平成2年の初夏にお袋、平成22年の冬に親父が旅立っている。
な訳で、お袋33回忌、親父13回忌の法要を合わせ技で執り行った。それで、山梨にやって来た。ま、これだけ年月を重ねてると、姿なき、久方ぶりのお誕生会みたいな気にはなっているが……。
な訳で、塩山館だ。まだ私が小学3年生、9歳の頃に親父が連れてきてくれた店だ。実は、その当時、親父は痔の手術で塩山館近くの病院に入院しており、塩山館を発見したのだ。で、もやしと肉炒めと餃子にハマり、以来、我が家の外食の先鋒店と相成ったのである。
な訳で、独り塩山館だ。実は、家族は皆、孫の希望で、近くの回転寿司に行っている……。オーダーは、親父のハマった、もやしと肉炒めと餃子、それにお袋の定番メニューだった、炒めそばにした。親父の定番はタンメンだった。我が家では、餃子、もやしと肉炒め、炒めそば、タンメンが四天王で、たま~に炒飯、ごく稀にラーメンだった。それ以外は食べた記憶がない。それは今も変わっていない。塩山館は、どのメニューもボリューミー。なので、今回はタンメンを諦めた。20代、30代の頃は、独りで四天王(餃子、もやしと肉炒め、タンメン、炒めそば)を制覇したこともあった。が、今は、餃子は人数分、もやしと肉炒めは1人前、麺類は3人で2人前で大満足ってな感じだ。
な訳で、お浄めのビールは無制限だ。最初の料理の到着に合わせてビールをお願いした。今日は、もやしと肉炒めが最初だった。たっぷり過ぎるもやしと大振り豚肉炒めと名前を変えた方がいいんじゃねぇ!? って程の一品に喰らいつき、ビールを呷る。唯々無心に食べるので、亡き両親を思い起こすことも無く、お浄めになってはいない!? そう思う。が、それでいいのだ。で、餃子だ。自家製のモチモチ皮の存在感に、野菜の旨味、甘味が堪らない! グイッとビールが心地いい。と、炒めそばがボリューミーにやってきた。焼きそばというと、うちは醤油ベースの炒めそばですからと、言われる、極太自家製麺の炒めそばなのだ。で、すべての品が自家製の辣油との相性がワンダフル! 数年前に1瓶800円で売り出してからは、我が家の常備品となっている。
な訳で、親父が痔で入院したお陰で、塩山館は親父の曽孫の代までハマり続けている店となっている。そのお付き合い年数は、半世紀以上となっているのだ。
腹は空いてなかったはずなのに!?
山梨に帰郷すると、必ずといっていい程、訪れる店がある。今回の帰郷でも、他店の昼食を誘われたが、お断りした。で、ビールを飲みたいが為に、山梨市駅から塩山駅まで十数年ぶりの鈍行で、目的の店に、独り向かったのだ。と、道中、あまりお腹は空いてないことに気が付いた。これは問題だ。で、頼むべきオーダーをシミュレーションしておかなければ……。
塩山館でのマイ・マスト・アイテムは、4品。餃子>もやし炒め>タンメン&炒めそばだ。本日は生ビール及び瓶ビールは必須マターなので5品目。手作りのもちもち皮が旨い餃子と、たっぷりもやし&ニラと、ガッツリ大振りの豚バラ肉をラードで炒め、醤油ベースで仕上げられた、シャキシャキ食感のもやし炒めは、即決した。問題は極太の自家製麺メニューを如何するか、だ。両品とも大量かつ豪快に中華鍋に放り込まれるキャベツ&もやしは感動もんである。仕上げられるプロセスを眺めてるだけで、ビールが旨い! 大量のキャベツ&もやしを塩味ベースのスープで煮込むタンメンにするか、ラードで丁寧に炒め、醤油ベースで仕上げられる炒めそばにするか……!? き、決められない! と、電車は止まり、駅から徒歩2分、塩山館に到着してしまった。ならば、入店して、ご主人が何を作っているかで決めることにした。タンメンと炒めそばは、ほぼほぼ交互に作られるからだ。たまに、チャーハンやもやし炒めが挟まれることもあるけれど。いざ入店。奥の厨房を注視した。い、炒めそばだった。
……。断っておくが、餃子は2人前だ。あまりにも考え過ぎて、多少お腹が空いてきたのだ。タンメンでは多過ぎるので、餃子を追加することにしたのだ。にしても、今どき1人前7個は嬉しい!
で、気が付いた。塩山館を利用してから、半世紀以上経つが、タンメンを頼まなかったのは、初めてだ。ま、こんな日もくるのさ。さて、本日は我が家の常備品、塩山館の自家製辣油も購入し、再び鈍行に乗った。
野菜という名のキャベツ&もやしが満載
塩山館……。振り返れば半世紀以上の付き合いだ。
醤油フレーバーの炒めそばと、塩味のタンメンに使用されるキャベツ&もやしの量は圧巻だ。是非ともカウンターで、これでもか! と放り込まれるキャベツ&もやしを体感して欲しい!
