2回目の旅
またSynさんの旅に出かけました。詳細なレビューについては今回は割愛させて頂きます。
前回と所々メニューが変わりながらも、コンソメスープやフィンガーフードの3種、フォアブレスト、生胡椒のアイスクリームは今回も健在。
準メインの野菜はアスパラガスに。北海道ジェットファームのアスパラガスは素材の良さが光っていました。ソースも非常に美味です。
ご飯は今回は昔話盛り(一番の大盛り)を注文し、たっぷり頂けました。今後もこの量一択ですね!笑
デザートはビターな一皿に。芸術品のような見映えは食べるのをついためらってしまいますね
まあ伺うのを楽しみにしています。
旅するSyn体験
閑静な住宅街の草香江に2023年6月8日にオープンされた『Syn』さん。地下鉄七隈線六本松駅から徒歩圏内の立地でパッと入り口は分かりづらいところですが、それが隠れ家感を演出していました。無駄なものを削いだシンプルなSynの文字の表札から、店のデザイン感を感じます。
細道を通って玄関に向かいますが、1階はデッドスペースを有効利用した前室のような扱いで、エレベーターで4階に上がります。流木が取手になったスライド式の扉を開けると、そこにはまるでステージのような扇形のカウンターとオープンキッチンの構成になっていました。
客席のライトも敢えて一体感が出るようなものにしていて、客同士が一緒のツアーに参加しているような旅の道連れ感を演出しているそうです。全ての席から作っている工程が見え、このライブ感がまた良かったです。
こちらのオーナーシェフの大野氏は30代前半とまだ若いですが、食のハーバードと言われるCIAを卒業した後に各国の星付きレストランで修行され、またフーディーとして日本を含め世界各国のお店で食べ歩いた経験値が計り知れません。RED U-35のファイナリストとしても有名です。
「旅」をコンセプトにしたお店で、メニュー表もシェフ自身が経験した記憶からイメージした座標や年号が記載されていて、独創性に溢れていました。
お酒の一杯目はクラフトビールから、うちゅうブルーイングのMOMENTと希少なものを注文しました。ホップを通常の2倍用いているとのことですが、苦味がやたらに強いわけではなく、むしろグレープフルーツのような柑橘の爽やかさを感じる一杯でした。入れ方も重要なビールで、シェフ自ら入れてくださいました。微炭酸の感じも美味でした。
●トリプルコンソメスープ
鴨のコンソメで雉のコンソメをとった超コンソメスープ。雉は愛媛鬼北で育てられているものでした。
大きな壺にたっぷり入ったスープは非常にクリアで、香りもたまりませんでした。壺で長時間かけて蒸し上げていることで対流が起きないためアクや脂が出ずクリアなスープになるそうで、作るのに5日間もかかる力作とのことでした。
香りを味わうため敢えてレンゲは用いず、器を手にとって飲むスタイルで、雑味が無く旨みだけを味わうスープになっていました。香り付けにスペインのシェリー酒も用いられているそうです。
●フィンガーフード3種
・スモーブロー
挟まないオープンなサンドイッチで、ライ麦を用いたパンに発酵させたキャベツや豚バラのコンフィが載せてありました。キャベツのパリパリとした食感とコンフィの強い旨みが印象的でした。
・うずらの卵の一品
カダイフで鳥の巣を模してあり、その上に野菜のマリネ、うずらの卵で構成されていました。様々な食感を楽しみながら、うずらの卵の美味しさを感じます。
・ビーツのタルト
さっぱりとしたビーツの味にタルト生地のしっかりした食感がありました。間に挟まれた燻製クリームが口の中で遅れて広がってきて、さっぱりしつつも時間差で深みを感じる工夫がされていました。
●フォアブレスト
