【★3.9】自家栽培野菜の苦味や辛味が味覚をフル稼働させる【1690】
2020.1 アミューズ
2020.1 干大根 白人参 生姜 大根 シルクスイート
2020.1 フェンネル 緑大根 コリアンダー
2020.1 自家製パン
2020.1 黒大根 真鯛
2020.1 白菜 からしな サザエ 蕗の薹 ナスタチウム
2020.1 ロマネスコ カリフラワー 烏賊 キヌア 焦玉ねぎ
2020.1 黄人参 黄色ビーツ 黄色かぶ 塩みかん
2020.1 紫人参 はた
2020.1 ラディッキオ 紫キャベツ 猪
2020.1 パスタ チーマディラパ
2020.1 フェンネル レモン 黄金柑
2020.1 紅まどか 塩スパイスキャラメル
2020.1 小菓子(山椒のラムネ、黒豆、フレーズ デ ボア)
2020.1 京都の玄米茶、タピオカとイチゴ
2020.1 メニュー
2020.1 ウェイティングスペース(手前)とテーブル席(奥)
2020.1 店舗外観
2020.1 裏庭(自家農園)
Restaurant name |
Vira Aida(Vira Aida)
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---|---|
Categories | Italian、Auberge |
Phone number (for reservation and inquiry) |
0736-63-2227 |
Reservation Availability |
Reservations Only
2ヶ月前の1日~3日前まで受付。ただし満席になり次第受付終了。 |
Address |
和歌山県岩出市川尻71-5 |
Transportation |
It is convenient to go by car. Head north from the Bizen intersection on National Route 24. When you see the JA on your left, you will see a small sign for our shop on your left. Turn left and you will be right there. Take a taxi from Iwade Station (just under 1000 yen). By bus: From Iwade Station, take the Wakayama Bus Naka [Express] bound for Tarui Station. Get off at "Ibaramoto" and walk for 3 minutes (191m). *About one bus per hour. 1,732 meters from Iwade. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget(Aggregate of reviews) |
¥20,000~¥29,999¥30,000~¥39,999
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Method of payment |
Credit Cards Accepted (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) Electronic money Not Accepted |
Number of seats |
16 Seats |
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Private dining rooms |
not allowed |
Private use |
OK |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables |
Parking lot |
OK |
Space/facilities |
Stylish space,Comfortable space,Wide seat,Outdoor/terrace seating |
Drink |
Wine,Particular about wine |
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Food |
Particular about vegetable,Vegetarian menu |
Occasion |
With family/children |With friends/colleagues This occasion is recommended by many people. |
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Location |
Secluded restaurant,House restaurant |
