越前海岸のひなびた旅館で越前がにに舌鼓！ : Minshuku Araya

●越前海岸の中でも、最も「陸の孤島」に近い茂原集落にある料理旅館。
●館内は、1階が食事用の座敷や男風呂など。
2階は客室(8室)と女風呂。

＜料理・味＞
●春~秋の通常時は2食付きで一泊9000円(税別、以下同様)から。
冷凍ものだがズワイガニの足が数本付く。
●しかし何といっても冬の時期は越前がにを堪能したい。
3種類あるが、蟹だけを集中的に楽しみたいなら「越前カニ刺しコース(22000円)」がいい。
越前がに(タグ付き)のゆでガニが一杯と、カニ刺し(1/4杯)、焼き蟹(1/4半杯)、かにみそ、カニ酢、カニ鍋(半杯)で構成される。
要するに一人あたり2杯の越前がにを味わうことになるのである。
最後は、カニ雑炊で〆る。
●朝は、四季を通じて大きな変化はない。
焼魚(この日は焼き鰈)、目玉焼き、カニ茶碗蒸し、小鉢、海苔、梅干に、お味噌汁とご飯が付く。
●酒はビール(スーパードライ)の大瓶が700円。
日本酒の熱燗は1合500円(銘柄は忘れました。あしからず…)。

＜雰囲気＞
●越前海岸は、北は東尋坊、南は敦賀湾に至る70km以上にわたる海岸。
この沿岸には、数知れない宿泊施設があり、そのほとんどが冬になればズワイガニ(越前がに)の料理旅館となり、競争が激しい。
●また、ズワイガニは、これまで福井近海では越前がに、山陰地方では松葉がにが二大ブランドと呼ばれていたが、近年は、丹後半島の間人(たいざ)で水揚げされる間人ガニ、石川県の橋立(はしたて)漁港などで水揚げされる加能ガニなど様々なブランドガニが氾濫し、地域間のブランド力競争に発展している。
●この宿に至る途中の国道沿いでも、廃墟となった料理旅館をいくつか見かけ、越前ブランドだけで生き残っていく難しさを露呈している。
●宿がある茂原集落は地域外からのアクセス面においては最も不利な立地である。
越前海岸の北部沿岸は、福井駅からのアクセスが便利で、場所によっては温泉などの資源を集客に活用している。
南部沿岸は敦賀市から近く、関西や中京圏からの表玄関になっている。
●茂原地区をはじめとする越前海岸中央地区は、道路こそ近年になって整備が整ったものの、北からも南からも、そして内陸からも相当な時間を要し、多忙で効率性を求める現代人には遠慮されがちな一帯だが、それゆえに、観光ずれしないひなびた漁港の雰囲気を今も残し、これが他地域との大きな差別化要因となっていて高評価に繋がっている。
●とはいえ、公共交通機関によるアクセスは、他地域と比べると難度が極めて高いことから、初心者に限らず自家用車あるいはレンタカーで訪れるのが無難といえよう。