パリブレストを元にフォアグラのクリームとピスタチオで仕上げたフォアブレスト。童心に帰った気持ちで手で頂くスタイルの料理。見映えもすごくきれいで、手で頂くのが斬新でした。お菓子のような一品でありつつ、食べごたえがありました。フォアグラの濃厚な味わいとバランスのとれた酸味のあるクリーム、ピスタチオの食感が最初から最後まで美味しく頂けました。
●ラビオリ
絶品のラビオリ。スプーンで真ん中を割ると閉じ込めてある卵黄が溢れ出てきて、更に食がそそられます。中には鴨肉で構成されていて、旨みを感じます。ラビオリの生地もとても美味しく、感動の一品でした。
●生胡椒のアイスクリーム
衝撃を覚えたアイスクリームで、まずは一口だけ頂くことをおすすめされました。お口直しでなく、お口壊しとシェフが表現されたのも納得の、正体は生胡椒のアイスクリームでした。そこにアーモンドのムースがかかることでまろやかさを生み出しつつ、生胡椒のシナモンのような豊かな香りとトウガラシのような一瞬の刺激が組み合わさり、今までに無い新体験のアイスクリームでした。食べれば食べるほど食欲が増していく不思議さもありました。
●レタスの炭火焼き
Synさんではメインの肉の前に魚料理ではなく、野菜を提供することをテーマとしており、今回はレタスの炭火焼きでした。ソースはしじみのソースで、しじみの旨みを凝縮した塩味も良いソースでした。
レタスは炭火焼きで火がよく通ったところと比較的食感の残る部分があり、それぞれの美味しさがあり、ソースとの相性も良かったです。食べごたえが十分にある料理でした。
●はなが牛のリブロース
メインは愛媛のはなが牛。正直、初めて聞いたブランドでした。はなが牛自体が熟成肉のブランドのようで、それを乳牛のバターを塗って更に熟成させているようでした。
ロッシーニのイメージではありますが、フォアグラではなく、牛の脂を載せてありました。
脂の美味しさを感じながら、熟成肉ならではの深みをいっぱいに感じます。
●ラーブ
ラオス料理のラーブ。先ほどのはなが牛で使わない部分をその場でミンチにして仕上げた肉サラダで、ピリッとした辛みと酸味のある味付けで、ミントやライムの爽涼感もありました。エスニックな味付けで、面白い切り口の肉料理でした。
●アスパラガスご飯と大トロの生ハム
バターもオイルも使用せず、最初の雉のコンソメを用いて土鍋で炊いたご飯にアスパラガスのピューレを合わせたアスパラガスご飯。リゾットというよりはおじやに近い作り方のようです。最後にこれまた珍しい自家製の大トロの生ハムをスライスして、ご飯の熱で溶かしながら完成します。
優しいコンソメの味が染み込んだご飯に、シャキッとした食感のアスパラガスが良いアクセントになっており、生ハムの塩味とほんのりしたマグロの香りが食べたことのない一品に仕上がっていました。
ご飯の量は少なめ、普通盛り、大盛り、昔話盛りの4種類の量から選べ、今回は大盛りを選びました。昔話盛りのネーミングが印象的で、大盛りもペロっと頂けたので、次回は昔話盛りにしようと思います笑
●パフェオレ
ミルクをテーマにしたデザートで、一番上にオーム乳業の35%の生クリームが載せてありました。羽型のチョコも1枚1枚手作りのようで、芸術品を頂いているような感覚です。
上品な生クリームにミルク感、滑らかさを感じます。中にヨーグルトのグラニテ、くるみを生姜でコーティングしたもの、ミルクのアイスと盛り沢山で、絶品の一言。今まで食べたデザートの中でもトップクラスでした。
最後のお茶菓子は、シェフこだわりのBARのような空間に移動して頂きます。シェフが各地で集めてきた本やお酒等々、遊び心もありつつこだわりも感じさせます。
終始、旅をテーマとした料理の数々や表現、こだわりを感じ、空間含めてSyn体験でした。
今後も楽しみになるお店です。
점포명 |
Syn(Syn)
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장르 | 프렌치 |
예약・문의하기 |
092-710-0152 |
