思うが、食べ物一本勝負が出来るお店として、それを強化していったときのメリットとデメリットを判断した上で、このあたりを妥協点としたのかも知れない。
キャベツまではお代わりしなかったが、しじみ汁を三つと(笑/飲むとつゆものが欲しくなる質(たち)なもので)ご飯半分お代わりすれば、お酒のふたつとすべて飲み込んだ時点で胃袋の容量が120%程度となり、この状態からわずかな時間ながらも都バスに揺られなければならないことを思うと、倖せながらもちょっと複雑 ……

ちなみに夜のスタッフさんたちの接客も、昼間と変わらずに非常に気持ちの良いものであったということを、あらためて補足させていただきい

  • Wa kou - お酒

    お酒

  • Wa kou - ご飯

    ご飯

2022/04Visitation18th

4.2

  • Cuisine/Taste4.5
  • Service4.0
  • Atmosphere3.5
  • Cost performance3.0
  • Liquor/Drinks-
JPY 1,000~JPY 1,999per head

和幸/プリンスの裕度

今にも雨がおちてきそう。
そんな中、二日連続の新宿映画。エキチカ映画館ということと、この天候との合わせ技で、今日はメトロからのアプローチを諦め、さらにとっくにマンネリ化している新宿ご飯もやめて、ふつ~にプリンスご飯をやろうと覚悟を決める。
それも、一番手近なところで ……

<R4.4.24>

「和幸 王子駅前店」

久々のぼくの「かずゆき」。
ちょうど正午くらいのホリディの店内にはまだ余裕があり、カウンターの最奥へまんまと着席し、「注文がお決まりになりましたらボタンでお知らせください」とアナウンスをくれる彼に、品書き立ての一番前に鎮座ましましていた、大林宜彦監督作品のような名前の季節のおすすめを思わずリフレクト(反射)注文。
してしまってから、あとの祭りだけど、自分は騙されていないだろうかと確認するべくグランドメニュウを広げる(笑)。

つったって(東京弁で、と言っても)、こちらのご飯は概ね1,200円overから、値の張るものでは1,700円台に軽く到達してしまうので、あながち間違ったチョイスでもないのかなと ……

“花ごよみ” @1,480也。

久石譲さんの美しくも不思議なメロディが確かに遠くに聞こえたと思ったら、それに合わせて長髪を纏めた彼が、「左からお出しします」と、やけに神妙な面持ちで厳かに(笑)。
私のお昼ご飯で1,500円というと、ざっくり、かなり背伸びした注文となるのだがしかし ! こちらのご飯は常に、見た目からして一定の水準以上のものしか出てこないのでその意味、良く言って安心し切り、悪く言って油断し切っていると言って、まったく華厳の滝(過言)ではない。
筍とふきの煮びたし、というのがこの膳のキーとなろうか。しかし先ず私が白いご飯と合わせにいったのは、今日もやはり、お醤油をかけたお新香となった。

とんかつ屋さんの煮物。
薄口しょう油で炊かれたそれは、冷やされることに依り逆に味を吸い込んでおり、おいしかった。
茶碗蒸しも、素人にも美味しさを感じされるような、チープかも知れないんだけど分かり易い出汁感を纏い、またしじみ汁はいつもどおりの安定感で味噌しっかり、そこへ添えられた極くきめ細やかな千切りキャベツが、毛細管現象によりたっぷりとゆずドレッシングを呼吸してくれたなら、もう即ち揚げものに到達する前に、既にいい(良い)

―― ただお前がいい。みたいな感じで

だからこの膳における主役である、駿河湾酸桜えびのクリームコロッケにたどり着くまで紆余曲折、随分と時間を要してしまったが、それがまた、このおれの「かずゆき」の裕度をいみじくも示していると思った。
満を持してクロケットの外殻を割り、中にいるのが何らかの怪獣の赤ちゃんではないことの確認がとれたことに先ず安堵し、そのオレンヂがかった(何故ならば海老なので)ベシャメルソース(でいいですか ?)を頬張れば !!

―― ああっ ! おれこれ見破ったよ ! ソースの生地に「じっくりことこと 海老の濃厚ビスク」っていう「まいばすけっと」さんってスーパーで売ってる粉スープが(粉スープ !(笑) 良く言ったおれ !)溶いてあるんだよ ! おれも好きでよく飲んでるんだから。味も色も、間違いないもん ♪
(また出鱈目なことを、おれは)

でも国産桜えびだけでこの風味と色合い出そうとしたら、絶対コスト破綻きたすでしょ、これ

雨の降らないうちにお散歩写真をやっておこうと思い、王子駅の周りをうろうろしてみる。
ものごころついてからでも、もう50年以上の付き合いになる王子だけど、正直まだ知らないことばっかり。
(上中里駅はさらに知らないが、これでも一応私は、「上中里駅廃止に反対するアーチストたちの会」副会長でもある)

坂の上で、太鼓がぼんぼんと鳴ってる
そのattackの聞こえるほうへ好奇心だけに導かれ、今でもこどものように上ってゆくこんな自分が、白状してしまえば自分自身好きだ

  • Wa kou - お店

    お店

  • Wa kou - やってしまいました …

    やってしまいました …

  • Wa kou - ほんとうは、お子様ランチで良かったなあ ……

    ほんとうは、お子様ランチで良かったなあ ……

2021/10Visitation17th

4.2

  • Cuisine/Taste4.5
  • Service4.0
  • Atmosphere3.5
  • Cost performance3.0
  • Liquor/Drinks-
JPY 1,000~JPY 1,999per head

和幸/プリンスのジェンダー平等

出がけ、環七を突っ切るバスの停留所に足を早めていたところ、何やらバス停の前の細い道が工事でほじくり返されて完全に片側通行となっており、15mほど移動していたバス停を見つけるのに戸惑っている隙に、タッチの差で予定時刻のバスを逃してしまう。
のは良いけれど、どこでもありがちなことだが交通整理が要領を得ず、こんなところ休日にクルマの溜まる場所じゃないのに、局所的にまるで東日本大震災の時のような状態に ……

もうそこに見えていたバスに乗るのに15分くらい掛かり、すぐ目の前の環七を越えられるのはいつのことやら ……
バス停を過ぎたバスに何とか乗り込もうと実力行使に出る寸前の頭の弱そうな親子と、それを頑なに拒絶する運転手の攻防を他人事のように傍観していたら、誰が通報したのかパトカーが2台ほど、既に飽和状態のところへ突っ込んでくるものだから逆に交通の妨げに(笑)。
またこれは立ち往生しているクルマから下りてきた運転手か、工事の人を捕まえて文句を垂れているよう

単純に対向2車線の片側が塞がれているのだから、交通量の許容値は1/2を確保できるだろうという気もするが、現実にはそう上手くいかないのだろう。
つったって(と言ってもの東京弁)いくらなんでも対向のこちら側の負荷が偏って大きいような気がして、これって環七の青信号を2回に1回と決め、完全にかわりばんこに通すようにしたほうが、安全確認のタイムロス分が有効に使えるんじゃないのかなぁ ? なんて素人考えが頭をよぎってみたりして ……

<R3.10.16>

「和幸 王子駅前店」

そんなことで、ジェイソン・ステイサムの時間に遅れぬよう、雨の新宿を歩き回るのではなく、久々にプリンスご飯しちゃおうと俺の「かずゆき」に突っ込んでみる。
店内は盛況だが、それ以上にマンパワーが足りていないようで、バッシングを待って着席した。そして早速メニュウを広げるのだが、目線を這わせて結局、やはりこの料理だけがヴァリエイションに富んでいる割りにとりわけお得だよなぁ、といういつものものを告げるべく、電子呼び鈴に指を伸ばすぼく

“葵” @1,480也。

これって前にレディースセットと謳われていたやつかなぁ ?
男女平等ということでどこかの大手レストランチェーンが、そういった表示を廃止するのだとニュウスで見た気がするけど、その一環なのかな。そう思えば、まわりの家族連れもお金を出すお父さんのほうが逆に肩身の狭そうな顔してキャベツばかりを齧っているようで(笑/千切り齧っても歯ごたえがないのがまた涙を誘う)、これはジェンダー平等の実現もあと一歩のところまで来ているのではなかろうかと思った次第。

料理のほうは今日もまったく隙なく、ならば私に残された課題は絶対にご飯をお代わりしないということだけだが、先行してお代わりしたしじみ汁の熱さが身に沁みて、もう矢も楯もたまらずに ……

「すみません、ご飯半分ください !」

その後滞りなく新宿三丁目に移動して映画を鑑賞。
その見どころは、エド・ハリス亡きあと(死んでない死んでない !)、そして伊勢丹会館の「ハゲ天」亡きあと ! 我々はジェイソン・ステイサムをハゲの最後の希望として認めて良いのかどうか !? ということ。

映画のほうは、この時間軸をパズルのように交錯させて終盤で辻褄を合わせるやり方は、とくに目新しいやり方ではないがそれなりにすっきりと辻褄が合い、B級映画を覚悟していたが、アンディ・ガルシア、エディ・マーサンのようなヴェテラン、またイーストウッドの息子という新進気鋭の役者をスパイス使いすることに依り、チープさを感じさせない仕上がりとなっていた

先日公開された「007」のダニエル・クレイグ同様、肉体派俳優の翳りというものがしかし、そこに何ともいえぬ独特な魅力を醸すのは何故か ?
とは言え自らも完全に翳りの領域に突入した今となっては、まず自分のことを心配しろよ ! って話なんだけどね ……

―― つ~かヤバ ! おれジェイソン・ステイサムと同い年じゃん !