With children |
Kids are welcome(Elementary school students are welcome)
Children under elementary school age are not allowed to enter the store. |
Website |
4,183文字★
和歌山風味 -The Flavour Menu-(19,800円、税サ込)滞在時間:約3時間10分
東京から和歌山県に来ております。
ベルギーの「We're Smart Green Guide」が発表する「Top 100 Best Vegetables restaurants 2019」で、
和歌山に在りながら17位に輝くなど世界的にも評価されている地産地消の野菜イタリアン。
自家栽培の野菜やハーブ、独自に生み出したパウダーなどを料理に活用、唯一無二の味わいを楽しめます。
オーナーシェフの小林寛司氏(和歌山県岩出市出身)は弱冠21歳で単身イタリアへ渡り、
南イタリアのミシュラン三つ星リストランテなど現地で研鑽を重ね25歳で独立(1998年オープン)。
それが食べログの和歌山県ランキングで第3位の高評価となっている「Villa AiDA(4.18)」。
2019年5月18日から1人1組(2~10名)の限定営業、おまかせコースに一本化となり、
コース内容は「9皿の料理と2皿のデザート」で18,000円(サービス料込、消費税別)。
土日であってもお昼に予約が入れば夜は営業しない方針と聞きます。
お店の裏庭(自家農園)では30種類ぐらいの野菜やハーブを育てており、
レストランの営業が無くともやることは色々あるそうです。
夏野菜の終わる9月ぐらいが端境期となって種類が一番少なくなってしまうとのことでしたが、
時期によってはコース料理の9割ぐらい自家栽培の野菜を使用。
和歌山はキノコを採る人が少なく(召膳 無苦庵ではそもそも種類が少ないと聞きました)、
ジビエこそ扱うも山の食材というより栽培した野菜がメインのコース構成となりますが、
地産地消にこだわる和歌山ならではのイタリアンとして高い評価を受けているようです。
農園ということで山奥をイメージしましたが意外と市街地に位置するお店。
中に入るとテーブルとソファのウェイティングスペース、奥に最大10名まで座れる長テーブル。
20年以上続いている老舗ですが定期的にリフォームしておりオープン時の面影は無いとのこと。
ご主人と奥さまの二人三脚で切り盛りしています。
まずはソファで野菜とハーブのアミューズ4皿を楽しむことになります。
飲み物はイタリアワインの白(ブランドモルジェ、グラス1,200円)からスタート。
メインに向けて赤(ラディコン ピノグリージョ、グラス1,500円)も追加注文しました。
しかしフルコースを楽しんでグラスワイン2杯だけしか飲まないという異常事態。
同店の料理は野菜メインで魚や肉などの動物性タンパク質に乏しく、
ワインがあまり進まないという(お店の営業的には)諸刃の剣な面もあります。
またノンアルコール飲料でも800円という、大衆酒場ならビール1リットル近く飲める価格設定。
1グループでお店を独占できるという空間料の代償として下戸や運転手からもきっちり徴収。
料理も自家栽培の野菜(原価としてはゼロに近いでしょう)を多用しており、
原価率のみで判断するとコストパフォーマンスは悪いと思います。
(もっとも手間賃や空間料など評価すれば、必ずしも悪いとは言えないのかも知れません。)
料理は市販野菜より苦味や辛味の目立つ自家栽培野菜ならではの味わいを活用して、
ピクルスにした野菜の酸味も含め、苦い、辛い、酸っぱいといった味覚の要素をフル稼働。
独自に生み出したパウダーの香り、薄切りにした食材を組み合わせることによる食感の妙味など、
子どもが喜ぶことは無さそうな「大人の味わい」を楽しめます(なお筆者は脂舌でお子ちゃま舌)。
イタリアンというより(組み合わせで新たな味わいを作り上げる)フレンチのようなイメージ。
和歌山風味 -The Flavour Menu-(19,800円、税サ込)の内容は以下の通り
01.アミューズ
02.干大根 白人参 生姜 大根 シルクスイート
03.フェンネル 緑大根 コリアンダー
04.自家製パン
05.黒大根 真鯛
06.白菜 からしな サザエ 蕗の薹 ナスタチウム
07.ロマネスコ カリフラワー 烏賊 キヌア 焦玉ねぎ
08.黄人参 黄色ビーツ 黄色かぶ 塩みかん
09.紫人参 はた
10.ラディッキオ 紫キャベツ 猪
11.パスタ チーマディラパ
12.フェンネル レモン 黄金柑
13.紅まどか 塩スパイスキャラメル
14.小菓子(山椒のラムネ、黒豆、フレーズ デ ボア、タピオカとイチゴ)
15.エスプレッソor紅茶(ダージリン)orフレッシュハーブティー(自家栽培のローズマリーとオレンジ)or京都の玄米茶
【3.4】アミューズ
お米のチップとビーツのピュレ、ルートフェンネルのピクルス、菜花とエノキ茸のタルトレット、