예약 가능 여부 |
완전 예약제
営業中のお電話はつながりにくい事がありますのでご了承下さい。 |
주소 |
福岡県福岡市中央区草香江1-5-22 大濠ガーデンBFビル 4F |
교통수단 |
福岡市営地下鉄七隈線六本松駅から徒歩5分 롯폰마쓰 역에서 478 미터 |
영업시간 |
영업시간과 휴무일은 변경될 수 있으니, 방문하기 전에 식당에 확인하시기 바랍니다. |
예산 |
¥20,000~¥29,999 |
예산(리뷰 집계) |
¥40,000~¥49,999
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지불 방법 |
카드 가능 (AMEX、VISA、Master、JCB、Diners) 전자 화폐 불가 QR코드 결제 불가 |
서비스료 / 차치 |
サービス料10% |
좌석 수 |
8 Seats ( カウンター8席) |
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개별룸 |
가능 6인 가능 |
카시키리(기간을 정하여 빌려줌) |
가능 |
금연・흡연 |
완전 금연 |
주차장 |
가능 2台(予約時要確認) |
공간 및 설비 |
세련된 공간,차분한 공간,카운터석 있음 |
음료 |
일본 청주(사케) 있음,외인이 있음,일본 청주(사케)에 고집,엄선된 와인 |
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이럴 때 추천 |
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아이동반 |
16歳以上、大人と同じ食事ができる人 |
드레스코드 |
香水・短パン・サンダルでのご来店はご遠慮願います |
오픈일 |
2023.6.8 |
비고 |
写真・動画撮影は料理のみでお願いしております |
新年初、5回目の食の旅へ。
今回のコース
○コンソメスープ
Synさんの一品目と言えばこれ。天草大王、和歌山の鴨、愛媛の雉を用いたトリプルコンソメスープ。
季節ごとに割合を変えながら作られているこだわりです。
コンソメ単体での味の奥行き、香りの幅の広さには驚きの一品です。
最後にシェリー酒をふりかけて完成になりますが、温度が高い時はその香りを纏ったコンソメがアロマのようにふんわりと感じ、飲み進めていくと旨みが広がっていきます。
○前菜3種
・スモーブロー
古代麦を使ったパンの上に発酵させたキャベツとリンゴ、豚のコンフィ、キャベツのチップスを載せた一品。
こちらも定番のメニューでありますが、毎度美味しいフィンガーフードです。
豚のコンフィの肉の旨みが効いていて、リンゴの甘さ、キャベツのチップスの野菜らしい甘さがそれぞれが美味しさとして感じられます。温度感も素晴らしかったです。
・シカゴピザ
写真を撮り忘れてしまいましたが、一口サイズのシカゴピザです。中にミニトマトで作ったソースを入れてあり、上から北海道のラクレットチーズがかけてありました。
チーズの香りが食欲を掻き立て、中のソースのジューシーさを感じました。
・イワシのタルト
タルト生地の上には、島らっきょうを千切りにしたものとキュウリを和えたものを土台に、イワシのマリネを載せてあります。
脂が乗ったイワシは大変美味しく、島らっきょうやキュウリのシャキシャキ感も美味でした。
○りんご
手作りでりんごの形に成形されたスペシャリテ。芸術作品のようです。
芯はチョコレートで出来ており、中にフォアグラ。仕上げに青りんごのグラニテ。
北海道の白大福豆と国産のてんさい糖、オーストラリアの川の塩で炊いて、裏ごしして作った白餡の中にフォアグラを詰めて作ってありました。