  • Wa kou - 全景

    全景

  • Wa kou - この茶碗蒸しと葛餅付きのセット、レディースsetって言ったような気がするんだよなぁ ……

    この茶碗蒸しと葛餅付きのセット、レディースsetって言ったような気がするんだよなぁ ……

2020/09Visitation16th

4.2

  • Cuisine/Taste4.5
  • Service4.0
  • Atmosphere3.5
  • Cost performance3.0
  • Liquor/Drinks-
JPY 1,000~JPY 1,999per head

和幸/誰がためのプリンス

目の前のコドナの酒の勢いが異常に早いことは分かっていたが、黙っていた。
彼ははるか昔に思いを馳せているよう。田舎から独り、足立区鹿浜という恐ろしいほどの大都会に出て来て、どんなに心細かったであろうか。そして彼はそんな中、環七の袂(たもと)に小さな平和を見つけたという。

それはとあるラーメン屋。
そこで生まれて初めて札幌ラーメンというものに出逢い、「ああ ! これが本場の札幌ラーメンなのか !」 と心の底から感動したこと、そしてその店の店内レイアウトの隅々までもが、今でも目を閉じれば、まるで現実のように活き活きと浮かんでくること、そしてその店の屋号が「札幌ラーメン」だったこと etc.

彼のそんな想いにシンクロするように、私も、思えばもう20年弱ほど前となろうか、小学生の夏の淡い想い出となっていた青森への、時空を超えた回帰ツーリングを思い出す ……
下北半島へのアプローチ前夜の青森市街、都会とは違ってまだ早い時間から大勢を占めはじめる暗闇の中に、ぽつりぽつりとオアシスのように点在する飲食店の灯りをたどり、心細さの果てに行き着いた店にて、生まれて初めて出逢った、本場札幌ラーメンというもののうまさに打ちのめされたことを !

青森の夜、そして足立区鹿浜の環七の袂で我々が、それぞれに出逢った本場。
還って環七のそのラーメン屋の屋号がもしかしたら「札幌ラーメン」ではなかったか ? ということは、その店を知る私の中でも、そうだったという思いと、そんなはずはないという思いがずっと去来している。
どうしてそんなはずはないと思う自分がいるのかと言えば、もしもそんな屋号が許されるとしたならば、稲庭うどん屋「稲庭うどん」とか、そば処「そば」とか、そんな紛らわしい店を認めることになるからだ

<その翌々日 R2.9.26/王子>

「和幸」

台風一過ならず、霧雨をひき擦るプリンス。気温も上がらず、この夏をこえて初めて、コール天の長袖シャツに手を通してきた。
目的は東十条での散髪。
昨日はY~ちゃんのところへ、朝食べようと思って買って持っていたパンを忘れてしまい、移動した店からY~ちゃんにLINEして、もし二つとも食べるようだったらあげちゃうけど、一つ残るのであれば、帰り道にピックアップしようかと考えたところ、憐れ未読スルーとなる(笑)。

なので床屋の前の腹ごしらえとして、いつもの北とぴあ通りに突っ込み、今日は白いご飯に惹かれておれの“かずゆき”に。
午後1時半にして盛況の店内。
右手にはパチンコ屋か金融風のパリッとしたユニフォウムを身に着けた凛々しき女の人と、そのマネージャらしき人が、サーヴィス業らしくちょっと遅めのお昼休みのよう。
おって、「お一人様、間になってしまってもよろしいですか ?」 のアナウンスとともに私の隣に男性客がやってきて、カウンター席がこちら側も向こう側もいっぱいとなったことは、これは外出自粛社会からの脱却として、非常にいい傾向だと思った

“潮” @1,450也。
一口ヒレカツ・海老フライ・北海道産真鯛のフライ・蟹クリームコロッケ

いつもどおりにそれなりの揚げ時間を要しての到着。
鯛の、白身魚特有のバクッとした身の断面を強調するような盛付けは、それなりにゴージャスながら、価格もそれなりにいってしまっている(外税を恐怖していたが、ぴったり明朗会計だったことには救われた)。小さくタルタルが添えられているが、それは海老、鯛、蟹、果たして誰がためのものだろうか。

そして例のごとくゆずドレッシングをキャベツの山に段階的に用い、階層的にやっつけていく作業と並行させつつ、揚げ物をヴァランスよく順番に崩してゆきながら、要所要所にお新香での口中調味を織り込むことも忘れはしない !

「これ(お代わり)と~、あとご飯半分ください」

それが私に出来る最小限、且つ最大限の主張だった。
歯で衣が崩れさるその瞬間の、その極上のくるめきの連続には眩暈(めまい)さえ覚えるほどだった。
そして白いご飯の艶に揚げ物の重量感、そしてとんかつソースのパンチとゆずドレッシングの酸味、それらをしじみ汁が、すまし顔して、いともたやすく纏めにかかりはじめた ……

【還って昨晩、Y~ちゃんのところにて】

「ホンオワッタ ? オイテカナイノ ?」

週刊コミックである「モーニング」を何気なく鞄に仕舞おうとして、何故か訝るY~ちゃん。なんでも、店長が毎週楽しみにしているから、読み終えているのなら置いていけ、とのこと(笑)。「じゃ~置いてくよ」と言って、ちょっと納得いかぬまま、ふたたびカウンター天板下の棚に戻すおれ。
いや、実際鞄軽くなるからいいんだけど ……

―― でもなんで店長のことばかり気にして、おれのことはいつもなおざりなわけ、Y~ちゃん ! 店長は年収一千万の青年実業家なんだから、心配しなくてもマンガくらい自分で買えるわよ。年収一千万から∞(無限大)ってトイレのポスターに貼ってあるじゃない。この居酒屋グループは絶対に失敗しない緻密な店舗経営者育成プログラムを持ってるんだって、書いてあったよ

絶対に失敗しないんだったら、なんでぜんぶ直営にしないの !? って話だけどね

  • Wa kou - “潮” 一口ヒレカツ・海老フライ・北海道産真鯛のフライ・蟹クリームコロッケ

    “潮” 一口ヒレカツ・海老フライ・北海道産真鯛のフライ・蟹クリームコロッケ

2020/04Visitation15th

4.2

  • Cuisine/Taste4.5
  • Service4.0
  • Atmosphere3.5
  • Cost performance3.0
  • Liquor/Drinks-
JPY 1,000~JPY 1,999per head

和幸/Locked prince

祖父が生きている頃、公共交通機関で一緒に出掛けるなんてどんな機会であったかとんと忘れたが、大師のとこから江北橋へと抜ける、足立で一番古い大通り(今となっては片側一車線の狭苦しい通り)を通る都バスで池袋まで出るのはいいのだけれど、そこから新宿まで、いったい何が悲しくて渋滞の明治通りを更にバスで往くのかと、私の母、及び叔母が随分と訝っていたことを思い出す。

いや、足首の腱鞘炎、もしくは痛風で何日か動けなかった私だが、今日は目に見えて調子が良く、これは食料でも買い出しに行っておかねばと着替えて外に出てみれば、やはり通常歩行までにはまだとてもほど遠く、これはとてもじゃないけど路線バスで移動出来る範囲まで ! 鉄道の駅の階段の昇降などとても無理 ! という目に合って初めて、あの時皆でバカにしたお爺ちゃんの哀愁がとつとして身に沁みてくる ……

<R2.4.29>

「和幸」

今日の目的は、痛い足の為に切らしたgel状消炎剤の購入、こないだの交通違反の反則金を納める為に銀行でお金を下ろすこと、お昼ご飯を食べる、お家ご飯用食料(お家飲み用おつまみともいう)の調達、その四つ。

北本通りで“薬”という看板を目視し、王子駅の一つ手前の停留所でバスを下り、無事薬を買って信号を渡って北とぴあ通りを見渡せば、居酒屋は兎も角、いつものスパゲッティ屋と中華屋のシャッターまでもが下りており、ここからご飯処を求めて歩き回ることは幾ら私のロボ根性でもさすがに不可能と本気で焦る。
俺のかずゆきの前に人が立っているのが見えたが、この状況だと持ち帰り対応のみと考える方が自然と思い、近寄っていって解放されたドアの向こうのカウンターにお客さんが着いているのが見えた時には、もうほんとうに救われた思いがした !

