防府市民のソウルフードなんでしょう
以前レビューした山口県の老舗パン屋さん3軒、防府市は『ロアール』さんを挙げましたが、周南市の『二葉屋』さんと被るから避けた同店『パン職人 ふたばや』さんの方が、歴史も長く、とにかく看板商品がレトロ感いっぱいなんです。
その看板商品とはサンドイッチです。
なんてことのないサンドイッチだし、388円と結構お高めながら、売り切れることも珍しくありません。
その日も14時40分ぐらいなのに最後の一個、トレイを手にして取ろうとすると、若い奥様みたいな女性のトングが
「ああっ!」
と、思わず声を上げちゃったワタシにびっくりしたのか、その女性がトングを引っ込めたんで、厚かましくも
「いいですか?」
と顔を見ると、いかにも圧に押されたように首肯かれたんで奪取しました。
遅ればせながら、この場を通じて本当に申し訳ありませんでした。
それほど人気の看板商品がありながらケーキも売られ、傍らにはドーナツ類も沢山あります。
場所は防府駅の『イオン』さんがある港口側、『山口銀行』さんがある信号を渡って50mぐらい行った左手です。
専用駐車場は5〜6台あり、屋根付きなんで雨の日もへっちゃらでしょう。
今回、購入したのは以下の3点です。
① オールハム ¥388
サンドイッチには他にオールエッグ、エッグサラダ、ハムエッグなど、組み合わせで色々とあり、不思議と種類によって切り方が違います。
同品はハムだけなんで最もシンプル、久留米、いや、福岡の方ならご存知の今はなきキムラヤの『ホットドッグ』の特徴でもある、マスタードじゃない辛子がきいた意外と大人っぽい昭和な味わいです。
写真のように包装紙もレトロっぽく、思わず取っておきたくなるでしょう。
② 塩パン ¥124
これはまあ、いかにも昨今のブームに対抗した老舗なりの答えなんでしょうが、正直、ちょっちゅイマイチかな?
③ ソフトフロマージュ ¥102
チーズとベーコンが入っており、表現は悪いもののネチャっと粘つく絡みが妙に心地よい、これまた昭和なチーズっぽさがあり、懐かしさに浸れます。
とにかくサンドイッチに尽き、まさに防府市民のソウルフードなんでしょうが、不思議とワタシのような部外者も懐かしい気分にさせてくれる素朴な味わいです。
● 個人的 食べログ 評価点・・・3.5
Restaurant name |
Pan Shokunin Futabaya(Pan Shokunin Futabaya)
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Categories | Bread、Sandwich、Cake |
Phone number (for reservation and inquiry) |
0835-24-4080 |
Reservation Availability | |
Address |
山口県防府市中央町5-24 |
Transportation |
279 meters from Hofu. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget(Aggregate of reviews) |
~¥999
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Method of payment |
Credit Cards Not Accepted Electronic money Accepted |
Private dining rooms |
not allowed |
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Private use |
not allowed |
Non-smoking/smoking |
− |
Parking lot |
OK |
Occasion |
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Location |
House restaurant |
Website |
以前、なにかのレビューで触れたような気もしますが、久留米市に何年か前まで『キムラヤ』さんというパン製造会社がありました。
あの『銀座 キムラヤ』さんの暖簾分けだったそうですが、オリジナル商品もあり、その代表格が『ホットドッグ』でした。
って、普通のホットドッグではなく、コッペパンを開け、薄っぺらいハムとコールスローみたいなキャベツ、辛子がピリっと効いてるものの、ちょっと甘めのマヨネーズが塗られた、どちらかと言えばサンドイッチっぽい味わいの唯一無二のイニシエ・パンでした。
なんでも作る当時に社内の誰も本物のホットドッグを知らず、おそらく犬が暑いんだからハアハア息しながら舌を出してるはずとなり、ハムを舌代わりにしたとか。