たまごナスのピクルスとドライトマト、まずは4種類のアミューズをウェイティングスペースで楽しみます。
【3.4】干大根 白人参 生姜 大根 シルクスイート
白を基調として、生姜の効いた優しい味わいとなっている、野菜スープ。
【3.8】フェンネル 緑大根 コリアンダー
コンソメのジュレとフェンネル生クリーム(その上にはブラックオリーブ)を添えたサラダ。
鹿の心臓の燻製(自家製の燻製)も入っているのですが、
塩辛くないアンチョビを思わせるようなやわらかさでサラダに旨味と食感の妙味を加えます。
【3.8】自家製パン
天然酵母の自家製パンは外側サックリ内側モッチリで食感良く酸味も楽しめます。
【4.3】黒大根 真鯛
黒大根と真鯛のカルパッチョ。
薄くスライスした黒大根と真鯛の間にはニンニク入りダブルクリームをサンドしてあって、
カルパッチョの上には黒いパウダー(野菜の灰、黒糖、黒胡椒)。
和歌山には「明石の鯛」や「鳴門の鯛」に比肩する「加太の鯛」というブランド食材があって、
わざわざ加太現地の人気店(満幸商店)まで真鯛(釣りの天然もの)を食べに行きましたが。
同店のカルパッチョ(和歌山産ですが加太産ではないとのこと)の真鯛だけを食べても、
現地で食べた加太の鯛のほうが美味しいぐらいで大したことないです。
しかし薄くスライスした黒大根やクリーム、パウダーなど全て一緒に味わうことで、
大根のコリコリ食感で真鯛のコリコリ感が増して、塩、脂、香りの相乗効果もあり、
現地で食べた加太の鯛とは別次元な美味しさに昇華しておりました。
満幸商店(3.58)も6種類のソースで真鯛を楽しめるのですが、同店に比べてしまうと残念ながら児戯。
野菜中心のコース構成で筆者の好みと合わない面が多いため同店への採点は3.9となりましたが、
シェフの調理技術に関しては4.5クラスと思っております。
このカルパッチョでシェフの実力の片鱗を伺えたかも知れません。
【3.8】白菜 からしな サザエ 蕗の薹 ナスタチウム
サザエのボリュームに不満残るも(千葉県の某イタリアンでは20数種類の料理の1つが丸ごとサザエ)、
からしなの辛味、蕗の薹の苦味など、味覚をフル稼働させるような複雑な味わいとなっており、
食通の皆さんが同店を高く評価するのも少しは理解できます。
この料理にもパウダーを活用しており、黒いパウダーはサザエの肝パウダー。
青海苔のように思った緑色のパウダーは何とケールのパウダー。
サザエ、ハマグリ、ミルクのスープで濃厚な旨味もプラスされております。
【3.7】ロマネスコ カリフラワー 烏賊 キヌア 焦玉ねぎ
薄くスライスした紋甲イカにカリフラワーのピュレ、黒キヌア、焦しタマネギなど。
カルパッチョの黒大根もそうでしたが、同店は食材を薄切りにしてミルフィーユ状に。
そうすることで食感の妙を楽しめる点も特長かも知れません。
【3.3】黄人参 黄色ビーツ 黄色かぶ 塩みかん
緑の料理が続いた後は鮮やかな黄色い料理、この後は紫の料理が続きました。
アートのように視覚でも楽しめるのが同店の料理の特長でしょう。
(この料理は動物性タンパク質に乏しく筆者の好みにストライクとはなりませんでしたが。)
【3.8】紫人参 はた
紫人参ジュースのソースで味わうキジハタ、春菊の蕾のピクルス、フロマージュブランに芥子。
【4.0】ラディッキオ 紫キャベツ 猪
地物という猪は仔猪ほどではないようですが小さめの個体を使用。
獣特有の臭みが少ないモモ肉(赤身肉)を固まりで焼き上げてから薄くスライス。
そのジュのソースとラディッキオや紫キャベツといったパープル系統の野菜で。
ジビエに関しては特有の臭みもご馳走と捉える方もいらっしゃいますが、
個人的には臭み無くジビエ特有の強烈な旨味だけ感じられるほうが好きなのでこの猪は好み。
同じく和歌山に在る召膳 無苦庵(4.37)で食べた猪バラ肉の味噌漬けのほうが、
脂の旨味を楽しめてアブラー(脂舌)な筆者は好みでしたが赤身でここまで楽しませるお店は稀有。
【3.7】パスタ チーマディラパ
パスタはメッツィパッケリ(乾麺)を使用。
かなり硬い茹で加減(アルデンテより硬いかも知れません)ですが、
チーマディラパ(菜の花の一種)はやわらかく煮込んであって食感に対比。
【3.5】フェンネル レモン 黄金柑
酸味や苦味の強い果物に、甘みの強いフェンネルブランマンジェ。
【3.9】紅まどか 塩スパイスキャラメル
酸味や苦味の強い紅まどか(ブンタンの一種)をキャラメルコーテイングして、
カルダモン入りのメレンゲで甘みを加えています。
同店のスイーツは、いずれもそのまま食べると酸っぱくて苦い果物に、甘みを加えて味を再構築。
個人的には都内で行きつけの鮨屋が出すような、単体で味わって抜群に美味しい果物のほうが好みですが、
そういう果物は和歌山の気候で栽培できると限らないですし市場から購入すると高級品。
同店のように自家栽培の果物をアイディアで美味しくするという手法も1つの正解なのでしょう。
添えられていたフロマージュブランのジェラートはメチャクチャ美味しかったです。
【3.4】小菓子
山椒のラムネ、黒豆、フレーズ デ ボア(野いちご)、タピオカとイチゴ。