伝説のお店の幻のとんちゃんを見事に復活させたこれぞ名古屋の名店の「はなれ」！(愛知県名古屋市中区大須) : Tonchanya Fuji Hanare

とんちゃんや ふじ はなれ
(愛知県名古屋市中区大須2-29-30)

名古屋の中心地となる栄・伏見のエリア

白川公園の横の若宮大通を南に渡り 大須観音のあるエリアに向かうと雰囲気が一変し 近代的な名古屋から 今も昔の名古屋らしい 下町風情溢れる街並みが残っている

大須観音と大須通の間の 大須商店街の南側にある 2018年(平成30年)に「とんちゃんや ふじ」の西隣りにオープンした「とんちゃんや ふじ はなれ」

昔 そのお店の近くの路地裏に 名古屋の食通の人に知られていた「おかちゃん」という とんちゃん屋があった(とんちゃん＝豚のホルモン)

六畳ほどの店内の床は土間で 冷暖房のない小さなお店は お世辞にもキレイとは言えず 名古屋版キタナシュラン最高峰の趣きだった(笑)

「おかちゃん」では 先ずお店に入る前に スーツならジャケット・ワイシャツ・ネクタイなどを脱ぎ捨てゴミ袋にいれ 下着姿で貴重品のみ持参し入店

店内に入ると煙モクモクで視界不良 2人での訪問なら他の客と七輪をシェアして食べるのが当たり前だった

換気扇はあったが あまりにも煙が凄まじく とんちゃんを焼いた唐辛子の混じった煙が目にしみるので 水中眼鏡をして食べている人を見かけたこともあった(爆笑)

そこまでして食べたい 訪問時の衣類はクリーニング必死と 決死の覚悟でお店を訪れてでも食べたい 絶品の名古屋名物とんちゃんだった

老夫婦で営まれていたが 1990年代の後半にご高齢と体調不良のため 「おかちゃん」は多くのファンに惜しまれながら閉店したと同時に 伝説のとんちゃん屋として名を残した

その当時に近所で喫茶店を営んでいたのが「ふじ」

その店主も「おかちゃん」のとんちゃんをこよなく愛し 食べられなくなるのを惜しみ 顔馴染みだった おかちゃんのご夫妻に伝説の味を引き継ぎたいと懇願

レシピなどのノウハウを伝授され おかちゃん閉店から約1年半後の2001年頃 喫茶店から業態転換し「とんちゃんや ふじ」としてスタートをした

私が おかちゃんの閉店を知ったのは数年後 そして ふじがその味を引き継いで営業してると知ったのも その数年後で その時の悲しみと喜びを今でもよく覚えている

それから「とんちゃんや ふじ」には何度か訪れたが 週末などは満席で入れないこともあった

そんな混雑解消 店舗拡大の意味でオープンしたのが「とんちゃんや ふじ はなれ」という訳だ

なんこつ 450円
心臓 450円
とんちゃん塩味 300円
キュウリ(ハーフサイズ)200円

名古屋とんちゃん＝豚ホルモン

焼肉屋ではホルモン＝牛ホルモンの場合が大半だが 名古屋エリアでは豚のホルモンもよく食べられているので 名古屋の焼肉屋では 牛と豚の両方を提供しているお店も多く 牛ホルモン・豚ホルモンなどとメニューに表記して差別化している場合も多い

先ずは塩系でオススメの なんこつ・心臓(ハツ)を焼く

塩と共にタップリ振りかけられた胡椒が 下町のB級グルメ感をより演出している(笑)

心臓はサッパリしていて 新鮮さが故の食感と共に ハツの旨みが口一杯に広がり 全くクセを感じない

私の塩系のイチオシがナンコツで ナンコツの周りに肉の付いた筒状での提供は珍しい

コリコリ食感とナンコツ周辺のお肉のハーモニーが絶妙で ふじに訪れたら是非注文してもらいたいオススメの一皿

とんちゃんはいつも味噌味を食べるが 今回は塩味も注文してみた

こちらも最初から塩胡椒で味付けされていて 塩味なので少しホルモンのクセがあるのかと思いきや心配御無用

ホルモンが新鮮なので 塩のシンプルな味付けによりホルモンの甘みをより引き立てているではありませんか！

今度からホルモン塩味も注文の選択肢に入れることにしよう

これらのお肉と一緒に食べたいのが いや絶対注文しないといけないマストアイテムが きゅうりの漬物

こちらもレジェンドおかちゃんからの継承メニューで キュウリをぬかで浅漬けして 醤油をかけて提供される

サッパリしていて とんちゃんとの相性抜群 メニューにはないハーフサイズもあるので お代わりの時などに重宝する


とんちゃん味噌味 300円
ご飯 小 200円
みそ汁 200円

名古屋とんちゃんの醍醐味である味噌味とんちゃんのお出まし

小皿での提供も名古屋とんちゃんらしさ

これで300円なのでCPにも優れている

網の上に乗せて コロコロと廻すように焼いていくのも おかちゃんから伝わる昔ながらの伝統手法(笑)

焼き上がった味噌味とんちゃんを一口

旨い 旨すぎる！と思うと同時に頰っぺたが落ちたことは言うまでもない(笑)

豚のホルモンに特製の味噌ダレが加わることにより最強コンビが完成しご飯にとても合う

次に特製の唐辛子を別皿に取りこれに付けて食べると 味噌との相性が抜群で箸もご飯も止まらない

この唐辛子はキュウリの漬物にも合うのでお試しあれ

新鮮なホルモン 味噌が焼ける香ばしい香り そして煙がモクモク…これぞ名古屋とんちゃんを久々に満喫しながら 最後は赤味噌の味噌汁でとんちゃん&ご飯を流し込んだ


あとがき…

名古屋の伝説とんちゃんに舌鼓

お店の人に教えてもらい 以前おかちゃんのあった場所に行ってみたら 当然お店のあった建物は取り壊され 民家になっていたけど 路地には昔の面影が少し残っていた

私が ふじの前身となる「おかちゃん」に最初に訪問したのは もうかれこれ20年以上も前のこと

当時幼馴染みの親友2人が たまたま別々の会社で名古屋支店に勤務していた時に連れていってもらったのが始まり

その旨さと名古屋ならではのディープさにドハマりし度々訪れた

とんちゃんの後 独り暮らしの友達宅に泊まり飲み明かした記憶も蘇る

その後私はサラリーマン時代に部下を連れていったり知人などに教えたりしたが 見事に全員から大好評で それぞれがリピーターになった

親友2人は転勤族なので その後本社の東京を中心に全国を転々したが 数年後に偶然にも若くして2人共に 別々の大企業で「名古屋支店長」に出世

そのうちの1人は高級車の運転手付きと大出世を果たし 毎日料亭などで高級なものばかり食べていたのが祟り軽い通風になった(笑)

その2人に以前連絡して「おかちゃんが無くなった…ふじと言うお店がレシピを引き継ぎ営業しているよ…」と伝えると2人共「マジ？絶対行くよ！」と即答

しかしながら 何度かトライしたものの いつも満員の高い壁にぶつかっている様子だった

私が再度「名古屋にいる間に行かないと一生後悔するぞ…」と脅しをかけたら即訪問したようだった

運転手付きの高級車でお店に横付けして 庶民のとんちゃんを食べる大企業の支店長

そんな 滑稽ながら微笑ましい光景を想像しながら お店を後にしたのだった(大笑)

ご馳走さまでした！


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