って、これが定番化したもんだから、久留米市民は長年、真のホットドッグを知らず、やがて知ったにしろ、もう一種のソウルフードと化してたそう。
ですが、灯台下暗しで特にジモティは慣れ親しみ過ぎたが故に遠のいたのか『キムラヤ』さんも市内各所にあった店舗を徐々に閉鎖、とうとう新宮町の『フランソア』さんに事業を譲渡することになりました。
不肖ワタシにしろ、最初に食べたのは21世紀になってからでしたが、かなり気に入ったものの、久留米なら道の駅でも売られてたんで有難みが薄れてたものの、いざ無くなると思うと最後に食べておきたかったんだけど、すでに何処にも売られてませんでした。
で、検索してみたら、どうも本社工場まで行かなくちゃいけないようだったんで向かってみましたが、そりゃ凄い人だかりで警備員さんが出てるほど。
となると、生来のヘタレなんで即.諦めちゃったですけどね。
ってまあ、上記の事業を受け継がれた『フランソア』さんでもホットドッグは勿論、メロンパンの元祖みたいな、もう一つの看板商品『まるあじ』も、どうやら作られるみたいだから、特に焦らなかったんだけど、結局あれから食べてないということは『キムラヤ』さんだからこそのホットドッグだったのかもしれません。
いや、もし『フランソア』さんに受け継がれたホットドッグが変わってたらブチギレちゃうでしょうからね。
無くなってから、そこまで好きだったことに気付かされた『キムラヤ』さんのホットドッグですが、別に同じような味じゃなくても、結局、追い求めてるのは昭和な味なことなんでしょう。
要は今回の個人的なサンドイッチ特集をするにあたり、同店『パン職人 ふだばや』さんに行きたくなったことで、我ながら痛感したってわけなんです。
同.食べログによるとちょうど2年前に行ってますが、再訪したくなったのは昭和な味わい、ご当地、山口県防府市のソウルフードだからで、要は久留米の『ホットドッグ』を想起させたからなんでしょうからね?
って、こちらは正統派のサンドイッチだし、具材も違うんだけど、要は昭和な匂いがプンプンするってわけです。
そんな同店『パン職人 ふだばや』さんは、防府駅南口を桑山へ真っ直ぐ進むと左手にあります。
やや奥まってますから、看板などを見逃さないようにしてください。
専用駐車場は写真のように6台ぐらいありますが、まさかの満車で1分近く待つ羽目になりました。
って、ようやく駐めて降りたら早くも2台空いてたし、購入して撮影許可を得たときには店内2〜3名でしたから助かりましたけどね。
結局、人気店っちゃ人気店なわけで、前回も書きましたが、サンドイッチは看板商品なだけに売り切れもありますから、なるべく午前中に行かれた方がいいでしょう。
女性従業員さんに訊いてみたら、お昼過ぎでも有るときには有るし、状況を鑑みて作ってるんだけど、むろん具材は限られてるから、まあ、午前中の方が少なくともラインナップは揃ってるはずとのことでした。
今回は平日の10時前に伺いましたが、写真のような売れ具合なんで、ご参考になればいいんですが。
そんな同店で購入したのは以下の3点で、今回は特集の関係上サンドイッチだらけです。
① ハムエッグ ¥432
② フルーツサンド ¥378
③ ハムサラダ ¥432
①は、相変わらず安定感ある美味しさだけど、以前と比べると少しだけ辛子が弱くなったような気がしました。
単なる気のせいでしょうか?
〝お子様用にしちゃったのかなあ?〟
といっても、あの水っぽいマヨネーズは健在なんで、回転寿司みたいに大人は辛子を足せばいいだけなんでしょうけどね。
ハムエッグとはいえ、別々になってるんで違った味も楽しめますが、やはり一緒に口に入れた方が個人的には好きかな。
②は、パンにもマーマレードみたいな酸味のある何かが配合されてるような感じで、中身はオレンジの切れ端と、ちょっと甘めな生クリーム、懐かしのバター・クリームっぽい乾きもある、食べたことのないようなサンドです。
とはいえ、これを果たしてフルーツ・サンドと言っていいのかミステリーなぐらいなんだけど、妙に乾いてるし、中身の甘さは昭和なんで、全体的にはイニシエっぽさを抜け出せてません。
すなわち、今で言う『エモい』サンドなのかもしれないから、面白いっちゃ面白いんだけどね。
③は、こちらはお相手がサラダ、ポテサラだからか、①よりもゴモっとした感じでしょうか。
ポテトの重さもあるから①より辛子を感じられ、となると逆の味覚も際立つから、後口としたら、ほんのり甘い。
ポテサラのザラザラした食感が適度なアクセントになり、面白い食感もあるんだけど、やっぱ総合的には①の方が好きかな?
こっちだと、より辛子を強くしないと味にキレが出ないのよね。
で、総括すると、同店には失礼ながらサンドイッチだけの方が評価を僅かに上げざるを得ないぐらいな、さすがに看板商品、防府市のソウルフードだけあり、美味しいサンドなことを再認識できました。
● 個人的 食べログ 評価点・・・3.6