入ってこちら側、一番手前のカウンターに着く。
何故ならば、当たり前だけどそれがもっとも歩行距離を短縮できるから(笑)。ホール係は若い彼。アルバイトの方々も(彼がアルバイトかは分からないんだけど)こうしてお店が営業してくれていれば、臨んだシフトで十分にとはいかずとも働いて最低限の収入を得ることが出来ると思うが、休業しているお店でアルバイトしていたであろう多くの学生さん達が、これは他人ごとではなくとりわけ心配である ……

※ 私は今回の騒動で何か腑に落ちないことに多く直面し、その一環としてその中の一つ、マイコンであらためて“自粛”という言葉をひいてみた。辞書で自粛という言葉をあたらめて引く方がどれだけいらっしゃるであろうか。ほとんどいないと思う。そうすると、皆まで言わないけど、“自粛要請”なんて言葉遣いの胡散臭さが非常によく分かる

―― 自粛というのは“自ら進んで”行う、即ち能動的な行動に他ならないということを知ったなら

“花ごよみ” @1,280也。
一口ひれかつ・海老フライ・あさりクリームコロッケ

そういえばこないだ同じ物を注文したときに、大林宣彦監督の作品に似た名前、なんてやってしまったんだけど、その監督もとうとうお亡くなりになってしまって。大林監督、原田知世さんもきっと許してくださってると思いますので(笑)、どうぞ安らかにおやすみください。
あと神保美喜さんの迸るホットパンツ姿をありがとうございます。神保美喜さんの、もう尋常じゃなく健康的な太ももをありがとう。

料理のほうは、品書きを見ると、仕入れの都合からかスタッフの確保の問題からか、シールでペケされて対応できない料理がけっこうあるよう。
今日の料理も、野菜や揚げ物の素材の一部にいつもの“活き”を失っている部分が垣間見える気もするんだけど、状況が状況なだけに、お店を開けていていただいことだけでも、素直に感謝している。
いつもはお付けとともにご飯を半分お代わりするんだけど、ここのところ足の痛みで細った食にそれはやらずに済ますことが出来たことも、ある意味期待通りのことで、今しばらくは“便乗痩せ”の流れに身を任せるつもりの私である

  • Wa kou - “花ごよみ”

    “花ごよみ”

  • Wa kou - もう待ったなし

    もう待ったなし

2020/03Visitation14th

4.2

  • Cuisine/Taste4.5
  • Service4.0
  • Atmosphere3.5
  • Cost performance3.0
  • Liquor/Drinks-
JPY 1,000~JPY 1,999per head

和幸/プリンスのシークエンス

今朝、月例の朝礼で今月の当番がスピーチの時に話したテーマを、夜になって興味深く思い出している。
それは仕事が出来る人間の行動学的なもので、なんでもビジネスマンはその日着ていくシャツ、ネクタイをその日の朝に決めてはいけないのだそう。ではどうすれば良いのかというと、一週間分のシャツ、ネクタイの柄は休日にすべて決めておくべし、というのだ。

何故かというと、人間の脳というのは一日に約9,000回もの膨大な決断を迫られるもので、となればその日の朝に今日着ていくシャツやネクタイの柄なんか、その朝に決めている余裕などない。決断を繰り返せばそれだけその質が落ちてくる。だからそれを前もって決めておけば脳の負荷を下げることが出来、仕事のパフォーマンスを上げられるのだという。
同様に電車通勤であれば、電車は毎日同じ時刻の同じ車両の同じドアを目指し、そして(これは現実的には無理だろうけど)同じつり革に掴まるのが良いとのこと

―― あっ ! ということは半年後のレストランの予約をしている人たちなんか、めちゃくちゃに仕事出来る人ってことじゃん ! 今まで散々バカにしてきてごめんなさい !

<R2.3.2 夜の部>

「和幸」

午後6時45分。
帰りの電車の車内も平時より空いている感じで、ここ王子のとんかつ屋さん、“俺のかずゆき”も然り。
入店すると見たことない若い彼が少々緊張気味に、カウンター席にも随分と余裕がある中で二人掛けのテーブル席に私を案内してくれた。

で、季節限定のそれを、他のメニュウはメニュウ立てに仕舞ってそれだけ残して指差し注文したら、彼は律儀に「それではご注文を繰り返させていただきます ! “花ごよみ”一つでよろしいでしょうか ? それではご注文を承ります」と。
ふつうであればニヤけてしまうところ (笑)、彼の真剣さに呑まれて真剣に聞いてしまったのは何故だろう ……

春季限定“花ごよみ” @1,280也。
あさりのクリームコロッケ・一口ひれかつ・海老フライ

大林宣彦監督最新作に似た名前[注]の揚げ物揃えの皿が舞い下りる。
早速いつもの“かずゆきシークエンス”が自動的に立ち上がり、キャベツ千切りにドレッシング、小皿にソース、お新香に醤油をまわすまでは滞りなかったが、レモンがけっこうに根性のあるヤツで、中々絞れない。が、私も“鉄の爪”と言われた男 ! 本気で力を籠め、その本気汁を絞り出す !!

注) 2017年「花筐」(はながたみ)。大林監督がガン宣告を受けながら撮り切った渾身の168分 ! 私の好きな山崎紘菜ちゃんも出ている(つ~か山崎紘菜ちゃんの他の作品を知らない/笑)、今尚も監督得意の実験的映像バリバリの力作

いつものようにしじみ汁、またご飯をお茶碗半分お代わりする。
こちらでいつもお代わりしてしまうのは、基本的にこちらのご飯が美味しいからなのではなかろうかと今頃考えながら、キャベツ千切りが油膜切れを起こさぬよう、ドレッシングを給油していくことを忘れもしない。

タルタルソース、とんかつソース、そして醤油、それら本来の味の拮抗。レモンをもう一度全力で絞ったら、とうとう息絶えた ……

  • Wa kou - 春季限定“花ごよみ” あさりのクリームコロッケ・一口ひれかつ・海老フライ

    春季限定“花ごよみ” あさりのクリームコロッケ・一口ひれかつ・海老フライ

2019/04Visitation13th

4.2

  • Cuisine/Taste4.5
  • Service4.0
  • Atmosphere3.5
  • Cost performance3.0
  • Liquor/Drinks-
JPY 1,000~JPY 1,999per head

俺のかずゆき/毎度のことなんだろうけど

いつもの居酒屋に突っ込んでいったら、Yちゃんとギャングースが初めてかぶっているよう。
どちらも非常に小柄で、この娘たち目方40kgあるのかな ? って心配になるくらい。私の入店した直後、「ちょっと早いけど7時半であがりでお願いします」と、店長からギャング―スに声がかかる。今日8時までだったんじゃない ? と訝るYちゃん。
彼女があがったあと、Yちゃんに聞いた

「Nちゃん(ギャングース)と仲良くなれたの ?」
「なれるわけないじゃないですか ! 30分も一緒にいれなかったのに !」

―― 不服そうに答えるYちゃん(笑)。でも盛り上がっていないからって、そしていくらアルバイトだからって、その時その時もうあがってくれとか、絶対良くないって。そんなことやってっから肝心なときに協力してくれる娘がいなくなっちゃうのよ。いや、それがほんとに無駄なものであれば削減すればいいんだけど、お客さんたちへのサーヴィス強化ってことにも、女の子たち同士の仲間意識の構築ってことにも、その時間って有益なものとなる筈なのに ……

昨夜は随分と冷え込んでいたが、最終的には飲みすぎて意識朦朧タクシーに乗り込んでしまったので、それほど堪えることはなかった。
坂の途中のラーメン屋のお姉さんが、4月いっぱいで店からいなくなるのだと言っていたような気がするんだけど、本気なのかふざけているのか良く分からなかった。いや、おそらくほんとうだろう。
ふつうであれば私はそんなとき、「じゃあ俺はどうなるの ?」って嘆く素振りでふざけてみせるんだけど、そんな余裕すらなかったことを思い出してきたので ……

<H31.4.27>

「和幸 王子駅前店」

注文して料理を待つ間に、私側のカウンターの端に年嵩の男性が着く。と思ったら立ったまんま、ホールの女性に思いの丈を述べはじめるではないか。
その内容とは、生の野菜は食べられないのでキャベツはいらない、お新香もいらない、味噌汁は塩分控えめで最初から少し多めに、且つ“熱く”持ってきてもらいたい。

「部屋に入ったら風呂場の換気が悪いでもなんでもいいから文句をつけろ。それが金持ちというものだ」

「地下室のメロディー」の中で、高級ホテルのカジノ売上金強奪を謀ったボスのジャン・ギャバンが、そのホテルにチェックインするとき、チンピラ上がりで金持ちの所作を知らない子分のアラン・ドロンに指南したその台詞を、私は忘れることはないだろう。
なんでもかんでも我儘いえば、またはケチつければ自分のステイタスが上がるという世界がもしも存在するとしたならば、私はそんな世界で生きていきたくはない

―― でも食べられないもの最初から抜いてくれっていうのは、捉え方によっては良心的かも知れないけど。ただ味噌汁塩分控えめっていうのが、果たしてどうやるのか ? もしかして裏でお湯で薄めてたりしてね(笑)

“花ごよみ” @1,280也。
はまぐりのクリームコロッケ・一口ひれかつ・海老フライ

まずお新香に醤油をまわして白いご飯をやるということを、今日も滞りなく守っていく。今日はご飯が幾分ねっとり気味であることが、私の興奮のピークをわずかに押さえ込んだ。続き柚子ドレッシングをキャベツ千切りにまわし、その浸透圧でキャベツをへなへなにしてうま味を引き出す間に、お小皿にソースをたっぷりと注いでおく。

海老フライにはタルタルソースがついて嬉しいが、ちょっと試してみるとピクルスが過多なのかなんなのか、私にとっては幾分酸味が強い。タルタルソースはそのまんま舐めていけるくらいじゃないとダメなんだけどなぁ …… まあいずれにしても白いご飯と相乗させるにはソースでやったほうが良いかなと思ったので、ここではそれほど深刻なことではない。

例の如くしじみの御付けをお代わり、そしてご飯茶碗半分のお代わりを敢行。お会計は明朗に内税でそのとおり。そんなの毎度同じことなんだろうけど、都度、さすが“俺のかずゆき”だと、またしても感心してしまった

  • Wa kou - “花ごよみ”

    “花ごよみ”

2019/02Visitation12th

4.2

  • Cuisine/Taste4.5
  • Service4.0
  • Atmosphere3.5
  • Cost performance3.0
  • Liquor/Drinks-
JPY 1,000~JPY 1,999per head

和幸/プリンスたちの律儀

朝起きたら、外の景色は薄らと白く雪化粧されていた。
心配された大雪からは逃れたようで、もう子供じゃないんだけど、ホッとさせられるのと同時に何かがっくり来てる自分をも見付けてしまう(笑)。
TVニュウスからは、つい先日、かつてない温暖な気候に依って雪祭りでも事故が起こり、その異常気象が引き起こす危険を煽るような報道が挙ってされていたばかりなのに、その舌の根乾かぬうちに今日は一転、同じくどこかの雪祭り開場から、本土からやって来た観光客がそのあまりの寒さにびっくり仰天する様子が面白おかしく報道されている

<H31.2.9>

「和幸」

ワンパタンだとは分かっているんだけど、外から硝子越しに中を覗いてカウンター席が十分に空いているのを見たら、もう自分を止めることは出来なかった。
足を踏み込むなり当然のようにカウンター席へと案内されるが、続き入ってきた私と同じくお一人様のおばちゃんは、お好きなところへどうぞとなり、四人掛けのテーブルを一人独占しちゃうようである。
何故私がカウンター席に追いやられ、おばちゃんはテーブル席でどうぞとなったかというと、それはひと言で言って男に対して女性のほうが我が儘で言うことを聞いてくれなく、だからトラブルを未然に防ぐ為にそういった交通整理をしたのだろう。かな ?