そして、まるで、うどんの如く極太な自家製麺がマイ・タイプ。餃子の皮も手作りでモチモチだ! 自家製辣油は、どのメニューもアップ・グレードしてくれる、魔法の油。近年、店で販売し始めたので、我が家の常備品となっている。
タンメンは3種類。タンメン、特製タンメン、あんかけタンメン。今回、初めてあんかけタンメンにチャレンジした。おかげで、タンメンの写真、撮り忘れてしまった!
振り返れば半世紀以上のお付き合い!
親父に連れていってもらったのが、10才の時。現在60もしっかり過ぎてしまった。が、今でも帰郷の度に暖簾をくぐる。幸い子供も孫までも喜んでくれるのだ。
湯麺(タンメン)、炒めそば、餃子、もやし炒めが、ここ半世紀、我が家の定番だ。
塩山館のタンメンと、醤油フレーバーの炒めそばを調理する際のキャベツ&もやしの量は圧巻! 是非ともカウンターに座って、これでもか! と放り込まれるキャベツ&もやしを体感して欲しい!
また、タンメン、炒めそばの麺は、まるでうどんの如く極太の自家製麺。食べ応え◎。餃子の皮ももちろん手作り。モチッとした食感が堪らない!
さらに、我が家で、魔法の調味料と呼んでいる、塩山館の手作り辣油は、辛みはもちろん、すべてのメニューを極旨に味変してくれる! 近年、店内で販売してくれている。当然、我が家の常備品となっている。
塩山館、親父さんも大分年を取ったが、まだまだ元気そう。出会った頃は、母親におんぶされていた息子たちが、今は鍋を振っている……。何となく感慨深い。
Restaurant name |
Enzan Kan Shoku Dou(Enzan Kan Shoku Dou)
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Categories | Ramen、Cafeteria |
0553-33-2020 |
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Reservation Availability |
Cannot be reserved |
Address |
山梨県甲州市塩山上於曽1719-13 |
Transportation |
149 meters from Enzan. |
Opening hours |
Business hours and holidays are subject to change, so please check with the restaurant before visiting. |
Budget |
~¥999 |
Budget(Aggregate of reviews) |
~¥999
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Method of payment |
Credit Cards Not Accepted Electronic money Not Accepted |
Private dining rooms |
not allowed |
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Private use |
OK |
Non-smoking/smoking |
No smoking at all tables |
Parking lot |
OK |
Space/facilities |
Counter |
Occasion |
Alone |With friends/colleagues This occasion is recommended by many people. |
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Location |
House restaurant |
久しぶりの帰郷、もちろん、所用はあるものの、気になるのは塩山館が営業中か、そうでないか、だ。早めに横浜を出発し、お墓参りを済ませると、13時過ぎ。営業中の確認は済ませたので、余裕で塩山館の駐車場に向かう。向かいながら、考えるのは、一人塩山館、メニューは如何するか、だ! 既に決定メニューは餃子ともやしと肉炒めである。で、メインの麺類のチョイスが悩ましいのだ。湯麺か、炒めそば、何方にするかで頭が痛いのである。で、結局、決められずに営業中の暖簾を潜ってしまった。テーブル席に着いて、暫くして、何にします? と注文を訊ねられた。餃子ともやしと肉炒め……。と、勢いよくカウンター席に座ったお客さんが、炒めそば大盛で2つと言い放った! で、反射的に湯麺! そう口走っていた。これは、長年の塩山館通いで身についた経験値がそうさせたのだ。
塩山館では、基本的に湯麺と炒めそばが同時に作られる事はない。鍋を振る料理人は2人いるが、麺を茹でる担当は1人、餃子も担当しているのだ。なので、カウンターに勢いよく座った2人連れの炒めそばが先に作られるならば、湯麺は後回しになる可能性が高い。そうなれば、先ずは、もやしと肉炒め&餃子で腹を満たし、〆の湯麺となるのではないか、そう瞬時に思ったのである。
大正解! 先ずは餃子、続いてもやしと肉炒めが着丼したのである。手作りの皮の餃子は、何とも言えずモチモチで、存在感があり、食べながら、2人前、イケたかも!? そう思ったりした。もやしと肉炒め、一見ボリューミーだが、ニラともやしである、サクッとシャキッと胃の腑に収まっていく。で、よく丁寧に炒められた、豚ばら肉の香ばしさと、豊潤な脂の旨味が堪らない! 餃子のタレや炒め物には自家製辣油が必須である。辛味と旨味、香ばしさがすべてをグレードアップしてくれる。ビールが飲めたら……そう思った。
ラストは湯麺! 餃子ともやしと肉炒めに比べると、決して味は強くない。が、優しい旨味と、程よい塩味ベースのスープは、超ほっこりさせてくれる! で、大量のキャベツともやしの存在感に負けていない! 極太の自家製麺! シミジミとした啜り応え、喰らい応えに嬉しくなってくる。湯麺は、スープを啜り、大量の野菜を食べつつ、極太麺を掘り起こし、麺を喰らうのだが、中盤戦以降は自家製辣油を加えて楽しむのがマイ・スタイル。終盤にはスープをなるべく飲み終えて、辣油の唐辛子部分を少し多めに加えて、混ぜそばが如く味わうのも、中々グッドなのだ。思い起こせば、若い頃は、当たり前のように、湯麺と炒めそばを食べていたのになぁと、懐かしく、己の年を感じてしまった。