フォアグラと白餡のそれぞれの異なった甘さが相乗効果的に美味しく感じられ、フォアグラのとろけるような食感も際立ちます。全体的な塩味も美味しく感じられるちょうど良い塩梅で、見た目だけでなく味も完成された一品です。
○久留米の馬肉のタルタル
一度も冷凍せず生の状態で頂ける馬肉のタルタル。その場で細く切り、バラと内ももの2つの部位をミックスして頂きます。
野菜をトルティーヤの生地に見立て、野菜で馬肉のタルタルを包んで頂く面白い食べ方でした。
馬肉そのものの旨みとパンチ力を味わってほしいとのことで敢えてサラダは味付けされていませんでした。
馬肉自体ヘルシーなお肉ですが、それを野菜で頂くことで罪悪感無しの料理でした。
馬肉の柔らかい肉質がサラダの食感で引き立てられ、旨みも感じやすかったです。
○佐賀県太良町の牡蠣のフラン
40個の牡蠣を使ったフランは、まるで牡蠣のピューレを頂いているかのような濃厚さです。牡蠣の旨みが凝縮しており、フランの甘さも大変美味しく感じます。
上に牡蠣も丸々1個載せてあります。
○カンボジアの生胡椒のアイス
こちらもSynさんの定番メニューである、お口直しならぬお口壊し笑です。
これほどスパイシーなアイスはなかなか無いでしょう。
行くたびに求めてしまう一品です。
○百合根のムニエル
北海道ニセコ産の熟成させた百合根をムニエルで。
ムニエルのソースにスライスしたヘーゼルナッツとヘーゼルナッツで作ったフロランタンを溶かし込んで百合根にかけてありました。
百合根の下にはローストした昆布のオイルで旨みが一段と効かせてありました。
百合根のホクホク感と美味しい甘みに、ローストしたあま香ばしさもふんわりと口に広がります。ソースとの相性も抜群で、百合根の美味しさをこの上なく感じられる一品に仕上がっていました。
○ホルスタインのロースト
同じ環境、餌で育ち、熟成期間で、同じホルスタインですが、元々の性格が異なっているそうで、その食べ比べになります。
食欲旺盛だった牛はワイルド感のある肉質で、おとなしめな方は柔らかさを感じる肉質でした。
焼き加減も非常に良く、どちらも肉の旨みをしっかり感じられました。
ソースは羊と鴨と牛のジュで、シェリー酒で仕上げ、お肉の骨で最後に香り付けされています。
この食べ比べのアイディアもとても面白いです。
○ラープ
こちらも定番のラープ。先程のホルスタインの骨周りのお肉を細かく切り、キュウリともやしとにんにくチップス、ミントで和えたサラダです。酸味が効いており、肉をさっぱり頂けます。
野菜のシャキシャキ感やにんにくのパリッとした食感などのアクセントが大変効いています。
ミントが入っているんですが、意外と違和感無く野菜の一つのように頂ける絶妙なバランスです。
○最初のコンソメで炊いたおじや
コンソメの旨みが染みまくったおじや。
マグロのハムのとろける食感と、コンソメと違った旨み、塩味が更にこのおじやの美味しさのレベルを上げています。
すいすい進む〆ですね。
○カフェオレのアイスクリーム
星の形をしたカフェオレのアイスクリーム。
シーズン毎にフレーバーを変えていて、中はキンキンに冷えていました。
外のチョコのパリッとした食感も良いですが、一緒にコーヒーと頂いたときの溶けたチョコレートもまた変化があって美味しかったです。
○いちごの焼き立てミルフィーユ
感動のデザートでした。
これを食べに行きたいと思える一品で、ここまでのクオリティに仕上げるのがさすが「Syn」さんだなと思いました。
作っている過程で視覚的、嗅覚的に刺激され、期待値が高まっていきます。
シンプルな構成ですが、だからこその一つ一つの食材、作り方にこだわりがあり、研ぎ澄まされた至高のミルフィーユでした。
○お茶菓子
きれいなお茶菓子3種。いつものタルトシトロンも健在です。
今回も一品一品のレベルが高く、どんどんクオリティが上がってきている気がします。
今後も通い続けたい、楽しみなお店の一つです。