“冬季限定メニュー/ひいらぎ” @1,280也。
海老と蟹のクリームコロッケ・一口ひれカツ・海老フライ

べつに“限定”ということに目が眩んだわけではない。
こちらの料理は概ね美味しいし、こちらの接客も概ね気持ちの良いものだとはもう繰り返し述べさせていただいているので、今さら良いだろう(笑)。
そんなことよりも(おいおいおい !)聞いていただきたいのが、前述の私のおっかなびっくりの見解を証明するかのように、続き入ってきた女性は、今度はヴァランス感覚でカウンターへどうぞと促す女の子の勧めを拒否し、テーブル席が良いんですけどとなって二人掛けのテーブルに着き、そしてまたまたおっかけ入ってきたおばちゃんは、同じく女の子の勧めを拒否し、(もう二人掛けのテーブル席がなかったので)四人掛けのテーブルに着くことに ……

となると、結果、私が食事を終えて席を立つ間に、四名入ってきた女性お一人様の内、一名はお店のスタッフがどちらでもと促したので除くとして、残り三名の内実に二名が ! 店のホールの女の子のカウンターへの誘導を拒否する形でテーブル席に着いたということになり、同じくその間に入店してきた男性陣は私含め都合三名、その全員がお店の女の子の言いつけを律儀に守り、大人しくカウンター席に納まったわけである。

―― これほんとにほんとだからね !

まあ二人掛けのテーブルに着いた女性は開口一番ビアをやりはじめたので、テーブル席でゆったりと独り、揚げ物酒(笑)をやりたいという気持ちは良く理解できるし、またカウンターに素直に着いた唯一の!(笑)女性も、最初にビアから入るようである。

土曜日の午後四時。これからお母さんという過酷な重労働を控えての、一時のほんのささやかな自由時間の享受なのだとしたならば、でもそう考えた瞬間、私の心も一気に共感にスライドしていくのを感じちゃうかな ……

―― 「男はつらいよ」っていうのはあるけど、女だってきっとつらいんだろうね ……

  • Wa kou - “冬季限定メニュー/ひいらぎ”

    “冬季限定メニュー/ひいらぎ”

2019/01Visitation11th

4.0

  • Cuisine/Taste4.0
  • Service4.0
  • Atmosphere3.5
  • Cost performance3.3
  • Liquor/Drinks-
JPY 1,000~JPY 1,999per head

和幸/永遠の0

スーパーモデルから一緒に飲みましょうとLINEが入る。
今どこにいるのかと聞いたら、ローソンの近くにいるという。呼応するように、私もいつもの居酒屋からローソンの近くに移動したが、これは私にとってはふだん通りのルーティンとも言えること。スーパーモデルからは引き続き、早く来て欲しいというLINEが連続していた。
実は私は、一応何があっても即応できるように(笑)、下の鉄板焼き屋に潜り込んだのだ。スーパーモデルはその二階の、今年の正月から会員制が布(し)かれたBarに出ているのだろう。であるからして、単純にお店への呼び込みなのに「いっしょに飲みましょう」は卑怯だろうと思うが、向こうは自分が美人だから、それで通ると思っているのだろう。田舎のバスがおんぼろグルマでも、車掌が美人であれば皆我慢できるように ……

さて、私は次のステップに移るべく、天井一枚隔てたスーパーモデルにLINEした。

「だってそこはもう会員制になったじゃん。俺は会員じゃないからいけないもん ……」
「大丈夫ですよ !」
「会員№も与えられてないし、会員証さえも届いてないから」
「待ってますね ♪」
「会員№4番以内じゃないと(プライドが傷つくから)いけない ……」

<H31.1.27>

「和幸」

午後四時のブレックファスト。
久々、映画を観ない日曜日は、良く言ってゆとりがあり、悪く言ってぐ~たらの一日となる。都バスを王子二丁目で下りて駅北東辺りを責めてみようかとも思ったんだけど、帝国データバンク調べの評点が40に満たない店のオンパレードということは痛いほど分かっていたので、やっぱりいつもの、北とぴあに向かう小路に入る。
そしたらガラス越し、カウンター席に余裕がありそうだったので、喜び勇んで突っ込んでみた。

入り口から見て手前側の、さらに位置的にも椅子一つ空けて手前側に陣取る。明らかに入り口から侵入してくるすきま風に、黙って耐えた。何故ならば、どうせご飯がきてしまえば暖まるんだし ……

“やまぶき” @1,200也。
一口ひれカツ *2・カニクリームコロッケ

先ずお新香に醤油をまわすのは、ここ俺の「かずゆき」でのいつもの通過儀礼。洗い箸ながらティップに工夫が施され、滑りにくくした箸の(それでもまだ、ふつうの割り箸のほうが全然高性能だと思うけど)鞘を潔く捨てる。やはり白いご飯とお新香の組み合わせは、とりわけ醤油を媒介させるとこの上なく最高 !!。
私は白いご飯というのは、昔っからただの味のない粒々の集合くらいにしか思ってなかったんだけど、母を亡くし、また並行して外食が多くなったことによって、その多くは外国人のお店ではあるが中国人に依る中華屋、またインド/ネパール人によるカレー屋などで、“不味いご飯”というものをふつうに頻繁に体験することにより、相対的に“美味いご飯”という概念が自分の中に芽生えたのだと思う。
その意味で、こちらのご飯は十分に美味しいといつも思う。

続きキャベツ千切りにドレッシングをまわす。
ドレッシングは一気にキャベツの全体量分を使わずに、こまめにかけていくのがコツである。そのほうがドレッシング本来、またキャベツ本来のフレッシュな風味が連続的に楽しめるので。
そしてお小皿にソースを十分に注ぐ。
これについては、お小皿を経由させるよりも揚げ物に直接ソースをまわすほうがフレッシュ且つスリリングなような気もしないではないが、せっかくお小皿をつけて、大きなお皿の洗い工数低減、及び無駄なソース消費の抑制という、お店側の改善努力に強力してあげたいという気持ちから

しじみのお汁のお代わりからの、ご飯茶碗半分のお代わり。
お茶碗半分ということが欲望と自制との限りなき戦い、及びエクスキューズ、それらのすべてを表現している。お茶碗半分と言えば、お店の人が気を利かせて2/3くらいはよそってきてくれるんじゃないかというも淡い期待も籠めつつね …… (笑)

【還って昨夜/と或るBarにて】

今までの私のそのBarへの貢献度を鑑みれば、どう考えても会員番号4番、おニャン子で言えば新田恵利以上のポジションが与えられるのが当然だと思ったので、少々ごねてみてる。もし私に対する店の評価がそれ以下の場合、私はその店からあっさりと“卒業”し、ふつうのおじさんに戻る覚悟を決めていた。
夜も更けて日付も替われば、スーパーモデルからの誘いは先ほどまでのその勢いをロストしているようにも思えた。おそらく、何人かの客が上がっていって、当座の手持ち無沙汰が解消されたのであろう。所詮、俺なんかその程度にしか見られていないのかと思ったら、ちょっぴり涙が出てきた。

―― だって男の子だもん、涙が出ちゃう ♪

救いの神のように、やっとオーナーからのLINEがやってくる

「はよ !」
「だから俺の会員№は何番だっつ~の ?」
「0 (ゼロ)」

―― ママ、チェックして !

