確かに良い店です。 : Mominoki Tei

　ホテルに併設されているレストランです。興味はあったものの、今までなかなかお伺いする機会がありませんでした。今回、仕事帰りに時間ができましたので、お電話を一本入れてからお邪魔してみました。

　ちょっと判りにくい（レストラン利用者用以外に「宿泊者専用スペース」などもありますので）駐車場に車を停め、玄関に向かいます。少し暗くなった時刻でしたが、お店の入り口は落ち着いた良い雰囲気をかもし出しています。敷地に入り、ドアを開けると予想外にハツラツとした声の挨拶が聞こえてきました。拝見したところカウンターや個室もあるようでしたが、今回は奥のテーブルスペースに通されます。靴を脱いで、落ち着いたダークカラーの板張りの広い室内に入ります。太い梁を生かした内装は日本的ながら、飾られている油絵の印象もあってかモダンな雰囲気も感じさせる空間になってます。そこに、大き目のテーブルと椅子が４人用×８卓。そのうちの一つに通されます。

　メニューを拝見しますと単品料理にも美味しそうなものがございましたが、今回はコース料理をお願いしました。個人的に非常に残念だったのが、今回私が車でお伺いしたこと。飲み物のメニューには、美味しそうなワインやら日本酒やらがいっぱい（笑）。でも、さすがにここから運転代行で盛岡まで帰るわけにもゆかず（笑）、ウーロン茶を飲みながらお料理をいただく事とします。
　先ず最初に、前菜として「比内地鶏のゼリー寄せ」が出てまいりました。そのままでもまろやかで美味しいものですが、バルサミコソースをちょっと絡めていただくと味に奥行きが出ます。次が「南瓜の冷製スープ」。カボチャのポタージュスープですが、ジュンサイとトンブリが食感に変化を与えており、面白くいただけます。スープと一緒に「自家製パン」が出てきました。ヴァンダンジュさんのフォカッチャよりは密度感はありませんが、少しモッチリとした食感の美味しいパンです。パスタは、「稲庭うどんのパスタ仕立て、塩魚汁風味」。名前からは和風を想像しますが、ガーリックオイルの香りのために食感は洋風という面白いもの。サッパリといただけます。今日の魚料理は、「若鮎のムニエル　ケッカーソース」。愛知産の鮎はあまり癖の無いもので、薄めの味付けでも美味しくいただけます。ただし、（当然ながら）小骨が多く、食べるのはちょっと手間でした（笑）。一方肉料理は、「錦和牛のステーキ　ソイソール添え」。柔らかく、脂の甘みのある霜降り肉と、醤油を粉状にしたというソイソールが良く合います。また、このお肉、ジューシーなためにパンにも大変良く合いました。最後にドルチェとコーヒー（これは紅茶も選べます）で、締め。
　総じて美味しく、価格を考えると質、量のバランスも取れている点、感心いたしました。しかし、贅沢なものでこれほどバランスが完璧に取れていると、逆にそれを崩すような何か（それは、豪快さであったり、予想を覆す素材や味付けであったり）が欲しくなってしまったりもいたします。また、個人的にはもう少し量を楽しみたかったのもまた事実。
　次回は是非、車の心配をせずに、単品料理を組み合わせて美味しいお酒と楽しんでみたいと思います。