  • Wa kou - “やまぶき”

    “やまぶき”

2018/10Visitation10th

4.0

  • Cuisine/Taste4.0
  • Service4.0
  • Atmosphere3.5
  • Cost performance3.0
  • Liquor/Drinks-
JPY 1,000~JPY 1,999per head

和幸/プリンスのブレックファスト

昨夜もSちゃんと、真夜中のお食事会。
鉄板焼き屋のママの味付けの濃い、大蒜と生卵と醤油にまみれた(笑)イタリアンサラダにさらに塩っ辛さ抜群のアルプスの岩塩を振っていくところが、だから彼女は女子大生にしてこんなおっさんについてくるんだろうな、と、朧気ながらもささやかな確信を得るに至ってきたところである。
こういう根本的なところでの味覚が違っていたら一緒にいたってお互い苦痛だろうし、その意味で俺らは合ってると思うんだけど、それ言ったらふざけんな ! て口撃(攻撃)されんのよね ……

―― でも血圧185の俺にして、このサラダに塩ふるのトマトの上だけなのに、恐るべしこの女子大生 ……

「草月」の前から東十条南口へとカーブしながら上る長いスロープを、齢五十のボクを置き去りにして無邪気に駆けあがってゆくあなたの背を必死んなって追いかけることも、もうきっと僅かの間だよね ……

<H30.10.8>

「和幸 王子駅前店」

午後一時半を過ぎていた。
いつものカウンターとなるが、まだこの時間けっこうに混みあっており、でも食事を終えているおば様方二人のサイドに陣取る。お茶を持ってきてくれたお姉さんからの、こちらが一所懸命メニュウを見ているのにお決まりですか ? とのジャブを受け流しつつ選定作業を進めていると、店内にチャイムが鳴って、そのお姉さんがまた接近してくる(笑)。

そこで「呼んでないですよ」と言うのはいいんだけど、それをやっちゃうと半ば決まりかけていた注文に、一旦拒否したのにすぐ呼ぶかコイツ !? と訝られてしまいそうで、そんなことまで気にしなきゃいけなくなるから堪らない(笑)。
ちょっと話は逸れるけど今朝の報道ヴァラエティの中で、お店で千円未満のものを買って一万円札を出すとき、すみません、とひと言添えるかどうかでスタジオの意見は真っ二つ(笑)。気にしない派は、こっちが客なのになんで店にへりくだらなければならないのか、ということ。これは分かる気もするんだけど、ずばり言っちゃうと私は傲慢だと思う。
ただタクシーの運転手のように、明らかに確信犯(お釣り持ってんのに、チップを期待してか出し渋ったりする)な連中には、意地でも突っ張っちゃうけどね。無駄に ……

―― で、無駄に神経疲れちゃうのよ ……

「プラス百円で味噌ダレが付きますが、如何いたしますか ?」

―― こないだ何も言わずに百円加算されたことこの電子日記で詰ってから、意識してちゃんとアナウンスしてくれるようになったのかなぁ ? まあいらないけどね、味噌ダレなんか (笑)

“あじさい” @1,750(外税)也。
一口ヒレカツ2ヶ・海老フライ2尾・カニクリームコロッケ・茶碗蒸し

今日はいつもの北千住での映画鑑賞を目論んでいる為、席の予約を先にという工程が必要なく、ならば王子でご飯を食べていっても同じということで、安心安全のこちらへとやってきた次第。
何故自由席にも拘わらず余裕ぶっこいていられるかといえば、三百弱ほどの席数を誇りながらも、いつもいいとこ十数名しか入らない為(笑)。

今日はちょっと奮発してしまった。
舞い降りた膳にお姉さんが丁寧に説明をつけてくださる時間が待ちきれない(笑)。こちらがドレッシングでこちらがソースで …… 知ってるわそんなの ! (笑)。そして私にとって最も大切なもの、醤油をお新香に回し、白いご飯で一口目をやるといういつもの儀式を以て、私の、昨日よりは時間的に未だマシなブレックファストが厳かにはじまった。

今日もご飯が超うまい !
まずしじみ汁をお替わりしようとすると、「キャベツお替わりは如何ですか ?」と。べつにキャベツはいらなかったので、丁重に辞退させていただく。
次ぎにご飯を半分と、しじみ汁をもう一杯お替わりしようとしたら今度は別のお姉さんが、「キャベツお替わりは ?」と。

―― 皆キャベツに異常に固執するのは何故だ !? (笑)

ソース、ドレッシングを好きなだけやれるということの、この至福。ほんとうは並びのスパゲッティ屋さんとどちらにしようか迷ったんだけど、白いご飯を希求する自分を止められなくこちらへの入店を決めた次第。結果その欲望は完全に満たされ、倖せ感がもうハンパない(笑)。

キャベツの件は、これは私の想像なんだけど、仕入れの八百屋さんと物量契約、毎月5t仕入れることを約束するから単価を30%offしてほしいとか、そんな契約をしてしまった為に、消化に必死なんだけと思う。だから皆さん、ぜひこちらに来てキャベツお替わりしてあげてください !
出来れば俺のいない時間にね。混んじゃうとヤなんで ……

  • Wa kou - “あじさい”

    “あじさい”

  • Wa kou - “zoom in”

    “zoom in”

2018/08Visitation9th

3.7

  • Cuisine/Taste3.8
  • Service4.0
  • Atmosphere3.5
  • Cost performance3.3
  • Liquor/Drinks-
JPY 1,000~JPY 1,999per head

和幸/プリンスのあみあみ

明治通りの向こうのスパゲッティ屋さんに向かった。
札は Open に返っている。
階段を上っていった。いつものコウコウという風切り音が鳴ってる。ドアを引いた。そしたら厨房からかコックユニフォウムを来たお兄さんが出てきて、お一人様ですか ? と聞いた後、少々お時間が掛かりますとなって。カウンター席は空いていたので、おそらく料理の提供に時間が掛かるのだろうと予想したが、招かれざる客となってもろくなことにならないので、ここもあっさりと踵を返すことに。

こちらの店とは最近相性が悪く、こないだは、やはりお一人様ですか ? とやられた後に少しお待ちいただくようになりますとなって、そのときもぼやいてしまったんだど、空いた席の隙間に入れるということも料理を待たせないということも、そのことのみで考えたらどちらも、寧ろ一人のほうが大人数よりも有利だと思うんだけど。
だからこの対応はどういうことかというと、場所を食われたくないから一人客ならいらない ! ってことなんだろうけど、それも看板掲げて、ということは不特定多数のお客さんへの平等なサーヴィスを宣言している店として、些か失礼というか、フェアじゃない話だよなぁと ……

<H30.8.4>

「和幸」

午後六時二十分からのブレックファスト。
何故ならば、昨夜は Sちゃんと夜中の三時までいっしょにいて、べろんべろんにされてしまった為。奥のスパゲッティ屋か迷ったが、外から覗いたら私専用のカウンター席ががらがらだったので、吸い込まれてみた次第。

メニュウがまた刷新されている。
こういうことはお客に継続的に来店してもらうということを考えたとき、非常に重要な要素になると思うが、何故かそれを気にしない店も多い。
分かり易く言うと、いつも同じ作品ばかり上映してる映画館にお客が来続けるのか ? ということだか、それでも客は来る ! って人がもしいたとしたならば、それはもうオカルト信奉者の領域であろう、としか思えない

“やまぶき” @1,200也。
一口ひれカツ 2ヶ又はロースカツ・蟹クリームコロッケ

まずは失われた塩分を補給する為に (いや、今日はそれほど失われてないかも知れないなぁ) しじみ汁を。
そしてまたまた失われた塩分を補給する為 (笑) に、キャベツ千切りに柚子ドレッシングをたっぷりとまわし、且つお新香に醤油をかけた。こちらのご飯はいつも通りに美味しい。
クリームコロッケを食べるのをいつも失敗しているので、今日は塊のまんま箸でリフトさせ、ソースをつけてそのまま口に運ぼうとしたんだけど、もう一歩のところで憐れ空中分解してしまい、またしても中身をあみあみ (揚げ物の下に敷いてある金網) の下にロストしてしまう (笑)。

一点、いつもそつのない仕事を見せてくれるこの店にしては珍しいことだが、ひれカツを最初にどこに置いちゃったのだろうか、衣の底のとこがちょっとふやけちゃっていた (笑)。提供時にはちゃんとあみあみの上に並べられていたので、その前の工程でのことだと思うんだけど

最初暑いかなと思っていた空調の設定が、続いた客入りによってか強めにアジャストされたことには、こういうのがふつうの仕事だよなって、心底思う。しかしそのふつうが成っていない店が多過ぎて、だからもうこういう対応が特別に素晴らしいことのように思えてくるというのも、ほんとうは考えものなんだけど。

後から入ってきたお父さんお母さんが揃ってビールを注文し、揚げ物を全バラ注文し始めて、で、結局最後にご飯と味噌汁と。
ということは私と同じで、とんかつ系がダメなのかなと予測してしまう。こちらのセットものは、これはとんかつ屋として当たり前のことなのだろうけど、どれも最低限一口ひれカツ程度が組み込まれてしまっているので、完全にそういうものが NGの場合、こんなふうに単品注文となってしまうのだろう。

で、それとなくメニュウを広げなおして確認するんだけど、前にもそれを探したことがあると思ったがやはりご飯セットなり、ご飯、お汁の単品価格なんて載っていなく。

―― 俺も今度試してみたいなぁ、ああやって好き勝手に。どういう値段になるのかすごくになる気けど ……

  • Wa kou - “やまぶき”

    “やまぶき”

2018/06Visitation8th

3.6

  • Cuisine/Taste3.7
  • Service3.8
  • Atmosphere3.5
  • Cost performance3.0
  • Liquor/Drinks-
JPY 1,000~JPY 1,999per head

和幸/プリンスの egg custard

引き続き晴れ渡る東京。
国鉄王子駅前。午前十一時四十分。いつものスパゲッティ屋さんにあんまり依存し過ぎるのも脳がないので、今日は歩道橋を上がって通りの向こうのスパゲッティ屋へ。二階の窓にかかる札は“OPEN”に返っており、まずは一安心。
で、勢いドアを押し入れば、けっこうに埋まり尽くしたテーブル。が、完全に満卓というわけではなさそうに見えた。
のだが ……

「何名様ですか ?」
「一人です」
「すみません、ただ今満席でして ……」

―― いやいやいや、一人客でさえ許容できないくらいの満席だったら、最初っから何人か聞く必要ないんじゃないの ? って訝ることって、いけないことですか ?

<H30.6.30>

「和幸」

そんなこんないつものスパゲッティ屋の前まで戻ってきて中を覗いたんだけど、こちらもけっこうな席の稼働率となっているよう。
そこで突っ込んでいけば問題なく着席出来たんだろうけど、乾麺茹で上げってことで時間が掛かるかも知れないという不安がにわかに生じ、より厨房に裕度を持っているであろうとみている (ただの想像だけどね)、王子駅から見ると手前の、俺の“かずゆき”へと。
そこまできてやっと、滞りなくカウンターの角に着くことができた。

“レディース膳/葵” @1,480也。

このセットを注文するのは初めてじゃないけど、ディザートにくず餅の姿が見えたのは初めてだった。
これは例の、王子某店の有名なやつであろうか ? そしてこれが例の地産地消というやつであろうか ? (いや、そもそもこれがくず餅かさえ自信ないんだけど[注]) ディザートであるにもかかわらず、それは冷たくて美味しくて、もう堪らずに真っ先にやっつけにかかってしまった。

注) やはりくず餅というより、わらび餅であったようです

そしてこちらでの私のいつもどおりの儀式、白いご飯の最初の一口はお醤油を吸わせたお新香で。
醤油本来の味が活きていて、死ぬほどに美味い。キャベツのメンチ、茄子、海老、あと何か (何かってなんだよ !)。そのすべてに、今度はソース本来の味を与えてゆく (笑)

そして茶碗蒸しもまた美味い。
私は子供の頃茶碗蒸しを避け続けていたんだけど、その理由は、茶碗蒸しのことを一時期の間何らかの“虫”だと思っていた事に依る。
“蒸し”ではなく、“虫”じゃないかと。

いつもどおりにしじみのおつゆをお替わりして満足。
いつもながら、こちらは接客もほとんどの場合丁寧で料理も美味しいし、お店も綺麗だし ♪

  • Wa kou - “レディース膳/葵”

    “レディース膳/葵”

2018/05Visitation7th

3.6

  • Cuisine/Taste3.7
  • Service3.8
  • Atmosphere3.5
  • Cost performance3.0
  • Liquor/Drinks-
JPY 1,000~JPY 1,999per head

和幸/プリンスの目線

空が異様に蒼かった。
地平付近で薄い水色をみせるそれは、目線を頭上にあげてゆくにつれたっぷりと濃さを増す。電線にカラスが止まっていた。飛ぶことをやめた Black-Bird。その漆黒は私に孤高を伝えてくると同時に、そこはかとなく死を予感させた

<H30.5.20>

「和幸 王子駅前店」

ほんとうは今日もスパゲッティが食べたかったが、それだと二日連続となってしまう。連日の深酒に疲れた胃には申し訳なく思うが、そんなことで手前のこちらをチョイスさせて頂いた次第。東十条の床屋に入る前のご飯なんだけど、東十条まで行っちゃうと更になんにもないことが分かりきっている為。

正午の十分前。
中央のカウンター席はほぼ空いており、女の子は一番入り口近くの忙しない席 (おいおい !) に私を誘導。別に忙しないことに文句はないが、この席だとウェイティングしている女の子たちに私のハゲがバレてしまう。南こうせつ氏がただあなたの優しさが恐かったように、私にはただそのことだけが恐かった

“雅” @1,275也。

今までふつうに注文していたけど、なんかこれも、男性でも注文できるが本来レディース向けのセットらしい。最近ゲイづいてきた私にはぴったりかなと思った。
内容はかぼちゃのフライが二つ、海老フライが一尾、ミニサイズのヒレカツの真っ二つ、一つ分。
若い女の子がいつも、これはソースのお小皿だと説明をくれるんだけど、揚げものとしてほんとうはソースは豪快に、大皿に直接まわしてやったほうが美味いんじゃないかと思うのだが、これは洗いを楽にしようというお店側の算段なのか、ちょっと分からない。

ご飯をひとくち残した時点で、それに見合ったお新香も残っている。我ながら自分の口中調味の巧みさには、いつも感心させられる

食事を終えかけたとき、私の真向かいに若い女の子二人組がやってきた。
私は女の子を見るとき、若いかそうでないかも然ることながら、可愛いかそうでないかも多少は (多少じゃねえだろ !/笑) 気にするオトコなので、なんとかその表情を確認しようとするんだけど、目の前の格子の衝立がいみじくも邪魔をする。

―― まあこれがなきゃないで、ストレートに目線がクロスし合っちゃうので、ちょっぴり恥ずかしい思いをするんだろうけどね ……

  • Wa kou -  “雅”

    “雅”

2018/04Visitation6th

3.6

  • Cuisine/Taste3.7
  • Service3.8
  • Atmosphere3.5
  • Cost performance3.0
  • Liquor/Drinks-
JPY 1,000~JPY 1,999per head

和幸/プリンスに照れて

見上げて曇天。
この薄いのと厚いの、白いのと暗いのの濃淡のグラデイションは、昨晩飲み過ぎて、またしても (女の子に囲まれるという意味で)倖せを享受し過ぎた男の心を、何故かそこはかとなく不安にさせる。

―― 世の中、こんないいことがいつまでも続くわけないわと ……

<H30.4.14>

「和幸」

都バスに揺られながら食べグロにあたってみた北千住、西日暮里。
けれどもう、どうしても野郎独りで嵌まれそうなお店が見当たらない、というか、ピンとこない。そこでまたしても王子駅のヘヴィローテイション、俺の“かずゆき”に頼ることに。

午後二時。一人と告げていつものカウンター席。
私のまわりの男性一人客が挙ってビールとやる中、ただ一人お食事使いと割り切ることは、これは意地でもなんでもなく、ただの人生、そしてまた胃の疲れ ……

“あざみ” @1,134也。

新人アルバイトと思しき若い女の子が、つけ忘れていたのかおっかなびっくりタルタルソースを差し出してくれる。そこで無反応を装うのは、これは意地悪でもなんでもなく、ただの“てれ”。

まずその意味は分かんないんだけど、とりあえずカットレモンを搾ってから、ゆずドレッシングをキャベツ千切りに。そしておもむろにお新香に醤油、お小皿にソースを満たし、滞りなく準備は整った。
そして満を持し、箸の切っ先をチーズinカツから順番に。そこからはいつもどおりの流れなんだけど、これもいつもどおりに、しじみ汁のペースを少々加速させる。何故ならば、おかわりする為

あらためて、やっぱ白いご飯をお新香で口中調味させるのは最高だなぁと。
そしてしじみの身を残したままでも、快くおかわりを受けてくれるお姉さんたち。こういうことを、飲み放題のくせいろいろアヤつけてくる店に見倣ってほしい気持ちでいっぱいになる。わざとお酒出すの遅らせてみたり、規定時間のかなり前からドリンクラストオーダーって言ってみたり。そんなことするから、客はムキんなってラストに大量注文を一気に出したりしちゃうので、結果逆にコストアップしちゃうってことを分かんないのかなって ……

―― まあ、勝手につぶれろよ ! (これが次々と事実となるから笑える) ってシンプルな話なんだけど ……

※ ちなみに私は最初っから飲み放題(の店)なんか好きじゃないので、そういう機会限定での話だけど

  • Wa kou - “あざみ”

    “あざみ”

2018/03Visitation5th

3.6

  • Cuisine/Taste3.7
  • Service3.8
  • Atmosphere3.5
  • Cost performance3.0
  • Liquor/Drinks-
JPY 1,000~JPY 1,999per head

和幸/プリンスの暦

私は“あの日”がくるまで、人生地震というものに恐怖したことは一度もなかったと思うが、さすがにあの時だけは、地震雷火事親父という言葉通り、ああ、地震って恐いもんだなと、心底思い知らされた。
そんなことを TV の特番で思い起こされるというのも情けない話だが、あの時、我々日本人が皆挙って意識した“絆”という崇高で尊い概念が、すでに朝の通勤満員電車 (でもどこでもいいんだけど)のどこにも、その片鱗さえも垣間見られなくなっているということは、それは全く以て私の予想通りであって、そしてだからこそ逆に虚しい ……

<H30.3.11 王子>

「和幸」

今日は滞りなく、カウンターの最奥へ。
BGMは子供のわめき声。なんだけど、それほど嫌なものでもなく。と言うのは、物静かな子供というのも逆に恐いので (笑)。で、メニュウをひらくと、またまた季節もののニューフェイスが。
ほんとに、飲食店でこういうことを連続的にやり続けるって非常に大切なことだよなぁと、いきつけの居酒屋の体たらくを見るにつけ、シリアスに思ってしまう。

―― 人間ってどうしても、“厭き”ってくるからね。ただ飽きのこない食べ物っていうのが世の中あって、それが納豆とか海苔の佃煮とか、瓶のなめ茸とかね (ほんと安いオトコだよなぁ、俺って)

“花ごよみ” @1,300也。
あさりと菜の花のクリームコロッケ・一口ひれかつ・海老フライ・茶碗蒸し

菜の花というのが少し引っ掛かったが、そのニューフェイスを注文してみた。結論的にそのクリームコロッケは、実際にはあさり感が強く、またそのエキスの香る大変美味しいもの。

午後三時にしてのブレックファストなので、お腹が空いて空いて、もう子供のように、ソースをお小皿に注ぐ間も待てないほどに箸の矛先が踊っていた。茶碗蒸しからいくかお付けからいくか、齢五十にしてそんなことを迷う自分が愛おしい。
もう好きなだけ、もう永遠に、キャベツ千切りにゆずドレッシングを継ぎ足し続けることによってしか得られない倖せを、今日も存分享受する。しじみの身に手をつけぬまんまにおかわりしてしまったお付けを愛でながら ……

カウンターの端に、新規客のお婆ちゃん二人連れが着いて、お姉さんにカツ丼を注文しようとしている。
私もよく知らないんだけど、こちらは丼ものは持ち帰りでしかやっていないらしく、それでもお姉さんはカツ鍋というのがありますとか、いろいろ提案してゆくんだけど、どうも話が噛み合わないのは、お婆ちゃんたちが、言えばなんでも通ると思っているから。もうそもそも、メニュウの中から選ぶという発想そのものがない (笑)。

そういえば昨日、いつもの Bar で、いつもの美女と飲んでて。で、私もなんだけど、その人も、夜中のアルコールになにか口寂しさを覚えるらしく、それも如何なものかと思うんだけど、余所のお店から出前をとっちゃうことがあって。
で、美女はその店の常連でもあるらしく、偏食の私に気を遣って、言えば何でもつくってくれるし、嫌いなものは除けてくれるから、と言ってくれるのはとても嬉しいんだけど、なんかそれをやるのも傲慢な気がしちゃって、用意されているその(余所の)店の品書きを、ずっとずっとトレースし続けるばかりの俺 ……

―― まあ、こんだけの美人がなんか言えば、もう何だってやってもらえるんだろうけどね。でも俺はそういうのは、あんまり好きじゃない。そして一方、これは高倉健だから通るんことなんだろうけど、現実社会の中であまりに頑なに謙虚を貫くということも、現実にはハテナってレッテル貼りされるのがオチで、要領の良い男のほうが実際モテていく …… とも限らないってとこが皆分かってないから笑っちゃうのよ ……

  • Wa kou - “花ごよみ”

    “花ごよみ”

2017/12Visitation4th

3.6

  • Cuisine/Taste3.7
  • Service3.8
  • Atmosphere3.5
  • Cost performance3.0
  • Liquor/Drinks-
JPY 1,000~JPY 1,999per head

和幸/プリンスの百円玉ひとつ

目覚めて昨晩の記憶を手繰る。
仕事納め、会社の小さな、会議室というか休憩室での恒例の納会だが、記憶が断片的で、とりわけそこから離脱したときの記憶が抜け落ちていることが堪らなく不安である。何かやらかしてはいないだろうか。そして記憶も然ることながら、右肩と、右太もものおもての筋肉と、左足首の関節が痛い (笑)。靴に擦過痕が残っていたので焦ってズボンを調べてみても、どうやら転んではいないようなのだが ……

しかしその晩、何故か途中から鮮やかに復活して残っている記憶とは、こっちに戻ってきてもう一件とやってしまったのであろう、と或るスナックでの中国人ママとのチュウ。
ほんと何やってんだよ、俺 ……

<H29.12.29 王子>

「和幸」

こちらの一口カツが大丈夫だと分かって、注文できるものの巾が広がった。
なので今日も新たなるものにチャレンジ。一口ひれカツが二つ、海老フライが二つ、そして他に揚げ物一つのセットが気になったが、ぎりぎりのところで、それは明らかにご飯おかわりをやりたい人たち向けのものなのだと気がついて、“ノルマルな人たち”向けのものからチョイスした。

午後四時過ぎの店内。
しかし賑わってはいないものの、何組かのお客が入っている。この時間のご飯というものは、果たして昼ご飯なのか、或いは夕ご飯なのか。はたまた酒宴としての利用なのか。私も紛れもなくその中の一人なのだが、よく分からないなぁ ……
因みに私の場合、強いて言えばブレックファストかな ……

※ とふざけて言ってみたんだけど、実際ブレックファストの元々の意味は“断食を破る”、即ちその日最初の食事ということで、その時間は関係なかったらしい

“しょうぶ” @1,296也。
一口ひれカツ・海老フライ・茄子のはさみ揚げ・茶碗蒸し

最初の部分が良く聞きとれなかったんだけど、ごまダレと味噌ダレが付きますがとのことで、味噌ダレをお願いする。
でもそれはとりわけ積極的なものでもなく、ごまダレに対する忌避感があってのこと。例の如く、山盛りのキャベツ千切りには柚子ドレッシングをかけ、段階的にやってゆく。味噌ダレっていうのは、よく分かんないけどこの茄子用であろうと、茄子をそれに泳がせてやってみれば、甘い !
なのでそれは横へ除けることにした。

最初っからしじみ汁をおかわりするつもりで、それだけハイペースで啜った。
揚げ物の肌がちょっとかさっとし過ぎているというか何というか、そこだけ私の好みとはわずかな距離を感じてしまうんだけど、でもやっぱり、ここんちのご飯は美味しいなぁと思う

お会計時、~と、味噌ダレが百円となりまして~
…… ? 味噌ダレ、百円 ?
それで結果、税込み 1,404円ということに。
こちらの店員さんの接客にはいつも感心されられてばかりなので、これは私がそれを聞き逃していたのだと思うけど ……
しかも何か甘ったるいなと思って最初の一口しか手をつけなかったことが、とりわけこの永遠のチョンガーの哀しみを誘う (笑)

  • Wa kou - “しょうぶ” 一口ひれカツ・海老フライ・茄子のはさみ揚げ・茶碗蒸し

    “しょうぶ” 一口ひれカツ・海老フライ・茄子のはさみ揚げ・茶碗蒸し

2017/12Visitation3th

3.6

  • Cuisine/Taste3.7
  • Service3.8
  • Atmosphere3.5
  • Cost performance3.0
  • Liquor/Drinks-
JPY 1,000~JPY 1,999per head

和幸/プリンスのプリンセス

最近ドライヤーの調子が悪く、おそらくフィルタの目詰まりが原因だと思うが、かけている途中で度々ヒータのサーモスタットが切れて冷風となり、冷えてまた復活、という症状を続けていて、これが朝の忙しい時間に、なんとも笑えないストレスを私にもたらしていた。

それがやっと今朝、昨夜三時まで飲んでいたにも拘わらず、全力を振り絞って工具袋から細いマイナスドライバーをとり出し、お尻のフィルタ部の端をこじってみた。が、フィルタは思いの外頑丈に固定されており、もうケーシングからバラしていかないとダメそうで、でもその為にはまたグリップのラバーの接着から剥がしていく必要があるのだろうと、今回はもう、それをあきらめることにした

で、もうダメになっても良いやと開き直って古い歯ブラシを持って流しの前に立ち、なるたけモータに水が回らないようフィルタ部を下に向け、私のダンディズムにはそぐわない原始的な方法、不本意だったけど水に浸した歯ブラシでゴシゴシとフィルタを掃除し始めると、もう面白いようにみるみる埃が落ちてゆき ……

果たして感電に注意しつつ試運転したドライヤーは、もう、今までとはまったく別物に生まれ変わったように調子よく回り、俺はもう、ただそれだけでえも言われぬ良い気分 ♪

―― 人間て、斯くも単純なる生き物なのか !

<H29.12.9 王子>

「和幸」

午後二時半をまわって未だ盛況を誇る店内をのぞき込み、一瞬怯んだがしかし、この界隈、他にろくな店も思いつかなく、ままよと入店。
こちらの店では初めてだと思うが、一人と申し出てカウンターではなく、二人掛けながらもテーブル席へと通していただく。隣の四人掛けのテーブルとの間隔も広くとってあり、非常にゆったりとしていて気分が良い。

コートを脱いで向かいの椅子に置こうと泳いだ視線をホール担当の女性は見逃さず、でも勘違いして狭いですか ? と卓を向こうへ引っ張りかけたのを、大丈夫です、平気ですと阻止し、で、その女性の目が届かなったところで再び卓を50mmほどこちらに引き戻して、ささやかな平穏を無事とりもどした (笑)

“ひいらぎ/本ずわい蟹のカニクリームコロッケ” @1,300也。

一口ひれかつ・海老フライ・茶碗蒸し

冬季限定とのこと。
新人と思しき尋常じゃなくチャーミングでとびきり若い、まるでプリンセスのような女の子が、ご飯とお味噌汁(しじみ汁)とキャベツはおかわり自由ということと、また卓に備えられた調味料の類いを、こちらがソースでこちらが柚子ドレッシング、またこちらが醤油ですと、その娘の目にはおそらくちょっと恐く写っているであろう私に対し、緊張しつつも頑張ってアナウンスする姿は幼気で初々しく、なかんづくたまらなく愛おしい。

さっそく茶碗蒸しとしじみ汁の蓋をオープンセサミ。
茶碗蒸し、しじみ汁の順で口を付け、おもむろにお新香に醤油をまわし、それを白いご飯と。美味いっ !!
母親を亡くしてから、こういうふうに白いご飯をおかずで口中調味していくということがなくなった。もともとが麺類が好きなので、別にそのことに飢えているってわけでもないんだけど、でも、やはり白いご飯の凄みある美味さって、日本人にとっては特別なものだろう。

もうこのまま、海苔か昆布の佃煮があればそれで十分なんだけど、でも諸々揚げ物がオマケに付いてきちゃってるので、仕方なくそれらも消化することに (ほんと罰当たりなやつだなお前、しかもこのネタ前にも使ってるし)

揚げ物は、皆ふつうに美味しいんだけど、とくにおっかなびっくりだったヒレカツが、脂身がぜんぜんなくって、これは肉好きにとってはまた別の印象となるかもしれないが、私にとってはまったくマッチしたもの。こないだのように御小皿にソースを注いで、それにつけながら食べ進む。ソース本来の味は、常に私を裏切らない。そしてキャベツ千切りは、柚子ドレッシングを階層的に継ぎ足しながら。御小皿のソース含めそれらのやり方は、本来的には間違っていることを分かっていながら、でも今はこうしていたい。時には意図的に形を崩すことによって、新たに見えてくるものがあると思うから。

で、ご飯、キャベツのおかわりはいらなかったが (私にとってはそれでもボリウム十分なので)、しじみ汁のおかわりだけが欲しい。
問題なことは、しじみの身を食べないでのおかわりが果たして人道的に許されるのか ? ということ。そこで小さな貝殻から身をはずしにかかったが、もう2~3個で面倒になってやめ、覚悟を決めてすぐそこの卓をバッシングする、図抜けて可愛いプリンセスにおかわりをお願いしちゃう。

しじみの身を食べずにおかわりする傲慢な人間だと思われてはいないだろうか、またそもそもこういった制度を利用して、なんでもかんでもおかわりする人間は、浅ましいと思われてはいないだろうか、そして今でも俺のことを、愛してると言ってくださるのか ……

「お先にあがります ! 今日も一日ありがとうございました」

仕事あがりのスタッフの女性が、厨房の仲間にかけたそんな言葉に、私はいたく感動した。
大昔心理学の本で、人の心、感情というものは思いのままにはコントロールできないものだと思われがちだが、実は動作をコントロールすることによって、間接的に、ある程度まではコントロールできる、ということを読んだことがある。
今の女の子の挨拶は、これはお店の決めごとだとは思うけど、でもこういった記号的な係わりを継続していけば、職場の仲間同士の信頼関係や共感や尊敬というものが、個人個人の些細な感情の食い違いを凌駕して、醸成されてゆくものではないかと。
そしてお店スタッフ同士の信頼の醸成というものは、それは言うまでもなくお客に恩恵をもたらすもので、お客が恩恵を受けると言うことは、これまた言うまでもなく、お店に利益をもたらすという、まさに正のスパイラルとなろう。

―― でもその仲間への感謝の気持ちを素直に言葉に顕すということだけを、俺は一生掛かっても出来る自信ないんだけどね ……

  • Wa kou - “ひいらぎ/本ずわい蟹のカニクリームコロッケ”

    “ひいらぎ/本ずわい蟹のカニクリームコロッケ”

2017/10Visitation2th

3.4

  • Cuisine/Taste3.5
  • Service3.8
  • Atmosphere3.5
  • Cost performance2.8
  • Liquor/Drinks-
JPY 1,000~JPY 1,999per head

和幸/プリンスと俺と、海老とクリームコロッケ

久々、二時過ぎまで飲んでしまった。
いつものBarのオーナーの女の子が、「玉葱あるからナポリタンつくってあげるね ♥」と。それから新規客が入り、暫し対応。そして俺の前を通過するときに、気にしていたのかまた、「もうちょっと待っててね ♥」と。
この女の子はふだん、概ね凶暴なのだが、ときどきこうして優しいことがある。このことは私にとって非常に興味深いことで、もっと深く洞察してゆけばそのメカニズムをなんとか解明できる気もするんだけど、その作業には敢えて手を着けていない。

やおら、奥の厨房からフライパンの炸裂音が哮(たけ)り、蠱惑の香りが鼻腔を刺激する。
缶詰じゃない生のマッシュルーム使ってねと、恐る恐るまた余計なちゃちゃを入れて見るが、それでも彼女は怒らない。何か突拍子もない心境の変化でもあったのだろうか ? ほどなくして舞い降りたその魅惑のRossoは、熱く、力強く、なかんづく優しく ……
且つ俺にだけ、堂々の1.5人前 !!

―― ああ、魔法のように美味い …… そしてやけに胸に沁みるぜ、ミッドナイト・ケチャップが。俺が使いっ走りで隣のコンビニまで買いにいかされたケチャップが ……

<H29.10.7>

「和幸」

午後三時二十分。
BGMはライトなインストゥルメンタル。人差し指を一本立てたらカウンター席のどこへでもとなったが、時間も時間だったので、先客の間に無理矢理私の巨尻を捩こませなければならないということもなく、最奥にゆったりと着席。

最初、いつもの並びのスパゲッティ屋さんにしようと思ったのだが、それもあんまりにもワンパタンだなと思ってちょっと捻ってみたということと、また母親を亡くしてから、元々麺類好きな私はご飯というものから更に縁遠くなっており (ほんと、麻婆豆腐やるときくらいかも、白いご飯)、たまにはヴァランスとんなきゃな、ということもあって今日はこちら、“カズユキ”への訪問と相成った

“あざみ” @1,134也。
チーズしそ巻きかつ・海老フライ・カニクリームコロッケ・ミニごぼうサラダ

まずお新香に醤油を。
お小皿の意味が分からなかったが、付いているものには仕事をさせようと、わけの分からぬまんまにそこへソースを注ぐ。そしてキャベツ千切りには柚ドレッシングを (これが美味い !!)

先ずはお新香と白いご飯を口中調味。
美味い !! もう後は海苔か昆布の佃煮があればそれで生きてゆける気がしたが、いろいろとごちゃごちゃ揚げもんが付いてきちゃってるので、仕方なくそれらを消化することに (お前なぁ~、ほんと ……)。
しじみ汁がこの疲れた中年男を、一直線に heaven へと誘う。
蓋をあけて、なんだこの具無し味噌汁は、と短絡的に思ってしまった自分を心底恥じた。チーズ入りのしそ巻きカツは、肉嫌いの私にとって、しかしその攻撃性をほとんど失った優しいものとなっており、一安心

クリームコロッケの衣のパン粉の粗さも、少なくとも私にとってエネミーとはなっていない。また海老の身は、熱が入ってちゃんと遮断性をもった白の発色となっている。ご飯とお付けとキャベツはおかわり自由のようだが、もう俺には十分だよ !

一息ついてゆっくりと、新宿への買い物のあと、今夜これから出逢うであろうあなたへの想いを馳せる。そのときあなたは、私のことを笑顔で迎えいれてくださいますか ? そして今でも、愛してるといってくださいますか ?

―― みずいろは涙いろ。今日誰がシフト入ってんのかは知らないけど、それでも希望だけは捨てない。それが俺だ ……

  • Wa kou - “あざみ”

    “あざみ”

2014/07Visitation1th

3.2

  • Cuisine/Taste3.0
  • Service3.8
  • Atmosphere3.5
  • Cost performance2.3
  • Liquor/Drinks-
JPY 1,000~JPY 1,999per head

和幸/プリンスの揚げ物

<H26.7.9 王子>

「とんかつ 和幸」

「カウンターでよろしいですか? こちらで如何でしょう♪」

「すみません…… カウンターになってしまうんですが……」
なんてネガティブなトーンで案内するダメ店員を昨今間々見受けるが、こんな肯定的な調子でやれば良いのにと思う、見本のような、好ましい案内だった。給仕の調子に釣られて、それではけっこうですと踵を返してしまう客というのも、なんとも馬鹿な奴らだと思うが……

さて、案内された席へと着くと、斜め前の四人掛けの卓に向こうを向いて年嵩の男性ひとり、こちらを向いて若い女性ふたり。手前の女性は、ミニスカートからすらりと伸びた脚を惜しげもなく卓の下に晒しており、この給仕の女性の計算され尽くされた緻密なサーヴィスには、心底頭の下がる思いがした

“あざみ” @1,134也。
チーズしそ巻かつ・海老フライ・カニクリームコロッケ・ミニごぼうサラダ

豊富なメニュウに一通り目を通したが、盛り合わせ的なものにあっても、曲がりなりにも“かつ”から逃れられるものは海老フライしか見つけられなかった為、チーズしそ巻と形容されたものを包含するものにしてみた。
それほど待たずに舞い降りた白い皿。給仕のお姉さんが、ご飯と御付けとキャベツはお代わり自由だとの言葉を添えてくれたが、実は私は、そういったものを上手く活用出来ない類の人種であるので、あまり気にしていなかった。

御付けはしじみ汁。
例によって二日酔い気味の身体が汁ものを要求し、気持ちよく嵩を減らしてゆく椀。お代わりが欲しかったが、しじみの身を残してのお代わりは、これは果たして許されることなのか……

揚げ物はマスプロダクツ感否めぬ気もしないでもなく、けっこういい値段をつけているのに、と思ってしまうが、王子とか錦糸町につき、こんな感じで何故かまかり通ってしまうのが、いつも不思議といえば不思議である。
冷たいお茶が注がれた、こ洒落たブラスの急須が汗をかいていた。お汁をぐいと飲みきったら、お姉さんが、しじみの身が残っているにも拘わらず「お代わりはいかがですか?」 、と促してくれる。
その感度の高さに、暫し惚れた。

「空いてますので、広いお席でどうぞ!」
「いいですか? お客さんきたら帰りますから」

私が呑み屋でよく用いるような科白で、お母さんが広い席に一人、謙虚に着いた。
―― やっぱ王子も下町だな。沁み沁みと ……

  • Wa kou - “あざみ”
                チーズしそ巻かつ・海老フライ・カニクリームコロッケ・ミニごぼうサラダ

    “あざみ” チーズしそ巻かつ・海老フライ・カニクリームコロッケ・ミニごぼうサラダ

Restaurant information

Details

Restaurant name
Wa kou
Categories Tonkatsu (Pork cutlet)
Phone number (for reservation and inquiry)

03-5959-6509

Reservation Availability

Reservations available

Address

東京都北区王子1-10-9

Transportation

JR王子駅徒歩1分

199 meters from Oji Ekimae.

Opening hours
Budget(Aggregate of reviews)
¥1,000~¥1,999¥1,000~¥1,999

Check the distribution of amounts spent

Method of payment

Credit Cards Not Accepted

Electronic money Not Accepted

QR code payment Not Accepted

Seats/facilities

Private dining rooms

not allowed

Private use

not allowed

Non-smoking/smoking

No smoking at all tables

Parking lot

not allowed

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Occasion

With friends/colleagues

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